■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター1

 
 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
*今回から名前の表記をキャラクターの名前に変更しました。

 フォルカーのプレイヤーが事情により一時離脱を余儀なくされ、代打として新しいメンバーが加わることになった! その名はグラード! かつてレオニス達と共に旅をしていた男! 神殿での専門的な修行を行うため、一時的にパーティーを離脱していたが、合流するために追ってきたらしい!!
 パーティーは足跡を頼りに帝都を遥か西にやってきたグラードとトル鉱山で合流するため、瞳さん工房を出発したのだった! そして到着したのだった!
 …………そのなんだ! 色々と察してくれ!! そして好意的解釈を!!

ロアルド「どこにいるかな?」
レオニス「そうだな、あてもなく町を探すわけにも行かないしな……まず前に世話になった宿に行ってみるか」
ロアルド「そういえば、これで“戻ってきた”って言えるぞ」

 前回訪れたとき「山からは誰も戻ってこない」と言われていたのだ。

店主「お、あんたら生きていたのか!?」
スティーン「お久しぶりです」
DM「どうですか、会わないうちに私も性徴したでしょう?」
スティーン「マジですか!?」
ダス「そうなのか!?」
DM「嘘です。スティーンは筋力以外は、もう……」
スティーン「えー、残念」
レオニス「あれだけ毎日揉んでいるのに?」
ロアルド「レオニス! キャラ変わってるぞ」

 性感帯は開発されまくりですね。

レオニス「あー、店主殿、この町に我々の仲間の聖騎士が逗留していると思うのだが、ご存じないか?」
店主「仲間……。そいつなら、ほら」
 
謎のイケメン戦士「レオニス、俺ならここにいるぜ!」
DM「ザシャ! 逆光の中から現れたその男の正体は!? つづく」
ロアルド「次回、『新たなる仲間 グラード参上!!』 お楽しみに」
DM「一瞬で謎でも何でも無くなったーっ!!」
グラード「こらこら、まだ始まったばかりなのに終わらせるな!(笑)」
レオニス「おぅ、グラード! 久しいな! 修行はうまくいったんだな」
グラード「ああ、神殿で破邪騎士の修練は一通り済ませた。後は実戦で実力を証明するだけだ」
ダス「彼が、別れていた仲間なのかい? って、スティーンはなんかコメントないのか(笑)」
スティーン「いや、来週が楽しみだなぁと(笑) だって、コンボが決まって入る隙間がなかったよ」
DM「スティーンの割れ目くらいぴったりしてたからね」
ロアルド「何だって!!」
ダス「ああ……」
グラード「それで、そこでだらしのない顔をしている男と、キゲインのレディは?」
スティーン「おぉ! レディとは見る目のある! えぇっと、初めまして、今、レオニスたちと一緒に旅をさせて貰っているスティーンです」
ダス「右に同じく、ダスだ。キリッとして(笑)」
グラード「昔キゲインの年齢を間違えてな……と遠い目をしつつ。俺はグラード、破邪神の聖騎士だ。よろしく頼む。ダスは普通にしていれば中々の面構えだな……普通にしていれば」
スティーン「普通にしていれば(笑)」
グラード「ところでレオニス、ヴェイズ達はどうした。一緒じゃ無いのか?」
レオニス「あぁ、彼らは……」
ゾア「そうだな、立ち話もなんだ、店主に部屋を用意して貰おうか」
ロアルド「そうだ、それがいいな!」

 グラード
 クラス:パラディン6/ファイター2 属性:秩序にして善 信仰:破邪神
 筋力:18 敏捷力:10 耐久力:16 知力:12 判断力:13 魅力:14

DM「じゃあ、グラードの部屋に替えて大部屋を借りたね」
レオニス「……ヴェイズとテレンスは、死んだ。俺たちを逃がすために犠牲になって」
グラード「何だと!? 奴等程の手練れを、一体誰が?」
ロアルド「俺たちは黒騎士と呼んでいる」
ダス「ゼナのことを知っているか?」
グラード「ここへたどり着くまでに噂には聞いている」
レオニス「俺たちはゼナ沿岸の海賊の襲撃を解決するための任務についていた。その件で、ホウルティーアと連携して村々を襲っていた連中を指揮していたのが黒騎士だ」
ロアルド「奴等は囮だったんだ」
グラード「黒騎士、許せん!」
ダス「どっちが囮なんだ?」
ロアルド「いや、ゼナが本命だろう」
ダス「それはそうなんだが、いや、何でもない。考えてみれば、アレはこのパーティーを組む前のことだから、ロアルド達にホイホイ言えないのか(笑)」
ロアルド「結構言ってるぞ(笑)」
レオニス「ヴェイズ達を失った我々では黒騎士を追うことは叶わなかった。そこで出会ったのがスティーン、そしてダス達だ」
ダス「もともとは俺たちがしくじったせいで……」
ロアルド「まあ、そうだけどね」
レオニス「いや、黒騎士こそが元凶なのだ。奴を追い、討つことにスティーン達も賛同してくれた。そうして共にここまで旅をしてきたのだ」
ロアルド「そんな劇的だったっけ?」
スティーン「今は私の居た工房のつてで、クォンオウ山にあるヒトミさんの所で修行させてもらっているのよ」
ロアルド「それ以外もして貰っているけどな!」
スティーン「まぁ、色々(笑)」
レオニス「まったくけしからん……」
グラード「そうだったのか。今すぐ黒騎士を追いかけたい所だが、相手はヴェイズ達を返り討ちにした強敵、だからもっと力をつけるため俺も修行に参加させてくれないか?」
レオニス「もちろんだ!」

DM「さて、じゃぁ聞き耳を振ってくれ」
ダス「17です」
DM「どうやら、外で女性が言い争っているような声が聞こえるね」
ダス「すこし窓を開けてみるかな。おい、外が騒がしいみたいだ」
DM「すると、20代半ばと思われるの女性が衛兵と話しているようだ。どうやら町の住人ではないようだが、旅慣れていない様子だ」
ダス「なんだただの人(ロリじゃないの)か。どうやら衛兵と住民じゃない女性が揉めているみたいだ。旅人というわけでもないみたいだが」
グラード「見過ごすわけにも行くまい、事情を聞いてみよう」
ロアルド「おお、行ってみよう!」
スティーン「でも、まだ状況も読めないし、ひとまず様子を見てもいいんじゃないかな?」
ゾア「女性が困ってたらまず助けてから状況を読もう」
レオニス「よし、行こうか」
ダス「俺は待ってるぜ」
ゾア「守備範囲外だからか」
ロアルド「俺はどストライクだけどな」
DM「近づいていくとやりとりが聞こえてくる」

女性「じゃあ、それは一体いつになるんですか!」
衛兵「いやあ、そう言われましても」
ロアルド「どうしましたお嬢さん」
女性「私の村に竜が来るんです。助けてください!」

DM「じゃあ真意看破を振って貰おうか」
ゾア「17だ」
DM「ならばグラードとゾアは、竜は大袈裟。本当ではないが、助けを求めているのは確かと思ったね。レオニスは疑う理由がないと感じ、ロアルドは好意的に聞いた」

グラード「俺は助けようと思うんだが、皆どうだ?」
ロアルド「もちろんだよ!」
ゾア「当然だな」
レオニス「竜がそこにいるからといって、それをすべて倒して回るのが現実的かというと……。言ってしまえば魔獣の類がウロウロしていて当然の世界だし、永久の森も近いから益々そうだし。なので実害がどれほどあるかどうかで最終的な判断を下しても遅くは……」
DM「いや、お前は真意看破の結果で“竜が襲ってきている”という言葉を信じているのだぞ」
レオニス「異論はない」
衛兵「おいおい、いいのか? あんたら冒険者だろ?」
レオニス「我々は破邪導師と聖騎士。救いを求めている者がいるのであれば」
グラード「俺は聖騎士のグラードだ。助けない道理は無いな」
ゾア「女性ならなおさらだね」
グラード「それに、竜が出るというのが本当なら、修行には願ってもない機会だ。」
ゾア「ここで立ち話も大変ですし、あちらの宿屋に仲間もいます。そちらでお話を聞きましょう」



スティーン「おかえりー、どうだった?」
レオニス「あぁ、彼女の村に竜がやってきたらしい。ここで詳しい話を聞くことになった」
スティーン「ホント!? それは、大変でした。私は彼らの仲間のスティーンと申します」
ダス「ダスだ」
ゾア「守備範囲外だと素っ気ないなあ(笑) 紹介が遅れました。私は狩猟神に仕える神官のゾアと申します」
DM「彼女の名はマイナ。トル鉱山から馬で1日のタトロワンク村から来たようだ。ちなみに村の人口は100人程度」
 
レオニス「では、状況を教えてください」
マイナ「10日ぐらい前から竜の声が聞こえるようになったんです。不安に思って過ごしていたのですが、ある日竜が村を襲ってきたので助けを求めてここまで来たのです」
レオニス「襲われたときの様子をお願いします」
マイナ「遠くの空に竜が現れて、村にまっすぐ向かってきたので、私は急いで村から逃げ出したんです」
レオニス「なるほど、竜はどのように村を襲いました?」
マイナ「……村が襲われた様子は見ていません。必死に逃げていたんです」
レオニス「実際に襲われたところは見ていないのですか?」
マイナ「なんですか! 村が襲われたことを疑っているんですか!?」
ゾア「そーだそーだ」
ロアルド「まったくだな」
レオニス「え、いや……。襲われたときの様子はとても重要なのです。竜の情報を得られれば竜と戦うときに役に立ちます。村の様子を振り返ったりは?」
マイナ「いいえ……本当に怖くて。必死だったんです。でも村をまっすぐめがけてきたんです。襲われたのは間違いありません!」
レオニス「……うーん、竜はどんな姿かわかりますか?」
マイナ「大きくて羽が生えていました。色は茶色のようでした……。火を吹いていて……、それ以上は遠かったので……」



DM「じゃあ、もう一度真意看破を振ってもらおうか」
ダス「16です」
ロアルド「守備範囲外だから、ペナルティー乗るな(笑)」
ダス「マジでか(笑)」
DM「ダスとグラードは必死さが嘘っぽいと感じた。急いで欲しいというより信じて欲しい感じだね」
グラード「隠していることがあれば教えて欲しい」
マイナ「本当なんです! 竜の声が恐ろしいんですっ」
DM「真意看破、うん。グラードは困っているのは本当だと思った」
レオニス「もう一度、思い出してください。どんなことでもいいんです。気づいたことがあれば何でも言ってください」
マイナ「だから、何度も言っているじゃないですか! 必死に逃げてきたんです! 茶色くて、火を吹く大きな竜です! どうしてわかってくれないんですか!」
レオニス「ただ確認しただけなのだが……(なにその態度?)」
 いわゆる「しつけーんだよ同じこと質問しやがって」といった口調のDM。
DM「あぁ、これはロールプレイね。別にプレイヤーの質問に俺がイラッとしたわけじゃなく、レオニスの言葉にマイナはこのように反応しているんだ」
レオニス「あぁ、そうか。理不尽な反応についムッとしてしまった(笑)」

 しかしながら(いささかまとまりに欠ける会話内容なので割愛しているが)、キャラクターは疑ってないがプレイヤーは完全に疑っているレオニスなので、どうやって尻尾を出させるように会話を誘導するべきか……と記載されている発言の外で思案していたのも、また事実だったりする。
 この「前提としてキャラクターは疑ってない」というところは、とても大事なはずなのだが……。

ロアルド「そうかそうか。つい興奮してしまったな」
ダス「マイナさんにか」
ロアルド「まぁ、間違っちゃいないが(笑)」
グラード「ご婦人には刺激が強過ぎたな」

 はてさて、ドラゴンの正体見たり枯れ尾花? 続く!!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 よく戻ってきてくれた、グラード!
 志をともにする信頼できる仲間との再会は、実に嬉しいことだ。
 彼とともに緩んでしまった隊の統制を取り戻し、黒騎士に追いつくのだ。

 それにしてもマイナ殿は……取り乱している上に、不自然な物言いが多い。
 ……引っかかる。



・ゾア
 頼れる仲間との再会で心強い限り。
 そして新たに舞い込んだトラブルはなにやら大げさではあるけれど、困っていることに変わりはない。
 さてご婦人の悩みは何かな?



・スティーン
 竜が村にせめて来るなんて……何か理由が?
 でも、私たちで太刀打ちできるような相手なのかしら?
 なにか力にはなってあげたいけど。



・ロアルド
 マイナさん!
 ダスは圏外。スティーンにはカスミさん。
 これはひょっとしてロアルド回ですか?
 いや、ゾアがいるな……。
 しかし希望は捨てないぞ。


・ダス
 グラードが、仲間になったぞ!
 ダスは面識ないけど、仲良くやっていけるかな。どうかな。
 そして蘇生以外での久々の外出で、事件の香にドッキドキ。



・グラード
 今回からピンチヒッターで参加する事になりました、グラードです。
 スティーン以外の性職者メンバーとは旧知の仲と言う設定で「困ってる人は放っておけない!」「悪魔と悪魔の様な輩は断じて許さん!」そんな兄貴キャラを目指したいと思います。
 初心者なのでプレイ中に挙動不審になったりしますが、暖かく見守っていただけると助かりますのことよ。

 師匠の元で修練を終え、レオニス達と合流できたと思ったらヴェイズ、テレンスを黒騎士に殺されていた……。
 すぐにでも黒騎士を追いかけ、仲間の仇を討ちたいと言う思いは皆も同じなようだが、今は新たに加わったメンバーと共にクォンオウ山で修行中とのこと。
 彼らが返り討ちにあったほどの相手、私ももっと力を蓄えねば。
 そこに舞い込んだ竜退治(?)の依頼、真偽の程は定かでないが滅多にお目にかかれない修行のチャンス! それに人助けにもなるとあっては断る道理も無し。
 腕が鳴るぜ!



 
 というわけでモノスゲーお久しぶりにTRPG部が帰ってまいりました。
 更新がない間も一緒に遊んだりはふつーにあったので、仲が冷え切っていたわけではありません(笑)
 画像は彷徨メンバーで大木屋に行ったときの図……なのだが。
 スティーンだけプレイヤーの服装再現なのに、他はキャラクターのというカオスぶりが酷い。どんな格好でもんじゃ焼き食べてんだよ!!(笑)

 
 そうそう。スティーンは今回から髪型が変わりました。深い意味はない!!
 そしてプレイヤーズコメントが無い! 多分あとから足す!(笑)
■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター2

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2

スティーン「どう思う?」
グラード「例え竜でなかったとしても、彼女が困っていることには代わり無いのだし、一度助けると申し出た以上、とにかく村へ行くべきではないだろうか」
ゾア「女性が困ってるのになに悩んでるんだよ早く行こうぜ」
スティーン「でも、私たちまだ修行の途中だし、ヒトミさんやカスミちゃん達に迷惑はかけられないよ」
レオニス「もちろん、困っている人を助けることこそ本意ではある。だが、マイナ殿のいわれることには不自然な点が多々ある」
ダス「ちなみに、マイナさん目の前にいますよね?」
DM「そうだね」
レオニス「マイナ殿、隠し事があると、助けられることも助けられなくなります。本当のことを言ってください」
マイナ「信じてください! 本当に竜が村を襲って……!」
ダス「こそこそっと。レオニス、言いたいことはわかるが、違うだろ?」
スティーン「なにが?」
ロアルド「ほら、当人がいるのにその前でっていう……」
レオニス「う、これは……」
ロアルド「何か、別の時空でも同じ光景を見たような(笑)」
レオニス「わかった、これ以上は言うまい」

 そもそもレオニスは自身の真意看破で一度も「疑いを持つ結果」を出してないし、他の「疑いを持つ結果」を出したメンバーも、積極的な嫌疑を口に出していないので、「不自然な点が多々ある」と、ここまで執拗なのはプレイヤーとキャラの目線がブレた行動かもしれない。

ゾア「よし、ならばその村に行くしかないな」
ロアルド「そうだそうだ」
レオニス「しかし、それでは黒騎士追跡が遅れてしまう。それにティサンを救わなかったのに、こちらだけは救うというのも……」
ロアルド「うーん。確かに」
グラード「レオニスの言い分もわからぬではないが、一度引き受けたからには今更断ることは出来まい。ならば、一刻も早く彼女の村へ赴き問題を解決すべきだろう」
スティーン「そうね、人命も懸かっているかもしれないし。修行のことも、ティサンのこともあるし……。その、うん、はやく片を付けましょう!」
DM「竜と戦うことは実戦経験にもなるので、修行……はともかく自己鍛錬を放棄したことにはならないよ。まぁそこからどう判断するかは君たち次第だが」
一同「そうか!」
レオニス「よし、助けに行こう!」
ロアルド「ヒドイ……」
グラード「ともあれ、これで竜と戦えるかもしれんわけだな。腕が鳴る」

レオニス「急ぐなら魔法の馬を使うのが一番速い。場所は……地図などはありますか?」
グラード「俺には特別な乗騎があるぞ」
DM「地図は軍事機密だからね。出回るようなことはない」
レオニス「それもそうだな。……では、マイナさん、村までへの道程を説明できますか? 我々だけであれば、魔法の馬で素早く村に着くことが出来ます」
マイナ「いえ、村から出たのは初めてなので……」
 
ロアルド「初めて村から出たのですか!?」
スティーン「よくこのトルまでこられましたね! 道などはどうやって?」
マイナ「馬が連れてきてくれたんです」
レオニス「そうなると、マイナさんに案内して貰うしかないということか」
マイナ「えぇ、帰り道も馬が連れていってくれるはずです!」
スティーン「といっても、女の子を危険な場所に連れて戻るのは危ないんじゃないかしら?」
レオニス「いや……。かといって彼女の案内が無ければ……。うーん」
DM「一緒に連れていってくれるって言ったじゃないですか! なんで急にダメなんて言うんですか!」
一同「うはははは(笑)」
スティーン「?」
レオニス「いや、トラウマが(笑)」
ダス「トラ、ウマ、スイッチがね」

 詳しくは赤き森キャンペーンを参照だ!

レオニス「うん。先ほどは失礼なことを、貴方を疑うような物言いをしてしまい、申し訳ない。では馬を休ませるために明日の朝出発することにしよう。その前に食糧などを買いにいく必要があるな」
グラード「明日出発するとして、往復で何日分用意すればいいのだ?」
DM「その質問は誰に対してだろう? マイナさん?」
グラード「マイナさんにおおよその距離を聞いて分量はこちらで算出するつもりでしたが、質問がごっちゃになってしまいましたすみません。というわけで、マイナさんの村までどのくらいの距離なのか教えてくれないか?」
マイナ「ええと、出発したのが早朝でしたから……」
DM「今は午後5時くらい」
グラード「馬で丸一日というところか、往復で4日分もあればいいな」
レオニス「念のため、一週間分かな。現地で何日か必要になるかもしれない。マイナさんの馬の飼い葉も用意しよう」
ダス「特に異論はないぜ」
ロアルド「じゃあ、俺が留守番していよう。皆は買出しを頼む」
ゾア「よし、分かった」
スティーン「しゃあ、マイナさんお疲れでしょうからゆっくり休んでください。心配なことも多いと思いますが……。えっと部屋ってここ1つでしたっけ?」
グラード「もう一部屋とって女性陣はそちらに泊まったらどうだ?」
マイナ「はい……」
ゾア「遠慮なさらず!」
レオニス「さて、買出しに行った後、明朝まで各自の部屋で休みます」
DM「ところで覚えておいでだろうか、トルには冒険者向けの店など無いということを!」
ゾア「な……何だってー!」
レオニス「そういや、そうだったな」

 説明せねばなるまい!
 第1回のレポートでは省かれていたが、トルはあくまで鉱山のためだけにある町。
 より詳しく説明すると、バーン帝国西方領の中にある鉱山とその周辺のごく狭い範囲を、ファクセリオン王国が租借している「飛び地」なのだ。その利益は国営の採掘施設としての機能だけに求められており、一般の旅人に金を落としてもらうことを必要としていない。なお、ファクセリオンは世界各地に同様の飛び地を多数保有している。
 つまり冒険者を相手にした商売をやる意味も無い。旅人を路頭に迷わせないための、最低限の宿泊施設や住人向けの日用雑貨などは買えるものの、治安維持はファクセリオン王国正規軍が担っているため、武器の類は手に入らないのだ。

ロアルド「食糧とかは手に入るんですかね」
DM「頼めば宿屋のおじちゃんが弁当作ってくれるよ(笑)」
ゾア「じゃぁ、まずは食糧か」

 長い計算タイムが過ぎ……。

レオニス「よし。食糧1週間分と、4日分の水を積んでください。人と馬の分両方です」
ロアルド「馬の食料だけで1日10ポンド、人がついでに乗ってる感じだな(笑)」
レオニス「フフ、馬ってのはそういうもんだぜ!」
グラード「俺の相棒と馬を一緒にされては困るぞ(笑)」(乗騎へ荷物を積みつつ)
DM「特別な乗機を馬呼ばわりして亀裂が生まれるのはお約束だな!」
レオニス「……あれ、違う。魔法の馬だから、水は要るけど飯は食わない(笑)」

 これ、プレイの時はうっかりスルーしちゃってたけど、実際には食べます。無論、呪文の効果時間が存在するので、餌を与えずに酷使しても餓死する前に消えるって意味では、無補給も可能だが(笑)

ダス「じゃぁ、これは彼女の馬とグラードの乗騎の分か」
ロアルド「それでも重たいなぁ」
レオニス「まぁ、最悪片道分でも。というわけで、馬の食料は2日分づつ分散して載せます。人の食料も分散させて。大丈夫、載る!」

 
DM「じゃあ、行きますか?」
レオニス「では、出発します」
DM「うむ。では村に着く前に日が暮れた」
グラード「これは、どこかで野営をしなくてはならんのではないか?」
ロアルド「しまった! これは想定外だ」
ダス「むう」
レオニス「どこかで道を間違えたのか? 分かりますか、マイナさん?」
マイナ「いえ……」
DM「まぁ、理由は考えればわかることだったりも(笑)」
スティーン「あれ? 徒歩ですか?」
DM「徒歩!?」
ダス「そ、そうだったのか……?」
スティーン「えっと、結局なぜ?」
DM「それは俺に聞いてるの?」
スティーン「いや、全体的に?」
ダス「朝に出て夕方に着くって話しだったから、迷ってももう着ける頃だと思ったが」
ロアルド「何故だ?」
グラード「買い物で時間を使い過ぎたか?」
レオニス「いや、そういうわけでは……。ああっ、そうか!」
ダス「分かったのか、レオニス!」
ゾア「知っているのかレオニス!」
ロアルド「さすがレオニス!(ニヤリ)」
スティーン「ワクワク」

 ここでボケるんですね!?という期待のこもった視線が集まる!

レオニス「簡単な話だ。重装戦士や荷物を乗せた馬と、女性を一人乗せただけの馬。どちらが速いと思う?」
一同「な、なんだってー!?」
DM「凄い、レオニスが正解言ってる! 絶対ボケだと思った(笑)」
グラード「さすがレオニスだな!」
ダス「なるほど。ということは、野営するしかないのか」
DM「流石、カスミが居なければペースが乱されない(笑)」

 疑いプレイ関連で既にかなり自爆気味に乱れていたことを、小さい成功に惑わされた私は忘れていました……(えー

レオニス「ええい、これが本来の私の姿なのだ! だがまぁ、出る前に気づけなければ意味もないが……」
ゾア「変身モンスターみたいな台詞だな」
グラード「レオニスは今まで本来でない姿だったのか??」
レオニス「ええい、誰のせいで苦労していると思っているんだ!」
スティーン「マイナさんすみません。大変だとは思いますが……野営大丈夫ですか?」
グラード「夜を徹して村へ向かう手もあるが、相手が相手だけに万全の体制で臨みたい。もちろん、野営している間、貴女は我々が守らせて貰う」
スティーン「野営するってことでいいんだよね?」
ゾア「ここは旅の神官殿の意見を聞こう!」
ロアルド「ん? ……ああ、俺は旅の神官だった!」
ダス「おぉーい!」

 いや、“旅の神官”では意味がおかしくなるが(笑)

ゾア「自由な信仰だなあ」
ロアルド「自由がモットーですから。それはともかく、マイナさんを連れて夜間行は厳しいだろう」
スティーン「テントとかないですよね……とりあえず、私はもってないです」
ロアルド「テントならここにあるぜ!(ダスの股間を指して)」
グラード「無言でダスを殴ります」
ダス「なんで俺が!!!」
レオニス「無言でロアルドを殴ります」
ロアルド「なんで……いや、それはそうだな。では早速野営の準備だ」
レオニス「うむ、テントの用意こそ無いが、野営すること自体に問題はないだろう」
グラード「俺は防寒着の用意があるから、寝袋をマイナさんに使って貰おう」

 ここでダスが殴られるのだけは可哀想だな、と少しだけ同情した! 続く!!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 レオニスの感じ方と、プレイヤーが読み取った違和感は違った、という認識を盲信する必要こそ無いものの、ここまで固執するのはまた不自然なプレイング。
 それに、助けを求める相手にまず疑ってかかるという姿勢は、神官としてどうか。

 プレイ中もこんなハズでは……と感じながらも、その流れを止められず。
 マイナさん、レオニス、申し訳ない!



・ゾア
 レオニスは相変わらずだなあ。
 そして我々も相変わらずの珍道中。
 あれえ、野営道具準備したと思ったんだがなあ……。



・スティーン
 あーカスミちゃん元気かなぁ。
 よし! ここは頑張って皆の役に立ってカスミちゃんにほめてもらおう!

 でも、マイナさん……不安だろうなぁ。途中で足止めなんて。
 村の人たちも無事でいられますように……



・ロアルド
 当人を前にしての相談は危険だというのに!
 イメージが足りんな。
 というか、旅の神官の自覚も足りなかったようだ(笑)
 しかし、皆が買い物に行く間マイナさんと二人きりだったはず。
 何故、フラグが立たない……?
 いや、次回に期待だ!



・ダス
 確かに怪しいところはあるけど、レオニスさんは加速し過ぎだー!
 ゴールドバーグ式にトラウマ発動!
 メシを準備して出発も、そんなことはなかったんだぜ。
 って、あれ? ダス虐げられてる?



・グラード
 場面移動が全然上手く出来ず、マイナさんの前で議論交わしてトラウマが発動。
 けれどもダスのおかげて被害は最小限に……できたかな? ともあれ、助かったぜダス!
 そして馬と人間の食料と水の計算で四苦八苦。通貨計算をちゃんと出来るようにならねば!
 あと、レオニスは自分の宗派の聖獣(でいいのかな?)を馬と一緒にするんじゃありません(笑)
 想定外の夜営でしたが、こんなこともあろうかと用意しておいた防寒着が役に立って良かった。

 さて、お次はいよいよ村へ到着、果たして竜はいるのだろうか?それとも……

■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター3

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2


DM「翌朝出発して、問題なく村が見えてきたぜ」
一同「ふぅー」
グラード「村の様子はどうだろうか」
DM「無事です」
ロアルド「無事!」
DM「無事というか、炎上した跡などはないね。廃墟にもなってない」
ゾア「平和だねえ」
ダス「なにも問題はないようだが」
グラード「見たところ竜に襲われたような様子は無いようだな……」
マイナ「ようやく着きました……」
ロアルド「一緒にいるんだよ!(マイナさんを窺いながら)」
スティーン「あ……えっと、とりあえず、近づいてみよっか」
DM「そーっとのぞいて見てごらん」
ダス「そーっとのぞいて見てごらん」
DM「普通に村に着きました」
レオニス「人は、居ますか?」
DM「居るよ。普通に暮らしてるよ」
スティーン「よかったー」
DM「チッ、燃えた村はねえのか!」
スティーン「えー!  いやいや。よかったですね、マイナさん」
マイナ「えぇ……」
スティーン「じゃぁ、戻ろっか」
一同「えー!」
グラード「とりあえず家まで送り届けるでしょ!」
DM「もう用はねぇんだよ、ビッチ! ってことか」
スティーン「いやいや! 急がないとって気持ちが逸ってしまいました」
マイナ「ひとまず、私の家にいらしてくれませんか。皆さんお疲れでしょうし」
ロアルド「わかりました」
グラード「ではお言葉に甘えよう」
ゾア「わーい」
DM「ちなみに村人からは、全身武装の訪問者を物珍しそうに見られてるね。ポカーンて」
スティーン「お邪魔しマース(笑)」
ロアルド「何だこの人たちはって(笑)」
グラード「怪訝な目で見られてるわけか」
ゾア「フルアーマーもいるしなあ」
DM「フルアーマー……ふるあーまー……ふる? ふり? フリルアーマーだと!?」

 
DM「見えてる! 先端も見えてる!!」
グラード「まぁ正面からなら見えないさ!!」

 閑話休題。

子供「おぉ、スッゲー!」
スティーン「手を振って応えてみるよ。いえいえー」
子供「コドモもいるー!」
スティーン「ハッ……!」
一同「(笑)」
子供「コドモもすげー。このヨロイ、オレにくれよ!」
スティーン「おねーさんにそんな口利いちゃいけません!」
子供「なんだよ、チビのくせにー!」
スティーン「これでも30……(キャラクターシートをちらり)37なんですぅー!」
子供「どもってんじゃねーよ、ウソつき!」
スティーン「うわーん」

 そして続く口論の末。

スティーン「くそぅ……」
DM「子供が勝ちました(笑)」
グラード「うむ、村は平和なようだ」


 マイナの家が近づくと、その前で初老の男性が現れる。

 
DM「おじいさんが一行からマイナさんを見つけると、駆け寄ってきていきなり張り倒す」
スティーン「ええぇー!」
ロアルド「ひいっ!」
おじいさん「どこに行っておった!」
マイナ「た、助けを呼びに……」
おじいさん「竜か?」
マイナ「だって、危険じゃないですか……」
DM「すると、マイナさんを引き寄せて、家の中へ連れ込もうとする」
おじいさん「ご客人がた、お見苦しいところを見せてしまった。どうか入ってくんなさい」
ロアルド「き、気まずい……」
スティーン「とりあえず、入りますか……?」
ゾア「インパクト絶大だった……」
ダス「そう、だな」
グラード「う、うむ」
レオニス「ああ」
DM「土間の先は織物の工房になっているね。マイナさんはその奥の母屋へ行ったようだ」
おじいさん「まずは、娘を送り届けてくれたことに感謝したい。ありがとう」
レオニス「我々は……」
スティーン「おっぱいだ!」
ダス「ていうか、おっぱい好きになったんだ」
スティーン「あぁ、好きだね。中の人がだけど」
ロアルド「同志よ!」
グラード「おっぱいは良いものだ……」
ゾア「うーん、おっぱーい」
レオニス「ゴホン、我々はマイナさんの依頼により竜を退治しに来た者です」
おじいさん「竜なんて……、居やしませんよ。単に声が聞こえるだけだ……」
レオニス「ところで、鳴き声とはどのようなものですか」
DM「まぁ、一般人に聞いてもガオーとかグオーくらいにしか言えないね(笑) ただのケモノとは思えない声なのは確か」
ダス「まぁ、たしかに(笑)」
レオニス「それは毎日ですか?」
おじいさん「そうですな」
ダス「時間帯は決まっているのですか?」
レオニス「それは、最近になってのものですか?」
おじいさん「10日ぐらいですか。時間帯は決まっていません」
レオニス「時々、恐ろしい声が聞こえてくると」
おじいさん「えぇ、あの方向から」
DM「といいながら森の方を指してるね」
レオニス「どちらの方向ですか?」
DM「南ナノーネ」
ロアルド「なぜ、クロノス教官(笑)」
ダス「ということは、永久の森のことか」
DM「いや、そう言うわけではないようだ。たしかに近い地域だけど、それでも数10キロは先」
おじいさん「すみません、こんな娘の世迷言に騙され、こんな所まで来ていただいて。私の責任です。あなたがたをお雇いするようなお金は我々にはありません」
ロアルド「うーん」
おじいさん「失礼ですが、お礼に関してはどのようなお話を……」
レオニス「いえ、襲われているということでしたので、来たまでです。どうかお気になさらず」
おじいさん「……そうですか、それではお言葉に甘えさせて頂きます。今夜はどうか、ゆっくりしていってくだされ」
レオニス「それは、ありがたいのですが」
グラード「依頼を引き受けた以上、このまま帰るわけには行きません」
ゾア「竜はいなかったとしても、森に何かがいるのは確かなのでしょう?」
おじいさん「その様なことはおやめくだされ。どうぞ、母屋へ案内しましょう」
DM「ちなみに奥の部屋からはマイナさんがすすり泣く声が聞こえるね」
ロアルド「なん……だと」
DM「ここでダスのレーダーに、お母さんどうしたの? という小さな女の子の声が。聞き耳に自動成功した(笑)」
一同「(笑)」
ロアルド「立派な能力なのか?(笑)」
ゾア「代償は社会的立場が悪化する」
レオニス「どうか、マイナさんをあまり叱らないでやってください」
ロアルド「まぁ、我々のことは」
スティーン「単なる趣味です」
ロアルド「それはどうなのか(笑)」
レオニス「神官たるものの務めです」
グラード「聖騎士として当然だ」
DM「では、真意看破を振ってください」
グラード「21です」
ロアルド「22です」
DM「おじいさんも困っていないという訳ではないようだ」
ゾア「やめてくれ、とは言ってもか」
ロアルド「いや、ちょっとまて。子供ということは俺ガッカリじゃん!」
ダス「何が?」
レオニス「人妻ってことか(笑)」
ロアルド「む。それはそれで、なのか……?(笑)」

 

グラード「おじいさんはあのように言っていたが、やはり見過ごすことは出来ない」
レオニス「そうだな、日があるうちに一度森の方へ様子を見に行ってみよう」
ロアルド「うむ、我々としては気になるしな」
ゾア「まあこの空気の差はちょっと気になるね」
レオニス「では荷物やら水やらを部屋において、おじいさんに一声かけて出発しよう」
DM「では、母屋から出ると、工房で小さな女の子が織物の作業をしているね。遊んでいる、ではなく」
ダス「はい、とりあえず視認しますね! ……24です」

 実に機を見るに敏なリアクションだった……!

レオニス「高いな! 幼女補正か!」
ロアルド「いつも通りだな(笑)」
グラード「いつも?(不審そうな目をダスに向けつつ)」
ゾア「そのうち話してあげよう。あの娼館の一件(笑)
ダス「や め ろ(笑)」
ゾア「まてよ、あの時の入場料……」
ダス「ぐっ」
DM「織物と鍛冶と分野は違うものの、スティーンの職人としての目で見ると、少女の働きぶりは年相応のものではなく、とても機敏なものだとわかる」
スティーン「あぁ、場慣れしているなと?」
DM「そうだね。『おじいちゃんあたしもてつだう〜』『おお〜よしよし。いい娘じゃのぅ』って雰囲気じゃない」
ダス「ちょっと家のお手伝いってレベルじゃないな」
レオニス「ふむ、しかしマイナさんに事情を聞きたくもあるな」
スティーン「でも、まずは現状を把握してくればいいんじゃないかしら」
ダス「森って近いんですか?」
DM「全然行けるね」
グラード「では、まずは森の様子を調べてみるのはどうだ?」
ロアルド「じゃぁ、様子を見に行こう」
DM「では森へ向かう途中……でいいの?」
スティーン「あたしはそのつもりだったんですが、どうなんですかね?」
レオニス「かまわないのではないかな。そのつもりであったし」

 ある〜日〜森の中〜ドラゴンに〜出遭った〜?


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 今のところは村に被害はないようだ。
 被害がない段階では兵士は動いてはくれないだろう。
 助けを求める一心でついてしまった嘘。
 その気持ちもわからずに、ただ発言の不自然さを疑うだけであった己の不明がただ情けない。
 彼女がそこまでして助けを求めた理由。
 まずはそれを確かめよう。



ゾア
 突然のおじいさんの蛮行に呆然。
 一心不乱に村から飛び出してきた娘さんとのこの温度差はいったい。
 この村では何が起きているのだろう。
 そしてダスに金の貸しがあったことをいまさら思い出すのであった。
 事が落ち着いたら返してもらおう。



・スティーン
 あの子凄い気迫で働いてたな……きっと織物が好きで、この工房が大好きなんだろうな。
 ここの子なのかしら?
 きっと、良い職人さんになるなー。頑張ってほしいなぁ。



・ロアルド
 子供は怖い……って、マイナさんにも子供がーっ!!
 そして、気付けばダスレーダーが威力を発揮しているし!
 何だ、俺の主役回じゃないの?
 それはともかく、助けることには変わりはない。
 いや、他意はありませんよ……。



・ダス
 野営も村も、問題なくてよかった。
 いや……、そうでもなかった。何か事情がある様子。
 そして子供は踏み込んだ時点で負けだったか(笑)
 時々、自分のダイス目が恐いぜ……!(笑)



・グラード
 子供に口論で負ける37歳…良いと思います!
 竜に襲われているはずの村だが、どうも様子がおかしい。
 マイナさんは家に帰り着いた途端出てきたおじいさんに張り倒されてしまうし……。
 突然のことに驚いて以降のイニシアチブを全て持っていかれてしまった気がします、うう。
 そんな中でもダスの幼女補正は凄いの一言。大いに笑わせてもらいました(笑)
 何とか依頼を遂げたいのでまずは現場を調べに行こう!

 もしかしたら森の怪物とのバトルもあるかも?
 何だかオラ、ワクワクしてきたぞ!

■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター4

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2

DM「では森へ向かう途中、たしかにナニモノかの咆哮が聞こえてくる」
ダス「これが例の鳴き声か」
DM「知識:自然を振ってください」
ダス「20です」
ロアルド「何とか21」
ゾア「同じく20〜」
DM「少なくとも、大型サイズ以上のものから発せられる鳴き声だと判る。動物では無いね」
グラード「魔物か何かが潜んでいるのは間違い無さそうだな」
ロアルド「とはいえ何処でもそういうのがいたっておかしくは無いのか、事実としてあるとはいえ」
DM「そうだね」
レオニス「確かに何かいるのは間違いないが、普通の村がそれを何とかしてくれと冒険者を雇うのは、無理だろうな」
ロアルド「ただ先ほどのおじいさんも、困ってはいるように感じたが」
レオニス「近くでこのような声が聞こえるのだ、不安に思うのは当然だろう」
ロアルド「いや俺は、不安というよりも実際に困っている雰囲気を感じたんだ」
ダス「とはいっても、魔物が近くにいて困っている以上の事実があるのか?」
ロアルド「あと、おじいさんは雇う金は無いと言っている。ということはお金が有れば雇いたいと思っている。そのことが気になる」
レオニス「冒険者に解決してもらえるのなら、確かにその方が安心だろう」
ロアルド「いや、マイナさんの世迷言……と言っていたが、その割に実際に雇いたがってるというのが」
レオニス「たしかに、魔物の声があるというだけでは、冒険者にどうにかして貰おうと思わないか」
ゾア「お金だけもらって“何もなかったよ”って言われたらそこでおしまいだしね」
 
DM「何? このまともな冒険者みたいな会話……頼もしい」
グラード「え? いつもは違うの!?」
ゾア「まるでいつもがまともじゃないみたいだ」
ダス「なにをおっしゃるウサギさん」
ロアルド「いやあ、ちょっと実力を出せばこんな物ですよ!」
グラード「いつもは実力を発揮していないのか……それともできないのか(笑)」
レオニス「まぁ……まじめにやってくれるなら何も言うまい」
DM「つまり劇場版ということか、わかった。では話を続けよう」
スティーン「じゃあ、とりあえずマイナさんに事情を聞くのがいいのかな」
ロアルド「そうだな。そういえば、ダスは工房の少女をよく見ていたが、なにかあったのか?」
ダス「ん、どういう意味でだ?」
ロアルド「いや、何か不審な点があったのかと」
ダス「あぁ。野暮なこと聞くなよ!」
一同「えぇー!(笑)」
ゾア「まさかまたなんかやったのか」
グラード「いい加減にしなさい(笑)」
スティーン「で、でもあの子、あの年にしては立ち居振る舞いがしっかりしていて」
グラード「ほう、職人同士何か感じるものがあったのか」
ロアルド「ほらー、助け舟出してもらってんじゃん(笑)」
レオニス「アホだ(笑)」

レオニス「やはり、マイナさんに話を聞くしかないようだな」
スティーン「けれど線引きはどうしよう。時間があれば退治しに行きたいけど、このまま危険が無いのであれば、と思ってしまうのだけれど。こういう話は村じゃ出来ないし」
レオニス「確かに、凶暴な魔獣はそれこそ世界中にいるし、全部倒して回るのかというと。そういうのはジレンマですよね」
DM「凶暴な悪魔を世界中全て倒して回ることが目的のグラードさんどうぞ」
グラード「おぉっと(笑)  かといって、目の前の危機を見過ごすわけにはいかん。今ここにある危機もだ」
キートン山田「レオニス、お前もグラードと同じ宗派だろう」
DM「まぁ、竜と悪魔では危険性の方向がまた違うけれどね(笑)」
スティーン「でも私たちは足りないこともある修行中の身だし。私たちの手に負えないことだったり、それで余計に村へ被害が及ぶかも」
ダス「うーむ」
スティーン「危機を見逃す訳では無いんだけれど、ここにずっといられるかと言うと。であれば早く修行に戻って、もっといっぱいの人を救えるようになりたい」
ロアルド「うーむ、早く戻りたいのは修行の為だけかな?」
スティーン「だって、今、私たちはヒトミさんに修業をつけてもらってるんだよ? こんな勝手……じゃないけど、していいのかなって」
ゾア「ロアルドが無視された(笑)」
DM「んー、考えを誘導するわけじゃないが。竜、そうでなくても大型の魔獣との実戦は、大きな経験になる筈だよ。ティサンを助けに行くというのは強くなる役には立たないけれど」
グラード「戦いの技術を上げるという点ではか」
DM「キャラクターも、その点はわかっている筈って意味でのDM発言でした。それを踏まえた上で続きをどうぞ」
一同「たしかに……」
レオニス「うーん、破邪導師としての考え方が定まりきってない所もあったなあ。難しい」
スティーン「声から状況の判断は出来ないよね、やっぱり魔獣が沢山いるとか時間が掛かるようだと……」
ロアルド「スティーンとしては、やっぱり時間が気になるんだね」
レオニス「沢山いるなら、それこそ対処しなきゃいけない気がするが」
グラード「でも確かに中の状況がわからないのでは、手を出しにくいところもあるな」
ダス「まぁ、行ってみればいいんじゃない?」
ロアルド「適当だなあ(笑)」
グラード「いや、ここはマイナさんに話を聞きに戻ろう」
ダス「現状の魔物がいて困ってるという事実だけで、それ以上のことはないだろ。村に戻って得られることがあるか?」
ロアルド「いや、さっきも話してたが、そうとは思えない」
レオニス「うむ、本当の事情がある可能性は十分ある」
ダス「そうか……。まぁ、そう言うなら」
スティーン「でも、1回森の様子を確認してくるのもいいんじゃない?」
レオニス「実際に森に入るようなら、もう倒しに行くのと変わらないぞ」
ロアルド「それに、このまま声の主を探しても闇雲に近い」
ダス「森を外から見ても、声以上の情報が得られないだろうしな」
DM「よし、裸のダスを吊るして誘き出そう!」
ダス「インビジってない(笑)」
 隠れ身技能が妙に低いインヴィジブル・ブレード。
グラード「よし、マイナさんに事情を聞きにもどろう!」

DM「村を出て1時間くらいで戻ってきた。すると、マイナさんの家から身なりと恰幅の良い男が出てくる」
男「そろそろ決心してくれないですかねぇ、悪い話じゃないでしょうに」
おじいさん「帰れ!」
DM「おじいさんと揉めているね。君たちは見ていてもいいし、いきなり斬りかかってもいい」
グラード「よし割って入ろう。おじいさん、このお方は」
おじいさん「あなた方には関係の無いことじゃ。すまんが口を挟まないでくれ」
グラード「だが、只ならぬ様子。手助けさせてくれまいか」
おじいさん「どうやら、儂の言葉が通じんかったようじゃのう」

 拡がる沈黙!

DM「恰幅のいい男、商人は驚いてるね、いきなり武装集団が現れて(笑)」
男「あ、あんたらなんなんだ!」
ロアルド「我々はここの娘さんに」
グラード「こちらの娘さんの依頼でこの村を襲っている竜を退治しにきたのだ」
男「じいさんよくそんな金があったな」
おじいさん「そんな金は無い、娘が詐欺を働いて連れて来た御仁だ」
DM「おじいさんは家に閉じ篭っちゃうね」
男「あんたら騙されてこんな田舎に来たのかい?」
ロアルド「少し調べてきたが、竜はいないようだな」
男「どうでもいいがなぁ」
グラード「何か知っていることは無いか」
男「我々は困っちゃいねえ、それだけだ」
一同「うーん」
男「あんたらから見ても無駄骨だったろ? ならさっさと帰っちまいな、怪我する前に」
一同「怪我する前に……?」
レオニス「困っていないと言うのに、何を怪我すると言うのですか」
男「? あんたら、退治するって雇われたんじゃねぇのか……?」
レオニス「あぁ……。そりゃ、そうだ(笑)」
グラード「それは、そうだな……(笑)」
男「あぁ、違うのか。そうかそうか、違うのかー。そりゃ悪かったなー」
DM「て拍子抜けした感じでパタパタ扇いで、そのまま馬車に乗り込むと去ってたね」
レオニス「困ってないけど、何かいるのは事実で。襲ってこないものをわざわざ倒しに行って怪我することも無いんじゃないってことね」
グラード「あぁ、そうかー」
レオニス「バケモノが居るのは認識されてて、ただ単に倒す必要もないと。それを退治しに行かないのか、と。やべぇ(笑)」
DM「あんまり首を突っ込むと怪我するぜ……と脅されたって誤解したのか(笑)」
グラード「そっちのイメージでした(笑)」
ロアルド「私は困りませんよーか」
レオニス「我々は、だったな」
ロアルド「じゃぁ、村人は困っていないのか?」
DM「では、さっきの商人に対して真意看破してください」
ロアルド「21」
グラード「20」
DM「特になにも思うところはなかった」
レオニス「商人(はったり技能ありそう)相手だからかー」
ダス「商人はこの村の人なんですかね?」
ロアルド「馬車で来ているから」
DM「家の前の自販機でタバコ買うのもキャデラックに乗りたい人でなければ、この村の商人じゃないね」
ダス「この村の奴じゃないなら、確かに困ってないかもな」
ロアルド「他の村人にも話を聞いてみようか」
スティーン「でもそれなら、面識のあるマイナさんの方が」
DM「ちなみに村人は、最初は訝しんでいたのに、今は期待の眼差しを君達に向けているね」
一同「おぉ!」
子供「よぉ、もうかえってきたのか!」
DM「と話し掛けてくるね」
スティーン「ムーと、にらみます」
レオニス「怖くないよ!」
子供「妖怪クマババアだ!」
スティーン「わ、私の熊をー」
ダス「しかし、居心地が悪いな」
ロアルド「なんだ、男の目線が嫌か」
ダス「違うよ、これが怨嗟の目に変わるんだよ!」
グラード「飛躍し過ぎだから(笑)」
レオニス「そこまで想定してなかったな(笑)」
ロアルド「とりあえず、子供に話を聞いてみようか」
スティーン「えー。しょうがない、行ってきますか」
グラード「頼む」
スティーン「ねぇー。ちょっと聞きたいんだけどー、と言いながら子供たちに近寄ります」

 ダスが妙なフラグを立ててしまったか! 続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 全ての人を救いながら、一刻も早く黒騎士を討つこと。
 あるいは、すべての人に害をなす魔獣を、悪を討つこと。
 確かに実現することは非常に困難かもしれない。
 しかしながら、破邪神の教義がまさに「この世の邪悪を滅すること」である以上、このことにはもっとしっかりと踏み込んで考えておく必要があったと、今になって強く思いしらされるのであった……。



・スティーン
 むー……私の大事な熊をー。
 でも、何か話を聞けるようなら、頑張るしかないか!



・ロアルド
 ほら、真面目な会話もできるんです!(キリッとして)
 でも後が続かなかった(笑)
 ううむ、商人か。魔物だけでなく何かしらありそうだな。
 またしても子供!
 夢も希望もありゃしない。



・ダス
 彷徨と咆哮って似てるよね。読みが!
 おじいさんは想像以上にハードコート。
 そして謎の商人の言葉のマジックに引っ掛かる面々。奴め、何者だ(笑)



・グラード
 三千世界の悪魔を殺す、そう誓ったグラードさんなら即答しなければならない問いだったのだが、キャラを固めきれていないとこうなるノーネ!ぐぐぐ、次こそは必ず……。
 商人とのやり取りも商人のイメージ先行で内容誤解してしまってさあ大変。
 マイナさんや村人の期待には応えたいところですが、大分頭が回らなくなってきた……どうすれば解決するのか。
 何か糸口を掴んでくれスティーン!

■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター5

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2


子供「うわぁっ! こっちきたぞ。にげろー!」
ロアルド「蜘蛛の子を散らすように!」
レオニス「これは絶対に追いつけない(笑)」
子供「おせぇぜぞー!」
スティーン「待ってよー」
ロアルド「ガッチャガッチャ(笑)」
DM「へーい、 秘密の通路だ! と路地の方に逃げてたっよ」
スティーン「もー……待ちなさい! っと言いながら全速力でがんばります」
DM「まぁからかいながらだから、振り切られはしないけど。……と反応セーヴだ」
スティーン「は、反応セーヴ……だと……。ホイっ」
グラード「おぉ、本気で避けた!」
ロアルド「マジ避けした!」
DM「ミラクルだね! 落とし穴があるのをバックステップで回避した」
ロアルド「大人気ない……(笑)」
グラード「いや、子供の作ったものとはいえ重装備で落ちたら危険だろう」
子供「だいいちぼーえーせんがとっぱされたぞー!」
スティーン「大人のお姉さんをなめないことね。しかし、うー。これは……。とりあえず熊さんとモールを預けて」
ロアルド「重てぇ」
DM「じゃぁ落とし穴を跳躍してもらおうか」
スティーン「跳躍かあ……。ちなみに子供は?」
子供「クマ・バ・バ・ア! クマ・バ・バ・ア!」
スティーン「い、威圧したら怖がりますか? いや、ちょっと酷いかな。でも」
 
DM「すこし頭を冷やそうかってなるよ」
レオニス「怖いから従うけど、もう子供から話し掛けてくれなくなるよ(笑)」
スティーン「それはヤだなあ(笑) 叱る程度は威圧じゃないんですか?」
DM「違うね」
スティーン「うぅ、じゃぁこの位置から。ちょっと話を聞きたいだけなんだけどーと」
子供「子分になるんだったらいいぜ! 子分になるか、妖怪!」
スティーン「うーん。ちょっとだけなら、いいよ」
子供「子分になるにはシレンがヒツヨーだ!」
一同「(笑)」
 
スティーン「なーにー」
子供「こっちにきて、オレをつかまえろ!」
スティーン「ぐっ。跳躍にペナルティーがマイナス8(笑) ……とうっ、おぉ、ギリギリ」
子供「あんなヨロイをきてるのにとびこえやがった!」
ロアルド「どうですか、解説のグラードさん」
グラード「やるなあ、あれは中々できませんよ」
スティーン「だから言ったでしょう、大人のお姉さんを舐めない方が……」
子供「さすが妖怪だ!」
スティーン「えー! もう、妖怪でいいよ」
ゾア「いいのかよ」
子供「だがだいにのシレンはてごわいぞ!」
DM「袋小路になって、石積みの壁を登らなきゃいけない」
レオニス「最高に相性が悪い(笑)」
スティーン「登るしかないっ。13、9」
DM「まだ登りきらないね。」
子供「6……5……4……」
スティーン「えっ、え。とうっ……17!」
子供「ちぇ、のぼりきったか!」
DM「と、肥溜めバケツを投げ捨てるね」
スティーン「ひぃー、危なかった」
ロアルド「酷い!」
レオニス「普通はどこかで落ちてる(笑)」
DM「さっきから目がいい。子供は屋根を伝って隣の家へ渡ったね」
レオニス「これ、屋根が落ちるんじゃないか(笑)」
スティーン「うーん、流石にこれは抜けますよね……」
グラード「屋根に穴が開いちゃいますね」
スティーン「しょうがないので、ジャンプで降りて下から追いかけます」
DM「明らかに“奴は試練に失敗した”だね」
スティーン「でもしょうがない!」
子供「アイツ、ズルしやがったぞ! もう仲間はずれだなー」
スティーン「それでも下から追いかける!」
DM「とまぁ、ずっと追いかけているうちに子供の方が疲れるね」
子供「はぁはぁ、おまえ……つかれねぇのか……っ」
スティーン「だから大人のお姉さんをって言ったでしょー。さて、お話聞かせてもらえるね」
子供「やだ、おまえはウソツキだ!」
スティーン「へ?」
子供「シレンをのりこえるってヤクソクしたのにやりもしないで。そうか、だからオトナなのか!」
スティーン「ゴメンね。でも、人様に迷惑掛ける訳にはいかないんだよ?」
DM「“何が?”って顔してるね。この子供にそんな論理は通じないようだ」
スティーン「最近聞こえてる鳴き声について、聞かせてくれない?」
レオニス「無視した!(笑)」
グラード「これは酷いですねえ」
子供「知らねえよ!」
スティーン「ざんねんだなー、そういうはなし、いろいろ聞きたかったんだけどなー」
DM「それは流石にはったり振って。うまく子供を釣り上げてくれ(笑)」
スティーン「技能は無いけど、えい。12です」
DM「無理だねー」
スティーン「だ、ダメかー。じゃぁ、お疲れ様です! みんなのところに帰るね」
グラード「おや、諦めましたね」
DM「切り替え早っ!」



レオニス「さて、家の扉は閉められているんだっけ」
ロアルド「我々はここに泊めて貰うことになっているし、入れるんじゃないか」
スティーン「とりあえず開けてみればいいんじゃない?」
DM「別に鍵とか掛かってないから、普通に開くんだけどね(笑)」
おじいさん「やはりこれではダメじゃ……」
少女「そうだね、おじいちゃん……」
DM「という会話があって、織物を無造作に置いたね」
レオニス「工房には2人だけですか?」
DM「そうだね」
ロアルド「そういえば、父親というか、夫ははいないのか?」
スティーン「とりあえず、マイナさんを捜しますか」
レオニス「いや、この状況はかなり気になる」
スティーン「でも話し掛けづらいというか」
ロアルド「職人だからこそわかることもあるんじゃないか?」
スティーン「だからこそというか、自分の作ったものがうまくいかない時はツライし、そっとしておいて欲しいこともあるから。人それぞれだけどね」
ロアルド「どうしたんですか、それ
グラード「おい、ちょっと……!」
レオニス「いともあっさり!」
ゾア「スティーンの台詞ぶち壊しじゃねーか!」
ロアルド「むう、これが魅力度が上がらない原因か!」
おじいさん「なに、単に失敗作が出来ただけだ。気にせんでくだされ」
ロアルド「そうですか……。うーむ、いろいろ聞きたいんだが、俺交渉低いんだよなー」
DM「べ、別に失敗しただけなんだからね! 勘違いしないでよ!」
ダス「え、子供そんなコなの!?」
ロアルド「どうした、ダスセンサーが動いたか(笑)」
 そして会話の糸口を見失い、ざわざわと惑う面々。
DM「ちなみに織物は淡い紫をしている。鑑定技能でどういうものかは判るけど」
スティーン「あ、ある」
DM「きちんと調べさせてもらえば、振れるよ」
グラード「ではスティーンに、そんなにダメなものなのか?」
レオニス「そんなパッと見じゃ流石に(笑)」
グラード「そうか。この織物、見せてもらっていいだろうか?」
おじいさん「構いはせんよ、どうせ捨てるものだ」
スティーン「どれどれ、でも綺麗な織物ですけどねー」
DM「それは鑑定する前に言っちゃっていいの!?」
スティーン「いや、お世辞と言うか、こう見せてもらったことに対してパッと見の普通の反応というか」
DM「それなら。では(……判定結果的に心にもないことを言っていたことになりかねないのだが、普通の反応なのか?)」
おじいさん「そうかい、それはあんたの見る目がないだけじゃ」
ロアルド「おおぅ」
スティーン「と言いつつ、振りまーす」
グラード「スティーン・スーパー・ドライ」
DM「ドライだよな〜(笑)」
ロアルド「世辞を言いながら本気出すスティーンであった(笑)」
スティーン「20です」
DM「うん、確かに誉め過ぎた。“あからさまなお世辞”か“完全に見る目がない”かの二つに一つである」
一同「(笑)」
DM「織った布としての技術はいいけど、色がくすんでいるというか、染織物としては物足りない」
スティーン「でもしっかり造ってあるじゃないですか、勿体無い……」
DM「さて、ここで! どうやら女の子の服も同じような色をしているが、遠巻きに見ても色合いの鮮やかさが全く違うね」
一同「ふむ……」
DM「以上、鑑定結果でした」
ロアルド「でもココじゃ相談できないし、スティーンしかわかってないのか」
レオニス「おじいさんは?」
DM「仕事してるというか、片づけをしてるね」
スティーン「じゃぁ、おじゃましまーすと伝えて奥へ」
ロアルド「部屋に戻ろう」
スティーン「さっきの織物なんだけど、確かに腕はいいけれどなんか色身がよくなくて……。それで女の子の服を見たら、とても色がよかったの。それで、ここからは私の予想なんだけど言っていいかしら」
レオニス「染料が?」
スティーン「そうね、多分染料が違うと思うの。それで、あの森に鮮やかな色が出る染料があるんじゃないかしら」
レオニス「鳴き声と染料の不足、何か繋がりそうだな」
スティーン「それで、あの商人が染料を売りつけに来ている、と。でもやっぱり予想だからマイナさんに聞くのが一番かな」
レオニス「あぁ、商人は困ってない、おじいさんは困っている。他の村人は染物をしているのかはわからないが」
スティーン「他の人たちは、ただ心配事が解決してくれれば嬉しいでしょ?」
ロアルド「わからんな、この村全体が困っているのかもしれないな」
グラード「やはりマイナさんに聞いてみるのが妥当か」
ロアルド「マイナさんは何処にいるんだろう」
レオニス「とりあえず、さっきマイナさんの声が聞こえた部屋に行ってみよう」
スティーン「行きますか。そしてノックを」

 スティーンのドライな切り替えの早さに他の全員が動揺していた! 続く!

●プレイヤーズコメント

・レオニス
 スティーン無双。実に輝いていたな! 思わず応援してしまった。
 もう少しで立派な子分になれるところだったのだが……(笑)
 しかしこう、彼女の意外な一面を何度か見た気もする。
 やはり実にユニークな子だ。

 ……彼女の方が年上だった。

 さて、事の次第がわかりかけてきたか。
 ここからが肝心だな。



・ゾア
 がんばれスティーン。追いかけっこは本来身軽なダスや私のやることだが。
 と思ったらあっさりあきらめたり情が深いんだかドライなんだかわからんな!
 そして困りごとの事情の一端が見えてきた。



・スティーン
 私の勝手な予想が正しければ、だけど。
 マイナさんも工房の為に必死だったんだろうな。
 きっと生活のため、だけじゃない想いもいっぱいつもってる。
 きっと何か力になれるよね。



・ロアルド
 これだから子供は!俺は苦手だ。
 まったく、ダスの好みは分からんよ。
 そして、スティーン・スーパー・ドゥライ(笑)
 しかし俺は空気読めないな。これは笑えない……。



・ダス
 子供が容赦ねー! スティーンがいい子で命拾いしたようだな!
 ロアルドが行った。そして帰ってきた(笑)
 ようやく問題の糸口が垣間見えてきましたねー。幼女の服が鍵!



・グラード
 解説役、結構楽しかったです(笑)
 まさかあの穴を飛び越えるとは……やりますね。
 しかし、スティーンは切り替え早いなあ(笑)

 さて、依頼の方は何とか解決の糸口が見えそうな予感……マイナさんの部屋へ急げ!

■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター6

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2


DM「警察だ! とまぁしばらくすると扉越しに」
マイナ「はい……なんですか」
レオニス「少しお話をしてもよいですか」
マイナ「なんでしょう」
DM「とても話しにくそうな声だね。ゴメンナサイオーラが」
レオニス「確かに、普通だったら騙しやがってこのアマ野朗って言われてもおかしくない」
ロアルド「アマ野朗、新しい(笑)」
グラード「酷い(笑)」
レオニス「いや、このビッチって言いかけちゃって(笑) たしかにまぁ怖かろうなあ」
グラード「まだ言ってる(笑)」
ダス「これまでの馬のメシ代払ってもらおーかねぇ」
ロアルド「お金がないってんだったら、なに、そこの子供を」
ゾア「ついにロアルドもそっちの道に……」
DM「そっちなんだ(笑)」
グラード「えー(笑)」
ロアルド「ダス、恐い」
ダス「ダスのせいにされた!(笑)」
グラード「これも日頃の行いが(以下略」
スティーン「いや、べつにそんなにかしこまらないでいいんです。扉、開けていいですか?」
ロアルド「別にとって食おうってわけじゃないんです」
マイナ「……申し訳ありませんでした」
ロアルド「いえ、その話はいいんです。我々に何か出来ないことがないか探ってみたのですが。いくつか気になることがあってお話を伺いたいと」
レオニス「あ、おじいさんの名前聞いてなかった……。あの方は貴方のお父上ですか? 失礼ですがお名前は……」
マイナ「……そうです。私の父はサトナスと申します」
レオニス「サトナスさんは、何も困っていることはないと仰ってはいますが。やはり困っていることがあるのではないですか? それは、なんでしょうか」
DM「重い沈黙が」
スティーン「よければ、私たちに聞かせてくれませんか?」
DM「ホントに長い、悩んでるような沈黙」
レオニス「それは、紫色の染料に関係するのではありませんか?」
DM「……表情見れないのが惜しいね(笑)」
レオニス「そうだよ、それが知りたい! 言わなくてもわかるんですって!(笑)」
ロアルド「ガタッと、何か落とす音が!」
DM「動揺が(笑)」
レオニス「……そうなのでしょう?」
マイナ「……ご、ごめんなさい……。私、怒られますので」
DM「とまぁ、真意看破、何それ? なバレバレ反応です」
ロアルド「怪物が、染料を取る邪魔をしているのではないですか?」
DM「やっぱり、長い沈黙だね。すると、子供の足音が近づいてきたよ」
レオニス「決断しないとこのままか……」
ロアルド「振り返ると……」
DM「ロリがいる! 訳じゃないけど、もう1ラウンドぐらいで来ちゃうね」
スティーン「じゃぁ振り返ってしゃがみます」
DM「大丈夫、しゃがまなくても目線合うから(笑)」
スティーン「うわーん(泣)」
グラード「神よ……」
少女「どうしたの? おかあさんに何かご用なの?」
スティーン「ちょっと、染料の話を聞きたかったんだけど。お話を聞かせてくれないかな?」
少女「おかあさんはいま怒られてるから、ダメなの」
ダス「なら君が教えてくれるかい?」
DM「この子なら怒られていいらしい!」
グラード「なぜ、染料のことを聞くと怒られるんだい? と屈みながら」
少女「だって、おじいちゃんがそう言ったから」
レオニス「サトナスさんには言わないから、怒られることはないよ」
DM「(実にサラッと騙そうとするオトナがいるな)それははったり振って。レオニスが本気で絶対ばれないし怒られないと思っているならいいけど」
レオニス「うーん、たしかに。我々が結託して隠し通せたらってレベルの話だしな……。はったり……10……」
DM「(この娘はレオニスの甘言を信じたいと思ってるから真意看破に-5ペナで……)よし、オープンでいくぜ。……1振った!」
一同「おぉー!」
レオニス「おじいさんに秘密にしておけば」
少女「ホント? かみさまにちかって?」
グラード「ははは、ハハハ(乾いた笑い)」
DM「子供はよく言いますよ(笑)」
ロアルド「そして、それが一番重たい人に向かって!(笑)」
少女「ゼッタイ、おかあさんはしかられない?」

 あきらかに“やっちまったなぁレオニス!!”という空気で視線が集まる!!(笑)

レオニス「うん、きっ……」
ロアルド「き?」
DM「き?」
レオニス「……そうしてみせよう、神に誓って!」
一同「おぉー」
グラード「レオニス! と目を見開き見つめます」
DM「こうして、神への誓いが(笑)」

 説明せねばなるまい!
 この誓いが決定的に破られた場合、レオニスは死ぬ!!
 ……いや、人としては死なないが、PCとしては死ぬ! 聖騎士同様に厳しい破邪導師(ホーリィ・スカージ)の戒律を破り、その特殊能力を失うからだ!!

 さらに踏み込んだ補足説明をすると!(読み飛ばしてもよい
 無論、嘘に対する寛容さは宗派によって違う。そしてレオニスやグラードの神である破邪神はトップクラスに嘘に厳しい。しかしだからといって、潤滑油としての世辞や冗談を口にした途端堕落したりはしない。乱用を避け、極力慎むべきではあるものの。つまり任務のために傲慢な貴族(だが犯罪者ではない)に社交辞令で接し、その中に嘘(“お招きに預かり光栄です”等)が混じったとしても、懺悔の祈りを後に行なっていればセーフ。
 駄菓子菓子。
 今回のように「神に誓う」となると、それはもう己の全身全霊をベットしたに等しい。
レオニス「“魂”を! 賭けよう!」
少女「グッド!」
 厳格なる破邪神の信徒の中でも精鋭中の精鋭である破邪導師は「破ったら死」くらいの覚悟完了が必要となるのであった。言い方を変えれば、だからこそ「自分は嘘をついていない」という、普通なら証明が難しいことに対する何よりの証にもなるのだが。

 
レオニス「皆がまた笑顔になれるよう、力になりたいんだ」
ロアルド「また余計なことを(笑)」

 自動的にこのシナリオの最終目的が“決定”された瞬間である。
 家族が全員笑顔で満足する……その結末以外は身の破滅という、TRPGでは珍しい「ゴールは一つだけ」状態。だがその意気やよし!!

グラード「プレイヤー的に頭をかかえつつ、腹をくくります。それでこそ破邪神の使徒だ」

 なぜ腹をくくるか。レオニスの誓いが破られた場合、それを見届けたグラードも巻き込まれるからだっ!
 神の連帯保証人! 「いやオレはその場にいただけだから」は通用しないっ! なぜなら「その場にいただけの他人」ではないからだっ!!
 そしてグラードは「アイツが勝手に誓っただけで、俺は知らん。だがそれはそれとして、少女の口から得られる情報は有効活用だな」とのたまうような男ではないし、のたまうような奴はそもそも聖騎士になぞなれない!
 また、当然ながら「そんな安易に誓うのはいかんだろう!」と止めることもできました。

少女「染料が、森からとれなくなっちゃったの。危なくていけないからって。森のなかに木の実があるの」
レオニス「それが、染料」
少女「木の実から、とってもきれいな色が出るの」
レオニス「怪我をした人は居るのかい?」
少女「ううん、おじいちゃんが危ないからって」
スティーン「今までは誰が採りに行ってたの?」
少女「おとうさん」
レオニス「あれ、そのお父さんはいま……」
少女「……」
ロアルド「グサっとした!?」
スティーン「ご、ごめんね?」
グラード「ということは、お父さんは襲われて?」
レオニス「いや、怪我をした人はいないって」
DM「子供が理路整然と喋れてない可能性はあるよ」
レオニス「お父さんは帰ってこないの?
少女「……」
グラード「レオニス、もう少し言葉を選んではどうだ?」
ロアルド「これ以上は、子供にはもう限界なんじゃないか」
スティーン「けれど、これで戦う理由は……十分だと思うな」
ダス「そうだな」
DM「おじいさんが近づいて来ますよ」
ロアルド「ひーっ!」
レオニス「おっと……離れようか」
DM「逃げやがった!?(笑)」
グラード「ちょっとそれ酷くないか(笑)(プレイヤー)」
DM「まぁ、ほぼバレバレなんですけどね。家のココとソコみたいな距離だから」
一同「あわわわ」
サトナス「ここから先は、儂が話しましょう」
レオニス「申し訳ない」
サトナス「息子が採れなくなってからは、村のものに採りに行ってもらっていただけだ」
グラード「失礼ですが、息子さんが採りに行けなくなった理由をお聞かせ願えませんか?」
サトナス「勘違いしないでくれ、それは単に病気じゃ。何かに襲われたとか、そういうことはない」
ロアルド「そして、村人達にも頼めない状態ということですか」
サトナス「あたりまえじゃろう。あんな声を出す奴がおるところに行かせるわけにはいかん」
スティーン「逆に、木の実をこの村で栽培させてみるのは」
ロアルド「凄い提案来た!」
サトナス「そりゃ時間をかければ可能じゃろうが」
レオニス「何年掛かるんだ(笑)」
スティーン「いや、解決してもまたこういうことがあるかもしれないなら、村で育てれば困らないんじゃないかなあと」
DM「プロジェクトXが始まっちゃうよ!(笑)」
スティーン「今回は行くことが決まってるし、魔獣がホントに巣を作っていたら、木の実だけでも沢山回収して……」
ロアルド「いや、ちょっと待とう、話が逸れてる。そして、まだ倒しに行くとは確定してないし」
グラード「では、その声の主を何とかすれば、この村は助かるのだな」
サトナス「この村は特に困らんよ、染料を作れんでもな。これで生計を立てているわけでもない」
レオニス「困るのは……」
サトナス「儂が我慢すればいいだけのことじゃ。それに、放って置けばいなくなるかもしれんしのう」
DM「すると、マイナさんが出てきて」
マイナ「でもお父さん、それじゃ……それじゃ間に合わないじゃないですか!」
サトナス「黙っておれ!」
DM「すると子供がビクっとして、レオニスをキッと見る(笑)」
ロアルド「嘘つきって(笑)」
レオニス「ひぃっ! ……サトナスさん、お待ちください」
DM「さあレオニス、子供が見てるぞ!」

 レオニスのプレイヤー、これでしくじったらキャラクター四人目か……続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 救いたいという気持ちに偽りはない。
 だが自分の行いが、彼女たちを困惑させ、苦しめている。
 子供と侮り、偽りを口にする。
 交わした約束は、とても重い。
 真実を見定めようとした自分の目には、自分が何をしているのか見えていなかったのか。


・ゾア
 会話に混ざれてない!
 しかし事情はなんとなく見え始めてきたぞ。


・スティーン
 この人たちの力になりたい。
 まだ、分からないことも、判断付かないことも、色々あるけど私ができることがきっといっぱいある!

 以上、去年の国際生物多様性年に感化されまくったスティーンでした。
 完全に、現代の考えで来ちゃってますね。うー良くない。



・ロアルド
 レオニスーッ!!なんてことを……。
 難題が無理難題にレベルアップしたじゃないか(笑)
 と思ったら、早速約束破りの危機が!
 どう収拾をつけるというのだ?



・ダス
 立ち上がるレオニス! 立ち上がれレオニス!
 抱えている問題は見えてきたけど、サトナスさんの召喚で吹き荒れるフィールド!

■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター7

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2

レオニス「待っていられない理由が、あるのですね?」
サトナス「そんなことはありゃせんよ」
DM「と不機嫌そうに。明らかに嘘ですが(笑)」
マイナ「ここの領主様のお城で……」
 
DM「マイナが口を開いた瞬間、サトナスは殴りかかろうという勢いで……」
レオニス「そ、それだけは勘弁してください!」
サトナス「黙れと!」
グラード「間に割って入ります」
DM「ロープロープ」
グラード「ブレイク、ブレイク」
DM「ブレイクしてやるわァ!」
グラード「うわぁー、サトナスさん落ち着いてください!」
レオニス「どうか、マイナさんを叱らないであげてください」

 それにしてもこの破邪導師、および腰に必死である。

マイナ「王子様が成人されるお祝いでお祭があるんです。それで、領地の中から色々献上されるのが恒例で。そこで目にとまれば……」
DM「と言って、言い過ぎたという感じで黙っちゃうね」
レオニス「わかりました」
サトナス「もう十分じゃろ。頼むからこのまま帰ってくだされ。明日にも」
一同「……」
 黙り込んでしまう一同。
少女「おじいちゃん、わたしお姫さまのおようふくをつくれなくなってもへーきよ?」
レオニス「そうか……」
スティーン「涙をこらえて、自分のモールを見つめます」

 幼い職人が夢を諦めようとしている……道は違えどやはり職人であるスティーンには思うところがあったようだ。

ダス「聖騎士さんよぉ、ビッシリ言ってやって!」
ゾア「ロリが絡む仕事でお前が口を出さないとはどうしたことだ!?」
ロアルド「手は出すのに!(笑)」
ダス「いや、俺が叫んで何とかなればいいが、この場をどうにか出来るのは聖職者たるレオニスとグラードだけだと思って……」
ゾア「俺も聖職者なんだけどな……」
DM「むしろダス以外の全員が」
ダス「なんだって!」
少女「ここでおじいちゃんとはおしごとしてるだけでしあわせよ」
ロアルド「なんだか泣かせるなぁ」
グラード「わかりました、その子のためにも森の元凶は我々が何とかしましょう。ここで引き下がっては聖騎士の名折れだ」
サトナス「せんでいいと言ったはずじゃ」
レオニス「では、我々はこれで退散しましょう。その帰り、寄り道することはあるかも知れませんが。私たちが勝手にすることですので、お気になさらず」
ロアルド「だからそれを言うなよ!」

 当てつけた捨て台詞を忘れない男、レオニス!

サトナス「やめてくれ……」
DM「ものすごく、本当に辛そうに言います」
サトナス「やめてくれ。儂は、あなた方厚意に酬いるだけの金はない。あなた方が儂を助けようとするのは善意なのだろ?」
ロアルド「えぇ」
サトナス「それだったらやめてくれ。儂のわがままのために、人を危険に晒すなど。儂が儂を許せなくなる」
一同「……」
サトナス「それであなた方の身に何かあったとしよう。そうなれば、孫にその命を背負わせることになる。これがどんな意味かがわからぬとは言わせませんぞ」
ロアルド「うーん」
サトナス「金が、正当な報酬が払えるならば、儂はそんなことに躊躇しない。しかし、我々にはあなた方の命を買うだけの金はない」
スティーン「世の中お金だけじゃないです!」
サトナス「金がなければ何も出来ん、それが世の中じゃ」
スティーン「貴方には職人としての腕がある。私にも職人として、そして魔獣に立ち向かうための腕がある。それを振るおうとしないでどうするのですか!」
DM「ふむ、では知識:貴族・歴史を振ってください」
ロアルド「24です」
DM「どれだけ職人としての腕が良くても、繋がりがなければ芽が出ないのが現実です」
ロアルド「これが、それを得るチャンスと」
DM「スティーンから見れば、これだけの技能があれば、素材の品質は都会で出回っている逸品に遜色無いと思っている」
グラード「そして、それが正しく評価されるには、腕だけでなく“評価される機会”がないと、ということを自分達はわかると」
DM「つまり、この村で細々とやっている限りは、見初められるようなチャンスは0に等しいと思った」

 そして、再び沈黙が支配する。

レオニス「我々が誰かの為にことを成すのは、それが我々が神から力を与えられた理由であり。たしかに、あなた方の為になってしまうのかもしれないが、そのために神から力を授かっているのです。力を振るわずして、何のために我々は生きているのか。……まだまだだな」
ロアルド「難しいね、それだと単に自己満足を通したいになってしまう……。娘がどう思おうが関係ないぜー! って」
一同「(笑)」
レオニス「俺は義務だからやってんだよ、みたいな」
ロアルド「きついな……助けないでくださいって」
レオニス「確かに貴方の腕は立派だ。かような機会があれば、きっと目にとまる。そうしたら、いずれ我々に対価を払えばいい」
サトナス「保証は無い。命を軽く考えないでくれ。自分の命が自分だけで扱えるものと思ったら、大間違いじゃぞ」
ダス「こいつら、こうなったらテコでも動かねぇぜ? 頼むから、受け入れてやってくれよ」
サトナス「儂も、職人としての誇りがある。自分のことでそんな勝手を認めたら儂の誇りを捨てることと同じじゃ。儂の作るもので人は死なせん!」
スティーン「死にません!」
レオニス「死にませんを押し通して何とかなればなあ。わからずやのじいさんか……立派だ。くぅ……」
サトナス「敵の正体もわらぬうちに、安請け合いするもんじゃない」

 たしかに「相手はコボルド10匹です」とかなら、“死なない”と断言してもいいだろうけれど。まぁ死ぬ可能性ゼロじゃないが。

スティーン「でも、祝祭に間に合うだけの染料があればいいのよね?」
サトナス「必要ない」
グラード「我々が染料を採りに行くのはどうだろう。倒しに行くわけではない」
レオニス「それで納得してくれるとは思えないなあ」
ロアルド「だけど、祝祭で目に止まれさえすれば」
スティーン「そうね、世界中に染料は色々あるわ」
DM「まぁ、さっきは別の染料で失敗してたけどね。というか、原材料輸入とか村人に対してどれだけハードル高いんだよ(笑)」
レオニス「それができれば商人やれるな」
ロアルド「あの商人を呼ぼうってなるよ(笑)」
グラード「身も蓋もないな(笑)」
ダス「そんな納得できないものを造って、その職人としての誇りは満足できるのかよ!」
サトナス「誇りで命は還って来ぬよ」
ダス「ぬぅ」
サトナス「もういいじゃろ」
DM「と背中を向けて、道具の手入れに戻っちゃう」
スティーン「ぐぅ……。外に向かって走り出します!」
DM「お、月に向かって」
スティーン「走って、森に向かいます!」
ロアルド「あぶねえぇえ!」
グラード「そーれは、無謀なんじゃないか」
ロアルド「ちょっと追いかけて止めます。どうするつもりだ」

 
グラード「落ち着けスティーン。早まるな!」
DM「丸腰だぞ(笑)」
ゾア「止めろー!」

 レオニスが捨て台詞言わなかったらどうなってんだ、これ(笑) 続く!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 それが子供の夢のためであると正当化しようとも、我々の信じる善意を押しつけることは、サトナス殿の信念と誇りを踏みにじることとなる。
 人の信念と誇りは時に命よりも重いということ、それは神に全てを捧げ教義のために死をも厭わない私達自身こそ、一番よく知っていなければならないことであったのだ。



・スティーン
 そんな……だってまだ、森に何が起こったかだってちゃんと分かってるわけじゃないじゃない!
 どうして……どうしてそんなに悲観的にしか考えられないの?
 力になってあげたいのに。苦しめるつもりなんて全くないのに!
 みんな、家族で頑張って作り上げたものを、子供の夢を守ってあげたいって。
 そう思っちゃいけないなんてあんまりよ!



・ロアルド
 レオニスーッ!!その2(笑)
 皆の笑顔を取り戻そうというのに、勝手にさせてもらうとはこれいかに。
 しかし、本当に難しい問題だ。
 助けないでくれというこのがこんなに厳しいことだと思わなかった。
 何か糸口は無いものか?
 そして走り出す若さ。ジグザグ青春ロードだな(笑)



・ダス
 サトナスさんが堅い! 一筋縄じゃいかない!
 頼られないのがこんなに大変だったなんて、想像もしなかったぜ。
 ダスも、ピリッと説得できるようなこと言えればよかったんですけど、なかなか。

■“彷徨”キャンペーン 第5回(パーティーレベル8) チャプター8

 レオニス ホーリィ・スカージ3/ウィザード5
 ゾア ウォープリースト1/フェイヴァードソウル3/レンジャー2/ファイター2
 スティーン バトルスミス1/ファイター6/ブラックスミス1
 ロアルド クレリック7/レンジャー1
 ダス インヴィジブル・ブレード3/ローグ3/スカウト1/ファイター1
 グラード パラディン6/ファイター2


グラード「何にせよ一旦部屋へ戻ろう、話はそれからだ」
スティーン「でも……だって! そんな、ひどいじゃない!! あんなに頑張ってて、みんなが満足してくれるようなものも造れるのに。みんなに届けられないなんて。それを助けてあげられる力も私にはあるのに振るえないなんて! と言って泣き崩れます」
グラード「まだ全ての望みが絶たれたわけではない、何とか良い方法を探すんだ」
ロアルド「気持はわかるが、落ち着くんだ」
ダス「しかし、良い方法か……。俺一人なら、勝手に森へ行っても問題ないんだがな」
ゾア「また死にたいのか」
DM「いや、俺個人で関っていることなら家族の気持ちを無視して、ハッピーエンドを気取ってサティスファクション出来るのにってことだよね?」
ダス「まぁ、そうかな。キャラとしては、あの娘が夢を叶えられるなら、満足できる」
レオニス「だが、それでは意味がない。我々が勝手に問題を解決しても、サトナス殿はその染料を使ってはくれないのではないだろうか」
スティーン「どうすれば……みんな笑顔になれるのかな?」
ゾア「気になる点は少しだけあるんだよなあ」
スティーン「気になること?」
 
ゾア「サトナス殿に聞いてみなきゃ詳しいことはわからないけど。今じゃ冒険者が命の危険があるって言うぐらいなのに、前は村人一人で採りに行ってるぐらい安全だったんだよな。しかもこのタイミングで」
ロアルド「ということは?」
スティーン「なにか陰謀が?」
レオニス「なるほど……城にあがる機会である祝祭、採れなくなった染料、そして訪れる商人……か」
ゾア「けど陰謀にしてはちょっと乱暴過ぎる気がするんだよなあ」
ロアルド「韻を踏んでる? ラッパーか?(笑)」
 
ダススティーン「♪〜innboにしてはちょっとRanbo-」
グラード「ノリノリだな(笑)」
ゾア「祝祭に持って行けなくすりゃいいだけだから、わざわざ危険な生き物を手に入れて森に放すとか手のかかることをやるかなあとは思う。まあでも理由としてはこっちの方が自然かな。『盗まれた!』より『作れませんでした!』のほうが」
ロアルド「犯人捜しで疑われるかも、ってことか」
スティーン「商人が染料を売りたいとか?」
ダス「でも商人が染料を売ってるっていうのは、推理であって確定してないよ」
レオニス「仮に、仮にだ。これが陰謀だとすると、出品自体の妨害が目的か、あるいは、それにつけ込んで金を稼ごうという魂胆があるのか……」
ロアルド「だとすると、あの商人を探るのも手かもしれんな」
レオニス「だがな、確たる証拠もなく人を疑うことから始めたくはないのだよなぁ……」
 
DM「マイナさんのことは初っ端から疑ってたけどな(笑)」
レオニス「そ、それはゴニョゴニョ」
グラード「陰謀というのは考えたくはないが、マイナさん達家族がそれに巻き込まれたというなら、それも含めて解決しなくては。しかし、化け物の声がして染料を採りに行けない他に差し迫った実害がない上に、依頼者の父親からは固く断られてしまったのは厳しい状況だ」
スティーン「あぁ……意見を言うタイミングが難しい……よし、じゃんけんで決めましょう(笑)」
ロアルド「和んだ(笑)」
ゾア「それに狩猟神の信徒としては森の異変は見逃せない。調べてみるだけの理由にはなる」

DM「(隣の部屋から)ピザ頼んだよー」
一同「わーい、イヤッホーーイ!!!」

スティーン「とりあえず、商人の所へ行くか、森へ行くか。あと、私はやっぱりマイナさんと娘さんの真意を確かめないと、みんなを笑顔にできないと思う」
グラード「ところでみんな、マイナさんの娘さんの名前も聞き忘れてないか?」
ダス「あれはもう、タイミングを逸してしまったからなあ」
ロアルド「ロリとしてそれでいいのか!」
ダス「ぐっ。まぁ、ソレを含めても、あの時は不覚にもタイミングを逃してしまったな」
グラード「今から真意を聞きに行ってその時に名前を訊ねるわけにはいかないだろうか?」
スティーン「……別に名前くらい。普通に聞けばいいじゃない?」
ダス「そうだな、マイナさんに話を聞きに行く場合はそれでいいかもな」
ロアルド「後は森に行くか、商人を探るか。ただ、商人を探すには一手間掛かるな」

レオニス「普通に森に行って、そいつが魔獣だったらいいのか……? そういって命を落とそうものならサトナスさんの責任になってしまうのか」
キートン山田「このキャンペーンの死亡率の高さはTRPG部髄一である」
ゾア「今までいなかった化け物がこのタイミングでやってきた。これが偶然なのか、それとも誰かの企みなのかはともかく、森の調査はせねばならないだろう。行った結果が魔物だったら破邪神官の出番だ、そのついでに染料を採ってくるのは構わないだろう」
レオニス「……釈然としない話だな。……確かにこのまま帰るという選択肢だけはないのだが」
グラード「とにかく今は情報が不足している。マイナさん達がどうしたいのかと、森の調査は必要だと思うのだが?」
 
スティーン「ぐっと涙をぬぐって。私もそれがいいと思う。とにかく何か行動しなきゃ」
ダス「ただ、どういう名目だろうと、森に行くということはサトナスを裏切ることに等しいだろ?」
スティーン「うーん……そっかぁ」

 どうするどうする君ならどうする! キャンペーン第5回、これにて終了!!


●プレイヤーズコメント

・レオニス
 確かに、村に来てまだ数刻にすぎない。
 まだまだ我々が把握していないことの方が多いだろう。
 剣を振りかざして森に分け入ることだけが解決の方法ではないはずだ。
 村の中で、あるいは危険のない範囲で森の近くで、集められる情報は全て集める。
 悩むのは、それでもどうにもならないときだ。



・スティーン
 自分の気持ちと相手の気持ち。
 自分がこういう形で重荷になるなんて、思ってもみなかった。
 自分の思う正義を貫くことはできるけど、それが拒否された時、誰を思いやるのが一番なのかな。



・ロアルド
 あちらを立たせば、こちらが立たぬ。
 森、商人、マイナさん。まさに三竦み……。
 ああ、どうせなら俺はマイナさんを巡るトライアングルに巻き込まれたい。
 だが、どうやら商人を探る方向に進みつつあるようだ。
 これでまたマイナさんとのフラグが立たない!



・ダス
 ピザだー! はふはふ。
 しかし、いまだ見えない解決策。外堀から埋めていくしかないのかなあ。