■フローラント版ゲームデータ
サイズ:中型。
能力値修正:【耐久力】−2、【判断力】+2。
移動速度:30フィート。
視覚:夜目。
照明の「薄暗い範囲」が2倍となる。「明るい範囲」までは2倍にならない。
技能ボーナス:〈聞き耳〉〈捜索〉〈視認〉+2種族ボーナス。
特性:(心術)系呪文・効果に対するセーヴに+2種族ボーナス。
武器習熟:ロングソード、レイピア、ロングボウ、ショートボウを単純武器として《習熟》《熟練》できる。
魔導適性:呪文の種類を識別する際の〈呪文学〉、呪文抵抗を突破する際の術者レベルに+1種族ボーナス。
言語:出身地に依るが、街ティスリは基本的には共通語(大陸語)、森ティスリはティスリ語。
種族代替特徴:上述した四つの武器への《習熟》優遇を得ない代わりに、技能ポイント+3。
■マスターズ・コメント
D&Dのエルフと言えばかつては魔法戦士の代名詞であり、バスタードでもロードス島戦記でも活躍していたわけだが。
3.5版のエルフは魔法戦士どころかウィザードに向いてない……というか、冒険者に向いていない。【耐久力】を削ってまで【敏捷力】が上がっても、まったく釣り合わないのだ。貰える武器習熟はそもそも魔法戦士やるなら前衛クラスとマルチするんで無意味だし、魔法が得意な種族的特徴も全然無い。どうしようもない。
TRPG部のレギュレーションは能力値がインフレしているんで、【耐久力】の低下は誤差みたいなもんだが、それにしたって「長所に魅力が乏しい」のは否めない。
そんなわけでフローラントのエルフことティスリは主に【判断力】で呪文を使う精霊使い系への適性を伸ばすべく強化。ティスリ社会は精霊信仰ばっかじゃないので、聖職者も普通にいる。軍用武器への習熟も精霊使いや神官・聖堂士では得られないので、これまた有り難い。更に呪文関係の能力も少し強化。
その代償として、ゲーム的過ぎて違和感のあった隠し扉の感知能力や、「D&Dのエルフは眠らない」ことに起因していた睡眠効果への完全耐性を失った。フローラントのティスリは普通に眠る。
●ダーク・ティスリ

ダーク・ティスリとは、ティスリと同じ長命の血脈を持ちながら、地上ではなく地下世界を本来の居場所とする種族であり、遥かな時を経て地下の環境へ適応してきた種族である。彼らの暮らしは洞窟と陰影に満ちた世界に根ざし、地上で暮らすとしても深い森の奥や厚い屋根に守られた市街地の内部など、陽光が瞳にも触れない場所に限られる。突然の光は彼らの視覚を容赦なく奪い、闇に最適化された感覚は太陽のもとでは痛みに似た混乱を招くため、彼らにとって光は祝福ではなく脅威として扱われることが多い。故に地上での暮らしは、慎重に選ばれた日陰の街路や建物の中に限られ、光を遮るという行為そのものが、彼らの生活文化の中に深く組み込まれている。
その外見はティスリと同じく美麗でありながら、地下の静謐を宿したような独特の冷ややかさが漂っている。成長や寿命はティスリとほぼ同様であり、数世紀にわたって壮健な姿を保つ。だが肉体の傾向はティスリと同じではなく、ティスリがしばしば理知的な聡明さを象徴するとされるのに対し、ダーク・ティスリはそうした性向の偏りを持たない。むしろ地下の環境が求めるものは知識よりも生存術であり、狭く死角の多い洞窟では一瞬の判断と反射のほうが重要である。彼らの身体はフロウと同程度の強さしか持たないにもかかわらず、あらゆる魔力に対して驚くほど高い抵抗力を示す。この強靭な生来の抗魔障壁は、地下に生息する奇怪な魔物――錯覚、精神撹乱、擬態、幻惑を操るものたち――との長い共存が育んだ適応であり、肉体以上に魂そのものが鍛え上げられていった結果だと言われている。この魔力への耐性こそが、彼らを強力な戦士たらしめている。
また、闇に依存する彼らの生活は、視覚に頼らぬ感覚の発達を促した。洞窟は常に死角があり、物音は反響し、空気は複雑に流れ、光では判別できない危険が潜む。ゆえにダーク・ティスリの警戒心は強いが、それは猜疑心からではなく、生き延びるための本能的な姿勢である。目に見えるものよりも、匂い、気配、音、そして説明のつかぬ“感性”を重視する。彼らはしばしば「波長が合う相手」を瞬時に見抜き、それを深い信頼へと昇華させる。この感覚は理屈を超えた領域に属し、出会った瞬間に心が惹かれ合う“電撃的な確信”すら伴うため、ダーク・ティスリの恋愛には一目惚れが非常に多いと伝えられている。
とはいえ、彼らは閉鎖的な種族ではない。冒険心が強く、地下を離れて地上の世界へと踏み出す者も少なくない。都市において彼らは「珍しい」と見なされるが、「滅多に見ない」というほどではなく、ときおり旅人や傭兵、研究者として姿を見せる。性格は中庸であり、好戦的でも平和至上主義でもなく、生きるために必要とあれば戦いにも赴くし、必要がなければ静かに暮らすこともできる。彼らを単純な気質で語ることは不可能であり、その多様さは長命種としての深い歴史に裏打ちされている。

地下世界では、彼らはしばしば侵略的な外征を行う。これは領土欲というよりも、生存圏と食糧源の確保を目的とした、地上国家の戦略に似た合理的行動である。地上の人類とは、古くから地下防衛の同盟者として共闘してきた歴史があり、とりわけダーク・キゲインと並んで地下の要衝を守る重要な戦力として認識されている。人類側とつながりを持つ者たちは、その魔導文明に深い興味を抱き、魔力と技術の融合がもたらす恩恵を高く評価している。
しかし、彼らの大多数がどちらの陣営に属するかといえば、やはりティスリと同様に竜側につく者のほうが多い。竜の権威は地下世界に深く影を落とし、彼らの文化や歴史に影響を与えてきた。強き存在に従うことは、洞窟に根ざした生存の論理とも相性が良いのだ。それでも人類側を選ぶ者が多く存在するのは、彼らが実利を重んじる種族でもあるからだ。自らに益をもたらす相手であれば、種族の違いを理由に拒むことはない。人類の都市に暮らすダーク・ティスリは、街ティスリと同様に、人類社会の一角を担う住民として受け入れられ、主要種族とまでは言えないにせよ、確かな存在感をもって“人類種”の一員として数えられている。
光を嫌い、闇を住処としながらも、彼らは閉ざされた者ではない。洞窟の静寂に育てられた鋭い感性と、魔力すら弾き返す精神の堅牢さを備え、仲間との絆を深い情として昇華させる不思議な心を持つ。その生き方は、闇に生まれながらも闇そのものに囚われず、地上と地下の境界を越えて揺れ動く。ダーク・ティスリとは、闇の民でありながら世界の広がりを恐れぬ者たち――地上と地下の双方から信頼と警戒を注がれる、静かにして強靱な民族なのである。
| 成年 |
中年 |
老年 |
寿命 |
| 20 |
350 |
450 |
500 |
一般的な身長・体重の範囲
■フローラント版ゲームデータ
サイズ:中型。
移動速度:30フィート。
視覚:暗視120フィート。
技能ボーナス:〈隠れ身〉〈聞き耳〉〈忍び足〉+2種族ボーナス。
防御特性:呪文抵抗11+キャラクター・レベル。
標準アクションでオンオフ可能。
武器習熟:ロングソード、レイピア、ロングボウ、ハンド・クロスボウを単純武器として《習熟》《熟練》できる。
光による盲目化:明るい光(太陽光とかデイライトの呪文とか)に突然晒されたダーク・ティスリは、1ラウンドの間[盲目]状態になる。これに加えて、明るい光にさらされている最中、ダーク・ティスリは、すべての攻撃ロール、セーヴ、判定に-1の状況ペナルティを受ける。
言語:出身地によるが、基本的にはティスリ語。
種族代替特徴:上述した四つの武器への《習熟》優遇を得ない代わりに、技能ポイント+3。
■マスターズ・コメント
地上で冒険するダーク・ティスリは適応特技や環境適応呪文が存在するよ。魔法のサングラスとかもあるしね。
ってわけで別にD&D公式のダークエルフのように種族レベルで超絶邪悪で好戦的で四六時中侵略することと内ゲバのことしか考えてないヤベー種族ではなく、「地下世界のフロウ」とでも言うべき存在です。
最大の特長はその生来備えた呪文抵抗能力。これはマジで強い。凄く強い。仲間の呪文まで弾き飛ばすので扱いに注意が必要だが、能動的にオンオフ可能だし、既にかかってるバフを引き剥がしたりとかはしない。
プレイの歴史としては敵味方どちら側でも登場しており、恐るべき敵だったり、気の良いナイスガイなウトラス君だったりと、人それぞれである。
●蘇生と埋葬

フローラントにおける埋葬は、単なる形式ではなく、魂を神へ送る正式な儀式である。
この儀式によって魂は神霊界へと導かれ、神のもとに登録される。
一度神霊界へ帰還した魂は、本人の同意がない限り現世に呼び戻すことは困難であり、原則、強制的な蘇生は神の裁定によって拒まれる。
したがって、埋葬は死者の尊厳を守る宗教儀式であると同時に、敵対者による蘇生や魂の悪用を防ぐための霊的・戦術的封印行為でもある。