“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター1

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4


 前回セッション終了後のモニ。

モニカ「お兄様がどんな呪文を使えるのかをパーティー間で把握した方が、作戦を立て易いと思うんです! ピンチの時のアイディアも具体的に出せると思うし!! だからお兄様、呪文の情報を共有して下さい!!」

 プレイ当日

アルブレヒトの中の人「呪文リストは朝チャットに貼っといたよ」
DM「……いや、呪文の名前だけ並んでても、モニカ、ダスティ、クラウスは初心者なんだし?」
アル中「え、俺が効果まで説明しないと駄目なの?」
DM「素晴らしく建設的な意見を出して、見事なやる気を見せてくれてる初心者相手にお前はお前はお前はぁぁぁぁぁぁぁ!!! こぉとぉもぉあろうに『なんで俺がそこまで説明してやらないといけないの?』だぁぁぁぁぁとぉぉぉぉぉぉ!?」
アル中「え、いや、その……」
DM「挙げ句当日の朝7時にリスト出して、『今からこれ全部お前ら自分で調べろ』ってことなわけぇぇぇぇぇぇ!?」
アル中「俺が悪かったぁぁぁぁぁぁぁ!!! ホントごめんなさい!!!」
モナカ「もう自分で調べるからいいです(ぷい)」

 結局共有されないままプレイ開始だ!!

DM「というわけでさぁ行こう、どうぞ」
アルブレヒト「今回はコンティニュアル・フレイムもあるからバッチリだぞ」
レーグネン「暗闇対策は?」
アルブレヒト「コンティニュアル・フレイムだ」
ダスティ「暗闇対策はOKなんですか?」
DM「アルブレヒトの発言を聞いてないかの如く(苦笑)」
ダスティ「じゃ明かりはまずは大丈夫と」
レーグネン「皆さん、リムーヴ・フィアーはかかっているんで」
クラウス「マインドブレード出しておきます」
レーグネン「今日こそ村を……」
DM「燃やすぞ!」
一同『えっ!?』
レーグネン「村を燃やして逃げよう!」
DM「証拠隠滅!」
モニカ「いいのかそれは?」
レーグネン「神は見ている……」
DM「恐ろしい魔物の仕業ですって言おう」
アルブレヒト「戦勝神にすごい誓い立てちゃったからなぁ」
レーグネン「そんな爆速で堕ちたくない……」
DM「それやったしな、もう。プレイ2回目で堕ちる聖騎士は」
ダスティ「どんな経緯が……」
レーグネン「悲しいことがありました……」

 ダスティ、結局君は本当に他のリプレイ読んでおいてくれないな(笑)(読んだらより楽しめるんで、暇を見つけて読んどいてと言ってからリアル1年近く経過)

クラウス「では、いざ……」
アルブレヒト「ダスティ、コンティニュアル・フレイムの呪文レベル2の奴持ってて」

 コンティニュアル・フレイムの呪文は魔導師と神官、どっちでも使える呪文なんですが、魔導師呪文としては2レベル呪文なのに対して、神官呪文としては3レベル呪文なのです。なので後者は通常2レベル呪文であるダークネスに対して、呪文レベルで優越出来ることになる。

DM「早く進みなさい。準備で悩んでグダってるから、どんどんサクサク行こうぜ」
ダスティ「じゃこの辺まで」
DM「バンバン行きなさい」
ダスティ「じゃ……〈視認〉とかいろいろやりつつ行きます。これアルブレヒトが一番最後でいいんだよね?」
アルブレヒト「まぁね」

 
クラウス「ダスティフィギュアの作りこみがやばい」
アルブレヒト「ダスティこんなかっこいい奴だっけ?」
ダスティ「いやいやいや……かっこよかったですよ」
レーグネン「大分かっこよくなった」
アルブレヒト「こんな奴仲間にした覚えなかったけど」
ダスティ「パワーアップしたんですよ」
DM「前回貴族的発言したから見た目も急によくなったんだよ」
アルブレヒト「あまりみすぼらしい格好で付いてこられても困るからな」
DM「貴族的発言をしたことでブリリアントさが増したよ。『あれ? こいつちょっと貴族っぽくなってね?』って」
クラウス「でもお兄様からは嫌われている」
アルブレヒト「だから一番遠くにいる」

 火の玉ストレートに嫌ってらっしゃる(笑)

 
ダスティ「さて、とりあえず分岐のところまで来ましたが大丈夫ですか?」
アルブレヒト「大丈夫じゃなかったらDMがちゃんと教えてくれるよ」
クラウス「そろそろ先日襲われた場所の近くだ、気を付けよう」
DM「皆は〈視認〉を振ってもらおうか」
八夏「5……」
レーグネン「23!」
DM「表情の暗い八夏よ、私は割となんでもないところでサイコロ振れと言うぞ」
レーグネン「デコイダイス(笑)」
アルブレヒト「16」
クラウス「10」
ダスティ「15」
モニカ「20」
DM「何も起きないです」
ダスティ「じゃ行きます」
DM「レーグネンがいい目出したけどね。20近く振ったでしょ?」
レーグネン「20出しました」
ダスティ「前は右の方に行こうとしたんでしたっけ? 右でいいですか?」
アルブレヒト「あっち(左)なんか見える?」
ダスティ「じゃ見ます。ここから見える範囲で」
レーグネン「あ、ダスティ明かり持っている印無いからつけておいて」

 ミニチュアの台座に貼ってあることがある赤い円形シールは、明かりを展開中の印です。
 これの有無が最優先される為、「さっきライトの呪文かけて貰ってました」と主張しても、この印が無かったら
 
 ことにされ、覆ることはありません。
 TRPGはそのへんの「本人は宣言してマスターにも伝えた気になってるが、実際には声が届いてない」とか「本人は宣言したつもりだが、実際は宣言してなかった」とか「宣言したしマスターも返事をしたが、それを忘れて『聞いてないよ』と言われる」なんて行き違いによる水掛け論がよくあるトラブルなので、道具を使用しての視覚化・明確化は便利です。
 ちなみに「ダンジョンを出ても明かりシール外さずにずっと付けっぱなし」でプレイしてて、別のシーンで隠密行動してるのに煌々と光を放っている、なんてパターンもあり得る。「マスター冒険者だからそんなことしないですよねわざわざ言わなくても」と主張されても「だがここに例外が存在する」と一蹴されます。

アルブレヒト「左側、この先通路は続いている感じですか?」
DM「あ、そっちでいいのね? そっちに一歩踏み出したと思っていいのね?」
ダスティ「はい。そっちの方を少し見るために移動しました」

 よくミニチュアを動かさずに「上半身を覗かせてるだけです」「首だけ覗き込んだつもりだったんですが」と言われたりして揉めるので、ミニチュアでプレイしていてもこういったシーンでは入念な確認が必要な場合もあるのだ。

DM「じゃ空間が広がっているね」
アルブレヒト「通路じゃなくて広めの場所になってる感じっぽい?」
八夏「では先にそちらから見てみようか」
ダスティ「じゃ警戒しつつ……」
アルブレヒト「マスターシーフはいつも警戒しているからな」

 これもマジでアルブレヒトのプレイヤーが何度も何度も指摘している定番コント化しているやりとりなんだけど。
 D&Dは「警戒しません」とわざわざ宣言でもしない限り、常時警戒している扱いです。「君は町中で気を抜いているから不意打ちを受けた。判定の余地は無い」なんて言われることもありません。「聞き耳」「視認」は常時発動しています。

レーグネン「さすがに分岐点にきたらアルブレヒト様は中に入った方がいいのでは」
ダスティ「中に入る?」
DM「パーティーの隊列の中に入るってことだ(笑)」
アルブレヒト「最後尾にいて反対側から来たら困るだろ」
DM「アルブレヒトはけっこう我を忘れて一目散に逃げるタイプだって前回判明したからな」

 全員爆笑

アルブレヒト「逃げたんじゃないんです。離脱しようとしただけです」
レーグネン「で、離脱したところを完全に狙われるという」
八夏「典型的アメリカホラー映画で最初に犠牲になる人ですね」
DM「『こんなところにいられるかー!』って言って逃げて一瞬でボコボコにされたからな、前回」
アルブレヒト「頭のいい人はそうなるんです。弁護士とか最初に死ぬらしいですよ」
DM「社会的地位が高いからって理由で生き残る作品もあるけどな」
アルブレヒト「インテリ系は真っ先に逃げ出して真っ先に死ぬ運命かな」
レーグネン「ダンジョンミニチュア組み替えます?」
DM「そうね……戦闘中に反対方向行くなよ? 面倒だから(笑)」
クラウス「フィアーで逃げていくとか?」
八夏「恐怖で逃げだした場合はご勘弁を」
ダスティ「じゃあここまで出て……」
レーグネン「後ろまでついていきます」
ダスティ「お兄様の位置はどうします?」
アルブレヒト「真ん中あたりで」
八夏「後ろを警戒しておきます。どのみち接近されると攻撃できません」
レーグネン「ヤカさんってACどれくらいあるんです?」
八夏「19。ACは十分なんですが……」
DM「八夏は最前衛で戦う人じゃないからな。一歩下がって後ろから『戦えー、私を守りながら戦うんだ!』っていう人だから」

 彼女の武器は長さ3メートルの大身槍なので、1マス遠くの敵を攻撃出来る「リーチウェポン」というカテゴリーです。なので隣接されると「懐に入られた」ってことで、大身槍の攻撃範囲から外れてしまうのですな。その場合はどうにか距離を取るか、脇差の出番となります。まぁそれでも十分戦えるんだけどね(笑)

ダスティ「何か見えます、この辺?」
DM「いつも言っているように、私は見えたものしか置きません」

 これまた「口頭説明でのイメージ共有の限界」に依るトラブルが日常茶飯事なのに対して、フルミニチュアプレイであるTRPG部では、「ミニチュアと違う場合はDMが明確に説明する」ことになっており、なにも言わないってことはミニチュア通りってことなのです。

ダスティ「なるほど、何もなさげに見えると。じゃあ、こっちの方まで動きます」
レーグネン「さっきまでダスティがいたところまで動きます」
ダスティ「念のため捜索します?」
DM「というわけで」
ダスティ「はい」
DM「……なんでもない」
八夏「盛大に何も起こらない!?」
アルブレヒト「奥の方は目視しているけどさすがに薄暗いと思うんだ」
ダスティ「じゃ照らしますか、もう少し。今持ってる光ってどれくらい届くんでしたっけ?」
アルブレヒト「20フィート」
ダスティ「なんかもっと強いライト使ってませんでした?
アルブレヒト「それは後ろの人が持っている」

 明かりの効果範囲確認タイム。
 ここで代表的な明かりの種類を解説しよう!
道具 明るい 薄暗い  呪文 レベル  明るい 薄暗い  暗闇呪文 レベル 
ろうそく 0 5 ライト W0/C0 20 40 ダークネス W2/C2
ランプ 15 30 コンティニュアル・フレイム W2/C3 20 40 ディーパー・ダークネス C3
松明 20 40 デイライト W3/C3 30 60  ダミング・ダークネス W4/C4
ランタン 30 60 セレスチャル・ブリリアンス W4/C4 60 120
陽光棒 30 60
 他にも「手で持つ必要があるのか」「水中で使えるかどうか」「効果時間」といった性能差があります。
 セレスチャル・ブリリアンスはあまりに凶悪な強さで、考えた人間に「ねぇゲームバランスって言葉知ってる? 知らない? じゃあしょうがないね」って真顔で問い詰めたいクソ呪文なんですが、TRPG部では大幅に弱体化しています。

ダスティ「今一番明るいのを持っているのって誰なんです?」
DM「みんな明るさは一緒だね」
アルブレヒト「陽光棒使う?」
ダスティ「それってどれくらい持つんです?」
DM「6時間だよ」
ダスティ「じゃ付けてもらえるなら」
DM「どうせみんな15分くらいで帰ってくるから効果時間なんて関係無いさ」
ダスティ「ではこっちの方を照らして確認してから行きましょう」
アルブレヒト「その辺に行ってダスティが襲われない……よしOK!」
レーグネン「落とし穴もない」
クラウス「落石も」
八夏「炭鉱のカナリアですか」
レーグネン「逆にこの辺でバタッて倒れた時にどうすればいいだろう」
クラウス「呪文で……」
レーグネン「スライド!」
アルブレヒト「腰に紐巻いておけばいいんじゃない?」

  イラスト:★Yuuki
 お兄様、言葉のビーンボールが矢継ぎ早ぁ!

ダスティ「みんなで行きましょうよ、ここは……」
レーグネン「全員で行ったらモンスターがいたら一気にやられてしまうではないか!」

 まぁこれ、「先行偵察役がスニーキングミッションを行って敵の先手を打てるメリット」と「最初から全員で強襲して、偵察機が撃墜される危険を減らす」の「どちらも一長一短」なので、ダスティの「自分だけ危ない目に遭うのは嫌だから一緒に行こう」も決して「タダのヘタレな弱気発言」ってわけではない。「そこだけ切り取れば」だが。
 だが見方を変えれば、ダスティはアルブレヒト、モニカ、レーグネンがズタボロになりながらも自分はそうでもなかった。これは一般的に「アーチャー」が「前線に立たない」「影響力が大きな手段を持たない」ことで、比較的タゲられる確率が低い存在だからゆえで、結局の所「行軍中はダスティが危険。戦闘中はアルブレヒトを筆頭に、彼以外の前衛が危険」という、持ちつ持たれつな関係なのですな。
 つまりアルブレヒトの突き放しは別にしても、ダスティ先行偵察は「至って真っ当な作戦」で、イジメでもなんでも無い。
 だがそれはそれとして、パーティーの有力者に正面から喧嘩売って全力で心象を悪くした上で「自分だけが危ないの嫌だから守って下さい」と改心も謝罪もせずに言い出すのは、ヘタれるの早くないか不良少年(笑)

モニカ「二の舞ですね」
ダスティ「何か今のうちに警戒しておくこととかあります?」
八夏「敵の正体がわかっていないのでどうにもこうにも……」
アルブレヒト「耳栓か?」
ダスティ「リムーヴ・フィアーはどれくらい持つんですか?」
アルブレヒト「60分だっけ? ……違う、10分固定だ」
ダスティ「じゃしばらくしたらかけなおさないとマズいんですね。またあのダークネスがかけられたときの対処法はどうすればいいんです?」
八夏「多分消えずの松明が消えないはず」

 消えずの松明はコンティニュアル・フレイムがかかってる木の棒。わざわざ松明サイズの棒にかかっているので、無意味にかさばる。もっと小さいアイテムにコンティニュアル・フレイムをかけて貰う方が明らかに便利なのであった。

アルブレヒト「レベル3の明かり魔法をかけてあるので、レベル2のダークネスだったら勝つ」
ダスティ「つまりダークネスはかけられることはないと」
アルブレヒト「想定通りなら」

 この貴族、意地でも予めデイライトは使ってくれない『スゴ味』があるッ!(遠い目


 Don't give up justice, I want to get truth! 光明は見えるか?


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 ほんと、わからない呪文は、その場で解説していけばいいよねと思ってたのです。
 あと前回の件もあって、私の呪文の扱いが信用されていないんだよなぁ……、とちょっとへこんでたりもしてもおりまして。
 もちろん、そんなつもりではないというのは承知してはいますが。
 いろいろ申し訳なかったです。

 デイライトは高価で、消耗品の巻物1回分しかなく、使いどころを探っているのです……。


・モニカ
 前回はモニカの預かり知らぬところで起きた出来事ゆえ、『なぜこんなにも不仲に?』というぽやんといった感じなのです。
 それと、難しいところで、文章にすると理解できるのですが、会話で次々と聴いていると分からない事が多いのです。なのでデイライトという術の存在も「へぇ〜……? 明るさ暗さにレベルとかあるんだなぁ〜……」といった感じで聞き流していたような記憶があります。ファンタジー難しい(ごめんなさい、お兄様)。

 まぁモニカが寛容過ぎて、甚だ不敬な「モニカさん」って呼び方を放置したことで「兄に対して粗相した」って意味では、甘いだけでは人の和は保てないってことだなぁ……(笑)
 子供が母親に対して「ババァ」と言っても「腕白でもいい。たくましく育っておくれ」と躾けないでいたら、他所様の母親もババァ呼ばわりした……みたいな!!



・レーグネン
 村を燃やすのは止めましょう(笑)
 明かりの管理はうっかり多いので気を付けたい所!
 アルブレヒト様は敵にとても懐かれるので、なんとかしてお守りしたいのですが、なかなか。


・八夏
 実は懐に入られてもリーチウェポンで攻撃ができるようになる特技は存在しています。
 今後の戦闘結果ではレベル上がったら取る候補に挙がるかも?
 そうならないような立ち回りの戦闘ができるよう心掛けたいものです。


・ダスティ
 前回、前々回と痛い目にあっているので、これまで以上に警戒してます。特に「暗闇」に対して。大事なことなので、聞き直すぐらいに。でも、魔法的な「暗闇」に関してはアルブレヒトの魔法で対抗するしかないので、アルブレヒトを信じるしかないんですよね。
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター2

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

DM「さて、〈聞き耳〉振って」
レーグネン「5」
八夏「9」
クラウス「17」
モニカ「23。20出ました」

 ちなみに技能判定は自動成功もファンブルもないので、20振っても特になにか凄い結果になったりはしない。

ダスティ「22」
アルブレヒト「19」
DM「まぁ〈聞き耳〉とは関係なく思いっきり聞こえているんだけど」
モニカ「なんだ……」
DM「例の唸り声が聞こえてきたので、皆さん意志セーヴを」

 低い目を出したのは女子2人。

DM「えーと……(モニカとヤカを指して)ジョパー、ジョパー」
ダスティ「え?」
モニカ「漏らした……」
DM「というわけでイニシアチヴを。それとダスティ、さっき〈聞き耳〉でいくつ振った?
ダスティ「22です」
DM「それじゃ君はこの唸り声の音源が3つあることに気が付く」
ダスティ「3つ? 音源は3つだけど位置はわからない?」
DM「わからない。それはそういう特技があるのよ。位置を特定できる特技が」
レーグネン「エコー・ロケーション!」

 アイディアに対して出来ることと出来ないことをジャッジする大きな基準の一つが「特技や特殊能力でそういった効果を持つものが存在するかどうか」で、例えば今回の件。
《耳聡い偵察兵》という特技の効果に「達成値が大きく上回れば、音源のサイズ、速度、方向がわかる」で、「更に大幅に上回れば、位置もわかる」みたいなことがあるんで、じゃあこの特技が無いならこういったことは出来ないのねってーことでありますよ。

ダスティ「じゃあそれをすぐに言います」
DM「ロールプレイしてね。でも敵のイニシアチヴまだ振ってないから待ってね……かなり高いが、超高かったダスティには勝てない」
アルブレヒト「でも確実にダスティ以外には先手取れてそう」
DM「特に意味の無い警告に」
ダスティ「ただまぁ見えないんですよね?」
アルブレヒト「数は把握出来てる」
ダスティ「とりあえず言います、それは」
DM「じゃあダスティ〈視認〉を振って」
ダスティ「さっきから低いなぁ……14」
DM「多分耳に神経集中してるんだろうね、もう一回振って」
ダスティ「11……」
DM「多分耳に神経集中してるんだろうな!」

 全員爆笑

DM「下向いて『聞こえる!』ってやってる」
アルブレヒト「『1……2……3……3だな!』って」
ダスティ「じゃあ……『この唸り声は3体いるはずです! 後ろも警戒した方がいいです』と伝えて警戒するしかないかな」
アルブレヒト「警戒という選択肢は何もしないと同義だ!」

 恒例の突っ込み。
 本当に頻繁に「警戒します」「それパスと同じだから」というやり取りが繰り返されています。

ダスティ「なら防御専念、とりあえず。見えないからしょうがない」
DM「じゃ敵だな」
アルブレヒト「俺は美味しくないぞ!」
クラウス「前回食べられて味を覚えられたかも。またいい生活している美味しい人間が来たぞって」
アルブレヒト「違う敵じゃないか? 今回怖い奴じゃん。前回暗い奴だし」
DM「よし、それじゃ……」
アルブレヒト「気をつけろ、上から来るぞ」
DM「とにかく殺してみようぜぇ!! お兄様に……21まで命中」
アルブレヒト「俺かよ! ギリギリ当たるな」
DM「ギリギリ!? そんな固いの? 今ビックリしたわ」
アルブレヒト「言ってみたかっただけです(余裕で当たりました)」
DM「えーと……9ダメージ。さあ足払い対抗ロールだ……こっち26」
アルブレヒト「えぇ……19」

 
DM「じゃあ転倒した」
アルブレヒト「ぐはっ! 触手が! 触手が!」
レーグネン「アルブレヒト様ー」
アルブレヒト「何が起きた! 何が起きたんだ!?」
DM「噛みつかれて今貪られています」
アルブレヒト「またか! 敵の姿は?」
DM「見えない。なんか空間から。いや影から」
アルブレヒト「ギャーーー!!」
ダスティ「また『ギャーーー!』なことに」
DM「こいつの説明に『影の中に姿を消して[完全視認困難]を得る』って書いてある」
レーグネン「こえぇ……」
DM「前戦った時も言ったけど、『ライトやコンティニュアル・フレイムの術でもこの能力を無効化することはできない』って」

 ルール的にこんなことを教える必要は無いというか教えたら駄目だろってくらいなのだが、これでもかと弱点をアピールするDMの涙ぐましいパーティー援護が火を噴くぜ!!

レーグネン「我々の明かりはライトとコンティニュアル・フレイム。凄い。完全に敵がシナジーしてる」
DM(君達はなぁぜ〜君達はなぁぜ〜デイライト使わないのか命を懸けてぇ〜)
アルブレヒト「やめろ、俺はもう満員だ!」
DM「じゃあ次はモニカに行くか。この辺の薄暗闇からシュパッと影が飛び出す。これは別に完全視認困難じゃないです」
アルブレヒト「なんだ!?」
ダスティ「位置的に行けます?」
DM「フハハ。移動力50あるのだよノロマなフロウ共。壁沿いに進み、防御専念な上に近接武器を持ってないから、機会攻撃範囲を持たないダスティをスルーして……24まで命中」
モニカ「当たりまーす」
DM「じゃあ7点。そして足払いの対抗ロールだ。これ敵も誰がビビってるかわからないから無力化されている奴襲っている感じなのよね」

 ……と言いつつ、戦力的に一番逃げて欲しくないモニカを引き留めようとする涙ぐましい(以下略

モニカ「えーと……18」
DM「お、それだとそっちが勝った。これ負けてくれた方がよかったんだけどな。転倒からの立て直しで逃げ出すタイミング遅れるから」
モニカ「あ、そうだった。確かに」
アルブレヒト「逃げるために必死だったんだよ」
DM「もう1体はレーグネンに行くか」
アルブレヒト「ダスティ、完全にスルー」
ダスティ「防御専念したのに……」
アルブレヒト「『先頭の奴は構えているけど後ろの奴らはまだ隙だらけだぜ』って襲ってきているのかもしれない」
DM「これはさすがに当たらないか……15」
レーグネン「ACは19」
DM「そら当たらないわ。こいつノロマだから鎧でしか防いでねぇ」
レーグネン「その通りだ!(ドヤァ)」
アルブレヒト「こいつこの間散々な目にあったやつ?」
DM「フィギュアが違います(遊戯王OCG用語)」
ダスティ「もう姿は見えているんですよね」
DM「こいつは元々最初っから見えてるよ」
八夏「1匹だけ見えてない?」
アルブレヒト「俺に襲ってきている奴だけ暗闇で見えない?」
DM「見えない。影に食われてる」
アルブレヒト「ここにいるぞーー! 私が捕まえているうちにーー!」
DM「組み付いていないから掴んでないよ。一方的にやられているところだね」
アルブレヒト「足払いだったね、そういえば」
レーグネン「次は私か。5フィートステップして、えーと……『3体? だが目の前には2体しかいないぞ! あ、アルブレヒト様ー! アルブレヒト様がなんか……』アルブレヒト様どうなってるんだこれ?」

 全員爆笑

レーグネン「『目の前の奴を対処する! クラウス、そちらを頼む!』って言って目の前の奴を攻撃しまーす。斬り付ける……22!」
DM「当たり」
モニカ「敵が見えるってこと?」
DM「この2体はそもそも見えてると言うたろうに」
レーグネン「えーと……8点」
DM「1点も通らない」
全員『なん……だと……!?』
レーグネン「手応えが無いぞ!?」
モニカ「手応えが無い!?」
ダスティ「これはなんだっけ?」
レーグネン「エンドかな。〈知識〉振れます?」
DM「前に『獣が! 獣がっ!!』ってやった時のダイス目いくつ? 『空を飛ぶ犬がー!』ってやった時の達成値」
レーグネン「えーと、〈知識:神秘学〉で12」
DM「お前その達成値でよくも聞いてきたのぉ!」

 12ではゴブリンレベルの「超メジャーなモンスター」くらいしか知りようがないという。

ダスティ「まぁまぁ、一応確認は必要ですから」
レーグネン「なんか犬がいるぞ!」
DM「あと〈知識:次元界〉だとどうだった?」
レーグネン「〈知識:次元界〉は8でした」
DM「よく聞いてきたなお前! その達成値で!! 帰れ!!!」
レーグネン「門前払いされた」
DM「お前四足歩行の獣全部犬だと思うぞ」
レーグネン「見える犬と見えない犬。あとなんか影に潜る犬。犬3種類いるぞ」

 全員爆笑

アルブレヒト「次は俺の番かな。これってハウラーじゃないかって推定した時のだよね?なら〈知識:神秘学〉で25だった」
DM「〈知識:次元界〉は?」
アルブレヒト「そっちは15」
DM「うんうん、なるほどね。じゃ『ハウラーではないな』と思った」
アルブレヒト「なるほど」
ダスティ「まぁ見た目違いますよね。なんかハリネズミみたいなやつでしたっけ?」
DM「そうね、あっちはね」
ダスティ「結局正体はわからないと?」
アルブレヒト「うむ、わからん!」
DM「襲われながらちらっと見て『ハウラーじゃない……』って思った」
ダスティ「見えない方の心当たりは?」
八夏「見えないからわからないのでは……」
ダスティ「まぁ一応なんかあるかなと」
DM「じゃ〈知識:神秘学〉が25だとインヴィジブル・ストーカーかなと思った」
アルブレヒト「消える敵多過ぎてわからん……」

 
DM「インヴィジブル・ストーカーっていう、透明なモンスターがいるのよ。で、『インヴィジブル・ストーカーのフィギュアです』っていって何も置いてない台座を置くっていうネタが(笑)」
八夏「台座があるだけまだ温情ですね」
レーグネン「さすがインヴィジブル」
DM「指定された獲物を地の果てまで追い詰めるという恐ろしい能力を持っているよ。ただしそれ以外能力は無い」
ダスティ「あれか、ハイウェイスターみたいな?」
DM「そうそう」
レーグネン「じゃ次はクラウス」
クラウス「いきまーす。『レーグネン、対処と言われたがアルブレヒト様はもがいているだけで敵が見えないぞ!』」
アルブレヒト「あんまりディスるな!」

 お兄様以外大笑い

アルブレヒト「俺が勝手に転んだと思い込むほど貴様はバカなのか!?」
クラウス「どうしよう……見えてはいないんですよね?」
DM「『見えてないっスよ!』って小力も言ってるよ」
クラウス「アルブレヒト様に向けて攻撃して、誤爆したら死んじゃうかなぁ……」
DM「ダスティ、チャンスだ! 撃て!」
ダスティ「え!?」
DM「あの夢の様に。そうすればいけ好かない貴族野郎をぶち殺せるぞ。誤射でしたって言って」
ダスティ「天の声が……今組み付かれているんですよね?」
DM「いや? ちゃんと自分の手番以外のプレイ見てた?」
ダスティ「あ、そうなんですね。あの夢の時は組み付かれていたから今も知らない間に組み付かれてたのかと……」
アルブレヒト「攻撃喰らって足払いされたんだよ」
DM「次からちゃんと見てないで状況誤認したら『お前はそう思っている』って言うからな!」
クラウス「攻撃は出来るんですか?」
レーグネン「『この辺狙う』みたいなことは出来るけど、斬りかかっても当たるかは分かんないね」
アルブレヒト「状況的に怪しい空間とかは無くて完全に見えない」
クラウス「とりあえずアルブレヒト様のあたり、っていうのかなぁ……」
DM「描写的にはアルブレヒトとかその周辺の影から攻撃が飛んできては引っ込んでるを繰り返している感じかな」
クラウス「いくつかある影かぁ……じゃあ壁側の影の方に向かって攻撃します……16です」
DM「16は当たらないなぁ」
クラウス「低かった……」
アルブレヒト「空振りした? それとも弾かれた?」
DM「弾かれた」
レーグネン「お、手応えはあるのか」
モニカ「なるほど」
クラウス「見えない何かに弾かれた!? アルブレヒト様は攻撃されているぞ!」
DM「じゃモニカ。全力で逃げてください」
モニカ「え? あ、そうか……」
ダスティ「フィアーかかっちゃったから」
モニカ「でも逃げる場所なくない? どうやって逃げるんだ……」
DM「仲間は障害にならないんで、幾らでも後方に(笑)」

 
モニカ「逃げました」
DM「ろ、ロールプレイする気皆無……!!」
レーグネン「次、ヤカさん」
八夏「ということは私も逃げなくちゃいけないのか」
DM「そうだね。八夏さんすげぇな。勇んでやってきたのに前は真っ先に逃げ出し、今も真っ先に逃げ出すという(笑)」
八夏「かっこ悪いなー。えーと、全力だから倍でしたっけ?」
DM「そうだね。これ、下手に明かり配らなかったら逃げださずに済んだね、結果論だけど。みんなが明かり持ってるからどこまでも逃げられるよ」
アルブレヒト「さて、立ち上がって……密集し過ぎでグリッターダストが撃てない……インヴィジビリティを使うぞ」
DM「じゃ機会攻撃だ。23まで命中」
アルブレヒト「くそー、起き上がるときに使うと思ったのに
DM「起きるときに使うと足払いが無駄になるからさぁ。ダメージ9点だから目標値21ね」

「起き上がる」という動作は機会攻撃を誘発するのだけれど、このタイミングは「転倒状態」に対して行われる為、ここで足払いは無意味なんですな。転倒状態はACに-4のペナルティを受ける為、普通はそれでも攻撃する方がお得なわけだけど、アルブレヒトの様に紙装甲相手ならば、わざと起き上がらせてからもう一度足払いした方がまた転倒させることを期待出来て、動きをハメられることになるわけです。まぁこういった立ち回りが可能かどうかは、モンスターの頭の程度次第ですが。

アルブレヒト「……よし、成功した」
一同『おーー』
DM「あ、もう一発飛んでくるの忘れてた。レーグネン襲っている方の奴から」
アルブレヒト「そうか……」
DM「まぁ当たるんだよ、ダイス目が16だから……13点」
レーグネン「クローズ・ウーンズ撃ちます。7点軽減で」

 実はレーグネンはもっと有能なので、彼のクローズ・ウーンズはダイスが1でも9点回復するはずである(笑)

DM「じゃ足払い対抗ロール」
アルブレヒト「両方来るのか……そりゃそうか。狼系だから噛んだついでに倒してくるのか」
DM「そうそう。足払い強化。モニカにもやったじゃん。対抗ロールどうぞ。……こっち27。先に言ってあげる優しさ」

 APを使うことで回避する余地も在るので、普通は達成値を教えません。でも教えて貰えたってことは、「AP使えば勝てるかどうか」が予めわかるので、大きな情報アドバンテージとなります。

アルブレヒト「……うーん残念」
DM「じゃぶっ倒された」
ダスティ「戦線崩壊しちゃいましたがどうしましょう?」
アルブレヒト「リムーヴ・フィアー使ってあげればなんとか」
クラウス「この2人に? ここから? 飛ばせる?」
レーグネン「飛ばせはしないけど……接触しなくてもよかった気がする」
DM「それは飛ばせると言います(笑)」
ダスティ「とりあえず攻撃でいいかな。攻撃します……ダメだ、12」
DM「次の方」
レーグネン「敵の番です」
DM「このままお兄様を喰っていようかね。半分の確率で当たるし……」

 ちなみにモニカは、逃走中で考える余地も無いこのタイミングを活かし、アルブレヒトの所持呪文の効果を調べている。


 Don't give up justice, I want to get truth! 別に本当に漏らしたわけではない。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 デイライト……使っておけばよかったなぁ……。
 前回はグリッターダストで対処したので、デイライトでいけそうなこと忘れている?
 使っていなかったことで不意打ち集中攻撃されて、使うチャンス自体ないし!

 よし『明かりはあらかじめ。ケチってはダメ』心に深く深く刻んだぞ……。



・モニカ
 あっさりと漏らすモニカさん。お兄様の大ピンチに何も出来ることがないという、キャラクター的にも大ピンチなシーンでもあるのだった。
 ロールプレイが薄かったのはアルブレヒトの呪文をせっせとまとめていたからですね、すみません。


・レーグネン
 AC高めなのが取り柄!
 アタッカー2人がセーヴを落とし、お兄様はボコられ、敵はよく分からない、うん、ヤバイぞ!
 シナリオ初っぱなの知識ロール失敗が響いてくるの悲しい(笑)


・八夏
 前回は何も出来ずに逃げてしまい、今回はと意気込んだらこの始末……。
 そして始まるわんわんパニック。
 しかし本当によく噛まれるなぁ、お兄様。
 貴族だからいい匂いとか本当にしているのだろうか、潜在的に?


・ダスティ
 なんかもう、お約束のようにアルブレヒトが狙われて、あっという間に戦線が崩壊して、いつものパターンに(涙)
 まともにぶつかり合えば、みんな強いはずなのに、毎回そうならなくて辛い……。





●WEB拍手より
>ダスティの方を応援してます。アルブレヒトはさぁ、様付けとか雇い主として給料も払えてない現状では、無理があります。
>レーグネンやクラウスにも払えてないでしょ?この2人は家の格とか見て、知っているだろうけど・・・
>ダスティは、そこまで詳しくないでしょ。往復の旅路だって、追加報酬を出せてないですよね?
>後、前回の対策ど忘れで呪文ミス、混乱しての逃走と連続昏睡のコンボは凄い。戦力として信用できない相手ですね


 ダスティ応援ありがとうございます。キャラクターを気に入ってもらえるのはとても嬉しいです。
 それはそれとして、誤解を解きたく!(笑)

 アルブレヒトは十二分どころか三十分くらい報酬を払っているんですよー!
 そもそも「パーティーメンバーは報酬山分けが当然」という「メタな価値観」を持ち込まずに考えるのが(少なくともこの世界のキャラクター目線では)自然なわけなんですが、それを踏まえた場合。ハインリーケが「アルブレヒト(とモニカ)に渡したお金」は別に「パーティーで頭割りして貰えるお金」ではありません。あくまで「アルブレヒト(とモニカ)の個人資産」です。他のメンバーにはビタイチ何の権利も有りません。その上でアルブレヒト達は「宿や食事の格差を設けず、費用は全額負担」「必要な装備である馬も支給」と、この時点で破格の高待遇です。
 それに加えて「ファヴへの登録を、生命の危険を伴う傭兵ランク査定を免除して行えた」も「完全にアルブレヒト達の人脈による恩恵」で、普通は(ヴィーリオンに於いて犯罪者である)ダスティが金を払って『どうかあなたのコネで免除をとりなして下さい。前科を問われないようにして下さい』と頼み込むべきことだったります。これをまとも払ったら、国外逃亡の際にアルブレヒト達から受け取った報酬が彼の手元に残ることはないでしょう。
 あとロートヴァルトからヴィーリオンに向かう以降は、ダスティが「自ら同行を志願してきた」であって、業者としての彼に高額な報酬を支払う義務は一切無いってのもありますね。既にダスティではなく「ノイエ・エイファスの力で移動する」になってるんで。仮にあの時点で「もっとお金ください。くれないならタメ口上等です」と言ってたら、「あ、じゃあいいです。キャスがいてくれれば問題無いんで。さようなら」ってだけの話になってしまう(笑)

 更に前述の通り「身分や立場の差を問わず報酬は山分け」なんて常識もこの世界には存在しないので、アルブレヒト達が「そうする」とさえ判断すれば、「ダスティの腕相応の『NPC傭兵に支払う相場の報酬額』さえ支払えば十分報いている」ことになります。そしてそれは一般的に「PCがシナリオをクリアすることで得られる金額」よりも安いはずです。その上、「この世界の傭兵達にとって一般的な報酬分配比率」の場合、基本的にスペルキャスター系が最も高額となり、次いで特殊能力を持つタイプのレアな戦闘職、そして盗賊枠、最後に「単に武器使えるってだけの前衛枠」なんですね。つまりこのパーティーで言うなら最下級の報酬序列かつ最低の社会的地位なのがダスティなんです。なのでダスティは「身分の差を問わず山分け」という「超々破格な条件」で契約していることになります。

 当然プレイヤーレベルで「ダスティは凄く待遇がいいよ(中略)報酬平等もゲームの都合でありそれが当然で片付けるもんでもなし」とも伝えてるわけで、その上で「キャラ目線ではそんな高待遇されてる自覚が無いので不満である」というのも「それもまたロールプレイ」ってことなのですが、少なくとも世界設定上・客観的に見て「払うもんも払わずに偉そうに」なんてことは全然無いんですよー。

 戦力として信用ならないのは、まぁダスティはダスティで「自分が大言壮語して状況追い込んでるのに、ピンチになったら見捨てて逃げようとしている」わけで、お互い様ですね(笑)
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター3

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

クラウス「見えない敵を見えるようには出来るの?」
アルブレヒト「グリッターダストはあるんだけど、あれ豪快に味方も巻き込むから……」
クラウス「じゃあ先に見える方を攻撃していった方がいいのか」
DM「よし、このままお兄様を攻撃しよう。クンクンクンクン、ガブリ! ……これは当たらないか? いや転倒してるからなぁ、この人。16まで当たる」
アルブレヒト「転倒しているからねぇ」
DM「だが偶数か奇数で、奇数が当たるというのが我が鉄則……当たった」
クラウス「厳しい……」
DM「6点」
アルブレヒト「-4点です」
レーグネン「消えたまま昏倒してしまった」
DM「じゃ次はクラウスを回避して……」
クラウス「ん?」
DM「……以上。言わなくてもいいこと言っただけだけだから気にしないで」
クラウス「びっくりした」
DM「あとはレーグネンだな。『こいつ弱いぞ、さっきの攻撃もへなちょこだった』」
レーグネン「こいつ……!」
DM「……当たらん。19には届きません。終わり」
レーグネン「しかも立ちすくみで19」
DM「そう。立ちすくんで19だから今もっと増えてるだろうから当たらん。この機動要塞には。パーティーのタンク役としているから、この人」
レーグネン「そうですね。仕事してますからね」
DM「もう1人はダスティに行こうか……当たらんなぁ、多分。16までしかいかない」
ダスティ「当たりませんね」
DM「じゃ終わり」
レーグネン「次、レーグネンです。えーと、5フィートステップして手持ちのリムーヴ・フィアーかけます」
八夏「ありがとうございます」
DM「じゃ機会攻撃」
レーグネン「お、アイツが来るのか? 見えないやつが」
DM「21まで当たるから当たって……8点」
レーグネン「えーと、〈精神集中〉で振ればいいんですよね。目標値は?」
DM「目標値19です」
レーグネン「19かぁ……これ通さないとなぁ……」
ダスティ「AP使います?」
レーグネン「あ、全然足らないわ」
DM「ダイス目いくつだったの?」
レーグネン「ダイス目4です」

 全員爆笑
 呪文発動中に攻撃を受けると、ダメージ量に応じて難易度が上がる精神集中判定を求められ、失敗すると呪文は不発、MPだけ消費するのである。とどのつまりフィズる。大損。

DM「論外過ぎる! じゃ足払い対抗ロール」
レーグネン「えーと、6+3かな」

 
DM「それまた酷いなぁ、出目……倒れた。レーグネンダイス目が死んだ」
モニカ「あー、やばい」
レーグネン「厳しいなぁ……」
ダスティ「ボロボロですねぇ。メインアタッカーがみんな逃げちゃってるのが厳しいな」

 逃げてるばかりでろくに戦ってないのでお忘れかも知れないが、クラウスは純メインアタッカーである。

DM「逆に考えるんだ、ジョジョ! 機会攻撃を使わせた、ってね!」
ダスティ「…………だから?」
レーグネン「いや、移動アクションが残っているので立ち上がってエンドです。やばい、リムーヴ・フィアーを無駄撃ちしてしまった」
ダスティ「まだ使えるんですよね?」
レーグネン「まだスクロールは残ってます。でも自前発動だったら2人とも治ったんですが、スクロールだと対象が1体だから2回かけないといけないんですよ」

 スクロールは定価で購入している場合「その呪文を使える術者の最低条件を満たす性能」しかないので、1レベル呪文のりムーヴ・フィアーのスクロールを定価購入した場合、術者レベルも1扱いなので同時に1人にしかかけられないんだけど。ダスティが自力で発動するりムーヴ・フィアーは術者レベルが4あるので、2人まで効果の対象に取れるんですな。いわゆる「……今のはメラゾーマでは無い……メラだ……」ってやつです。これが8レベル術者になると、3人同時に対象に取れるようになるし、スクロールにしても4倍の値段払って4レベル術者相当版を買うことも出来る。

八夏「その前に射程から逃げちゃいそう」
レーグネン「次の手番で逃げちゃいますね……あー、今の通したかったなぁ」
クラウス「じゃ次行きます。相変わらず見えていないんですよね?」
DM「そうね」
クラウス「見えてないかぁ……でもこっち行こうとしたら機会攻撃食らいますよねぇ。じゃまた見えない所を攻撃するか。レーグネン越しにここら辺攻撃できます?」
DM「レーグネン越しはリーチウェポンじゃないと無理だね」
クラウス「じゃあダメじゃん……」
DM(隣接してないマスを攻撃出来ないことへの不満が何故いまさら!?)
クラウス「移動して攻撃するのはいいんですよね?」
レーグネン「あと一応お兄様の所は隣接しているからさっきと同じような狙い方は出来る」
クラウス「あぁそうか。じゃあさっきと同じお兄様越しの影の方を……23」
DM「当たった」
クラウス「よし……7」
DM「7点、はい…………はい(被ダメージめもめも)」
クラウス「はい? 通らなかったのかな?」
DM「いや通ったよ。通らなかったらちゃんと言うよ」
クラウス「手応えがあった……が、浅いのか?」
DM「いやだからなんか減ってるとかそーいうのあったら言うって(笑)」
モニカ「モニカかな? 全力で逃げるしかできない……『いやぁあああああ!!』」
DM「やはりダンジョンパーツ使ってしまったか……面倒だから使わせるなよって言ったのに!(笑)」
レーグネン「ロードが発生しちゃった」

 全員爆笑

 
八夏「同じく逃げます」
モニカ「モニカの一歩先くらい」
DM「女子が逃げていく……」
アルブレヒト「そっち明かり持ってない組だな」
DM「そっか、よかったね。ここらへんで立ち往生して死んでるかもね」
八夏「ヒィ……」
DM「ここまでは明かりが見えているから、今ここで止まってるんだろうな」
レーグネン「次、アルブレヒト様」
DM「ダクダクダクダク……アルブレヒト様相変わらずの浮沈艦ぶりですよ」
レーグネン「次はダスティか。『アルブレヒト様はきっと呪文で消えたんだ。大丈夫だ! きっと策を練っていらっしゃるんだ』」

 一同苦笑

ダスティ「じゃあ5フィートステップして攻撃します……21」
DM「21は当たる」
ダスティ「ダメージ行きまーす……ダメだ、4」
DM「カーン!」
ダスティ「え?」
DM「効いてる様子が全く無い」
ダスティ「なるほど……どうすりゃいいんだ? とりあえず終わりです」
モニカ「斬撃じゃないと効かない?」
アルブレヒト「実はグレートボウ使いという凄まじい奴なのに」
ダスティ「まぁダメージは微妙でしたけど」
DM「源為朝みたいな奴だな」

 まぁマジで源為朝をキャラクターメイクしたら、もっととんでもないダメージを叩き出すことになるが(笑)

レーグネン「次は敵さんです」
DM「こっちか。どうするかな……レーグネン起き上がったの?」
レーグネン「5フィートステップして、転ばされて、移動アクションで立ち上がりました」
DM「そっか……よし、クラウスだな」
クラウス「ゲッ!」
DM「『ゲッ!』じゃないよ! お前だけが敵にダメージ与えてるんだから、そりゃ狙うよ(笑)」
クラウス「見えない敵なので……」
DM「お兄様、今このクラウス『ゲッ、俺を狙うなら他の貴族を狙えよ』って思ってますよ。『俺が持ち堪えている間に〜』とかロールプレイするところで『ゲッ!』って言ったぞ、こいつ(笑)」
ダスティ「本音が出たのか」
DM「お、当たり……6点」
レーグネン「しかしクラウスは我々の中でも一番フィジカルが強い!」

 しかしダイスは無情だった。

DM「足払い対抗ロールいくつ?」
クラウス「……12」
DM「転んだ」
クラウス「バターン」
DM「次は……5フィートステップして、そこの独活の大木だ! ……だがこいつは固い、当たらん」
モニカ「レーグネンは固いのだ(えへん)」
DM「こっちも外した。ダイス目4じゃ当たらん」
クラウス「誓いを立てたレーグネンは強いぞ」
DM「さっきのダイス目はほんと切なかったけどな!」
レーグネン「これくらいは役に立たないと……」
DM「せめてこのフルメタルジャケットで。鋼の神官戦士!」
レーグネン「ここで銀武器抜くのもなぁ……効くかわからないしリスクあるし」
クラウス「お兄様回復?」
レーグネン「インヴィジビリティで見えないから……」
アルブレヒト「場所はわかるぞ」
DM「1/2の確率で触れるかも」
レーグネン「なるほど」
DM「でも多分倒れているからしゃがまないといけない」
アルブレヒト「蹴りながらキュア・ライト・ウーンズ!」

 全員爆笑

DM「キュア・ライト・キック!? ダメだよ、足から出せないよ! ただし呪文は足から出る、なんて無理だよ(笑)」
八夏「ダメージが上回る可能性が」
クラウス「拳でホイミ叩き込むみたいな」
八夏「どこのダイの大冒険ですか」
レーグネン「じゃあモニカ様も行ってしまわれたので『アルブレヒト様、回復は必要でしょうか!』って言いながらクラウスと同じようなところを斬り付けます」
DM「どうぞ」
アルブレヒト「ゴホッ、ゲホゲホ……」
八夏「ゲホゲホ言ってる!?」
レーグネン「なんかもうダメっぽい!……えーと、20」
DM「お、当たった」
レーグネン「こっちは見えないくせに手応えがあるぞ!」
八夏「なぜか見えない方が手応えがある。不思議!」
レーグネン「えーと、10点」
DM「10点? なら影が弾けて混ざって消えた」

 一同歓声

アルブレヒト「なん……だと……」
レーグネン「手応えあり!」
クラウス「やったか!?」
レーグネン「それ言っちゃダメ!」
モニカ「ところでお兄様、このリストに書かれている呪文の中に、幾つかルールブックに存在しないものがあるみたいなんですけど?」
アルブレヒト「……そ、それは私のアレンジした名前でだな……(単なる勘違い)」
DM「ひ、人に教える資料としてありえねぇ(笑)」


 Don't give up justice, I want to get truth! やはりプレイ中に「作業」を許すのは良くない。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 また気絶! いや、正しくは気絶かつ瀕死の状態! 何故だ! デイライトを使わないからだ!
 いやしかし『瀕死』って言葉にするとずしっと来るね。

 自力ではまだ使えないレベルの呪文も、あらかじめ買っておけば消耗品の巻物から発動できるのは強力な武器であり、資金の余力とのさじ加減が難しいところ。
 もし使っていれば、ここまでのほとんどのピンチがなくなっていたと考えると、本当に呪文の選択は責任重大だ……!



・モニカ
 れーぐねんはかたいのだ!
 それはそれとして相も変わらず呪文をせっせと探しているのでロールプレイがなおざりな感じですね、すみません。(そもそも活躍の場がないのだが!)
 こと呪文に関してはお兄様が頼りない・アル中さんが頼りないのでは全く無く、いっさい無く!! お兄様を守ることの出来ないモニカが頼りないのですね。
 モニカがお兄様を大好きなので、お兄様がきちんと活躍できるように彼の所持呪文をある程度把握するのは必須なのかな、と思ったところなのです。


・レーグネン
 ちょいちょい自分のACを過信しすぎる判断をしてしまいがちですね……。そしてそれ以前に沈むダイス目!
 呪文は決めたかった……!
 耐えたり斬ったりで仕事できたのは嬉しいですねー。この前は見えない中で闇雲に斬ってどうにもなってなかったですし(笑)
 そしてこうしている間もアルブレヒト様がまずい(笑)



・八夏
 レーグネン、魔法はミスるが攻撃は外さない男!
 そして人知れずまた昏倒するお兄様……。
 あと、明かりを持っていないことを感謝する日が来るとは。
 根本的な解決にはなってないと、どこかの誰かがささやいている……


・ダスティ
 戦力が半減しピンチの中、残るメンバーでなんとか持ちこたえている展開がイイですね! レーグネン大勝利ー!!
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター4

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

DM「レーグネン活躍してる! 頑張ってる!」
クラウス「『レーグネンやったか!』とりあえず立ちます。判定とか要ります?」
DM「いや、大丈夫」
レーグネン「『この犬どもめ!』 ……いや、そんなこと言わない」
DM「調子に乗ってるぞ、こいつ!」
クラウス「機会攻撃飛んでくるのかな?」
ダスティ「位置的に大丈夫かな」
クラウス「じゃ移動します」
レーグネン「壁際を移動することでギリギリ機会攻撃範囲は通らないな」
クラウス「では心霊斬で攻撃します……26」
DM「当たり」
ダスティ「これでダメージが通れば……」
DM「攻撃は当たってるんだよ」
クラウス「ダメージが……13」
DM「ちょこっと減った」
一同『ちょこっと!?』
レーグネン「やっぱりダメージ減少持ちなのかな?」
ダスティ「しかし13点でちょこっとだと結構きついなぁ」
レーグネン「やはりここはお兄様に復活してもらって魔法でバンバンしてもらうしか……」
DM「次」
モニカ「逃げ」
八夏「でもこれ以上先進めないんですよね?」
DM「いや、移動力半分で逃げる」
八夏「うわぁ……」
モニカ「明かりがないから半分で逃げる?」
DM「そう、見えてないから危な過ぎて全力で逃げられない」
モニカ「じゃモニカとヤカは終わり。相変わらずきゃあきゃあ叫びながら」
ダスティ「5フィートステップして防御専念。当たってもダメージ効きそうにないからなぁ」
八夏「クリティカルすれば通るかもですよ」
ダスティ「あーそうねぇ。でももう少し有効打が見えないと厳しい」
八夏「ダスティって弓だけ?」
ダスティ「あとレイピア」
モニカ「レイピアも刺突ですもんね」
クラウス「斬るより刺突の方が効いたりとか?」
レーグネン「弓も刺突だから多分……」
DM「さて、敵の番ね。レーグネンとダスティ、2人とも機会攻撃どうぞ」
2人『お?』
DM「『お前のしょっぱい攻撃なんぞ全部弾いてやるぜ』と言わんばかりの大胆な動きである」
レーグネン「……16」
ダスティ「あー、やらかした。12」
DM「外れ外れ! 無駄無駄ぁ!!」
レーグネン「こいつ、目標を変えて!」

 
DM「おらー、挟撃でダスティを攻撃……当たり」
ダスティ「マジで……」
DM「11点。で、足払い対抗ロール」
レーグネン「ダスティも回復させなきゃだけど、とりあえずアルブレヒト様を回復させないと状況が動かない気がする……」
クラウス「アルブレヒト様ー! 見えないけどいるんですよねー!」
レーグネン「……返事が無い」
アルブレヒト(ふりふり)
八夏「反応はしているらしい!」

 本来、昏倒中の様態は教えちゃいけません。

ダスティ「対抗が……9」
DM「9は無理。倒れた。そこにすかさずもう1匹が噛みつく」
ダスティ「防御専念してたのに……」
DM「あ、防御専念してたのか。ならこっちは希望が持てるよ。さっきはダイス目17だからどうにもならなかったけど……外れ」
モニカ「やったー」
DM「あ、でも今倒れているからペナルティと相殺されているか。AC通常でいくつだっけ?」
ダスティ「ACは18」
DM「18なら外れ。よかったね」
レーグネン「次行きまーす」
クラウス「レーグネンが手番遅らせて、アルブレヒト様が自分で姿見えるようにしたりは出来るんですか?」
八夏「昏倒してるからダメなのでは」
クラウス「そうかぁ……」
レーグネン「とりあえずキュア・ライト・ウーンズを……アルブレヒト様が前に倒れていた空間に向かって……」
DM「スカッ」
レーグネン「アルブレヒト様! 返事が無いということは、先ほどのまま倒れられているのか!」
DM「いや、もう逃げているのかもしれないよ?」
八夏「音も無く逃げた!?」
DM「彼のことだ。華麗に逃げたのかもしれない」
レーグネン「そ、そんな……アルブレヒト様、信じていたのに」
アルブレヒト「血溜まりが出来ているから大丈夫」
DM「そうねぇ……ちょっと変則的なんだけど、このラウンドと次の分の移動アクションを併せた疑似的な全ラウンドアクションとしてお兄様の位置をまさぐるってことにしよう。それならその後標準アクションでキュアしていいよ」
レーグネン「じゃそれにします」
DM「本当はルール的に無理があるんだが、今は死にそうだから許す。マスターの優しさを感じ取ってください」
アルブレヒト「温情に感謝」
レーグネン「アルブレヒト様は倒れていらっしゃる!」
クラウス「『い、いるんだな、そこに! 見えないけど』それじゃダスティ助けに行かないと。機会攻撃受けないようにするには……」
レーグネン「普通に移動して攻撃すれば大丈夫ですよ」
クラウス「じゃ攻撃します。『ダスティから離れろ!』……ダメだった、14です」
DM「うん……うん……次」
モニカ「次、逃げ」
モニ・ヤカ『キャーキャー』
ダスティ「お兄様は結局倒れたままだから……これ立ち上がって……機会攻撃受けます?」
DM「最大2回くらい受ける可能性はあるんじゃないかなルール的には、と思う」

 いわゆる「こっちが○○したら、敵はどう動きますか?」という質問なわけで、DMとしては答え難い(笑)

 
ダスティ「横になっててもダメ? というか普通に攻撃受けるだけですよね」
DM「まぁ倒れたまんま防御専念はできるよ。ボーナスが[伏せ]状態のペナルティと相殺して普通のACで攻撃受ける感じになるけど」
ダスティ「だったらそっちの方がまだマシかなぁ。立ち上がって機会攻撃受けまくるよりも。じゃ防御専念します」
クラウス「ダスティがヤバいんじゃない? 回復1人足りないだけで」
ダスティ「まぁ敵がこっちに集中している間に倒してくれってことで」
DM「『俺が犠牲になっている間に!』(プレイヤーの代わりに頑張ってロールプレイするDM) さて、敵の番か……」
ダスティ「これ挟撃にはなってないですよね」
レーグネン「ちょっとずれてますね」
DM「……1匹目、待機アクションでもう1匹が攻撃した相手を攻撃。もう1匹のターン、5フィートステップしてダスティを挟撃して攻撃。待機アクション発動、1匹目もダスティをアタック」
ダスティ「なんてテクニカルな動きを!?」
DM「狼系モンスターが群れで戦うのが上手いのだ。そしてこいつの知力は狼の3倍ある。というわけでAC21と23まで当たる」
ダスティ「21だから片方当たる」

 どう見ても両方当たってる会話なんだけど、これ当時の俺は「AC21だから」をスルーして「片方当たる」だけしか認識してなかったんだろうな(笑)
 書き起こされたテキストを見て「……ん? AC21まで命中なんだから当たってるね?」と二度見しつつ冷静に計算すると、ダスティが転倒時のACペナルティ-4を計算してなくて、実際のACは18しかないという。こーいう計算ミスはよくあるので、なるべく「転倒ペナルティちゃんと計算してる?」とか言うようにしているが、今回はDMも確認し忘れミス!!

DM「10点ダメージ。次〜」
レーグネン「ガサゴソガサゴソ……いた! で、キュア・ライト・ウーンズ! ……9点回復です」
クラウス「アルブレヒト様、この状況を何とか……」
ダスティ「何か攻撃が当たらないんですよ」
レーグネン「アルブレヒト様、大丈夫ですか?」
八夏「しかし見えない」
レーグネン「ここに多分いらっしゃるんですね!」
アルブレヒト「……助かった」
レーグネン「敵の手ごたえが何かおかしいのです。何か打開できる手段はありませんか?」
DM「とりあえず手番は次ね」
クラウス「これ手番遅らせてダスティと挟み撃ちした方がいいのかな?」
アルブレヒト「クラウスのマインドブレードってまだ魔法扱いじゃないんだっけ?」
クラウス「まだだったはずです」
ダスティ「心霊斬使って13点とかいったけどちょこっとしか減らなかったですよね」

 魂刃士のマインドブレードはレベル1の段階から常時「魔法の武器」扱いされます。
 クラウスは「まだマインドブレードに+1ボーナス乗るようになってないんだっけ?」といった意味合いで質問されたのだと解釈したのかも知れません。いわゆる「マインドブレード+1」となるにはレベル6からなので。

モニカ「キャーキャー言うしかすることがなかったので、お兄様の呪文リストに効果の説明を書いてまとめました。皆さん手が空いたら読んでおいて下さい」
レーグネン「さすがモニカ様!!」
DM「兄の杜撰な仕事ぶりを見事にサポートする、優秀な妹ぶり……!!(チラッ)」
アルブレヒト(目を逸らす)
クラウス「手番遅らせます?」
アルブレヒト「いや、マジック・ウェポンはあるんだが、マインドブレードには魔力付与出来なくてね」

 実は出来ます。
 ちなみにDMは気付いた上で無視しているわけではなく、単にマスター席の反対側で隣接して座っている2人の会話内容に意識向けてないだけの可能性が高いです(笑)

DM「クラウスの持ち時間なくなったから次の方」
モニ・ヤカ『逃げてまーす』
DM「じゃ次はダスティ……じゃないか、アルブレヒト」
モニカ「クラウスも大変だねぇ。唯一残されてしまったから」
DM「どっちかというと足を引っ張ったな、インヴィジビリティ」
アルブレヒト「気絶しちゃどうしようもない……」

 ジョジョにおける「透明な赤ちゃん」状態のアルブレヒトであった。

アルブレヒト「こいつにコーズ・フィアー。ヒットダイスが5以下なら意志セーヴ」

 第3回のチャプター10で解説したように、精神操作呪文は一般的に忌み嫌われる行為なのですが、幸いこの場にはモニカと八夏がいない! お兄様の属性は別に善じゃない!
 そんなわけで自称“良識に富んだ常識人”なアルブレヒトお兄様による“良識が飛んだ非常識”な呪文攻撃を見られずに済みました。
 もうひとりの善良な男であるレーグネンが内心どう思ったかは謎であるが、大ピンチ過ぎてそれどころじゃなかったのかも知れん。自分が死ぬくらいなら悪事だって働くぜ!!!(そこまでは言っていない)
 なんにせよ今後正義ガールズの前でも気にせず使うようなら、双方ロールプレイもちゃんとして貰う必要がある呪文である(笑)
 この手の問題は「アルブレヒトが倫理観に欠ける」だけに留まらず「そんな兄を崇め奉るモニカってどうなの?」みたいなところにまで波及する、いわゆる「クズ主人子に惚れるヒロインにも問題を感じて魅力が薄れる連鎖的マイナス現象」である。

DM「闇の世界の住人に意志セーヴを求めるか……あ、効いたなこれ(笑)」
ダスティ「どうなるんですそれ?」
アルブレヒト「成功したら相手は[恐れ]状態になるから逃げる」
八夏「敵も味方も逃げるのか……」
ダスティ「モニカやヤカと同じ状態ってことですか」
DM「モニカ達はもう1ランク上の状態だね……あ、ごめん。2人ともダイス振って。逃げる方向ランダムだった」
レーグネン「[恐慌]状態の追加効果が」
DM「[恐れ]状態だったら主観の範囲で安全な方に逃げるんだけど、[恐慌]状態だとそれすらわからないからメチャクチャな方向に逃げることになるんだった」
八夏「で、私がこのまま出口の方に、モニカが分かれ道の逆の方に行ったと」
DM「ただモニカがそっちに行ったかはみんなは知らないです。明かりが消えた先だから」
モニカ「なるほど(逃げた先にダンジョンパーツを追加配置)」
DM「だからパーツ置かせるなって言ったじゃん! フラグかよ!(笑)」

 全員爆笑


 Don't give up justice, I want to get truth! 敵も味方も恐怖で逃げ惑うぜー!!!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 コーズ・フィアーは相手に一時的な恐怖を植え付ける呪文です。
 アルブレヒトは調子に乗って死霊術や心術などといった分野も満遍なく修めてるので使えてしまうのですね。
 プレイヤー自身とアルブレヒト本人にそこまでの嫌悪の認識が徹底されていなかったことは確かですが、『自分の命を守るためにモンスターを脅して追い払っただけだよ。火や剣で脅しつけるのと同じだ。無論、人を操るような犯罪行為などするものか』というとこです。
 同時に(自身の主観としては不条理な)批判に晒されることも承知しているので、使う場面は選んでいます。『非難されたり揉めたりするのも面倒だからな』

 今回は(認識不足と)なりふり構っていられない生死の瀬戸際だったので、レーグネンの横で発動させてしまいました。
 今の所の倫理と自制の限界点はこのあたりにあるようです。
 もし今回咎められていたら、ひと悶着あるのはやむなしですね。



・モニカ
 モニカさん、きゃーとかいやーとかしか発言できません(笑)
 こういうときは暇というよりは、他のプレイヤーのロールプレイや動きを参考にしたりしています。(必ずしも自分の物にできるとは限らないのですが……)



・レーグネン
 犬どもとか言っちゃったけど、油断せずに行こう!! 侮蔑というより犬としか判ってないし(笑)
 DMのお蔭もあってアルブレヒト様の急場を救えました。心身を操る呪文に対する心構え、この時はあまり出来てなかったので、これから気を付けていきたい所。ビッグ・アイや精神操作、ゴヨウ・ガーディアンにひどい目に会わされた時を思い出して……!


・八夏
 八夏復活! なお無力継続中(汗)
 そうか、前回の連携はこいつがブラックドラゴンだったからできたのかー(棒
 そして再び訪れる闇の恐怖。お兄様、「引きずり出した」というより「まんまと引き離された」って言われても違和感が……。


・ダスティ
 転倒ペナルティの件は、勘違いしてました。スミマセン。逆にボーナスのせるのを忘れる時もあるけど……。防御専念している時、〈軽業〉ランクが5あることによる追加ボーナスを、ほぼ毎回忘れてます。
「ダスティを応援してます」と言ってくれたかた、ありがとう! とてもうれしいです。ただ、そのコメントへのDMの返しを見て、「あっ! そうなんだ」と思ったこともいくつかあったり……。まだ認識が甘い部分がありました。そもそも今回のキャンペーンを始める前に、ダスティの設定が「最下級の報酬序列かつ最低の社会的地位」とまでは思っていなかったんですよね。後に「パーティー内で、どう呼び合っているのか?」と聞かれたときに、「仲間になったら呼び捨て?」と言ったら「ダメに決まってんだろ(笑)」と、言われてしまい……。その時、ダスティの地位の低さや貴族との差について叩き込まれて、この世界ではそういうものだって理解したつもりではいたけれど、やはりちょっと釈然としていなかったんですよね。「同じパーティーの仲間なのにな」って。DMからは「そういうロールプレイをするのも良いけど、その場合このパーティーでは孤立しちゃうよ」みたいなことも言われていて、もちろん孤立しようとか思っていたわけじゃないけど、身分の違いだけじゃなく、考え方の違いとかもあって、何より第3話の最後のシーンではちょっと調子に乗っちゃって、あんな感じになっちゃいました。夢での戦いで誤射した時の「てへぺろ」とか、ちょっとやらかしちゃうところがあるんです、ダスティって。そういえばあの時の被害者もアルブレヒトだった……。
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター5

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

DM「次、ダスティどうぞ」
ダスティ「とりあえず立ち上がって……逃げるとは思うけど防御専念して終わり」
DM「アルブレヒトは、呪文の効果時間を1D4で振ってくれ」
アルブレヒト「……1ラウンドしか持たなかったか」
DM「じゃこいつは奥に行って次のターンで戻ってくるな」
アルブレヒト「機会攻撃だ、クラウス!」
DM「[恐れ]状態なら撤退アクションを取れるだけの冷静さは残っているので喰らわんのだぜ」

 
ダスティ「とりあえず1回この状況をなんとかしないと……」
アルブレヒト「あ、そういえば呪文使っちゃったから姿見えてるな……失敗したなぁ」
DM「俺、使った時ニヤリとして言おうかと思ったけど、さっきの[恐慌状態]の件で忘れてしまってたよ(笑)」
ダスティ「アルブレヒト様が姿を現している!」
DM「で、2匹目に噛まれる、と……17まで当たる」
アルブレヒト「当たる」
DM「じゃ8点」
クラウス「あー、アルブレヒト様−、丁度0に……」
レーグネン「[満身創痍]に……」
DM「で、足払いと」
アルブレヒト「抵抗すると出血しそうだからおとなしく転んでおきます」
ダスティ「まぁ1匹追い払ってもらったからOKOK」
レーグネン「さて、どうしようかなぁ……クラウスと挟撃出来そうもないから、アルブレヒト様回復しに行きます」
DM「じゃ機会攻撃ね。外れて欲しいなぁ……外れた。ダイス目3じゃ当たらないわ」
レーグネン「アルブレヒト様を回復します。キュア・マイナー・ウーンズで……」
DM「1点回復して止血完了! 終わり!」
レーグネン「え? ……あ! 間違えた、モデレットの方だった」
アルブレヒト「忠誠を疑ってしまった」
DM「下手に回復させない方がいいと判断したのかもしれない」
レーグネン「名前がこんがらがってしまった……じゃ1点回復です」
DM「1点回復でいいの? モデレットじゃなくて?」
レーグネン「それでいいならそうさせて欲しいですが……」
DM「早く回復するんだ! キャンセルにするぞ(笑)」
レーグネン「じゃ12点回復で」
クラウス「攻撃しまーす。心霊斬の方で……お、20! ……あー、でもクリティカルはしなかった。14点」
DM「ちょっと通った」
クラウス「ちょっと!? 『この! アルブレヒト様から離れろ!』」
DM「あ、そういえばさっき逃げて行った奴、空飛んで逃げました」
レーグネン「空飛んだ!?」
ダスティ「じゃ結構あれに当てはまるんじゃない?」
レーグネン「こいつが噂の……ブラック・ドラゴン!」
モニカ「あははははははは!!」
DM「メッチャツボってる(笑)」
レーグネン「次はダブル逃走組です」
八夏「画面外の戦いです」
ダスティ「そろそろ解けないのかなぁ」
モニカ「まだかかるんじゃないかなぁ」
DM「そうねぇ……八夏はこのラウンドで正気に戻った」
八夏「なんとか入り口前位でか……」
DM「戻ることも出来るし、そのまま前回のように逃げることも出来ます」
八夏「戻りますよそりゃ! 『一生の不覚ーーー!!』……ってでも明かりないのか」
ダスティ「明かり持ってます?」
八夏「持っているけど背負い袋の中……出しておけばよかった。これ暗闇の中で背負い袋降ろして中捜せます?」
DM「倍のラウンド使うならいいよ」
八夏「このまま帰った方が早いか……壁伝いに戻ります」
モニカ「でもこの辺が明るい感じなのはわかるんですよね?」
アルブレヒト「自分がかけたコーズ・フィアーって、何ラウンド効果あるかをキャラが把握出来るんだっけ?」
DM「把握出来ない〜。本当はさっきの効果時間判定、DMが振るんだよね。次からはそうする〜」
モニカ「お兄様が最前線にいる……」
レーグネン「さぁ、この挟撃ゾーンを抜けてお兄様を狙いに来るのか? ……来そうだな」
クラウス「まさかぁ」
モニカ「そんな美味しいんですかね、お兄様って」

 
アルブレヒト「シーキング・レイ! ……14ダメージ!」
DM「おお、倒れた! しかしこーいう時こそロールプレイで決めて欲しかったDMであった」
クラウス「アルブレヒト様! 流石だ!」
レーグネン「もう1体は逃げて行ったぞ!」
クラウス「今まで姿を消していたのはこのための布石!?」
DM「多分お兄様はこの後死ぬと思うから……」
八夏「DMが不吉なことを!?」
アルブレヒト「喰らえ、我が必殺の雷! ドーン!(ドヤ顔」
DM「そーいう呪文ではない(笑)」

  イラスト:★Yuuki
 シーキング・レイは落雷っていうか、フォース・ライトニングみたいな呪文だったりします(笑)
 ある程度の自動追尾能力を持つ故の「シーキング」でして、レイストームの2号機の稲妻状のホーミングレーザーみた……い……通じる人少なっ!!
 なんにせよドーンって炸裂させる落雷はコール・ライトニングって呪文が別に存在します。

ダスティ「えーと、どうしようかなぁ。まだ戦闘は継続なんですよねぇ」
DM「モニカが向こうの方で『キャーーー!』ってなってるかも」
モニカ「キャーーー」
アルブレヒト「気をつけろ、そのうちアイツは戻ってくるぞ」
ダスティ「とりあえずモニカとヤカが心配なので……でも戻ってくるって言ってるしなぁ……様子見るか」
アルブレヒト「戻ってくるぞ、気をつけろ」
クラウス「お兄様を守れる位置にいた方が」
ダスティ「じゃあ待機アクションで相手の姿が見えたら撃ちます」
DM「『相手が見えたら』という雑なトリガーではコマンドが受け付けられません」
ダスティ「え?」
DM「その場合モニカが来た場合も撃ちます」
ダスティ「ではさっきのモンスターが来たら撃ちます」
DM「じゃそれ以外のモンスターが来たら撃たないでいいね?」
ダスティ「うーん、モンスターが来たら撃ちます」
DM「それだとモニカが来ても撃つよ」
ダスティ「いや、モニカは撃たない」
DM「だからそれは出来ないのだよ、待機アクションでは!」
ダスティ「じゃ仲間以外が来たら撃つ」
DM「出来ないって言ってんだろ!(笑)」
ダスティ「さっきのモンスターが来た時だけにします」
DM「待機アクションでの射撃は『動くものが来たら撃つ』か、『特定の種族が来た時撃つ』以外ダメだよ」

 酷い会話が繰り広げられておりますが、別に待機アクションの説明はこれが初めてではない(笑)
 複雑なルールなので、5回くらい説明しても忘れられることは珍しくないのだ。是非もないね!

レーグネン「敵のターン」
DM「何もないです。次、レーグネン」
レーグネン「うーん、1人で何も見えていない所に行くのはちょっと命知らず過ぎるかぁ」
ダスティ「待機アクションでもいいんじゃない?」
レーグネン「じゃ手番遅らせてアルブレヒト様の後ろに行きます」
クラウス「敵が戻ってきたらアルブレヒト様が攻撃の的になるとまずいので……ここに移動します」
モニカ「モニカ逃げてまーす」
DM「モニカはまだちびってます。次八夏、頑張って戻って」
八夏「みんな無事かー!」
DM「次、アルブレヒト」
アルブレヒト「そういえばモニカとヤカはどこに行ったんだ?」
DM「一目散に逃げましたね。こーいうのはみんながちゃんと教えてあげないと」
レーグネン「確かに必死でしたね」
ダスティ「前と同じ状態ですね」
クラウス「さすがに襲われているアルブレヒト様を置いて行くわけには……」

 
アルブレヒト「2人が逃げた方に移動して……『モニカー! ヤカー! 返事をしろー!』」
モニカ「キャーーー」
DM「このレディを心配するふりをして安全(に思える)な後方に逃げるムーヴ。これですよ、これが貴族って奴っすよ、かっこいい!」

 全員爆笑

DM「この華麗な実益と保身を兼ねたノーブルムーヴ」
レーグネン「次は……『アルブレヒト様を一人にしては危険だ〜』」
DM「ちょっと待ってね……アルブレヒトがこっち行った瞬間、君が持っているコンティニュアル・フレイムが突如として消えた」
レーグネン「えぇ!? レベル2なのに……」
DM「で、ダスティの持ってるライトも消えた」
アルブレヒト「陽光棒も持ってたよね?」
DM「じゃそれも消えた。ここを境に闇のカーテンが出来ている」
モニカ「今レーグネンとクラウスはダスティのことが見えなくなってるの?」
DM「そうね。急に闇の壁が見えた感じ」
モニカ「ダスティからも見えない?」
DM「ダスティからも見えないね」
クラウス「レーグネン、アルブレヒト様を呼び止めて」
レーグネン「前回と同じだ。アルブレヒト様、こちらにはダークネスがかかっています。戻ってきてください! ダスティはまず後ろに下がるんだ!」
ダスティ「後ろ?」
レーグネン「後ろというか入り口の方か。そう言ってダスティの後に手番を遅らせて……いや、ちょっとずるいか」
DM「さんざん発言した後だもんな」

 大笑い
 戦闘中の手番は適宜「遅らせる」ことで仲間と行動順序を調整し合えるのですが、それはあくまで「今は行動せずに後で行動します」って意味なので……。

戦士「ヘイストをかけてくれ! 魔導師の次まで行動を遅らせます」

 って程度のことならば問題無いのですが、今回のように「状況に対する情報をアウトプットして味方に戦術的な指令を飛ばす」まで行くと、行動を行ったものと見做されるわけですね。
 ちなみに一言程度のタイミング調整ならば、別に手番が来なくても発言して大丈夫です。

魔導師「皆、ヘイストをかけるからあたしのターンまで遅らせて!!」

 こんな感じに。
 でもこれが以下のようになると……。

戦士「お、曲がり角からなんか現れやがった!! 皆、戦闘開始だ!!」
魔導師「皆、ヘイストをかけるからあたしのターンまで遅らせて! それからコイツは炎のブレスを吐いてくるわ! 神官はレジスト・エナジー・ファイアを!」
DM「流石に敵の情報まで言うのは自分の手番まで待ってね」
神官「魔導師、なにか知ってる? 魔導師のイニシアチヴまで行動遅らせるよ〜」

 ってなことになります。
 まぁこの辺の制限はプレイグループによって様々で、常時完璧な意思疎通がOKなことも珍しくないと思います。
 ただTRPG部にしても「ここまでヨシ」と明確に線引していることでもないので、ケースバイケースに認めてしまうこともあります。しかしながら原則的には「君達が時空を超えるテレパシーで連携するなら、敵もしていいよね?」「それは困る」ということですね。

レーグネン「これで標準アクション残しはさすがに……」
DM「そういう潔い良いところ好きだぞ」
クラウス「結局どこまでが暗くなるんです?」
DM「お兄様の20フィート……いや40フィートから先だね」
クラウス「じゃ危険回避のため……」
レーグネン「いや、次はダスティの番。こっちはアルブレヒト様の後に手番遅らせてたから」
ダスティ「『なるほど。この間と同じ状況なんですね、わかりました』と言って……ここまで行けば見えます?」
DM「えーと……そうね、見えたね」
ダスティ「じゃここで同じく待機アクション」
DM「奴が来たら撃つ?」
モニカ「奴が来たら撃つ!( ・`ω・´)」
ダスティ「奴が来たら撃ちます」
DM「じゃ敵ね。出てくるぞ。ただこいつ、〈隠れ身〉状態から攻撃なので……」
ダスティ「え?」
DM「君はさっき僕がこっそり〈視認〉振って失敗してるので気が付いてないからすり抜けられます」
ダスティ「待機アクションがぁ……」

 いつもはPCに振らせているやつですが、こーいう奇襲のシチュではDMがこっそり振ってメタな気付きを与えないようにします。

 
DM「この辺の壁沿いを走っていって……アルブレヒトにガブーッ!」
ダスティ「そんなに移動できるの!?」
DM「だってこいつ空飛べるし。移動力60フィートだよ(笑)」
ダスティ「なるほど……」
DM「さっきのターン戻ってこれたのに戻ってこなかったのは、ここで〈隠れ身〉して機会を伺っていたんだよ」
レーグネン「完璧な布陣だと思ったのに……」
ダスティ「まぁお兄様と挟撃が出来ますよ」
アルブレヒト「いや、もう……」
八夏「『もう……』って!ワンチャンありますよ」
DM「なにせ今ここ薄暗くなってるから君ら見えてないんですよ、〈隠れ身〉に対して。だから待機アクションも何もない」
レーグネン「なるほど」

〈隠れ身〉はなんらかの[視認困難]要素が無いと行えないムーヴなんだけど、薄暗いゾーンは[視認困難]扱いなのですな。暗闇だと[完全視認困難]となる。

DM「これ、お兄様が向こう行くと思ってなかったから、俺としてもこの完璧な奇襲は想定外だったんだよね(笑)」

 全員爆笑
 お兄様がこの場に留まり煌々と明かりを照らしていたら、薄暗いことにもならなかったので〈隠れ身〉出来ませんでした。

DM「護衛いっぱいいるから大丈夫かなと思ってたのに(笑)」
ダスティ「やっぱ逃げちゃダメなんですよ!」
モニカ「お兄様はモニカを心配してきてくれたんですよ、ね!」
アルブレヒト「……(苦笑)」
DM「だがそれを肯定しない兄であった。11点」
レーグネン「あー、残った残った」
DM「じゃ足払い対抗ロール」
レーグネン「ほらお兄様、声あげて。叫び声あげて」
DM「豚のように」
アルブレヒト「えーと……15」
DM「……あ、こっちダイス目で12なんで(修正値足して計算するまでもなく15は超える)」
アルブレヒト「奴を引きずり出したぞ、うわー!(バターン)」

 全員爆笑


 Don't give up justice, I want to get truth! 挿絵には元ネタがあります。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 我ながらいいムーヴだと思ったが……何故ことごとく行動が裏目に出るのかっ!
 またまた死にそうなピンチだ!

 魔導師や神官を含む独立混成傭兵がレアで重宝される理由がわかったぞ。
 こんなすぐフルボッコにされる冒険行に貴重な魔導師が参加しないからだ!
 もしくは魔導師がすぐ死ぬ!
 え? うちが異常……? 行動が迂闊? やっぱりそうかな……?


・モニカ
 こいつが噂の……ブラック・ドラゴンだ!!(笑)
 思ったよりもちいさいぞ……しかし油断は禁物だっ!(逃げながら)
 本当に、アルブレヒトはもう、面白いロールプレイをされます。何度見てもなにをやっても面白い! やっぱりお兄様はすごい!
 モニカを心配するていで逃げたお兄様、しかし当然敵も逃がすまいと食いついて……最早アルブレヒトは美味しいのだと確信せざるを得ませんね。

 モニカからも「心配するていで逃げた」言われてて吹いた(笑)


・レーグネン
 満身創痍からの1点回復はメリット無さすぎる(笑)ツッコンで貰えて助かりました。
 そしてお兄様がまた因果を操作して攻撃を受けにいく! 移動した瞬間明かりが消えるの、もうコントかと(笑)


・八夏
 八夏復活! なお無力継続中(汗)
 そうか、前回の連携はこいつがブラックドラゴンだったからできたのかー(棒)
 そして再び訪れる闇の恐怖。お兄様、「引きずり出した」というより「まんまと引き離された」って言われても違和感が……。


・ダスティ
 待機アクションは難しい……。でも弓がメインウエポンのローグの場合は、今回のような戦闘では有効なんですよね。いろんな使い方ができて、戦闘にも幅ができるし。うまく使いこなせたらなあ、と思います。
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター6

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

モニカ「お兄様かっこいいー」
ダスティ「物は言いようですねぇ……」
クラウス「クラウス行きまーす。『アルブレヒト様−! まさかお一人で!?』」
DM「ちなみに君らこいつが駆け抜けたことすら気が付いていないんで」
八夏「でも『ギャーーー』は聞こえたと」
DM「うん。『ギャーーー』は聞こえた」
クラウス「ここまで移動して……『アルブレヒト様が襲われている!』」
DM「じゃ次」
モニカ「キャーーー(ドタドタ)」
DM「あ、モニカはここで復活」
八夏「でもそこがどこかわからない」
モニカ「はっ!? ここはどこ?」
DM「頑張って戻ってきてね。真っ暗闇だけど(笑)」
八夏「次は私か。えーと……1回目の移動で明かりの範囲に入れるかな。『アルブレヒト殿! 大丈夫ですか!』」
アルブレヒト「まだ見えないんじゃない?」
八夏「『ギャーーー』は聞こえたと思うんで。で、ここから普通に移動して……」
モニカ「お兄様が見える」
DM「薄暗いけど一応見えるね」
アルブレヒト「ヤカ、いいところに」
DM「『だが多分お前が来る前に俺は死ぬ』聡明なアルブレヒトはそう悟った」
八夏「ええーー!?」
ダスティ「いやいや、足掻きましょうよ」
DM「ちなみに君逃げた時に槍落としてます。この辺に」
八夏「あぁ、しまった……」
アルブレヒト「武器を放り出して逃げたんだ。君の盆栽も落としたんだ」
八夏「盆栽!?」
レーグネン「じゃ抜刀すれば一応戦えるか」
八夏「抜刀……脇差は背中ですね。だから即応スロットには刺股を持ってます」
DM「刺股を即応スロットってのも大分すごいイメージだけどね。あれリーチウェポンだっけ?」
八夏「一応長い奴ですね……ダメってやつですか?」
DM「どうやって持ってんだろうね?」
八夏「……考えてみると無茶ですね」
DM「無理だと思うんだ」
八夏「……えーと、これ入れ替えてもよろしいでございましょうか……」
DM「いいですいいです」
八夏「では失礼して……」
DM「さすがに10フィートの刺股を体にプラプラさせながらは大分無理がある」
八夏「まぁ引っかかりますね」
レーグネン「弁慶かな」
アルブレヒト「次私か。なんか魔導師に厳しいな。ディスガイズ・セルフでプレートアーマー着た戦士にでも化けるか」
DM「どっちかっていうと、君たちが戦うたびに手の内晒すだけ晒して逃げるを繰り返しているからでは?」

 全員苦笑

アルブレヒト「とりあえず……速攻呪文、スタンド! 立ち上がってヤカのところまで撤退」
八夏「アルブレヒト殿!」
アルブレヒト「おぉいいところに。ヤカ、後ろから奴が追ってくるのだ」
レーグネン「お兄様が移動したからこっちが真っ暗闇に……」
アルブレヒト「あ、そっか!」

 全員爆笑
 ドリフの停電コントかよ君ら!!!(笑)

DM「次の方どうぞ」
レーグネン「真っ暗だーーー!」
アルブレヒト「キャラはそっちが真っ暗とかよくわかってなかったから……」
DM「これがドラマですよ」
レーグネン「えーと、接敵してターンエンド」
ダスティ「こっちも移動して終わりです」
DM「敵の番ね。移動して……アルブレヒトの所へ。八夏、機会攻撃どうぞ……ってまだ素手だから無理か」
八夏「はい、まだ武器出してません」
ダスティ「まーじーでー」
アルブレヒト「ヤカ、お前を信じた私は一体……」
クラウス「近くにいた男3人を信じてくださいよ!」
DM「前回自分を見捨てた奴が2人もいるのにぃ?」
アルブレヒト「奴が分断とか言うんだもん!」
DM「敵はそんなこと言ってねぇ(笑) 当たり、8点」

 
アルブレヒト「ギャーーー!」
ダスティ「またお兄様が起き上がりこぼしになってる!」
DM「凄いなお兄様。戦闘のたびに昏倒しているな」
レーグネン「これはひどい」
DM「何が面白いってお兄様の動きと敵のムーヴが完璧に合致してるんだよ。常に俺の想定を超えた酷い動きをしてくる」
クラウス「移動して終わりです」
モニカ「急いで戻ってます」
ダスティ「次はヤカか。やっちゃいましょう」
クラウス「アルブレヒト様、前世で犬になにを……」
DM「多分ファーザーなんだろ」

 
一同『ギャワーーー!』
八夏「では、移動しながら錬金術銀製の脇差抜いて攻撃します。『貴様が影の正体か!』……24」
DM「当たり」
八夏「ダメージが……あー、3点……」
DM「3点? 効いた」
ダスティ「ダメージ喰らうんだ。やっぱり銀とかだと通り易いのか」
八夏「何か妙に浅いな……」
DM「そりゃ単に君の当たり所が悪かっただけだよ」
八夏「私はそんなこと知りませんので!?」
DM「次は?」
レーグネン「アルブレヒト様」
DM「……は色んな意味で終わっているから」
ダスティ「ひどい」
アルブレヒト「もしかしたら回復するかもしれない」
レーグネン「全力移動して……前が詰まってるからここまでか」
モニカ「またこの細い道にいっぱい」
レーグネン「『大丈夫ですか』……って言おうと思ったけど大丈夫そうじゃないな」
八夏「血塗れで倒れてますからねぇ」
レーグネン「ヤカ! いたか!」
八夏「すまぬ、遅れた……」
ダスティ「こっちも移動して……防御専念して終わり」
DM「えーと、こいつは〈隠れ身〉します」
クラウス「ならアルブレヒト様を守るためにここに移動して……『どこへ行った、あの犬!」
モニカ「ようやくすぐそば辺りまで戻ってきました」
八夏「じゃ私も警戒するか……クラウスの横に移動してエンド」
レーグネン「キュア・ライト・ウーンズをアルブレヒト様にかけます。『大丈夫ですか、敵は逃げて行きましたぞ』……って言っていいのかな?」
ダスティ「移動してまた待機アクション」
DM「敵は何もなし」
クラウス「アルブレヒト様はもう意識あるんですよね?」
レーグネン「回復はしたから大丈夫」
クラウス「じゃアルブレヒト様がまた襲われても困るので待機ですかね」
モニカ「『お兄様!』って言ってお兄様に近づいて回復します」
アルブレヒト「モニカ、無事だったか……」
DM「兄を生かさず殺さず嬲り殺しにする俺の手腕を見てくれ」
アルブレヒト「生かしてよ……」
DM「君が普通ならとっくに死んでるようなムーヴを連発してるね!?」
レーグネン「1人で回復してたからキュア・ライトとモデレット使い切りました」
モニカ「そうですよねぇ……ではキュア・モデレット・ウーンズ使います……えーと、22点回復かな?」
レーグネン「おぉ」
DM「……24点な気がするんだけどなぁ」
モニカ「えぇ!?」
DM「神が『モニカよ、間違っているぞ、前回もやっただろ』って言ってるよ」
モニカ「やりましたね……」

 大笑い

八夏「何とか皆無事のようですね。しかし先ほどの獣は……」
ダスティ「まだ健在ですねぇ……」
レーグネン「このまま村の方に行かれては事だ」
アルブレヒト「なんとか奴を倒したいところだな」
モニカ「そうか、村の方行くかもしれないのか……」
ダスティ「もしかしたらここを出て村に向かったかもしれませんね」
クラウス「お兄様を食べ残して……」
レーグネン「食べ残してって……」
アルブレヒト「あいつ手負いだっけ?」
DM「若干斬られた」
モニカ「全然元気そうですね」
八夏「すぐに追いたいのは山々だが、私の槍を持っていきたいのだが……そんな時間も無いか」
DM「買っては落とし、買っては落とし」
モニカ「でもさっきの場所くらいならすぐに戻れそうですし」
八夏「ではすまん、一度回収に行かせてくれないか?」
ダスティ「それだと真っ暗になっちゃいますね」
レーグネン「ヤカ殿の槍は貴重なものなのか?」
八夏「多分この辺りでは手に入らない。故郷から持ってきた物なのでな」
DM「マーキュリアル・グレートソードだ」
八夏「その話は!?」
ダスティ「じゃ一旦みんなで武器を取りに戻ります?」
レーグネン「とりあえずお兄様が接敵されないように囲んだ状態で……」
ダスティ「もう厳重包囲ですね」
DM「インペリアルクロスだ!」
レーグネン「自分の明かりはお兄様ゾーンだったら明るいんですよね?」
DM「そうね…………手塚ゾーンみたいな言い方はやめて(笑)」
アルブレヒト「イニシアチヴってまだ遵守した方がいい?」
DM「いや、もういいよ」
レーグネン「じゃみんなで即武器拾ってまた村に戻りますか」
DM「……こうしてアルブレヒトとレーグネンのプレイヤーは嫌というほど味わった『武器に拘った』ことによる惨劇を再び……」
八夏「そんなこともありましたねぇ……」
ダスティ「なにかあったんですか?」

 だから頼むから過去リプレイを読ん(以下略

DM「赤き森キャンペーンの時にね」
八夏「武器への拘りがありすぎてやっちゃったことがありまして……
クラウス「神様怒っちゃった奴でしたっけ?」
DM「神様も怒った奴だね。『俺のグレートソードがー』って言って瞳がGになるという」

 同じプレイヤーの別キャラによる「瞳がH事件」もある。別にスケベな意味ではなく、今度は仲間よりもハルバードを優先しようとして顰蹙を買った。


ダスティ「そういえば村に戻るんだったら敵の死体どうします?」
モニカ「持って帰りましょう」
レーグネン「いや、こいつはもう諦めるしかない」
八夏「これ、形残ってるんですか? 1匹倒した時消えたとか言ってませんでした?」
ダスティ「透明な奴でしたっけ? あれは死んだあと姿を現したんじゃ」
クラウス「溶けて消えたって言っていたような」
DM「えーと、影に溶けて弾けたんだけど、どうやら今くらい時間が経つと実体が見えているかな」
クラウス「じゃ回収しますか」
レーグネン「いや、そんな時間もう無いというか……シュリンク・アイテムすぐにかけられるならいいけど」
クラウス「武器探して拾っている間に爪とか牙とか少し回収とかする時間あります?」
DM「まぁ10分とか時間かければ」
レーグネン「もうそんな時間かけられないから武器拾ったらすぐ行きましょう」
DM「このパーティー〈製作:解体〉技能持ってる人いないから、素人が『今からこの猪を解体してくれたまえ』って言われているようなもんだからね」
モニカ「それ、クラウスが言われるんですよね、そういえば」
DM「そうね」
八夏「首だけ落として持っていくっていうのは?」
DM「全然ありですよ」
ダスティ「お金になりそうなところが首なんですか?」
八夏「いや、倒した証拠として」
クラウス「じゃ首だけ落として……」
レーグネン「いや、もう武器拾って戻らねば」
モニカ「うん、これはもういい。死んでることはわかってるんですよね?」
DM「王大人が『死亡確認』って言ってる」
ダスティ「王大人の死亡確認はあてにならないけどなぁ……」

 モニカ以外笑う

モニカ「私それ元ネタわからないから信用するしかないんですけど!?」
レーグネン「王大人が言うんだったらもう死んでるんだ!」
ダスティ「みんな生きてただろ!」

 大笑い

レーグネン「もう議論している間も惜しい。武器を拾って行こう」
モニカ「行きましょう」
ダスティ「それでいいんだったら行きます」
八夏「わかった」
DM「逃げろ逃げろ、雑魚どもが! 腰抜けどもが、帰れ帰れ!」
ダスティ「じゃ逃げ帰りました」
八夏「いや、逃げたわけじゃないですから! 村の心配をしたんです。村を守りに行くんです!」
モニカ「1匹だけ逃げたからね」


 Don't give up justice, I want to get truth! 到着、そして5分で帰る!!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 今回も敵に貪られ昏倒させられつつ、なんとか危機を脱した。
 これだけ何度も生死の境を彷徨いながらも挫けない兄はだいぶ常人ではないぞ。
 死にそうな痛みや薄情な仲間に対する愚痴の一つもぶっこんでおくべきだったか。
 もちろん毎回泣き言や文句を言ってては始まらないが、どうにも死にかけることに感覚が麻痺していて、後で呪文でHP回復させれば無問題、な流れになっているのは反省点である。



・モニカ
 ようやくお兄様のもとにたどり着けました。生かさず殺さすの踊り食い状態、なにもできずに申しわけないです。
 村の方に行く〜云々の心配した理由は赤き森の話からですかね。プレイヤーは、しまったなぁと思っています。


・レーグネン
 お兄様生きてた。よかった。危機は去ったものの、敵を追い払ったと言えるような状況ではなく(笑)
 村に関しては先日の襲撃があったので、どうしても心配になりますね。


・八夏
 私の一撃で敵を追い払った……とはさすがに胸を張って言えないダメージ量。
 やっと回ってきたチャンス、ここは決めたかったなぁ、さすがに。
 しかし、このダンジョンのボスはトップブリーダーだったのか、ならチャプター4での連携も納得だな!(しつこい


・ダスティ
 自分で振った〈視認〉の出目も低かったけど、DMが代わりに振った〈視認〉の出目も低かった……。それなりにランクあるんだけど、やはり出ないときは出ないなぁ。
 なんとか生き残ったけど、いきなり大苦戦! 討ち損じた敵が村へ向かったなら倒さなきゃだけど、消耗が激しいので、どちらにしろ村へ戻って休養し回復して、態勢を立て直さないと……ってダスティは思っていたんですよね。

 ダスティの出目が普通でも相手の出目が高ければ駄目だしねぇ……。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター7

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

DM「じゃ村に戻ったけど、特に何もありません」
ダスティ「お、じゃあどうします、村への説明? また俺言っちゃていいの?」
村人「帰ってきたぞ! バンザーイ! 生きて帰ってきたってことは、あいつらは殲滅されたんだ! バンザーイ!」
ダスティ「とりあえず2匹は倒しましたが、1匹だけ打ち損じてしまいましたので……まぁ見える限りではね(ボソ」
DM「その『まぁ見える限りではね』ってのも言うの?」
ダスティ「言いません!」
DM「ちゃんとロールプレイと分けてくれよ! 次からノータイムで本気に取るからな?」
ダスティ「わかりました……これ俺が言っちゃっていいのかなぁ?」
DM「みんな迂闊なこと言って困ったことになりたくないから君に押し付けようとしてるな、やっぱ貴族は汚いな!」
モニカ「違う違う!」
ダスティ「前回俺が言ったら『え、なんでダスティが言うの?』ってボソッと言われたし……」
モニカ「前の時はそう思いましたけど、今回はモニカ何もやってないから何もいうことがないし……」
クラウス「えーと『追い詰められた獣が1匹洞窟から逃げだしたので、村に行っては危険だと思って戻ってきました」
村人「なるほど!」
クラウス「村に異常は無いですか?」
村人「なにもありませんが」
レーグネン「それはなによりです」
モニカ「……じゃ戻ろうか」
ダスティ「だがまだ警戒は必要です」
クラウス「何匹かは倒しましたが、その逃げた1匹が村に来ないとも限りませんので」
モニカ「遠吠えは聞こえてますか?」
村人「いえ、今日は聞こえていません」
ダスティ「ではこのまま警戒を怠らず、明日に備えましょう」
モニカ「……あれ? 今戻ってきたのって何時くらいですか?」
DM「まだ2時間くらいだから昼だね」
モニカ「ですよね。ならもう1回行きましょう」
DM「なにせ1時間かけて行って、5分でやられて帰ってきたんだから」
ダスティ「また行って呪文とか大丈夫?」
八夏「とりあえず村人には注意しておきます。『手負いの獣が1匹来るかもしれませんので気を付けてください』」
ダスティ「我々もこのまま村に残って警戒したいと思います」

 事前になにも相談してないので、再戦する気満々なモニカ組と今日はもう戻らないつもりのダスティ&クラウスの食い違い。

レーグネン「……え?」
ダスティ「って話にしたいんだけど……」
レーグネン「いや、もう一度我々は洞窟に向かおう」
DM「大分この動きの意図が不思議なことになってるよね。人情としてはわかるけどさ、とっても」
モニカ「えーと……」
DM「戻ってきて、『敵が居ないからまた洞窟戻るか』って言っても、君らの行動って基本的に周囲から丸見えだから、居ない時にいつでも襲えそうな雰囲気はありそうよね?」
モニカ「それは……」
DM「だもんで、どう判断してどういうつもりでここに戻ってきたかって話になるんじゃない?」

 取り敢えず村に戻ってきたものの、明確なヴィジョンがなにもない状態だったので、行動指針がまったく定まらない一行。
 頼みのお兄様もリーダーシップを披露する気配が無い。犬に襲われたショックで心が折れてしまわれたのか……。

ダスティ「レーグネンの呪文が無い状況で先に行くのも……」
レーグネン「ただのタンク野郎になっちゃうな」
DM「いや、大活躍だったじゃない。敵の攻撃の大半を弾いてたし」
クラウス「ダスティが居なかったらヤバかった」
レーグネン「暗くなければ大丈夫だ! 暗くてもちょっと大丈夫だ!」
DM「『俺だけは大丈夫だ!』って感じだったよな!」
レーグネン「じゃ村長に『すまないがこれから今日の作戦会議をしたいので部屋に戻らせてくれ』と伝えます」
村長「そんな許可不要ですよ」
レーグネン「じゃちょっと作戦会議をしようと思う」
村長「わかりました。愚かな奴らに聞かれては難しい話題もありますでしょうからね」
八夏「村長がゲスキャラに!?」
モニカ「村長いい人ですよね……?」
DM「村長は君らにはいい人ですよ?」
八夏「この間の話からすると、昼でも襲ってくる可能性はあったんですよね」
ダスティ「そうですね」
DM「ちなみに村人の言う昼も襲ってきたっていうのだけど、敵の数がみんな言ってることがバラバラで、最小2体、最大で30体です」
レーグネン「こんな奴30体も相手にしたくねーー!!」
モニカ「最大30体って村壊滅してますよね、それ?」
八夏「まぁ皆殺しでもおかしくないですね」
レーグネン「よく大丈夫だったね……」
八夏「羊数匹だけを執拗に襲う30体……」
アルブレヒト「とりあえず村を守るっていう誓いは尊重したいし」
DM「君たちは単に『村を気にかけた』って事実だけ欲しくて戻ってきたのか……(笑)」
モニカ「いやいや、本気で心配してましたよ!」
レーグネン「レーグネンとしてはこれから戻っても明日行くにしても状況は変わらないって判断してます」
ダスティ「本当に?」
レーグネン「自分の呪文だけの問題」
ダスティ「そこそこ、そこ大事」
レーグネン「まぁ、そこはモニカ様も復活されてるし」
ダスティ「でもまたさっきみたいにモニカ様逃げるかもしれないし……」
レーグネン「モニカ様にそんな無礼なことを!」
アルブレヒト「自分は逃げないけどモニカは逃げるんだぜってことか?(ギロリ)」
ダスティ「いやいやいやいや……」
アルブレヒト「で、言ったの?(ギロリ)」
ダスティ「いや、言ってないですよ」
DM「さっきもそうだけど、迂闊な発言して不都合が起きそうだったら『キャラは言ってません』はやめなっての」
クラウス「またアルブレヒト様からの好感度下げに来ましたね」
DM「お兄様、こいつ処罰しよう今。すげぇディスったよ、モニカを」
アルブレヒト「まぁコイツがどうしようもなく無礼なのはわかってるんでいいです。そんなことより、戻る前にもっと意見交換しておけばよかったな」

 重ね重ね「とりあえず戻るか〜」くらいの流れだったのである。

DM「お兄様がどう判断したかだね。行って戻って『あぁ平気だったんだ、じゃ戻るか』なのか『義理は通した、戻ろうか』なのか」
アルブレヒト「戻らなくてもいいかなって内心思ってたけど、戻らないと気が済まない人がいるから戻る流れかなって」
DM「『実は俺もそう思ってたんだよ』ってキャラなんでしょ?」
アルブレヒト「そうね」
DM「今マスターとしてはキャラがどういう心情でどう動いているか把握できてないから、部屋に戻ってきたところからロールプレイで進めてくれる?」
レーグネン「ひとまず村に被害がないようで何よりだ」
モニカ「安心しましたわ」
クラウス「そこは安心したが、あの逃げた獣はどこへ……」
アルブレヒト「まぁあいつが猛り狂って村を襲ってないなら一安心だ。我々も戻ろうか」
八夏「あやつを放っておくわけにもいかないが、激昂していないのならいつ襲ってくるかはわからない。だからといってここにとどまり続けるわけにもいかないだろう。私も先に行くのは賛成だ」
レーグネン「そうですね」
クラウス「消費した呪文やスクロールなどは大丈夫ですか?」
レーグネン「そうだな……自前の上位回復呪文はもう使えないな」
クラウス「もう1回戦闘には耐えられるんでしょうか」
アルブレヒト「なに、モニカがまだ全力なんだから問題なかろう」
モニカ「はい、お兄様を癒した分以外はまだ残ってますわ」
レーグネン「奴の能力がある限りいつでも先手を取られる以上、いつまで待っていてもあいつらのタイミングで襲ってくることには変わらないでしょう」
アルブレヒト「そうだな。我々が出かけた後に奴が襲ってくる可能性はあるが、主導権が相手にある以上どうにもならん」
八夏「村人への注意喚起は当然するとして……」
ダスティ「万全の準備をして明日行くより、今日行くほうが上策という考えでいいんですね?」
レーグネン「いや、上策も下策も無い。まだ行けるようなら行くべきだろう」
アルブレヒト「ただでさえ寝込んで日数が経っているからな」
ダスティ「わかりました。皆さんがそれでいいというなら行きましょう」
モニカ「今から行けばまだ昼には到着できますね」
レーグネン「えぇ、そのはずです」
DM「とりあえず誰か突っ込んで欲しい。『なんで戻ってきたんだ』って。そもそも戻ろうって言った人誰?」
ダスティ「1回戻って1泊するのもありかなとは思いましたが……とはいえ村が襲われるという可能性があるのも真実ですし」
DM「そうなんだけど、ここで君らが引き返してもやっぱりそうなる可能性はあるわけですよ。だから村に来てまた戻るっていうのは村人を見捨てていないという義理を果たした以外、何の意味も無い行為なんですよ」
レーグネン「思ったのは逃げた足で村を襲ってたとしたら、急いで帰ればまだ助けられる可能性はあるんじゃないかと」
アルブレヒト「そうじゃないと村に護衛として誰か置いていかなきゃならなくなるしな」
DM「村が心配で守りたいから戻ったにしては、当初の目的は全然果たせてないよね、っていう。単純に村が襲われているかどうかだけ確認したかったんで、あとは襲われてもしょうがないで戻るというのを明確に認識しているのか、キャラ的にはそこまで深く考えてないからそういうことに気付いていないだけなのかどっちなのかな? そこら辺踏まえてロールプレイで進めて欲しい」
モニカ「私は早くダンジョンに戻った方がいいと思います。これから夜になれば視界が悪くなったりで私たちの戦力はひどく落ちることになるでしょう。 ですから陽があるうちになるべく早く……せっかくお兄様たちが2体も敵を退治したのですし、今日中に敵の戦力が整う前に行動した方がいいのではないでしょうか」
レーグネン「奴らが逃げ出した足で村を襲っていないというなら、今日襲われる可能性も明日襲われる可能性もそう違いはないんじゃないでしょうか」
ダスティ「こちらの戦力は減ってきています。ここは準備を整えて明日行くのも一つの手ではないでしょうか。それでも今行った方が有利という判断ならそれに従いますが」
アルブレヒト「それはそれとして、ダスティはどっちがいいと思ってる?」
ダスティ「私としては今までのことを考えると準備を整えた方がいいと思います。手負いの獣のことはありますが、今までの行動を考えれば昼に襲ってくる可能性は低いので、今から夜まで残って警戒し、明日廃坑に向かった方が村を守るということでもベストなんじゃないかと」
八夏「現状として村が襲われていないのならば、今すぐ行って敵の数をさらに減らした方が村の危険を減らすことになるのではと私は思うのだが。幸いまだモニカ殿の呪文はまだ残っているのだろ?」
モニカ「えぇ」
八夏「それなら1匹でも2匹でも……もしかしたらまた逃げた奴も戻っているかもしれん。まとめて討伐してやればいい」
クラウス「獣が衝動的に襲って虐殺するという懸念は一旦はなくなったと思いますが、もう少し様子を見た方が……」
モニカ「この際、リスト家の方にお願いして、村の留守を任せられる増援を依頼して貰うというのはどうでしょう?」
DM「その“増援”が君たちなので、ここからさらに増援をってなると、それはもう君たちの自腹で……ってことになるかも知れないね。まぁ交渉次第かも知れないけど。そしてよしんば増資を引き出せたとしても、それで傭兵が集まり到着するまでどのくらいの時間がかかるのか。急げば急ぐだけ報酬額も上がる」
レーグネン「それは厳しい」

 あとメタなことを言えば「PCがNPCを何人も雇うことが前提のシナリオ」は、いきなりやるもんじゃあない。

レーグネン「アルブレヒト様、戦闘の継続はまだ可能でしょうか?」
アルブレヒト「まぁなんとかなるだろう」
レーグネン「アルブレヒト様が何とかなると仰られているのだ、きっと大丈夫だ」
DM「そうだぞ。アルブレヒトは常に『これで大丈夫』といった行動をして毎回死にかけてるんだぞ」

 全員爆笑

レーグネン「キャラっていつになったら幻滅するんだろう……」
DM「いや結局最後に呪文で倒しているから上書きされてるはずだよ(笑)」
レーグネン「さすが、アルブレヒト様!」
DM「前の時だってグリッターダスト決めて『ついに奴の弱点を見破ったぞ!』ってやってるし」
モニカ「そうですよ、お兄様の力がなかったら倒せなかったんだから」
DM「自分で火事起こした後、華麗に消しているだけだけどな。スーパーマッチポンプヒーローだから」
八夏「最悪だぁ……逮捕されますよ」
ダスティ「自作自演」
レーグネン「やはり戦場を変えるのはこういった魔導師なのか」
アルブレヒト「(ドヤァ」
DM「なので君たちが幻滅するのはまだ先かなぁ」
アルブレヒト「というか、私を守り切れなかった自分を恥じなさい!(ドンドン」
DM「そうだね。後衛がやられるのは前衛の恥です。恐慌して逃げたり見捨てて逃げたりしているから死にかけたってのは大きな要因だ」
モニカ「そうですね」
レーグネン「確かに。思いのほか凄い移動したりするけど、それを見越して守れない我々が悪かったですね」

 DM大爆笑

レーグネン「我々はまだお兄様の叡智についていけてない」
DM「本当びっくりしたよ、あれ」
レーグネン「急に暗くなったし」
クラウス「守るための配置についたはずなのに……」
モニカ「ではお兄様はどうお考えになられますか?」
アルブレヒト「そうだな、我々が戻った後に襲ってくるかもしれないしな」
レーグネン「でもそれは明日行っても同じではありませんか?」
モニカ「日に日に相手の勢力も増えていくかもしれません」
八夏「そういえば今って何日経ったんでしたっけ? 4日?」
DM「5日目かな」
モニカ「もしエルマー様生きてても早くしないと餓死しちゃう」
DM「今頃シャドーボクシングしてるかもね、影がある男として」
ダスティ「エルマーって家族から見放されてるんですよね?」
八夏「見放されたという話は無かったような。周りの貴族からはバカにされてましたが」
DM「周りの貴族どころか領民にまでバカにされてるねぇ。今一番ホットな男だよ。ツイッター炎上しているみたいな感じ」
ダスティ「助けてこいって話も無いですよね」
レーグネン「まぁ亡骸くらい渡せば少しはお礼はもらえるかも」
八夏「死んでる前提……」
クラウス「辛辣……」
DM「助ける気無いな」
モニカ「助けてあげようよー、もー!」
DM「『失恋で逃亡して村に迷惑かけてる奴なんざどうでもいいわ!』という空気が場を支配している」
モニカ「なんだよー、村長は守るのにエルマー様守らないのかよー!」
ダスティ「だってアイツ怪しいってプレイヤー的には思うわけで」
レーグネン「キャラ的にも『えー、ないわー。貴族なんだと思ってんの?』って感じですよね」
ダスティ「まぁ状況次第ですね」
レーグネン「生きてたら保護はしますけど」
アルブレヒト「まぁ我々が1時間かけて戻ってきても村が襲われていないということは、まだ奴にも理性があるということだろう」
モニカ「やっぱり策があるということなんでしょうか」
アルブレヒト「そうすると当初の目的の通り、敵のアジトを殲滅するのがいいだろう」
ダスティ「そういえば前回の敏捷度を下げる毒への対策ってあるんですか?」
アルブレヒト「アイアンガッツという、毒へのセーヴに+5ボーナスが貰える呪文があるぞ」
八夏「そういえば耐毒薬を1本だけ持ってました」
レーグネン「一応ディレイ・ポイズン3回分のスクロールはあります」

 ちなみに「アイアンガッツ」は別に鉄の如きガッツ(和製英語的な意味)で毒に耐える呪文ではなくて「鉄の内臓」という意味の呪文である。
 耐毒剤も同じく+5ボーナスで、値段は倍。要はアイアンガッツのポーション版じゃんと思いきや、こっちは「ディスペル・マジックで解呪されない」という中々に頼もしいメリットを備えている。
 ディレイ・ポイズンは「毒の効果を術者レベル/時間分遅らせる」という呪文で、その間に治療すればノーダメージで済む。低レベル対毒呪文としては一番手堅い。

ダスティ「ディレイ・ポイズンは誰にかけます?」
アルブレヒト「私。後は好きにしろ」
ダスティ「わかりました……」
DM「躊躇無い!」
ダスティ「確かに一番狙われてますけど」
DM「いっそ神輿にでも乗せたら?」
クラウス「ワッショイワッショイ……」
DM「これでどこから攻めてきても安心だ」
モニカ「上から攻められるんじゃ」
DM「ダークマントルがスポッて……お兄様の顔がイカに!」

 全員爆笑

ダスティ「あとは誰にかけましょうか」
アルブレヒト「私にだけかけておけば大丈夫だろ。後はみんな気合で頑張れ」
レーグネン「確かに3発しかないし、安くはないので全部使いきる必要は……あるかもだけどないかなぁ」
DM「1本15万円だからね」
アルブレヒト「やはりレーグネンとモニカにもアイアンガッツかけておこう……セーヴが高い人にかけるという明らかな差別だが。ダスティは知らん」
ダスティ「モニカにかけるのはいいことだとは思いますけどね」
レーグネン「モニカ様はアイアンガッツがあれば1でも振らない限り平気になりますね」
DM「前も1とか2振らなきゃ平気っていう対恐怖セーヴぽこぽこ落としてたけどね」

 全員苦笑

レーグネン「悲しい……」
ダスティ「それを言い出すと何もできなくなっちゃいますよ。あ、結局さっき逃げた奴って魔法か銀の武器じゃないと効かないんでしたっけ?」
八夏「私の脇差は銀製ですけど弾かれて少ししか与えられなかったようですが」
DM「それダイス目が2とかだったんでしょ?」
レーグネン「普通の武器だと7位与えてノーダメージだったから十分効いてますよ」
ダスティ「そうなると、今の私の装備じゃダメージ与えられそうもないんですが、そこの対策はもう仕方ないですかね」
アルブレヒト「予備の錬金術銀武器を持っていくのが戦士の嗜み」
レーグネン「レーグネンは一応持ってますね、銀メイス」
モニカ「ハルバードは銀じゃないなぁ」
レーグネン「今日のアタックを諦めて街に買い出しに行きます?」
アルブレヒト「もう街には帰らん!」
クラウス「アルブレヒト様は準備はもういいのですか?」
アルブレヒト「OKだ。銀の武器が無いなら仕方無い」
ダスティ「仕方無いですね」
アルブレヒト「……モニカ、私のダガーを使いなさい。誰か持ってないかと思ったら私が持っていた」
DM「というか、ダスティはなんで銀の矢持ってないんだよ。アーチャーなんて一番対応する武器揃え易いのに(笑)」
レーグネン「お前に似合う矢は決まった!」
モニカ「これが終わったら一緒に買いに行こうね」

 アーチャーは「矢だけ変えればいい」ということで、最もこの手の状況に対応力があります。あります。あるはずなんだけど。錬金術銀製の矢なんてポーション1本分の値段で20本以上買えるし。



 というわけで、色々迷走しつつ相談をした結果そのまま再アタックとなった一行

レーグネン「えーと、リムーヴ・フィアーを全員に、ディレイ・ポイズンをアルブレヒト様とクラウスにかけます」
DM「明かりの方大丈夫? ライトはみんな消えてるよ」
ダスティ「じゃ付け直しますか」
アルブレヒト「ねぇ、このコンティニュアル・フレイム誰か持つ? 持ってると狙われそうなんだけど」

 全員爆笑

アルブレヒト「よし、レーグネンお前が持て」
レーグネン「わかりました」
クラウス「いいんですか? 手がふさがっちゃうんじゃ」
DM「何に呪文かけたかによるかな」
アルブレヒト「腕輪だから大丈夫」

 ガントレット装備した上から腕輪は無理なんだけど、時間も押していたのでスルー。

クラウス「これでレーグネン無視してお兄様に行ったら……」
アルブレヒト「アレ持ってるとインヴィジビリティしてても目立つからダメなんだよなぁ」
DM「バレバレだからね」
レーグネン「じゃバフもかけ終えたしすぐ行きましょう」
DM「はい、スタート」

 D&Dの呪文効果はだいたいが「術者レベル/ラウンド(6秒)」「術者レベル/分」「術者レベル/10分」「術者レベル/時間」の効果時間で、強力な呪文ほど効果時間が短くなるわけだけど、既にこのパーティーが繰り返しているように「10分以内に逃げ帰る」ことが日常茶飯事なのもあり、レベル10分の効果を持つ呪文なら冒険中ずっと効果が有ると思っていい……と思いきや。
 戦闘中こそ「ゲーム内時間時空」に引きずり込まれることで、6秒が経過するのに10分経過するのがザラなのだけれど、戦闘が終わった瞬間、時間経過は現実と同じになります。

 とどのつまり。

ファイター「どうしようか?」
クレリック「どうしようねぇ……」
レンジャー「どうしたもんか」
ウィザード「うーん……」
ファイター「ロープ使うほうがいい気がするんだけどねぇ」
レンジャー「しかしそんな悠長なことをしていたらヤツを逃がすのでは」
ウィザード「じゃあ飛び降りる? フェザー・フォールの呪文は2人分しかないけど」
シャーマン「誰を先行させるか……」
クレリック「ううううん」
ウィザード「ここは前衛と後衛のツーマンセルが無難だろう。問題は誰と誰を組ませるかだ」
ファイター「身軽なレンジャーと回復が使えるクレリックじゃない?」
レンジャー「呪文で降下するなら身軽さ関係無いから重戦士の方が良い気もするけど」
クレリック「シャーマンとウィザードなら、シャーマンだよなぁ」

 ってな具合に15分間作戦会議してたら、ゲーム内でも15分経過するのです。
 これはそもそも「迷路」や「罠」といったギミック自体が「侵入者を殺す」のではなく、悩ませたり二の足を踏ませたり、警戒を強いることによる「遅滞」を目的にしているからに他ならない。D&Dは「レベル帯に適切な能力を持つシーフ系キャラが落ち着いて〈捜索〉すれば、順当に罠を発見出来る」ゲームバランスなので、「非戦闘時の相談中は時間が停止します。マスター冒険者なので思考は一瞬でいいですよね?」をやられると、「冒険の危険度を成り立たせるギミック」としては「じゃあもう喰らった瞬間大ダメージ、下手すりゃ即死するような危険な罠置くしかないじゃん」とならざるを得ないわけですな。いや別に他所様がそのへん全部ソフトに優しくすることは否定しないけどね。
 そんなわけで「レベル分」の呪文はアルブレヒトが使えば40ラウンドも持続時間があるわけだけど、非戦闘時にちょっと相談すればあっちゅーまに効果が切れるし、そもそも「足元を罠警戒で〈捜索〉しながら進む」だけで1マス1ラウンド経過するから、40歩で終わり。戦闘終了後の処理や相談が10分以上続くのは日常茶飯事なので、「レベル10分」の呪文ですら低レベルのうちは「ずっと効いてる」とは言えないバフなのです。
 これが野外になると平気で「1時間歩いたよ」とか言われるんで、ますます「行軍中のバフ」のハードルは高くなるのであった。

 
 余談ながら、AD&D2版のインヴィジビリティの効果時間はなんと24時間。超長い。
 でもクラシックD&DやAD&D1版だと、「攻撃や自発的に解除するまで永続」という、さらにダイナミックな効果。
 どちらにせよシーフは取り敢えずこれをかけておいて「戦闘中は余計なことをしなくていい。見ていろ」というのは、極めて有効な戦術の一つだった(笑)
 なお、3.5版では「術者レベル/分」で、5版では「1時間」と、目まぐるしく効果時間が変動し続けている。

レーグネン「とりあえず前回の分かれ道のところまで隊列を組んで進みます」
アルブレヒト「モニカ、反対側がどうなってたか覚えてる?」
DM「真っ暗だったじゃん!」
モニカ「真っ暗で何もわかりませんでした……」
アルブレヒト「なんか明るい部屋があってそこで……なんてことはなかったか」
ダスティ「じゃさっきの部屋を確認します」
DM「まぁ何も残ってないけどね」
クラウス「なかった……」
DM「血とかの残骸はあるかな」
アルブレヒト「間違いなくここで戦闘はあったんだ」
DM「俺たちが襲われたのは夢じゃなかった」
レーグネン「夢だけど夢じゃなかった」
ダスティ「じゃ先に進みますか」

 
 アルブレヒトを隊列の中心に、しばらく何事もなく行軍が続く
 そして通路を進んだ先にある広間の入口までダスティが来たところで……。


 Don't give up justice, I want to get truth! 現実は見えるか。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 前チャプターから今回の村へ戻るまでの過程での発言がほとんどありません。
 アルブレヒトは不屈で不死身なのですが……えー、中の人のスイッチが切れていました。
 席を外していたとかではないのですが、死線を彷徨い続けて疲弊してしまっていたのか。
 逃した敵が村を襲っては『誓い』に関わると聖職者組が言うなら仕方ない……という感で流されましたが、そこはしっかり話しておくべきでした。

 それとダスティは(略)


・モニカ
 なにもなかった。なにもなかったことは自分達の立場を考えなければ良いことですね。
『村を気にかけた』って事実だけ欲しかったわけではないですが、具体的な案があったわけでもなければ、そもそも自分達の不足によるものなので……強いて言うならば、これで仮に、敵が村を襲っていたのにキャラクターは引き続き冒険していた……というのはとても嫌だったので、どちらにしても、何らかの批判されるのであれば、村人に新たな被害が出なかったという今回の結果が見れたので良かったです。(キャラクターの思考ではなかったかもしれません)


・レーグネン
 ダスティの一言多いムーヴ!
 まあ発言を先導できれば良いのですが、どう報告したもんかと悩んでるうちに話が進んでる事も多く。頑張りどころ。
 村も無事だったので再アタック!
 準備万端でも完調というわけでもないものの、行けるなら行かない理由はないかなと。ほかどう思ってたかはだいたいやり取りの通りな気がします。


・八夏
 この村長、そのうち「私が村長です」しか言わなくなったりしないだろうか……。
 そして1日の使用回数と種類に制限のある世界でバフ魔法はタイミングが重要。
 ラツマピックとロミルワとマポーフィックって素晴らしい!(オイ
 夢だけど夢じゃなかった……出来れば敵前逃亡の件は夢であってほしかった。


・ダスティ
 つい「キャラクターが口には出さないけど、思っていそうなこと」や、「冗談で思いついたこと」とかも、口をついて出ちゃうことがあるんですよね。なのでキャラクター発言としては言ってない場合でも、まぎらわしいので、注意されてしまう。やはり「口は禍の元」。気を付けないといけませんね。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター8

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 
一同『ん!?』
ダスティ「人が倒れているぞ!」
アルブレヒト「生存者か?」
DM「じゃ、ダスティ、入る?」
ダスティ「警戒を怠らずに入りますね。入らない理由は無いので」

 諄いようだが、別に「警戒しながら入ります」なんて言わなくても自動的に警戒しているシステムです。

DM「では、若干の空気の違和感を感じた後、声が響く」
声「我が問いに答えよ……我が顕現を妨げるもの、我が問いに答えよ」
モニカ「おお!」
ダスティ「何かが問いかけてくる」
声「お前が通り過ぎた時だけ彼らはついて来たり、先導する。どんなに真っ黒な服を着ようとも、彼らの暗さには勝てない。彼らは明かりを避けるが、太陽がなければ彼らは存在しない。これはなんだ?」
ダスティ「……え? これすぐに答えないとダメですかね?」
アルブレヒト「何語で聞こえてきた?」
DM「共通語だね。ただあまり流暢じゃない」
ダスティ「なんとなく答えは浮かんだんですが、言っちゃっていいんですかね?」
DM「相談してもいいけど、独断で答えるならどうぞ」
ダスティ「いえ、相談します」
クラウス「今の問いはなんだ? みんな聞こえたか?」
八夏「確かに聞こえたな……」
アルブレヒト「それは『影』だな!!(ドヤッ)」

 全員爆笑

八夏「いきなり言っちゃった!?」
モニカ「まぁお兄様は言いそうだし……」
声「では次の問いに答えよ。私の寿命は数時間しかないが、その間ずっと消費されている。痩せている時に最も早く、太っている時に最も遅い。風は私がもたらす贈り物にとっての悩みの種。私はなんだ?」
モニカ「なんで急になぞなぞが始まったんだろう……」
アルブレヒト「それは『ロウソク』だ!(再びドヤッ)」
声「素晴らしい。お前達に我が顕現を妨げる権利を与えよう」
アルブレヒト「そんなオプーナを買う権利みたいなもんを……」
モニカ「まさかのなぞなぞが始まるとは」
DM「これね、即答できないクラスのリドル出したらプレイヤーわかんないから」

 
 昔からのTRPGネタの一つに「リドル(謎掛け)をプレイヤーにやらせるな」というものがありまして。
 リドルってのはいわゆる「スフィンクスの謎掛け」のようなアレね。冒険作品じゃ定番のシーンだし、大昔のRPGでも当たり前のように存在したギミックで、それが難解過ぎてゲームがクリア出来ないってケースが日常茶飯事。
 で、これのなにが問題かってーと、「プレイヤーはキャラクターじゃない」の一言に尽きる。とどのつまり、「プレイヤーはマスター冒険者でもなければ知力18でもないんじゃボケー」であり、さらにリドルが「世界設定の中に落とし込まれた問題」だとしたら、「ロールプレイした上で思考する」ことまで求められるっていうハードルの高さになり、一方でファンタジー世界で「現実のキリスト教やオカルト知識が無いと答えられない問題」なんて出すなよウィザードリィW!!ってなもんで(笑)
 脱出ゲームが流行っているように、「謎解き」そのものが「つまらん」というわけではなく、「TRPGしに来てるのに謎掛けやパズルやらされても」ってことなのだな。実際問題、自分もアトラスの3DダンジョンRPGやってると「俺はパズルゲームをやりたかったわけじゃねぇ!」とストレス溜まることはある。ストレンジジャーニーはもう本当にただただ苦痛だった。意地悪過ぎんだよ一方通行にワープにあーもう!!!(落ち着け

 それはさておき。
 今回のリドルはD&Dのパソコン版ゲームの一つ「バルダーズゲートU」で実際に出てくるものの中でも、俺が「あまりに簡単で一瞬で答えがわかった問題」から厳選してお送りさせていただきました。
 リドルは「マスターとプレイヤーで、難易度への認識にもギャップが生じることでグダる」なんて問題もあるだけに、ノーヒントでいきなり出てくるリドルなんて子供でも解けるレベルじゃないと恐ろしくて出せたもんじゃないのだ。

 それでも躊躇せず即答出来る決断力は立派なことなのですよ。

アルブレヒト「顕現を妨害する権利だと……?」
八夏「随分と回りくどいことをするな」
アルブレヒト「何と恐ろしい!」
DM「そして、部屋の中の魔法陣に闇が蠢き始める『ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ』」

 
アルブレヒト「お、なんだなんだ(ヒョイ)」
モニカ「……あれ? お兄様が1人で部屋の中に!」
レーグネン「アルブレヒト様ーー!?」
八夏「ちょ!?」
クラウス「お?」
ダスティ「え?」

 アルブレヒト以外爆笑&大混乱

DM「はいはい、イニシアチヴ振って! イニシアチヴ!」
クラウス「知的好奇心に突き動かされて……」
モニカ「お兄様……」
八夏「死ぬ気ですか! ……2、遅い……」
モニカ「22」
クラウス「4です」
レーグネン「17」
アルブレヒト「私は16だ」
ダスティ「25」
クラウス「お兄様戻さないでいいんですか?」
レーグネン「いや、もう……」
DM「ではこのスーパールールブックを……」
モニカ「こわっ。また出た、不浄なる暗黒の書……」
アルブレヒト「この魔法陣は!」
DM「知っているのか、ヴォルフェンビュッテル!」
アルブレヒト「この五芒星は……」
DM「『ギュウウウウン』」
モニカ「もう出てきちゃった」
アルブレヒト「なんだよ、顕現の邪魔出来るって言ったのに!」
DM「あぁ、こっちイニシアチヴ27です。イニシアチヴ修正値+11って書いてあるし」
アルブレヒト「さて戻るか……(フィギュアを勝手に移動させる)」
モニカ「お兄様がさらっと元の隊列に戻ってきた!」
アルブレヒト「まぁさすがに怒られそうだからやらないけど」

 当たり前である。

DM「お兄様これ死ぬんじゃないかな……(笑)」
八夏「多分そうなるのでは……」
アルブレヒト「これは急がねばと飛び出したら鉢合わせしてしまったようだ」
レーグネン「お兄様、あらゆる意味で完璧過ぎるなぁ」
アルブレヒト「えー、だって謎掛けに答えたんだよ?」
クラウス「しかも正解だったのに」
モニカ「邪魔してもいいって言われたのに」
八夏「結局邪魔出来ませんでしたね」
レーグネン「前衛の私とダスティ完全に追い抜いて先行っちゃうとは」
ダスティ「途中でレーグネンが『危ない! 下がってください』とか言ってもよかったんじゃ……」
アルブレヒト「多分リドル聞いてる時にじわじわ進んでいったんだよ」
ダスティ「もうしょうがないかなぁ」
レーグネン「自分のAP使って止められるなら止めたいですよ……」
八夏「足払いしましょう、足払い」
DM「(ルールブック確認中)……ふーん、なるほどねぇ。お兄様、頑張ってください」
八夏「本当に引き止められないんですか、これ……」
アルブレヒト「うーん、早まったかもしれない」
DM「まず、お兄様に飛び掛かります」
アルブレヒト「なんで?」
八夏「なんでって!?」
ダスティ「そりゃ目の前にいるからですなぁ」
DM「『戦闘の第1ラウンドに敵に飛び掛かるか飛び降りた場合、移動したにも関わらず全力攻撃を行った上に引っ掻きを試みることができる』って書いてあるので」
アルブレヒト「私が召喚した扱い!?」
DM「ではいきまーす。でもこいつパワー無いな。21まで当たる」
レーグネン「モニカ様、今の位置からクローズ・ウーンズ使えます?」
DM「イニシアチヴがまだ来てないんで立ちすくんでます。そもそもそこからじゃ使えないね。見えてないから」
レーグネン「じゃダメか……」
DM「えーと、邪悪パワー2点」
八夏「あれ、低いな」
アルブレヒト「邪悪パワー?」
DM「猛悪ダメージって書いてあるな」
アルブレヒト「あぁ、なるほど……そんなルールあったな。治りにくいんだったかな『この傷はヤバい!』」
DM「まぁ君らそれまだ知らないんだけどね。俺が口滑らせちゃったけど皆さん大人のプレイしてください」

 プレイヤーがピンチだとついつい与えなくてもいい情報を口滑らせてしまう。

アルブレヒト「なんか伝える方法無いの?」
DM「手番が来たらちゃんと知識ロールさせるから。追加で6点、あと引っ掻きか」
アルブレヒト「なんで私が一番ダメージ食らわなきゃならないんだ!」
クラウス「なんで飛び出したんですか!」
アルブレヒト「だってそこになんかあるじゃん!」
DM「えーと、影が薙いだだけなのに、薙いだ場所だけ影がまるで実体化したみたいに質量をもって君の肌を引き裂いた」
レーグネン「おー、かっこいいやつだ」
DM「引っ掻き2回か。3点と3点……あ、先に組み付き対抗ロールか。これに勝ったら今のダメージ無しだね」
アルブレヒト「本当? 組み付き修正値3か、もっと筋力上げておくべきだった」
DM「こっち組み付き修正値17ね」

 これも教えなくていいことなんですが、あまりに絶望的な修正値差なので、無駄な夢見てAP浪費させたくない親心……!!

アルブレヒト「とりゃー! ……17振ったぞ。これにAP重ねて……23!」
DM「それじゃ当たるな。こっち6出しただけでダメなのに」
アルブレヒト「ワンチャンあると思ったんだが……」
DM「たしかに25%は結構あるとは思うけどね(笑)」
レーグネン「じゃこちらの番か、ダスティから」
ダスティ「今組み付かれちゃったんですよね?」
DM「そうね」
ダスティ「じゃ撃てないなぁ、当たっちゃう」
モニカ「また誤射しちゃう」
ダスティ「普通だと空飛んでいる状態ですか?」
DM「今は空中からハゲタカに襲われている感じだね」
ダスティ「で、今鉤爪に掴まれて空飛んでいる感じ?」
DM「大丈夫。こいつ中型サイズだから小型相手じゃないと組み付けない。追加ダメージだけ」
ダスティ「じゃ撃てるな」
アルブレヒト「俺の前のマスにいるってことか」
DM「真上にいるね」
ダスティ「では移動して撃ちます……24」
DM「24ね…………攻撃はすり抜けた、終わり」

 一同動揺

ダスティ「マジかぁ……『攻撃がすり抜けたぞ! なぜだ!?』」
アルブレヒト「非実体かぁ。確かに私を攻撃した時だけは影が実体化していたな」
ダスティ「あ、そういえば知識振れます?」
DM「〈知識:次元界〉か〈知識:宗教〉でどうぞ」
ダスティ「えーと……12、ダメだな」
モニカ「お兄様は結局組み付かれてるんですか?」
レーグネン「組み付かれてはいませんね」
クラウス「回復はした方がいいかもですね」
アルブレヒト「魔法の武器だったら1/2で当たるかもしれないな」
モニカ「今銀のダガーは持ってますけど」
アルブレヒト「銀もダメだね。非実体は魔法の武器じゃないと当たらないというのがこのゲームのルールだな」
モニカ「なるほど」

 一時的に魔法の武器に出来るマジック・ウェポンのポーションは、キュアのポーションと同じ値段なので、かなりカジュアルなアイテムです。

クラウス「マインドブレードはダメですか?」
アルブレヒト「それはいけるね。ただそれでも1/2で外れるかもだけど」
DM「モニカ、〈知識:宗教〉振ってみて」
モニカ「…………24です」
DM「おぉ、わかったね。これは……シャドウ!」

 
一同『シャドウ!?』

 Don't give up justice, I want to get truth! シャドゥ!!!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 颯爽とリドルを解き、なんかの権利を獲得した勢いそのままに魔法陣に挑む私。
 知的探求心を抑えきれなかった。
 反省はしていない。

 反省はしていないが、やらかした! 皆すまない! とは思っている。
 自らの行動の対価は体で払う……。生き残れるか、私!


・モニカ
 流石お兄様!!!
 お兄様の聡明なる頭脳をもってすれば悪魔なぞの投げかける問いなど無意味も同然なのですわ!(きらきら)
 プレイヤーはなぞなぞはそんなに得意ではありませんので、終始「???」という感じでした。

 shadowネタは誰かが一人呟けば連鎖される恐ろしいミームですね。


・レーグネン
 貴方って人はあああああああ!(笑)
 本当に間隙を縫って自然に前に出たので、アルブレヒト様らしさ爆発でした(笑)
 邪悪パワー、名前からして邪悪に違いないですね……。モニカ様の知識ロールが頼り!


・八夏
 シャドウ! となると連呼されるのはTRPG部ではお馴染みの光景である。
 いかにも怪しい空間に、いかにも怪しい謎かけ。そしてフライングお兄様(色々な意味で
 とりあえずモニカ様、そこのお兄様に今度リードでもつけておいてください。
「ナウなヤングにバカ受け」とか言っておけば「言葉の意味はよくわからないが、とにかくすごく貴族っぽいな」とか言ってつけてくれますよ、多分(オイ


・ダスティ
 いきなりリドルが投げかけられて、焦りました。答えはすぐにわかったけれど、簡単すぎたので、逆に本当にこれであっているのかどうか、不安になってしまい、念のためにみんなと相談しようとしたのだけれど……。
 そんなダスティの心配をよそに、いきなり答えて正解してしまうのは、さすがアルブレヒト!
 でも、その後ひとりで突っ込んで、いきなりピンチに陥ってしまうのも、さすがアルブレヒト!
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター9

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

DM「というわけで、シャドウ! ……デーモンです」
モニカ「お兄様! これはシャドウ・デーモンです!」
ダスティ「それはどんなバケモノなんですか」
アルブレヒト「うむ、影のデーモンだ!」
DM「飛び掛かって恐ろしい爪の攻撃をしてくるぞ!」
アルブレヒト「うんうん、見た見た」
DM「それから、闇を操る」
アルブレヒト「それは見てない」
DM「そして、非実体」
アルブレヒト「デーモンだからアンデッドではないんだな」
DM「(ルールブックの設定説明を読み上げる)『しばしばアンデッドのシャドウと間違われる』」

 全員爆笑

八夏「書いてあるんだ……」
アルブレヒト「知識ロールが低いと『あいつはアンデッドのシャドウだ!』とか言われる可能性が出てくるな」
DM「あと、太陽光に弱い」
アルブレヒト「太陽光に!? そうか、効くかもしれない!」
クラウス「お兄様、太陽作れるんですか!?」
アルブレヒト「太陽光の魔術師だからな」
DM「いや、太陽は作れない。太陽光そのものと同じ扱いの光を出せる魔法はもっと上位だから」
ダスティ「紫外線照射装置!」
アルブレヒト「デイライトって『陽光』って書いてあるから大丈夫大丈夫……えーと(プレハンの呪文の説明文を確認)。…………『名前は“デイライト(昼の光)”ではあるが、太陽の光とまったく同じ効果を及ぼすわけではない』」

 全員爆笑

八夏「きっちり書かれてたー!」
レーグネン「対策済みだった! おのれー」
DM「(まぁ今ならまだ効くんだけどね)次の人」

 プレイヤーには説明済みのことですが、知識判定で判明するのは基本的に「一般的なデータ」なので、個体差はよっぽど達成値が高くないとわかりません。殆どが「本で読んだ」「人に聞いた」知識なので、実際に遭遇して僅かな体格の違いや身のこなしの良し悪しに気付く為のハードルはとても高い。人間がクラスで見た目バラバラなように「明らかに装備からなにから違う」とかなら「コイツはゴブリン・シャーマンだ!」とかわかったりする余地はあるものの、「ワイヴァーン」と「ちょっと強いワイヴァーン」の違いとかは相当厳しい。

 
レーグネン「えーと、スピリチュアル・ウェポン発動します。『くっ、実体を持たないやつならば……我が神の力だ!』」
DM「ゲート・オヴ・バビロンだ」
アルブレヒト「まさか、戦の領域呪文か!」

 神官は基本となる信仰呪文の他に、神特有の呪文リストも保有しており、そこにある呪文を通常の使用回数に加えて一つ準備することが出来る。
 例えばレーグネンが信仰する戦勝神は、「栄光、戦、貴族、勇気」の領域(権能)を持ち、キャラメイク時にそこから2つまで選んでいいのだ。領域によって使える呪文は様々で、ウィザードやドルイド用の呪文を使えるケースも珍しくない。レーグネンは戦と貴族の領域を選んでいる。

レーグネン「その通り! 命中は……16」
DM「外れ、かすりもしない」
モニカ「なんだと」
レーグネン「まぁ、毎ターンこれで攻撃できるんで……」
アルブレヒト「この呪文は力場呪文だから非実体にも完璧に効くぞ。だから今のは単純に当たらなかっただけだな」
DM「次はー?」
アルブレヒト「私です。デイライト使う価値あると思いますかねぇ?」
DM(あります!!  超あります! 使えば楽勝で終わります! 是非使って下さい!!!)
レーグネン「とりあえず退いてください……」
アルブレヒト「真上ってことは撤退しても機会攻撃は受けるってことか……ダイヴしたら機会攻撃範囲外出られない?」
DM「伏せたらいいよ」
八夏「それ踏み潰されますよね?」
アルブレヒト「仕方ないなぁ……あ、知識判定するか。えーと……〈知識:次元界〉で29」
DM「モニカより上か。こいつはディーパー・ダークネスとダミング・ダークネスとダークネスを使ってくるぞ(あくまで通常の強さの個体ならな!)」
ダスティ「ディーパー・ダークネスってなんです?」
アルブレヒト「呪文レベル3のダークネスだね…………えぇ!?」
八夏「やな予感が……」
アルブレヒト「奴は……闇を操る!」
モニカ「さらに深い闇を……」
DM「そうそう、あとマジック・ジャー使えるんで人体を乗っ取ります」
アルブレヒト「私を乗っ取る気だ!」

 
 対象の魂を水晶や宝石に閉じ込めて、魂の抜け殻になった身体に自分の魂を入り込ませて操ることが出来るようになる呪文である。
 マジック・ジャーは「魔法の壷」という意味の英語であるからして、魔封波が電子ジャーなのはパロディである。

モニカ「そんな!」
アルブレヒト「逃げたい……誰だ、こんな位置に置いたの!」

 一同苦笑

DM「次の人〜」
レーグネン「次はクラウスかな」
アルブレヒト「ごめん、AP使うんでもう少し考えさせて。このままじゃ死ぬわ」
DM「思考延長にAP使うのも久々だな」
アルブレヒト「……自分にワンドでスライドして5フィートステップ!」
DM「一応可能か。しかし中途半端な距離だな」
ダスティ「まぁ間にクラウスが入れば……」
クラウス「じゃ全力移動でお兄様の前に移動します。『アルブレヒト様ー! なんで前に出たんですか!』」
モニカ「大事なツッコミが」
アルブレヒト「遅いぞ、クラウス! なぜついてこなかった!」

 大笑い

八夏「じゃ私も全力移動で……『おのれ、禍々しい奴め!』」
DM「敵のターンね。ふよふよふよ〜」
モニカ「またお兄様の所に!?」
DM「ではここに移動して……奈落の力を借りてぇ〜今、必殺のディーパー・ダークネス!!」
ダスティ「さっき言ってたやつか」
DM「ディーパー・ダークネスでレーグネンが持っていたコンティニュアル・フレイムが消えて、事前にかかってたのかわからないけどダークネスで他の明りが全部消えた」
八夏「また真っ暗かぁ……」
アルブレヒト「おかしいなぁ、ルール上レベル3のコンティニュアル・フレイム持ち込んだ段階で下位であるレベル2のダークネスは上書きで消えているはずなんだけどなぁ?(チラッチラッ)」
DM「うん、その2つの呪文に関するルール上ではその考えで正しいよ」
アルブレヒト「あ、はい」
DM「さて、ここで振れる人は全員〈呪文学〉を振ってください」
アルブレヒト「18」
モニカ「22」
DM「モニカ様さっきからダイス目走ってるね。じゃモニカはシャドウ・デーモンがディーパー・ダークネスを発動させた直後になにか別の呪文が発動したのではないかと思った」
モニカ「先ほどの呪文が発動した瞬間に別の何かが発動したようです!」
八夏「他にも敵がいるのか!」
クラウス「その倒れている奴……意識あるのか、もしかして?」
レーグネン「私24だったんですが、結果は同じかな?」
DM「同じだね。『そうか、俺もそう思った!』」
レーグネン「モニカ様の言う通りだ!」
ダスティ「結局また真っ暗なんですよね? 色々対策してきてるのになぁ……」
DM(デイライトを! デイライトさえ使ってくれれば……!!)
レーグネン「そういえば、スピリチュアル・ウェポンはどうなっちゃうんだろう。『術者の視界の外に出たら攻撃を辞める』って書いてあるんですが」
DM「聖なるオーラで光ってるかもしれないけど、今闇でオーラが覆い隠されちゃってるからなぁ」
レーグネン「じゃ今は相手を追えない状態か」
クラウス「聖なる剣で闇を斬り払ってくださいよ」
ダスティ「ちょっとだけ前に出て防御専念しておきます」
DM「意味無いけどね」

 防御専念は「回避ボーナス」を得るコマンドなのだが、[盲目]状態では回避ボーナスが機能しないのだ。

ダスティ「もしかしたら暗闇が晴れるかもしれないので」
モニカ「そういう姿勢大事大事」
クラウス「ダスティにはそこの倒れている人を調べてもらいたかったなぁ」
ダスティ「それは俺も少し考えたんで、進めるだけ進んでおきました」
モニカ「踏んだら『ギャア』とか言ったりして。とりあえず自分のハルバードにマジック・ウェポンをかけて、5フィートステップしておしまい」
レーグネン「スピリチュアル・ウェポンで大体今敵が居そうだなっていう空間に攻撃するのって出来ます?」
DM「ルール上は出来るよ。ただ、漠然と言わないでちゃんと攻撃するマスを指定してね」

 間違いでした。純然たる目標指定型呪文なので、術者が目標を何らかの手段で視認やそれ等しい認識からロストした時点で動作停止します。プレイヤーが有利になるミス・ジャッジだから赦して!

モニカ「お兄様に当たったりしない?」
DM「テヘペロするのは射撃だけ……いや、空間指定でアルブレヒトが居る座標にビンゴしたら当たる可能性が」
ダスティ「呼び方がテヘペロになっちゃったんですね……」
レーグネン「では……22」
DM「外れ」
クラウス「22でも外れるのか……」
レーグネン「そこに居なかったかもしれないし」
DM「[盲目]で-2のペナルティもあるしね」
アルブレヒト「次私の番か」
DM「あぁそうそう。こいつ完全な闇の中だとさらにパワーアップすることをお兄様は知っています」
一同『えっ!?』
モニカ「遅いよ、遅いよー!」

 実際には教える必要が無いのだが、ピンチなので教えてあげただけなのだ……ゆるせモニカ……。

クラウス「バフとデバフを同時って……」
アルブレヒト「とりあえず遅らせるか」
クラウス「えーと、お兄様の上を心霊斬で攻撃します……22」
DM「外れ」
クラウス「見えない……なんとか出来ませんか、この闇」
八夏「さて、どうしたものか……」
ダスティ「機会攻撃を誘発させてお兄様が逃げられるように出来れば……」
アルブレヒト「魔法陣壊したら消えてくれないかなぁ」
レーグネン「あのリドル無視して探索していた方がよかったのかなぁ?」
八夏「一歩だけ動いて終わり」
モニカ「攻撃してみないんですか?」
DM「魔法の武器じゃないから当たらないねぇ」
モニカ「そっかそっか、私が何とかしないと」
レーグネン「次、お兄様」
DM「大丈夫? ルール上[盲目]状態だと撤退アクションで逃げられないってわかってる?」
アルブレヒト「そういえばそうだった」
DM「神が助言し出すのって大分ヤバいサインですよ」
アルブレヒト「グリッターダストぶち込めば見えるかな……って非実体だっつーの!」
DM「グリッターダストで非実体あぶりだせたら最強じゃねーか!」

 大笑い

アルブレヒト「非実体だから金粉が付かないんだよぉ、チクショー」
ダスティ「やっぱりデイライトかけてもらうしか打開策なさそうですねぇ」

 
DM「結局移動だけしてお兄様手番終わりね。さて…………じゃモニカに飛び掛かるか。魔法の武器持ってるし」
モニカ「キャー」
DM「こいつに強打が欲しい……25まで……いや31まで当たる」

 一同戦慄

モニカ「もう無理じゃないかな……」
DM「5点。接触攻撃でこれじゃファンブル以外で外れん」
モニカ「ううぅ……」
DM「4点、引っ掻き攻撃に対する組み付き対抗ロールどうぞ」
モニカ「……ダメだ、低い」
DM「3点と6点、以上です」
アルブレヒト「打つ手が無いなぁ、どうしよう」
ダスティ「倒れている男に近づくくらいしか俺は出来ないかなぁ。この男、最初に部屋に入った時から倒れているから顔とか見えてないんですよね?」
DM「見た目そのまんまの恰好だね」
ダスティ「なんかこれ持ってるんですか?」
DM「手の所に何か落ちていると思ってください」
ダスティ「なるほど。じゃあ近付いて、倒れていそうなところを手探りで探して、息があるか確かめようかと」
DM「なら、そのまま全ラウンドアクションを次のターンまで継続してください」
モニカ「じゃモニカは攻撃を受けながら『ヤカ様、いますか! 私のすぐ横に来てください。先ほどお兄様が居た所のすぐ近くに居ますので』と言って真上を攻撃します」
八夏「わかった! すぐ近くには居る」
モニカ「《信仰の威力》も使って……あぁ、低い……」
DM「外れ」
レーグネン「モニカ様、攻撃を受けているのですか!?」
モニカ「『ぐぅうう……』って言ってます」
レーグネン「とりあえずヤカより遅らせて……『敵はどこにいるんだ!』」
DM「これ攻撃された本人はどこ居るかわかっていいよな……『私の目の前にいます!』」
モニカ「って言ってもね……」
DM「私はどこ?」

 大笑い

モニカ「まぁそうなりますよねぇ…………何で攻撃しちゃったんだろうなぁ」
クラウス「これ敵がどこに居るかクラウスはわからないままなんですよね?」
DM「わからないね」
ダスティ「モニカの声は聞こえてるんですよね」
モニカ「モニカが言ったのは『私の目の前』、お兄様がさっき居たのはここ」
クラウス「えぇ……仕方ない。『この辺りかー!』って言って心霊斬でこの空中を攻撃します……あ、こりゃダメだ。15」
DM「外れ」
クラウス「くぅ! 手ごたえが無い! やはり闇が……」
DM「次」
八夏「『モニカ殿! こちらですか!』と言って前に進みます」
DM「モニカさんは八夏に呪文かけないで自分で攻撃したことを後悔しております」
モニカ「そう、後悔してます……なんでやっちゃったんだろう。頭の中では計算してたのに『これ殴った方がいいな!』ってなっちゃった」
クラウス「かけるって言ってたよなぁとはふと思い出しました」
DM「こいつタフな方ではないからねぇ」
八夏「ではモニカの肩を掴みます」
DM「おっぱいじゃないの?」
モニカ「プレートアーマー着てますし……『これは……ヤカ様ですか?』」
八夏「そうです。して何用ですか?」
モニカ「そのままでいてください!」
八夏「え? どういうことですか?」
モニカ「今から呪文をかけますので」
八夏「なんと、かたじけない!」
DM「では次」
レーグネン「じゃ私か」
DM「レーグネン、ここでフレイム・ストライクだ!」
レーグネン「それはレベル上がらないと使えないなぁ。『アルブレヒト様、後ろへ!』と言って行動遅らせます」
アルブレヒト「よし、おりゃー」
DM「お、お兄様が機会攻撃範囲から脱出した」
八夏「…………って、それ行き過ぎじゃないですか!? 後ろから何か来た時また『ギャーー』になりますよ?」
モニカ「ガチ逃げしてる?」
アルブレヒト「まだ暗い?」
DM「まだ駄目だね」
アルブレヒト「くそー」
モニカ「あぁ、闇から抜け出そうとしてたんですね」
八夏「なるほど。光を纏って帰ってくるのか」
レーグネン「なら私は一歩前に出て終わりです」
DM「じゃ敵行きまーす……モニカに5点、2点。ファンブル以外当たるんだよなぁ。組み付き対抗ロール」
モニカ「……20!」
DM「こっち32だね。こいつ組み付き凄く高いな……6点と4点、終わり。次」
ダスティ「次は……」
DM「……お兄様に攻撃。命中ね」
一同『えっ!?』
アルブレヒト「ギャーーー」
ダスティ「あー……そういうことね」
モニカ「わんわんだ……」
アルブレヒト「また頑健セーヴか?」
DM「ん? ディレイ・ポイズンかけたんでしょ? だから回数は覚えておいてね。後でまとめてやるから」
ダスティ「かけておいたかいがありましたね。対策が無駄にならなくてよかった」
DM「7点、猛悪ダメージとは別計算しておいてね」
アルブレヒト「くっ、この間の奴が私を狙ってる!」
モニカ「って言うのが聞こえてくるんですね……『お兄様!?』」
レーグネン「やばい、アルブレヒト様やばい! どうすればいいんだ……」
アルブレヒト「ここまで逃げてもダークネスから出られないかぁ」
DM「以上、終わり」
ダスティ「じゃあ、倒れている人を調べてみて……息はある感じですか?」
DM「いや、完全に冷たくなってる」
ダスティ「完全に死んでるかぁ。では手に持っていたものを回収って出来ます?」
DM「じゃまた全ラウンドアクションしてください」
ダスティ「わかりました……そうなりますよねぇ。暗闇が悪いんだ!」
モニカ「隣にいて触りあってる人の武器ならすぐわかりますよね?」
DM「それも全ラウンドアクションかければ」
モニカ「それでこのターン終わりになっちゃいますよね。う〜ん……それは嫌だなぁ」
DM「全部闇が悪いんだ」
モニカ「じゃあ、ヤカに武器を差し出してもらったら触れます?」
DM「うーん……それなら移動アクション同士でいいかな」
モニカ「なるほど。なら『ヤカ様、武器を私に!』って言って行動を遅らせます」
八夏「モニカ殿、この槍が使えるのですか?」
モニカ「はい、この槍を使えるようにして見せます」

 お互い違うこと言ってるけど噛み合っている(笑)

 Don't give up justice, I want to get truth! ダスティは攻略の糸口を見つけることは出来るのだろうか?


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 むぅ、レベル3のデイライトの呪文とレベル3のコンティニュアル・フレイムとでは、レベルだけを考えれば光の強度は同じなので、レベル2のダークネスへの対策としては同等だと判断していたのです。

 どうやら、この敵に対してはデイライトは特別な効果があったようですが『太陽光同様ではない』という呪文の但し書きと、アルブレヒトの位置もあって、敵の目の前で無理に失敗の恐れがある詠唱をするよりはと、後退を選択。
 レベル3ディーパーダークネスとレベル3コンティニュアル・フレイムが打ち消しあったとしても、レベル2の光は残っているのでまだ大丈夫だと。
 ここに前回逃したダークネスを使う敵が潜んでいたことで、唯一のデイライト発動機会を逃したわけですね。

 それにつけてもダークネスの影響下ではデイライトの巻物を読むことが出来ない。
 同じ轍を踏むとは。しかも同じダンジョンで。
 アル中の人としては、穴があったら入りたいくらいです……。



・モニカ
 プレイヤーの感覚として、デーモンとデビルとアンデッドは違うといわれてもほんとうにチンプンカンプンなのですが、カードが違うんですよね。
 こうして文章になったものを読んでいると、デイライト使えーって思われるかもしれませんが、実際にプレイしてみると分からないものですね。太陽の光と効果は違う、といわれると効かないって思ってもこればかりは本当に仕方ないと思うのです。

 種族の違いを「カードが違います」みたいに「誰がどう見ても同じこと書いてあるけど、何故か違う扱いされる裁定」と同様に思われると流石に困るにゃー。
 遊戯王でも悪魔族とアンデット族違うじゃん? デーモンとデヴィルも、同じ悪魔族でも魔轟神と暗黒界は違うじゃん?



・レーグネン
 暗闇! 強い! ヤバイ! デーモンの名は伊達じゃない。デイライトさえあれば!(後の祭)
 そして攻撃範囲から脱したお兄様を待つ者。ピンチ過ぎる……。
 あと、こうまとめて読むとダスティの悠長さが(笑)


・八夏
 きっちりこっちが考えそうなことを予め予想しているルールブックの先見性の高さ! そこに痺れる(以下略
 そして三度始まる闇の宴、供物はやっぱりお兄様。れっつわんわんぱーりぃー(違
 しかしモニカとのかけあい、当時は真剣にやっていたのに改めて見直すとなんかコントみたいになってるなぁ(笑

 ちなみに「炊飯ジャー」と「炊飯器」は昔は別物だということを今回のコメントを書くにあたり知りました。


・ダスティ
 シャドウ・デーモン登場! せっかく最初の一撃を当てたと思ったらすり抜けちゃうし、名前からして強そう! いや、これまでの敵にも苦戦してきたけど……。
 周りの状況的にもボスっぽいぞ。そんでもって、またもや暗闇攻撃で真っ暗に!!  今度こそはと、暗闇対策をしてきたはずなのに、相手はその上をいってくる。またか、またなのか! と、結構ショックを受けてました。
 そのあとの「暗闇が悪いんだ!」のセリフは、『まちカドまぞく』の「シャミ子が悪いんだよ」のネタとして言っていたような……。もうよく覚えていないけど。
     
■“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター10

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

クラウス「次は私か。『アルブレヒト様を救いに行かなければ!』と言って後ろに……」
DM「またすし詰め状態になってきたな」
レーグネン「なら私も後ろ行くから私の後に行動遅らせて」
八夏「えーと、私の移動アクションでモニカ殿に武器を差し出せばいいんですよね?」
DM「そうね、移動アクションで差し出して八夏の手番は終わり。で、モニカの移動アクションで受け取って呪文かけて終わり。次」
アルブレヒト「……はぁ〜…………ダメだ、打つ手が無い……」
レーグネン「後ろに行かれたアルブレヒト様が攻撃されたようです!」
モニカ「レーグネン、お兄様を頼みます!」
レーグネン「『はい!』……って言ったけどもう回復がほとんど無い」
クラウス「ではクラウスも追い掛けます」
DM「あ、そういえばモニカに機会攻撃するの忘れてたな。まぁどうせダメージ大したことないから呪文は失敗しないだろう……あ、ファンブルした」
モニカ「やった」
DM「ちなみにこの調子でモニカがダメージ受け続けると倒れた瞬間モニカ100%死ぬんだけど、なぜ君ら戦い続けようとしているのか……マスター、可愛いモニカちゃんを殺しちゃいそうで心配なんだけど」

 勝ち目が見えて無いのに逃げる気ゼロで消耗戦を続けると!

 なんと!!

 キャラが死にます!!!

ダスティ「お兄様のデイライトにかけてる感じですよね」
アルブレヒト「モウダメダー」
モニカ「だって逃げられそうもないし……」
DM「モニカに4点と4点。組み付き対抗ロール……は、抵抗した瞬間に昏倒するから関係ないかな。2点と……あ、またファンブルした」
モニカ「じゃクローズウーンズします」
DM「どうぞ、でも効かない。以上」
モニカ「え?」
DM「モニカは判定成功しているから、こいつの攻撃には回復魔法が効かないことを知っている。邪悪過ぎて。俺が教え忘れてたからクローズ・ウーンズは使って無いことしていいです。ごめんなさい」
レーグネン「それは困ったなぁ……」
DM「最初に猛悪ダメージは回復しないって言ったじゃん? 俺が口滑らせちゃった奴」
モニカ「言ったっけ? 記憶の彼方に飛んじゃってた」
DM「言ったよ。ごめんね。それで説明した気でいた」
モニカ「じゃあ断末魔で『回復は、でき、ま……せん(バタリ)』」
八夏「モニカ殿ー!」
モニカ「これもう駄目じゃないかな」
DM「あとお兄様の方も当たり……13点」
クラウス「あ……」
ダスティ「デイライト使う前に……」
アルブレヒト「-6……」
DM「以上です」
ダスティ「えーと……とりあえず倒れていた男が持っていただろう物を探り当てて……手触りでなんだかわかります?」
DM「ナイフみたいだと思った。あとポーションっぽい物だと思った」
ダスティ「ナイフかぁ……じゃ無駄かもしれませんが、取ったナイフで魔法陣を……」
DM「いや、取ったところで手番終わりだね」
ダスティ「もうやれることが……」
八夏「魔法はかけてもらったから、武器を構えなおして……でもどこにいるかはわからないままか……ど、ち、ら、に、し、よ、う、か、な……」
アルブレヒト「…………AP使って強制割込みします。もう無理です。打つ手が無いからモニカ掴んで逃げてください」

 今までかなりカジュアルに「昏倒したまま発言していたお兄様」ですが、厳密にはこうやってAP使わないとダメなのです(笑)

八夏「持てるのかなぁ……これはまた掴もうとするとしゃがんだり色々かかりますよね?」
DM「まぁ全ラウンドアクションだね。幸い位置はわかってるけど」
モニカ「ダスティにも伝えてあげてくださいね」

 つまりこれも本来はAP使わないとしちゃいけない行為です(笑)

八夏「『ダスティ! 状況が悪過ぎる! 逃げるぞ!』で、モニカ殿掴んで終わり」
ダスティ「そうなんだぁ……」
DM「この中で一番悠長なのはダスティだからな」
八夏「でもこれ掴んで引きずっていったら死んじゃいません?」
DM「プレートアーマー着てるから平気だね。お兄様は柔肌だからダメだけど」
モニカ「ついでに私のハルバードもお願いします」
アルブレヒト「それは無理では……」
DM「ちなみに持ち上げても引きずっても移動速度変わらないから」
八夏「全力でも4マスか……」
DM「いや、1マスだね。暗闇の上最大荷重突破してるから」
八夏「そうでした……」
DM「こんな時にスライドがあれば……」
アルブレヒト「フローティング・ディスク〜(例のSE)」
DM「そうな(笑)」
アルブレヒト「持ってるよ?」

 一同苦笑
 使い手が昏倒しててはどうにもならない。

 
 フローティング・ディスクはD&Dの作者の息子の「たくさんの財宝を持って帰りたい」という願望から生み出されたという伝説が有る呪文で、いわば魔法の荷台。術者の後方を自動追尾して、術者レベル×100ポンドの重量まで運んでくれるタフなフォース・フィールドだ。主に財宝ではなく仲間の死体を運ぶのに使われる。右は異世界マンチキンのオマージュ版なので若干効果違うが、実際問題「浮遊担架」としてとても有効(笑)

DM「パラディンだったら聖なる軍馬召喚できたんだけどねぇ。次は?」
レーグネン「自分か。スピリチュアル・ウェポンも時間切れで消えちゃったなぁ。『我が神の威光が……』とりあえずアルブレヒト様のところまで移動して、しゃがんで終わり」
アルブレヒト「キュアしてくれぇ〜」

 当然この発言も本来APを以下略

レーグネン「あぁ、そうか。標準アクションで普通にキュアして止血すればよかったか」
DM「まぁ使ってもいいけど(優しい)」
レーグネン「じゃあキュア・マイナー・ウーンズで1点回復」
アルブレヒト「1点?! もっと! もっとください!!(バンバン)」

 当然この発言も本来A以下略

レーグネン「もう他に無いんで……」
アルブレヒト「そうだったーー!!」

 全員爆笑

DM「せめてヴィゴーのワンドにしてあげて」
レーグネン「そっちか!」
DM「ただ武器落とすよ?」
レーグネン「じゃ武器落としてヴィゴーのワンド使います。一応APは払っておきますね」
DM「キュア・ライト・ウーンズのワンドは無いの?」
レーグネン「無いです」
DM「意識が戻らん……」

 ヴィゴーのワンドは「毎ラウンド1ポイントのHPを回復する呪文、1レベル術者なら11ラウンド継続する」で、キュア・ライト・ウーンズのワンドは「1d8+1ポイントのHPを即座に回復する呪文」なので、必要な状況に合わせて使い分けられると便利なのであった。

レーグネン「とりあえず止血は出来ました。『クラウス、逃げるぞ!』」
クラウス「アルブレヒト様に〈治療〉をしても回復はしないんですか?」
DM「このゲーム、〈治療〉じゃ回復はしないのよ」

〈治療〉はダメージそのものに関しては無力で、昏倒や何らかの出血を強いる特殊攻撃に対する止血、毒や病気の治療補助がメインの使い所です。まぁそもそも「HPダメージ」って「全部怪我している」わけじゃなくて「防御能力許容量の数値化」ゆえにっつーことですな。

クラウス「じゃ私も隣まで移動します」
DM(だからなんで君はいつもそうあっさりと後方に味方を残して逃げられるの!? モニカ死ぬよ!?)
レーグネン「代わりにクラウスが背負ってもいいかも。筋力高いし」
DM「どっちにしろ荷重制限は越えるだろうけどね。ただ2人で一緒に持ってエラホラサッサするなら荷重半分になるから移動力半減だけで済むよ」
レーグネン「ただそこに敵がいるんですよねぇ」
DM「そうね、機会攻撃恐れずに敵を無視して突っ切ることも出来るよ。2人で持つと打たれ弱くはなるけど」
モニカ「アラホラサッサする?」
クラウス「行きます。とりあえず全力移動してレーグネンの所へ」
DM「じゃ機会攻撃だ……当たり、6点。クラウスもディレイ・ポイズンだっけ? なら食らったことは覚えておいてね」
レーグネン「敵のターン」
DM「八夏に攻撃するかぁ……まぁ当たるよな。3点、3点。組み付き対抗ロール」
八夏「出目4じゃどうにもなりませんな……」
DM「1点と6点。クラウスの方……13点……あと8点。以上」
ダスティ「全力移動して……」
アルブレヒト「……あれ? 何してるの?」
ダスティ「逃げろって言われたので」
アルブレヒト「1人で? モニカを2人で持たずに? なんで?」

 当然これまたAP消費どころだが、兄の怒りに免じよう。

ダスティ「あぁ、そうでしたね。じゃ……モニカの近くに移動して、モニカを担ぎました」
DM「半アクション残ってるから担ぐアクションに入ったところだね」
アルブレヒト「ちゃんとヤカと声かけあってね」
DM「そうね。さっきのもただ『担ぎました』じゃなくてロールプレイで言って欲しいな。ロールプレイがよかったらある程度ルール無視してOKすることもあるけど、システムメッセージでしかしないなら全部ルール通り処理するぞ」
ダスティ「わかりました。えーと…………『モニカさんはここですね。じゃあ俺もこちら側を担ぎます』と言って担ぎます」
DM「…………君の精一杯は受け止めたよ。なんでそこまで冷静な口調……」
アルブレヒト「ヤカと一緒に持つんだから、ヤカに一言なんかあった方がいいんじゃない? 『こっちはまかせろ』とか」
DM「まぁいきなり『熱の入ったロールプレイしろ』って言われても困るもんな。次」
八夏「ダスティ、掴みましたね! 次のタイミングで逃げますよ!」
ダスティ「了解です」
DM(この温度差ぁ!)

 ダスティは発言こそ非常に積極的に行ってくれるのだが、その殆どをプレイヤー発言で進めようとするのだ!!!!
 編集でだいぶカットされてるから、リプレイではメチャ減ってるけどね!!!(笑)

八夏「えっと、これで持ち上げたんで次から一緒に動けるんでしたっけ?」
DM「次ダスティの手番が来たら八夏まで遅らせるってすれば、次の八夏のターンから一緒に移動出来るね。次」
アルブレヒト「ささやかな1点回復」
レーグネン「『いくぞ、クラウス!』と言って私もアルブレヒト様掴んで立ち上がります。これで終わりかな」
DM「……ワンド捨てなきゃ持てなくない?」
レーグネン「ヴィゴー・ワンドがーー!」

 全員爆笑

モニカ「口に咥えてなんとか」
レーグネン「三刀流ですか」
DM「そうだ、お前にはまだ尻の穴がある!」
レーグネン「それ明らかにそっちの方が大変じゃないですか!? それ出来るならベルトポーチに突っ込めますよね。あー、ヴィゴー・ワンド10回分がー……しかし、お兄様には代えられん!」
モニカ「10回分はヤバいなぁ。めっちゃ勿体無い」
レーグネン「ワンド捨てて立ち上がってエンドです……」
クラウス「これでもう動けるんでしたっけ?」
レーグネン「クラウスはまだ担いでなかったような」
DM「さっきと一緒で息を合わせて搬送するぞってすれば、次のレーグネンのターンからエッチラオッチラ移動出来るね」
クラウス「でも今めっちゃ攻撃されてますよね」
DM「それは我慢するか反撃するかどちらでも」
モニカ「運ぶなら我慢するしかないと」
クラウス「明るい場所まで耐えられると思う?」
DM「どこまで闇が続くのかはわからないよ。もう暗いというより目の前がインクで塗り潰されてるって思った方が早い」
レーグネン「ただここの敵を蹴散らさないと後続も安心して出られないよなぁ」
DM「そうね、そういう考えも出来る。で、もう時間が無いぞ」

 
 写真では立ってますが、アルブレヒトは昏倒中です(笑)

クラウス「えーと……前方攻撃します!」
モニカ「かっこいい!」
DM「どのマスを攻撃しますか? あ、でもさっき全力攻撃喰らったから位置はわかるわ」
クラウス「じゃそこに向かって……マインドブレードと心霊斬とサイオニックも使って……お、28」
DM「当たるね」
クラウス「……26点!」
DM「26!? ダメージ減少ぶち抜いてきたなぁ……断末魔が聞こえた」

 一同喝采

DM「…………あ、ごめん。完全視認困難の50%ミスの方でスカッてた」
一同『えーーー!?』
モニカ「APでなんとかなりません!? 拍手までしたんですよ!」
レーグネン「全員1消費しても価値はあるな」
DM「えーーー? …………しょうがないなぁ、AP使って当たったことにしていいよ。今回だけだからね」
一同『ありがとうございます!』
モニカ「これは当たってなかったら心が悲しくなっちゃう奴ですし」
DM「ここで単なる行動宣言じゃなくて熱いロールプレイしてくれてたら迷わず認めてたなぁ。こういうことですよ、『ロールプレイが奇跡を起こす』っていうのは。APだって本来はドラマティックに盛り上げるためのギミックなのに、皆『AP使います』しか言わない。これだって精一杯ロールプレイしていれば、より大きな効果を引き出せたりするかもしれないのに」
クラウス「ここを切り抜けないと……こいつを倒さないと後続のみんなも襲われてしまう! みんなが助かる道はこいつを倒すしかない! 光さす道となれ!! マインドブレード!!!』」
DM(そこは武器の名前ではなく、技の名前(心霊斬)ではないだろうか)
モニカ「かっこいいー!」
アルブレヒト「ダークネスが晴れた!」
八夏「さすがにそれは……」
DM「次からは言われずにやりましょう」
一同『はーい』

 まぁ言われずにやれたらそれはもう立派な上級者なわけですが。あまりにも全然してくれないのも寂しいのである。


 Don't give up justice, I want to get truth! アルブレヒト専用特技:《常時テレパシー》


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 ダークネスの範囲から離脱しようとして部屋の外に出ていたのと、真っ暗闇で状況が把握できないということで、戦況への発言を必要以上に控えてしまった。
 現状を維持しながらの照明の再点火にこだわらずに、すぐに総撤退を呼びかけたほうが良かった。

 一度敵と当たった後に、対策のために一旦引くのが必要なことはしばしばあるのである。暗闇では本当にどうしようもないのは経験ずみであるからして!


・モニカ
 レーグネンの回復が無いのは知っているはずなのに頭から抜けていて、マスターの可愛いモニカちゃんは(大丈夫だ……お兄さまなら……お兄様なら回復された後に何とかしてくれる……)と思ったのかもしれません。嘘です、前回のアルブレヒトを連れて逃げるときに物凄く手間取ったので、此処で逃げても死ぬな、ならば戦って死ぬほうが……みたいな無謀な考えを起こしていました。(逃げるとグダりそうで嫌だった+助けて貰えるだろう、という期待がまま薄かったです、笑)

 仲間、期待されてない……!!


・レーグネン
 な……なんだってー!>キャラが死にます
 レーグネン的にもモニカ様を喪うわけには行かないというか(笑)
 ワンチャンで調べものしてる状況じゃ無くなってたぞダスティ!
 装備と道具のパージ、ここは止血で我慢して貰う所だったか。苦渋だけどスタコラサッサ! とはいえ撤退の判断は難しいですね。結果だけ見れば明かりを消された時点で退くべき、と思いつつ。そこで退くのは色々難しい。温情あってこそだけど、フィジカル担当クラウスが決めてくれたのは本当に助かりました。


・八夏
 この世では誕生の経緯と実際での主な使用用途が異なることはよくあること、わかるわ。

 折角武器に魔法をかけてもらったのに時すでに遅し。今度こそモニカを掴んで逃げろや逃げろ。
 なんだろう、今回は本当に逃げてばかりな気がする…(汗

 おや、レーグネンの片目がVの字に見える……コードギアスのコスプレかな?(オイ


・ダスティ
 村に戻っても休養せずに出てきたのは「これで終わらせる!」という、みんなの意気込みの表れなのだと思っていたし、相手が相手なので、逃げるのはかなり厳しいと思ってました。やるしかない、と……。このままだとジリ貧なのは確かなんですが、だからこそ、召喚されて出てきたモンスターなので、術者の遺体を調べたり、魔法陣を調べたりして、なんとか逆転の糸口をつかみたい、と思っていたんです。なかなか難しい状況ではあったんですが。そこへ「撤退」となって、なんか「え? あっ、はい……」って感じになって、少し気落ちしてました。撤退できるのなら、それが正しい状況ではあったのですが、ローテンションな感じになってしまいました。スミマセン。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター11

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4


DM「じゃ敵のターンね。八夏を攻撃」
八夏「ぐぅ……」
モニカ「もうモニカ置いていけば?」
八夏「そんなこと出来ません!」
DM「……6点、3点……3点。組み付き対抗ロール」
八夏「……14」
DM「2点、2点。次」
ダスティ「これで行動を遅らせればいいんですよね。『大丈夫ですか、ヤカ殿。一緒に行きましょう』」」
八夏「では行きますぞ!」
DM「次は?」
レーグネン「アルブレヒト様、1点回復」
アルブレヒト「ヒャッホー」
レーグネン「で、私の番。『クラウス、やったか!?』」
クラウス「手応えはあった!」
レーグネン「そうか、では今度こそアルブレヒト様を運ぼう!」
DM「そうね、それでクラウスのターンで抱えて、次のレーグネンのターンで息を合わせて移動出来るからね」
レーグネン「じゃエンド」
DM「さて……じゃダスティを攻撃かな」
モニカ「頑張れ、耐えろ」
DM「……5点、3点。組み付き対抗ロール」
ダスティ「4。無理ですね」
DM「6点、1点。終わり」
クラウス「じゃヤカとダスティ組の移動」
八夏「では行きましょう。気を付けろ、ちょっと高い……」
クラウス「レーグネン、呼吸を合わせるぞ」
レーグネン「オー!」
DM「ハイホー、ハイホー♪」

 
レーグネン「敵のターン」
DM「なにも無いです」
八夏「お? では移動……と思ったけど、前が少し使えているから遅らせるか」
クラウス「じゃ先に移動します。『レーグネン、運ぶぞ! アルブレヒト様しっかり』」
レーグネン「運ぶぞ! いくぞ、クラウス!」
クラウス「ファイトー!」
レーグネン「いっぱーつ!」
八夏「言っちゃったー!」
DM「じゃそのまま進んでいくと陽光棒が復活したね。敵は追ってこないと思われます。もう面倒だから宣言しちゃう」
レーグネン「ならこのまま逃げ続けているうちにアルブレヒト様が復活します」
DM「アルブレヒト復活! アルブレヒト復活!」
アルブレヒト「もう大丈夫だ……さぁ、モニカも治してやってくれ」
レーグネン「もうヴィゴー・ワンドは……あ、そうだ。モニカ様のヴィゴー・ワンドがあった。『アルブレヒト様、よろしいでしょうか?』」
アルブレヒト「使ってやってくれ」
レーグネン「『では失礼して……』じゃモニカのベルトからワンドを取り出して使います」
DM「パシュン」
レーグネン「そういえば効かないんでしたね……『呪文が効かない!?』」
モニカ「……ヤカ殿、ヤカ殿!」
八夏「え? ……あ! 『レーグネン殿。先ほどモニカ殿が倒れる寸前、傷がふさがらないといううわ言を言っていたのだが、そのためじゃないか?』」
レーグネン「『回復が出来ないだと……』そういえば〈知識:宗教〉振ってなかったんで振らせてください」
DM「そういえばそうね、どうぞ」
レーグネン「……あ、1振った! 〈知識:宗教〉高いのにー!」

 全員爆笑

DM「幸い回復しないからってみんなの行動が変わったわけでもないし」
レーグネン「〈知識:次元界〉でも振れるんでしたっけ?」
DM「こいつに関しては2つの知識のどっちか高い方で振っていいってことだから駄目だねぇ」
レーグネン「おのれシャドウ! アンデッドだからこんな能力も持っていたのか! 闇まで振りまくとは……」
DM「知識判定8程度じゃそっちのシャドウも知ってるかあやしいが」
八夏「モニカ殿がさっき言っていたのと名前が違うようだが、本当にそうなのか、レーグネン」
レーグネン「わからん……」
アルブレヒト「あれはシャドウ・デーモンで、よくシャドウと間違える奴がいるのだ」
レーグネン「……なんか凄く恥かかされているんですけど」

 大笑い

 
 シャドウ・デーモンって40年前が初出のモンスターなんだけど、超有名RPGに出てるモンスターの元ネタと言うかまんまと言うか過ぎるよね(笑)

DM「えーと、お兄様。〈知識:宗教〉か〈知識:神秘学〉で振ってみて、高い方の結果を教えてください」
アルブレヒト「……両方とも27だな」
DM「では……普通猛悪ダメージというのは回復なんて受け付けない超絶凶悪な奴なんだけど、今のこれは呪文がかかろうとして弾かれる程度の余地はあると思った」
アルブレヒト「なるほど……今治りそうになったということは、おそらくワンドじゃなくてレーグネンが頑張れば治るかもしれない」
八夏「ということは、奴は偽物ということですか?」
アルブレヒト「猛悪に近い効果なんじゃないかな。そうねぇ……『呪われた傷』とか? 『レーグネンが万全の状態で高位の癒しを行えばこの呪われた傷は治るかもしれない。一旦戻ろう』」
レーグネン「なるほど、わかりました」
クラウス「じゃあ戻りますか」
DM「また1匹倒したぞ!」

 一同苦笑

アルブレヒト「まぁ、あいついると面倒だし鬱陶しいから十分助かります」
八夏「……あ、そういえばディレイ・ポイズンの方がまだ……」
アルブレヒト「そうね……」
レーグネン「ただ今回は動けなくなるほどは食らってないから大丈夫かと。とりあえずここから離れましょう」
DM「撤収!」
アルブレヒト「後で毒の〈治療〉をしてくれ」
DM「今すればいいんじゃない?」

 毒の治療は自身の頑健セーヴと〈治療〉技能をそれぞれロールし、「より結果が高い方」を最終的な頑健セーヴの値として用いることが出来ます。
 例えばレベル4侍の八夏は頑健セーヴが基準値4+修正値3の7あるわけだけど、レーグネンの〈治療〉技能の修正値は+10ありまして。ゲームの仕様上、セーヴよりも技能の方が遥かに容易に底上げ出来てしまうので、大抵は〈治療〉技能が大幅に優越することになります。これが頑健セーヴの低いクラス相手ならばさらに圧倒的。そして殆どの毒は〈治療〉する余裕さえあれば治せてしまう程度の難易度しか設定されておらず、恐ろしい猛毒で知られるワイヴァーンの尾の毒であろうと、レーグネンがテイク10で判定すればあっさり解毒できてしまうので、ディレイ・ポイズンで「毒の効果が現れるのを数時間遅らせる」ことに成功している時点で、もう毒なんて楽勝なのでした。


 ちなみに〈治療〉技能は、その名のイメージからすると「ある程度の怪我の治療=HP回復」が出来そうなイメージだけど、それは無理で。「マキビシを踏んで足を怪我したんで、移動力低下」みたいな「怪我」は治せても、「総合的な防御キャパシティの数値化」である「ヒットポイント」は、別に怪我してるわけでもない扱いで、治せないのであった(まぁロールプレイの指針としては怪我してる扱いにすることは多々あるけど)。なので主な用途は「毒と病気の治療」となるわけだが。
 正直呪文でどうとでもなり過ぎる世界というのもある上に、ヒ素みたいな猛毒ですら頑健セーヴ目標値が13しかないので、〈治療〉技能0ランク(なんの医療知識も無いド素人)のレベル1のキャラでも、判断力が12以上あって、街で普通に買える治療道具さえ使用すれば、「ヒ素飲んだ人間を簡単に完治させられる」という「この世界の医療レベル高過ぎでは?」「いやそれ以前に人間がタフ過ぎでは?」状態で、ぶっちゃけ「わざわざ貴重な技能ポイントを割いてまで育てる価値は薄い」と認識されてたのですが。
 ある日突然《治癒呪文増幅》という「回復呪文の回復力を呪文レベル×2点増やす」なんて超絶強力絶対取得これ取らないとかデッキに強欲な壺入れないくらい意味わからないレベルの超必須特技が追加され、その取得前提条件が「〈治療〉4ランク」だったことから、一気に「皆最低でも4ランク持ってる技能」となったのでした。
 なお、「どんな敵も圧倒的な戦闘力で蹂躙するから回復なんて要らねー」っていう「サプリありあり環境」で遊ぶパワープレイヤーの皆さんに関しては、別に必須ではない。D&Dはアンリミテッド環境にすると、異常なまでのインフレ状態に陥り、「禁止・制限カードの存在しないTCG」状態になるのであった。なのでDMが「同じレベルのインチキコンボを駆使する」ことで対抗しない限り、「ルール上適正とされる範囲の脅威度且つ基本データの敵」なんて出しても、一方的に虐殺されることになる。

  
 D&D3.5版の公式リプレイである本作でも、最終シナリオが15レベルパーティー+日本語サプリ全部オッケーという環境で、熟練プレイヤーがパワフルなキャラクタービルドしてしまったもんだから(だがそれでもフルガチではない)。

   
 その結果、登場する「適正範囲内脅威度のモンスター達」は、片っ端から瞬殺されまくることになる。
 あまりの蹂躙ぶりにDMに同情するしかない。そりゃ公式リプレイで「メーカーが売ってる商品の〇〇は強過ぎるので制限します」とか言えないし「強力な構築を前提にした難易度のシナリオ」も駄目だろうしなぁ。こうなるのはしょうがないよなぁ、という(笑)

 
 でもモンスターが辛うじて一矢報いれた可能性があるシーンで、「パーティー全員知識判定に失敗したのに、プレイヤー知識で敵の能力を知っているから、全力で阻止」は流石にどうかと思った( ・`ω・´)
 しかもこの画像だけだとリューマは「武器取られてましたね」と言ってるけど、前のページで「前世の記憶がささやくんですけど、武器壊されるたりするんじゃなかった?」と発言しているのな。

 ちなみにDMの柳田さんは、僕のD&D経験の中でプレイヤーしてて一番楽しかったDMで尊敬してます( ・`ω・´)

 閑話休題

アルブレヒト「結局あの倒れていた男はなんだったのだろう? そういえばダスティ、奴が持っていた物を持って帰ってきてたんだっけ?」
DM「〈知識:神秘学〉で調べることは出来る。ところで、お兄様。そのナイフ、持つ?
アルブレヒト「持った! ……持っちゃった

 一同爆笑

八夏「持っちゃったって……」
モニカ「また熱い好奇心が……」
クラウス「飛び出しちゃうくらいですから」
アルブレヒト「……22」
DM「じゃあ、マジックアイテムじゃないんだけど、祭事とか呪術用の短剣だね」
アルブレヒト「『エルマー』とか書いてある?」
DM「そんな愛用品じゃないと思います」
ダスティ「調べた時に顔って見てますよね?」
アルブレヒト「顔が見えるタイミングじゃもう暗かったんじゃない?」
ダスティ「そうか……」
モニカ「残念」
DM「あと持ってきたポーションの方は〈製作:錬金術〉で調べればわかるかも」
ダスティ「さすがにないなぁ」
DM「『ペロッ……これは青酸カリ!』とかあるかも」
八夏「死んでしまう」
ダスティ「そんなことしませんから、コナン君は……」

DM「やはり10分くらいで帰ることになってるな」
レーグネン「いえいえ、20分は頑張りましたよ」
アルブレヒト「リドル即答したのにあんな時間かかるなんて」
DM「お兄様、英断だったね。『相談なんかで時間使ってる場合じゃね、俺が先に当てる!』っていう」
ダスティ「その結果が飛び出すことに……」
アルブレヒト「何で止めないんだ、お前たち!」
八夏「止めたいって言ったじゃないですか! AP払ってでもって!」
アルブレヒト「使えよ!」
モニカ「もうあのタイミングじゃ使っちゃダメなんじゃ……」

 DMとしては有利不利は関係無く、お兄様のプレイヤーが「このキャラならそうする!」と確信して「ロールプレイ」をした結果だったので、プレイヤーが「なにがどうあろうとAP使って阻止します。アルブレヒトの意志もロールプレイも関係ありません」くらい断固とした「キャラクター性を故意に曲げるという、現実改変への覚悟」が無い限りは、巻き戻しは認めないかなぁ。
 ちなみに八夏は「AP払ってでも止めたい」とは少なくとも「DMに対して」は言って(聞いて)ません。書き起こしにも載ってないし(そして書き起こし担当は八夏のプレイヤー)。

ダスティ「まずは飛び出さないようにすることを考えましょうよ」
レーグネン「いやぁ、本当に美しい飛び出しだったので。イニシアチヴ振るぞってタイミングで『あれ、前にいるじゃん!?』みたいな感じでした(笑)」
アルブレヒト「ラインの後ろから飛び出してやったぜ(ドヤァ」
レーグネン「全てを過去にする完璧な飛び出しでした」
クラウス「止める暇もなく」
DM「もう駄目だ。早過ぎて追いつけない(笑)」
八夏「天皇賞で1位取れますよ」
DM「クリアマインドって感じだな」

 Don't give up justice, I want to get truth! 時代の最先端を逝く男。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 潰走中……じゃなくて回想中の『なんで止めないんだ』はもちろん冗談ですよ!
 本気で他に責任を押し付けたり八つ当たりしているわけではありませんとも、ええ。
 念のため主張しておきます!

 さて、なんとか離脱はさせてもらえた以上、命さえあればなんとか巻き返せるはず。
 まだ挽回は可能……! 多分。

 それにしても、すごいパワー>公式リプレイ
 ちらっと出てるページだけでも、初期にうちの卓で使って『うん、これやめようね』となった能力がいくつかみられます(笑)



・モニカ
 前回コメント補足としては、その無茶な考えの所為で皆さんに迷惑をかけてしまったところですので反省はします。
 自分の命を守れないものが他者の命を守れるわけがないのですね、肝に銘じます。

 公式サプリの強い特技、やってみたさはありますが無双になっちゃいそうですね。

 お兄様の行動に関しては私はとても面白いと思いますし、場合によっては「全く、お兄様ったら勇敢にも程があります!」みたいなお叱りムーヴもできるのでオッケーなんですよ!

 キャラの戦闘力がおかしなことになるのに加え、神様に幾らでも「ハイかイイエで答えられる質問」が出来て情報収集は完璧な上で、ゴールまでのルートと罠が全部わかる呪文で突破して……みたいなゲームになるね(笑)
 そしてDM側も「じゃあ敵も同じことするね」となったら、一時期の遊戯王の「ガチデッキ同士は、じゃんけんで先行取ったほうが勝つ」状態に。


・レーグネン
 脱出! ひとまず部屋から出てこないようで、命拾いしました。
 恐ろしい敵でした。
 知識ぃ! 修正値もそれなりにありますが、お話にならないレベル(笑)
 アルブレヒト様が詳しくて助かりました。
 《治癒呪文増幅》は始めた頃は度々忘れたりしてましたけど、結構な増幅量なので本当にアドなので。忘れないように。
 公式プレイ、なんかすごい数字が飛び交ってる


・八夏

 フィギュア組体操で高いメタルフィギュアを使用するときは落下等破損に十分注意して撮影しようね!

 なんだか肝心なところで出目に嫌われているような気がするレーグネン。
 知識高いのに出目が低いと起こる悲劇を垣間見てしまった気分である。
 兄妹が高い目出していたのがよかったのか悪かったのか…まぁ「モニカに恥かかせるよりはいい」とか言いそう(オイ

 とりあえずアルブレヒト様にはその瞬発力から「ツインターボ」の異名がつきそう(笑


・ダスティ
 一時はどうなるかと思いましたが、なんとか逃げることができました。もっと追撃があるかと思ったけど……逃がしてもらえた? 余裕なのか、何か理由があるのか? なんにしても、何かしら打開策が必要なので、そのきっかけになればと、せっかく持ってきた短剣がまさかの呪いのアイテム……? と、思わせるようなふりにはドキッとしました。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター12

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

レーグネン「外に出て毒の治療が終わって落ち着いた頃に『アルブレヒト様、無茶はおやめください!』」

 全員爆笑

八夏「説教入ったー!」
レーグネン「なぜ前に出られたんですか!」
アルブレヒト「急いで飛び込んで何とか対処しようとしたのだが、一歩の差で間に合わなかったようだ」
八夏「説教するなら私も加勢しましょうか?」
DM「まぁ酷い結末にはなったんですが、そもそも部屋の中に入らないと答え聞いてくれないというのはあったので、入り口までの移動は約束されていたかも」
モニカ「なるほど」
DM「そのあとで『正解だ、ヒャッハー!』って更に奥へ行っちゃっただけだから」
八夏「勢いあまって」
DM「ただ『我が顕現を妨害すること許そう』っていうのを、魔法陣を破壊していいって解釈して突っ込んだっていうのは不自然じゃないんですよ」
アルブレヒト「私はそのつもりで行ったんだよ」
クラウス「そうなの?」
DM「そしたら出てきちゃっただけですから」
アルブレヒト「約束が違うんですよ!」
DM「だから、お兄様はバカな突撃をしたんじゃなくて誤解をしただけなんですよ」
レーグネン「なるほど、そうだったら責めることは出来ませんね」
DM「『許すって言ったのになんだよ! あいつが俺を騙したんだ!』って思ってるから、絶対」
レーグネン「それじゃあ仕方ないですね」
DM「天国のモニカもそう思ってるよ」
モニカ「思ってます」
八夏「死んでない死んでない」
ダスティ「なんか言いくるめられているような気もするけど……」
アルブレヒト「よくモニカを担いで逃げてきてくれた。私が血の涙を流しながら叫んだ甲斐があったな」
DM「ダスティは勝手に1人で逃げようとしたけどな」
クラウス「あの流れ的には……」
DM「まぁあれは八夏にも過失があって、ちゃんとこのすっとこどっこいに『あなた、ちゃんと下の方持ちなさい!』って言わなきゃいけなかったんですよ。ダスティが自発的に気を回してくれるなんて期待しちゃ駄目で」
八夏「確かに」
DM「暗闇なんだから、黙ってても持ってくれるとか思っちゃ駄目なんです。言われなきゃわかんないよね」
ダスティ「まぁそうですね」
アルブレヒト「そもそもモニカが倒れたこともダスティは知らなかったかもしれないし」
DM「だから八夏はちゃんと言わないといけなかったんですよ。だがそもそも八夏は1人で持って帰るつもりだったんですよ。一歩一歩、毎ターン10点くらいダメージ食らいながら(笑)」

 もちろんダスティはダスティで「キャラは何も把握してない、把握しちゃいけない」なんて決めつけずに、八夏に「なにか助けは必要ですか?」と一声かければよかったことでもある。要するにお互い様なのだ。結局この辺はやっぱり「盤面や仲間の状況を把握出来る謎の暗視能力状態」ゆえに起きる「不利益」なんだよね。
 本当に真っ暗闇だったら、もっと過剰なくらいに「仲間の状況を、声を掛け合って確認する」もんだろうから。いやもちろん、それはあくまで理想論で、皆自分のことだけ考えて好き勝手に動き回る可能性もあるが(笑)

八夏「私も2人で持って運べるなんて思ってなかったので……間に合うかなぁと思ったんですが」
DM「思っちゃったか〜! でもそれだとあと数歩で死ぬじゃない? 完全にヤバい状況で『もうやるしかない』っていう思考停止はしないようにしよ!?」
ダスティ「お兄様のデイライトさえかかれば逆転出来るのかなって」
アルブレヒト「さんざん使えないから駄目だって言ったじゃないか!」
八夏「ダーク・ヴィジョンは?」

 とどのつまり、八夏もダスティも「今は暗闇だが、お兄様がデイライトを使えば晴れると信じていたから、撤退という前提で動いてるつもりがそもそも無くて、フォーメーションを立て直すくらいの認識だった」と。

アルブレヒト「あれは魔法の暗闇の中じゃ使えない……っていうのをもう3回くらい繰り返してる気がするんだけどね!?(血涙)」

 やはり呪文効果の「文書による共有」が為されていないのが命取りになったということか……!(死んでない
 なんにせよ他の一般的なTRPGと違い呪文の数が数千種類あるので、最初から「俺の役目じゃないし」と仲間が普段使ってる呪文(当然その都度効果は説明してくれている)も右から左へ聞き流してしまうのも本当にしょうがない。理解してる方が絶対役に立つんだが、やはりハードルが高い。それだけにモニカがやる気を出して学ぶ姿勢を見せてくれたのは最高に素晴らしくて不滅の伝説として未来永劫語り継ぎたいくらいであった。
 それはそれとして、今回のダーク・ヴィジョンみたいに何度も説明されてるのは「暗闇対策は大丈夫なんですか?」と漠然と繰り返し聞くだけじゃなくて、ちゃんと理解してあげて(笑)

アルブレヒト「デイライト使えればいいんだけど、あれも3レベル呪文だからディーパー・ダークネスと打ち消しあって終わっちゃうから、あいつが2回以上使って来たら打つ手が無いんだよなぁ」
ダスティ「もっと高レベルの呪文は用意出来ないんですか?」
モニカ「本当に安全を考えるならレベル4の光呪文ってことになるんですよね?」
アルブレヒト「うーん……メタな考えしちゃうと、『レベル4の光呪文が必須なシナリオ』なんていきなりやらせるもんなのか、と。他に手がなかったら使えってことなんだろうけど」
DM(デイライトです、デイライトを最初から使って突入するのです……あ、でももう今日帰るなら手遅れだな……経過日数的に)
クラウス「他に活路があるはずと?」
アルブレヒト「…………思いつくレベル4の光呪文ってセレスチャル・ブリリアンスくらいか?」
DM「そうね、それくらいしかないと思う。お兄様には似合いそうな呪文だけど」

 前にもちょっと触れたセレスチャル・ブリリアンスさん。
 これは「正義は勝つ」「正義はチート」「強いさすが正義つよい」「大いなる力には大いなる正義が伴う」等、とにかく「正義という縛りを受け入れるなら、その頑張りを評価してぶっ壊れ能力を授けよう」と言わんばかりに「ゲームバランスを崩壊させるパワーに満ち溢れたサプリ」こと「高貴なる行いの書」に収録されている、クソ呪文の一つで。
 半径60フィートというデイライトの倍の半径の明かり、その明かり内に存在する悪魔とアンデッドは常時ダメージを受け続け、光が苦手なモンスターは眩しいことに依るペナルティが倍になる……といったお役立ち効果が、「術者レベル×24時間」という「もうそれ常時じゃん」な効果時間になっており、TRPG部ではひと目見た瞬間から禁呪指定され、その後遊戯王における禁止カード復帰時のエラッタの如く「半径60フィートで、術者レベル×1時間の明かり呪文」と大幅デチューンされた状態で禁呪指定を解除された。

モニカ「お値段は?」
DM「巻物一つで銀貨700枚。デイライトの巻物は銀貨375枚だね」
レーグネン「シャドウ・デヴィルって他にどんな魔法使ってくるって言ってましたっけ?」
DM「シャドウ・デーモンね。デーモンとデヴィルは違うから。他はダミング・ダークネスを使う」

 デーモンは「混沌にして悪」で、デヴィルは「秩序にして悪」と、悪魔としての性質が違う。

モニカ「ダミング・ダークネスって?」
DM「ダミング・ダークネスはレベル4の闇呪文です」
アルブレヒト「ダメじゃん……」

 大笑い

八夏「もっと上持ってた!」
レーグネン「終わった……」
クラウス「手段なくなりますねぇ」
アルブレヒト「でもゲーム的に『レベル5の呪文が無いと勝てません』なんてありえないしなぁ……とりあえず村に帰るか」
DM「そういえばモニカって昏倒してから脱出するまでに失血ダメージ何点くらい減ったんだっけ?」
モニカ「えーと、3点くらいかな」
アルブレヒト「魔法は効かないけど、止血の布撒いたら止まったのかな」
DM「…………あれ? 確かによく考えたらこれ血止まらないんじゃないか? ちょっと、あらん限りのキュア・マイナー使ってくれ。話はそれからだ」
レーグネン「キュア・マイナー! キュア・マイナー! キュア・マイナー!」
DM「何回唱えた?」
レーグネン「5回」
DM「じゃ頑張って術者レベル判定振って。1D20と術者レベル足して」
アルブレヒト「今レベル4だから4足すだけだね」
レーグネン「……7」
DM「パシュン」
レーグネン「……15」
DM「パシュン」
レーグネン「……21!」
DM「お、じゃ1点回復して止血出来た」
レーグネン「これでミスったら大変なことに……」
DM「ふぅ、ホッとしたぜ。これ本来の『猛悪ダメージ』の様に『聖なる場所でなきゃ治せない』だったら失血死するな」
アルブレヒト「これ実際だとどうするの?」
DM「テンポラル・ステイシスっていう、主観的な時間停止状態にする呪文がある」
アルブレヒト「それがなきゃ実質死亡か」
レーグネン「…………レベル8呪文なんですね、それ」

 レベル3にレッサー・テンポラス・ステイシスって呪文もあるよ。

アルブレヒト「止血は可能とかになってるのかなぁ……」
DM「まぁうちのルールだとAPで失血止まるからな」
八夏「英雄の力!」
DM「運命を捻じ曲げる力ですから。全然致命的じゃない」

 TRPG部のAPは元のルールよりも大幅に強化され、様々なことに効果を発揮する(笑)
 それを使ってるだけに硬直化するぶっ壊れ特技や呪文は蛇蝎の如く嫌うが、こーいうところでの強化はバンバンしちゃう。

DM「あとレベル2呪文のコンセクレイトがあれば傷治せる」
八夏「あれ? 意外と楽だった」
アルブレヒト「…………なるほど、これをかけてから回復魔法かければ効くみたいだな」
レーグネン「レベル×2時間のインスタント聖域なのか」
アルブレヒト「でも聖水1ビンと銀貨25枚分の銀粉が要るな」
DM「まぁ聖水と銀粉ならこの村でも手に入るけどね……『お前の持っている聖水が必要なんだよ!』『やめてください! これは最後の頼みの綱なんです』『えーい、よこせ! 神寵者様を治すために必要なんだ!』」
レーグネン「徴発……」
DM「『やめてくれー、それは妻の形見の銀の指輪なんだ』『黙れ、この銀しかないんだ、寄越すんだ!』……自分の銀貨を使えっての」

 全員爆笑

八夏「それはそうだ」


 そんなわけで村へと帰還する一行。

村人「帰ってきたぞ! 今度こそ勝利だ!! わーーい!!!」

 一同苦笑

村人「また1人も欠けることなく帰った来た。さすが聖騎士様達は違う! あんな雑魚共とはやっぱり格が違うな」
レーグネン「いえ、まだ安心するのは……」
村人「なん……だと……」
アルブレヒト「村を襲ってきたモンスターをさらに1体撃破した。だが……」
村人「これで何体倒した? ……1……2……確か4体だ! ヒャッハーー!」
アルブレヒト「だが、洞窟の中で恐ろしい暗黒の儀式が行われていたのだ!」
村人「なんですってー!」

 ざわ……ざわ……

アルブレヒト「黒いローブを着た男が、この邪悪なる剣を使い悪魔を召喚した」
村人「一体それは誰なんですか!?」
村人「……おい、まさかあいつか? 消えたっていう……」

 ざわ……ざわ……

クラウス「村人に心当たりは?」
アルブレヒト「……みんなある人の名前出てきてるけど、まだそれを言うわけには」
村人「きっとそうに違いないぜ……」
アルブレヒト「その者が誰かはわからないが、強力な悪魔が召喚されてしまったのだ。我々はそれに対処しなければならない」
村人「なんてこった……あの野郎、なんてはた迷惑な!」
DM「村人はまぁ賢くはないが、それでもそう思うよね」
アルブレヒト「そうね、洞窟に向かったあの人……」
モニカ「名前は言えないあの人」
DM「この状況でその考えに至らないっていうのもどんだけバカなのって話になるな」
アルブレヒト「儀式を行った者までははっきりと確認は出来なかったが……」
村人「いや、アイツに違いませんよ!」
ダスティ「憶測で物を語るのはよくないから……まだ決まったわけではないですから」
村人「そうだな。でもアイツに違いない!」
ダスティ「もうこの流れは止められないかなぁ……」
モニカ「いーあーつ! いーあーつ!(小声で)」
クラウス「犯人がわかったところで現状の打開にはならないので……」
アルブレヒト「我々はまた傷を癒し、恐るべき悪魔を退治に向かう。もう少し待っていてくれ」
村人「勝てるんですか、本当に……」
アルブレヒト「任せておけ!」
村人「さすが聖騎士様のお兄様は言うことが違う! あの貴族のボンクラ息子とは大違いだぜ。領主様に家畜の被害を請求するべきじゃないか?」
ダスティ「実際そうだとしたらそうなるのかなぁ」
アルブレヒト「やばいやばいヤバい……依頼人に請求が行くとヤバいかもしれない」
DM「直接の雇用者はファヴだけどね。もちろん賢い人はさらに大元のクライアントが領主だとわかるけど(笑)」
アルブレヒト「失敗したなぁ……まぁいいか」
ダスティ「とは言っても、実際その人がやったというならそれは誤魔化しようのない事実なわけでしょ?」
DM「こう言っておけばいいんだよ。『本当のことを言って何が悪い!』 大抵悪いんだけどね!!」
ダスティ「それこそ八夏に言わせれば、それが悪だったらそうなるのは当然だから、ここで事実を捻じ曲げて言う必要は無い話ですよね」
アルブレヒト「まぁ我々の責任ではないので」
八夏「ただ、確定していないことを流布するのもまた悪と言えますし」
ダスティ「もちろんそれはまだ確定してませんけど」
八夏「じゃ説教するか、村人に……」
村人「くそ、なんて奴だ」

 ざわ……ざわ……
 
八夏「ええい、静まれ! 確証も無いことを流布するでない!」
アルブレヒト「え、本当にやるの!?」
DM「マジか。じゃあ〈威圧〉振ってください。ダイス目しょぼかったらかっこ悪いからね」0
八夏「……27」
 

  イラスト:★Yuuki
DM「素晴らしい。めっちゃビビらせてるよ」
アルブレヒト「こわっ」
八夏「決まりきっていないことを勝手に流布するでない! 貴様等はそんなにやましい心を持っているのか! それもまた悪なり!!」
DM「……みんななんか凄く言いたそうなことはあるけど、ビビッて黙っちゃう」
アルブレヒト「そりゃ〈威圧〉だもんな」
DM「子供が泣いてるな。『うわーん、怖いよーー!』」

 全員爆笑

アルブレヒト「泣くね。絶対泣くね」
八夏「子供泣かせちゃった……やり過ぎたかなぁ」

 なにせ〈交渉〉ではなく〈威圧〉の場合、「黙らないと殺すぞ」と脅迫して黙らせてることになるので、八夏にしても「他人が同じことしてたら悪としか思わないだろうな」って行為です。「自分が気に入らないからって、暴力をちらつかせて命令を強制している」わけですから。
 これは「ロールプレイ上の発言ではそんな攻撃的なことを言ってないから違う」という「効果だけ頂戴して言質はソフトに誤魔化す」は認められません。〈威圧〉技能を用いる=恫喝・脅迫的行為であることが確定します。顔は笑ってても目が笑っておらず、優しい声音で「つまり命令に従わなかった場合、どうなるかわかるよね?」とかも〈威圧〉に含まれます。

 もちろん弱い物イジメする為だけではなく、ゴロツキ共を一喝して縮み上がらせるとか、戦場で名乗りを上げて「やぁやぁ我こそは」と己の武威を示し、「げぇっ関羽!?」と敵の士気を挫く際にもこの技能は使用されることになります。八夏もそのつもりで伸ばしていたはずです。

 ルール的には「(既に戦闘状態でない)他者を意に従わせることを目的とした〈威圧〉判定」に成功すると、相手の態度を強制的に“友好的”に変更します。これはもちろん本当にあくまで「ゲームデータ的な状態」であり、ロールプレイとしては「恐怖に屈して相手の望む対応をせざるを得ない状態」を意味します。これにより相対している間、及び立ち去ってからも1D6×10分間は「命惜しさに従ってくれる」わけですが、効果終了後は“非友好的”に落ちることになります。元々“非友好的”だった場合はさらに“敵対的”へと悪化。「利害の一致や話の流れとか一切関係無く強制的に他人を従わせる理外の戦術」という極めて強力な効果なので、その代償も大きくなります。
 今回の場合、村人の多くは“協力的”“友好的”で、最悪でも“中立的”だったのが、一瞬にして“非友好的”派が大勢を占めることになります。もちろん内心そう思っていても、暴力が怖いので今後も表向きは愛想笑いで接することになりますが。今後の展開次第ではあるものの、現状の民忠ではパーティーが任務を終えて村から完全に立ち去った後の彼らがどう振る舞うか暗雲が立ち込めている感じです。いや別に追手を差し向けてパーティーを殺そうとするとかそんな非合法な手段に訴えることは無いですが(笑)

 八夏の心情、事情、内情はどうあれ、村人たちにしてみたら「立派な聖騎士様一行だと思っていたら急に山賊の本性を曝け出してきた」くらいの「とんでもない豹変ぶり」と受け取られても致し方ないのでした。
 威圧感◎な薄井透さんもビックリな恐怖政治の幕開けですが、「暴力で支配しようとも制御しないといけない秩序」が彼らにはあったのでしょう……。

子供「悪魔に取り憑かれたんだー!」
レーグネン「ヤカ殿、気持ちはわかるが落ち着いて……」
アルブレヒト「何とかフォロー出来そうなモニカが倒れているからなぁ」
クラウス「やりどころのない村人の心情もわかりますから」
DM「最初からあんな煽るようなこと言わなきゃよかったのに(笑)」
アルブレヒト「いや、まぁしょうがない。本当のことだし?」
DM「それで言って村人達がなんか話したら『黙れ!』ってのは」
アルブレヒト「『だって言い出したのそっちじゃん……』ってなってるのか」
DM「そりゃもう全員そう思ってるけど、大人達はビビッて腰抜かして静まり返ってる中、子供の泣き声があちこちから聞こえる」
八夏「やり過ぎたかなぁ」
DM「そして牧場の方からは馬たちの嘶きが」
八夏「そんなところまで!?」
DM「だって凄い達成値だったじゃん。これ君達より高レベルのガチ傭兵でもビビるよ。それどころか英雄戦に出れるクラスや、領主クラスの上級騎士でも[怯え]状態になるよこれ」
八夏「なんでこんな時ばっかりダイス目走るんだろう」

 八夏は〈威圧〉技能を積極的に育てている為、その修正値は11とレベル4のキャラとしてはかなり高く、加えてダイス目が16とこれまたいい具合に弾けてしまったので、仮にこの達成値を「戦闘中の士気挫き」に適用した場合、ルール上は「能力値は平均的」「バフは無し」「マジックアイテムも無し」という状態ならば、レベル15程度のキャラを1ターン[怯え]状態にします(笑)
 まぁ[恐慌][恐怖]と違い、「ゲーム的なシステム数値」としては「-2ペナルティを受ける」程度の効果ではありますが、ロールプレイ観点では「ガッツリ腰が引けてしまい、劣勢時であったならそれがきっかけで敗走が始まりかねないファクター」でもあります。

モニカ「かっこよかったよ」
ダスティ「低いよりはいいでしょう」

 ……とか補足説明してしまうといかにも八夏が悪手を打った様に思ってしまうかも知れませんが、実際問題、最初に「暗黒の儀式を行い、男が悪魔召喚をしていたぞ!!」と「村人たち皆が抱えていた共通の火種」にガソリンレベルの燃料をぶっ込んでしまった時点で村人たちのハートに火が付いてしまっているので、穏便な分効果もソフトな〈交渉〉による説得で沈静化を行うのはかーなーりー厳しい以上、「一喝して黙らせる」のは決して「明白な悪手」ではありません。もう盛大に燃えてしまっている建築物の周囲を破壊して延焼を止めた行為かもしれないし、そんなことしなくても鎮火出来たのに盛大にぶっ壊してしまっただけかも知れませんが、なんにせよ「〈交渉〉にしとけば確実に穏便に済ませられたのに」ってことは無いです。疑問に思うべきポイントは「火事になったら困るのに何故いきなりガソリンを振り撒いたんだ?」であり(笑)

  イラスト:★Yuuki
DM「完全にこの場を暴力で支配したね」
八夏「ともかく、真実はこれから確認する。しばし待たれよ」
DM「いいんだけどさ、これで犯人が貴族の坊ちゃんだった場合、君は説明する責任を負ったわけだから、この噂が流布されるのは避けられない未来になってるよね」
八夏「まぁ真実ならやむなし……真実ならやむなし!」
モニカ「これ仲間(私達)もビビってません?」
DM「格好良いどころじゃないよ。洒落にならない威圧感だから『おおぅ、こわっ……サムライこわっ!』ってなってるね」
レーグネン「これがヒノワ……」
アルブレヒト「もしかして俺も怒られてる?」
DM「そりゃ怒られてるよね。流布しようとしていたから。でもお兄様は怒られてると思ってないな。『そうだぞ。私はあくまで情報を述べただけなのに』」
アルブレヒト「一言も貴族なんて言ってない」
DM「私は関係無い!」
アルブレヒト「そう、関係無い!」

 アルブレヒト以外苦笑

八夏「アルブレヒト殿……あとでちょっと……」
アルブレヒト「ご苦労ご苦労。ヤカ殿、よくぞ静めてくれた。我々は明日に備えて準備を行う。皆も休んでくれ。さぁモニカを早くベッドに……」
DM「……本当はここで子供がなんか言う予定だったけど、もう阿鼻叫喚なので無し」
八夏「ごめんなさーい」
モニカ「何を言うつもりだったんだろう」

 ちょっとした攻略の助けになる情報でした。

DM「以上、現場からでした。そして村人達から距離を感じるようになった」
アルブレヒト「あのお姉ちゃん怖いから……」
DM「怖くないお姉ちゃん死んでるから。血だらけで黒い痣みたいなの浮かべて。黒桜みたいになってるから、今」
アルブレヒト「さぁ、レーグネン。早くモニカを治してくれ」
レーグネン「アルブレヒト様、明日にならないともう呪文はありません……」
アルブレヒト「なんにせよ補給は必要だ。買い物に行かねば」
レーグネン「だがお金が……(以前もやったぞ、このやりとり)」
モニカ「ありませんわ……(やったやった)」
八夏「困りましたね……」
DM「なにせ敗走続きで収入が無い」
クラウス「…………自分が銀貨2000枚持ってるんで、1000枚は建て替えましょう」
アルブレヒト「なに!?」
レーグネン「2000!?」
アルブレヒト「クラウスお前、そんな持ってたのか!!」
クラウス「ええまぁ」
DM「この前の買い出しの時、モニカやクラウスが金出してる横で黙ってたのか(苦笑)」

 厳密には「金が無いコント」してる時にクラウスはまだ合流してなかったので、プレイヤーが敢えて「自分のキャラは知らないけど、金が必要なら出せるんで水を向けてください」とでも言わない限りは「そもそもクラウスはパーティーが金が必要なことすら知らない」ロールプレイの結果でもある。

アルブレヒト「くっくっくっ……光呪文さえあれば奴等など物の数ではないわ!」

 今までも物の数にならなくなる呪文を君は最初からずっと持ってたんだよ!!(笑)


 Don't give up justice, I want to get truth! 史実の山賊の頭目の多くは、食い詰めた元騎士です。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 特に疑問に思わずに状況を村人に話してしまったのだが、大変なことになってしまった。
 直接会っていないせいか領主こそが依頼人だという意識が希薄になってしまい、言わなくてもいいことをわざわざ村人に伝えてしまったのかもしれない。
 この事件どう収拾をつけることになるのだろう……。
 正直、今はあの敵を倒す、それだけを考えるしかないのかも。

 〈威圧〉という技能を本来の用途でまっとうに(?)使ったのはこのTRPG部では初めてでは?
 これ以降も表面上は村人たちの態度が変わったようには感じなかったので、八夏の鬼神も斯くやという一喝、いや恫喝が、ここまで村人の心に刺さってたとは思っていなかった。ちょっと考えれば、そりゃそうである。村人の教会不信も極まれリ。

 それにつけてもYuuki様のイラストが秀逸すぎ。いつもありがとう!
 この2つの顔の落差。なんでキレイな八夏になってんの!
 私自身の無自覚はさておき、正義を愛するひと八夏の正義がどこに向かっているのかは本当に心配だ。

『聖なる光で、すべてを白日の下に晒すのだ』


・モニカ
 今となってはモニカが撤退できていたらば、八夏やダスティの考えるようにデイライトでの立て直しもチャンスがあったのかもしれませんね。むぐぐ。
 レーグネンありがとう。貴方はモニカさんの導き手です。

 それはそうと、威圧をけしかける悪いプレイヤーですね!! すみません!!!!
 プレイヤーは本当気軽に「いよっ! 八夏っ出番ですっ! 格好いいところ見てみたい! やっちゃってください見せちゃってください! フフー!」みたいな感じでリクエスト(けしかけ)してました!!

 金田一パロディ?のイラスト、八夏可愛い顔をしているのにヒノワ、恐ルベシ!


・レーグネン
 八夏の不穏なイラスト2連発、★Yuukiさんナイス! 暴力、やはり暴力……! 八夏の威圧こわい。
 モニカ様シンデナイ! 回復はなんとか手段がありそうで助かりました。しかし暗闇対策、相手が上手なのは恐ろしい!
 さて、後から落ち着いて読むと、村人に儀式の事報告したの、かなりウカツでしたね(笑)


・八夏
 騒めく村人を諭す予定が、結果は某金融グループ最高幹部に……
(イラストいつもありがとうございます。もっとかっこいい姿も描いていただけるよう精進します)

 全てを解決するのは暴力ではなく筋肉……ではなく、正義こそジャスティス……(オイ
 そもそも〈交渉〉ではなく〈威圧〉した時点で駄目だったようですし……今後は気を付けよう、本当に(汗

 ともかくそれ以外にも反省しないといけない事が多くわかったので、それらも今後に繋げていきたいですねぇ。


・ダスティ
 暗闇の呪文にもいろいろレベルや種類があって、その対抗呪文もいろいろあると、なかなか難しい。さらにスクロールの予算とかも考えると、専門だし知識があるからということでアルブレヒトにお任せするよりも、モニカの言うように呪文の情報を共有して、パーティー内で話し合うことは、いざという時に対策をとりやすいし、パーティー内の見解を統一しやすいので、良いですね。
 そして村人たちのいつものノリ……。今回は八夏ががんばってくれて、ダイス目も良かったのに、やはり思うようにはいかない。これまでも村人のために良かれと思って発言し行動しているのに、毎回裏目に出てしまっているのは悲しいなぁ……。でもYuukiさんによる2枚のイラストを見ていると、村人たちがかわいそうにも感じてしまう。パロディでそう描いているとわかっていても、1枚目の八夏からは凄みを感じ、2枚目の八夏からは狂気を感じる。どっちも怖い……。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター13

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

 結局猛悪ダメージを受けていないクラウスがその日のうちに買い出しに行き翌日の朝帰還、そして回復タイム。

レーグネン「買ってきた聖水と銀粉を使って……『コンセクレイト! さぁ4人はこの魔法の領域に入ってください』。そしてモニカ様にキュア・モデレット・ウーンズ」
DM「これでもうレベル2呪文を2回使ったのか」
レーグネン「もうレベル2呪文は無いです。さぁ、キュアキュアタイムだ。『モニカ様、これで治るはずだ!』…………あ、しょっぱ……11点回復」
DM「じゃ意識が戻ったね。モニカ復活!」
アルブレヒト「おぉ、モニカ! なんともないか?」
DM「なんともないことはまったく無い」
レーグネン「いやぁ、よかった」
クラウス「モニカ様、大丈夫ですか?」
モニカ「よろよろと起き上がって『ハッ!? も、戻ったのですね? ということは……倒せたのですね、お兄様!?』」
DM「無事倒せたんだろうね。お兄様ならやってくれたよね」
レーグネン「いえ、我々は……」
アルブレヒト「ヤカとダスティが君を抱えて脱出してきたのだ」
モニカ「なるほど……」
レーグネン「クラウスのおかげで毒を使う獣を倒すことは出来きましたが、あのシャドウ・デーモンとやらは健在です」
モニカ「まぁ、ありがとうクラウス」
クラウス「いえ、お礼を言われるような状況でも……」
モニカ「ヤカ様とダスティも運んでくださってありがとう」
八夏「すまぬ。モニカ殿の意向に添えず、倒すことは出来なかった」
モニカ「とんでもないです」
レーグネン「しかし、アルブレヒト様がシャドウ・デーモンを倒す為の策を立ててくださったそうです」
モニカ「本当ですか、お兄様!?」
アルブレヒト「簡単だ」
クラウス「その為の準備も買ってまいりました。後はみんなの回復を待って……」
モニカ「『それならば私が……』と言ってよろよろと立ち上がります」
DM「今HP一桁だよ」
クラウス「無理をしてはいけません!」
レーグネン「モニカ様にはこのまま休んでいただき、今日癒しの力を使えるようになっていただきたいのです」
モニカ「今日?」
DM「これから8時間寝てください。そうすれば呪文がまた使えるようになるので」
八夏「……あれ? それじゃ聖域の効果なくなっちゃいますよね?」
レーグネン「あ……」
DM「そーいやそーだね(笑)」

 全員爆笑

モニカ「そうですよね? そうですよね! なんですか、今の『あ……』は!?」
レーグネン「明日だった!」
アルブレヒト「もうコンセクレイト使えないもんなぁ、今日」
モニカ「でも私が今ある分使った後8時間寝ればいいんですよね?」
DM「そうね。使わずにほとんど残ったままの呪文がいけるから」
モニカ「バリバリ残ってますよ」
レーグネン「じゃあ順番にみんなを癒すようにしよう」
クラウス「レーグネン、まさかのミス」

 ソード・ワールドRPG(通常版)してた頃は、1日に複数回寝ては精神力を回復して、「冒険者はプロだからどんな状況でもすぐに熟睡出来るんだよ」と嘯いてたもんですが、D&Dではあくまで「1日の呪文数」という概念なので、何度寝ようが「1日の呪文数なんだよ!」と突っぱねられる。その制約が存在する為か、割とカジュアルに「8時間睡眠したのと同じだけの効果を1時間で得られる寝袋。ただし48時間使えない」とか「2時間寝るだけで8時間睡眠扱いの指輪。連続使用OK」なんて「なにそれ超欲しい」となるマジックアイテムが買えたりもする。
 その他の回数限定特殊能力なんかも軒並み「1日に1回」みたいな記述なので、とにかく連続睡眠に大した価値が無いゲームなのだ。

レーグネン「さすがモニカ様、私の癒しの力とは大違いです」
モニカ「『ではもう一回寝て、明日に備えましょう。』今日って何日目でしたっけ?」
レーグネン「えーと……7日目かな。コンセクレイトは明日もスロットに入れて現場で使います?」
DM「戦闘中に使うような魔法だっけ? 結界張るような面倒な作業が必要だったような……」
アルブレヒト「戦闘終わった直後に使えるようにしておくってことなんじゃないの?」
DM「……いや、ターンアンデッドの強化とかするし使う気もするな」
アルブレヒト「あくまで猛悪ダメージを治せるようになる効果はおまけで、実際には戦闘中のバフみたいなものか」
レーグネン「じゃ一応入れておきますね。もしかしたら戦闘中に回復が必要になるかもしれませんし」

 コンセクレイト発動に必要な銀粉が約5ポンドと、結構な量である。

DM「これやっぱり駄目ね。発動は標準アクションだけど、効果範囲内に銀粉ばら撒いておくフェーズが必要だ」
レーグネン「その間奴の気を引くんだ!」
八夏「移動しながら銀粉ばら撒いておいて、相手が中心に来た時に起爆ですか?」
DM「粉塵爆発かよ」
レーグネン「まぁ戦闘後の回復用に残しておきますね」



モニカ「出発する前に、ちょっとダスティを呼びます」
ダスティ「ほいほい」
モニカ「私が間違っておりました……」
ダスティ「何の話でしょう?」
モニカ「倒すことを急くあまり、貴方の言うことを無視して先に行くことを決めてしまいました」
ダスティ「いえいえ……」
モニカ「貴方の言うように万全に準備を整えてから行くのが正解だったようです」
ダスティ「そこはパーティーのみんなで決めたことですから。モニカ様がそこに責任を感じることは無いかと思いますよ」

 あ、ちゃんと“様”って呼ぶようになってる(笑)

DM「大丈夫大丈夫、翌日万全の状態で行っても(デイライトの都合により)あの結果は多分変わってないから」
モニカ「それは関係無いから! それで、ダスティに持っていたマジック・ウェポンのポーションを渡して……」
ダスティ「なるほど」
モニカ「貴方は私のそばにいないことが多いので、よければこれを使ってください。呪文をかける手間が省けるでしょう」
ダスティ「わかりました。ありがとうございます。期待に応えられるかわかりませんが、まぁ全力は尽くしましょう」
モニカ「『ありがとう』……よし、じゃ行こう。悔いはないわ」
DM「そうね。キャラクターはわかんないからね。負けた以上準備が足りなかったんだ」
モニカ「そうそう」
DM「……ところで、お兄様はどうするんですか? ついていかないんですか? 2人の後に? 『ダスティ、ちょっと』って呼ばれているのにスルーですか?」
ダスティ「まぁ聞いててもいいんじゃないですか? その方が逆に安心しますから、内容的には」
DM「じゃさっきのシーンはスルーでいいのね?」
アルブレヒト「それは無いな。聞けば聞こえる範囲ですか?」
モニカ「いや、別に2人で行こうってわけじゃなくて、普通に声かけた感じなので」
ダスティ「だから聞こうと思えば聞こえるんじゃないですかね」
モニカ「大声で喋っているわけじゃないけど」
クラウス「気にしていない風をして耳だけ聞いてます」
モニカ「ここでお兄様話聞いてないと『なんでダスティがポーション持ってるんだ!?』ってなっちゃうから」
アルブレヒト「いやー、そこまで拘らないけどさ。『モニカのポーションなんで持ってるんだ!?』とは」
DM「ここで割って入らないお兄様はお兄様じゃないのでは?」
アルブレヒト「待て待て待て……休んでいても結果は変わってないぞ。俺の判断は間違っていなかった。謝ることはないぞ」
DM「それでこそお兄様」
アルブレヒト「別にダスティに謝る必要は無い。モニカは悪くない。俺も悪くない!」
八夏「アルブレヒト殿、ちょっと……」
アルブレヒト「ダスティも悪くない」
ダスティ「そうですね……」
アルブレヒト「まぁポーションを使うことは別に構わんが…………調子に乗るなよ、ダスティ?」

 全員爆笑

ダスティ「そこまで言う!?」
クラウス「これが正解だな」
モニカ「まぁまぁまぁ」
アルブレヒト「ここで『モニカを運んでくれたことは感謝する』とかデレたりはしない!」
ダスティ「まぁそれに関しては『モニカ様は確実にこの旅で成長なさってますね』と言っておきます」
モニカ「わざわざそれ言っちゃうのかぁ……」

 またも余計なことを言い出すダスティ(笑)

DM「お兄様! これ絶対イラつきますよ。この上から目線は!」

 ダスティ以外爆笑

ダスティ「えっ? なんで? なんで!?」
モニカ「思うだけならいいのに……」
クラウス「それ口にしたら駄目な奴」

 
DM「ダスティは『なんで?』って思ってるのよね」
レーグネン「それはモニカ様が至っていなかったと、判断を誤っていたというのか!」
アルブレヒト「なぜお前にそんなことを言われなければならない!」
DM「親衛隊が2人いるからな」
モニカ「レーグネンもお兄様も、もういいですから行きましょう!」
アルブレヒト「ヤツめ、何を知ったようなことを……」
モニカ「もう終わった話なので……」
クラウス「また、言わなくていいことを言ってる……」
八夏「いつもこんな調子なのですか、クラウス?」
ダスティ「別に悪いことしているわけじゃないのになぁ」

 してるんだけどね(笑)

アルブレヒト「いつから貴様はモニカの教師にでもなったつもりなんだ、まったく!」
レーグネン「モニカ様を導いているつもりか、お前!」
DM「『それ俺の役目だから!』って思ってるね」
ダスティ「いや、普通にモニカ様頑張ってるなって思って……ねぇ? それ口に出しちゃいけなかったですかね?」
DM「お、また『俺何かやっちゃいました?』か! そんな風に言い返してきましたよ、お兄様」
ダスティ「それでまた何か言われるんだったら『すみません、俺が悪かったです……』」
モニカ「めっちゃ声が低い!」
レーグネン「お前、見直したと思ったらすぐこれだ!」
DM「ごめん、俺は超面白いんだけど(笑)」
モニカ「これは面白い、本当に(笑)」
八夏「どっかのタイミングでやらなきゃいけない流れのかな……私はあくまで中立だから」
アルブレヒト「調子に乗るな、まったく……」
ダスティ「お兄様ってずっとこのキャラクターなんですかねぇ?」
DM「何か問題が? 最初に喧嘩を売ったのは君だよ?」
クラウス「お兄様のダスティに対する好感度がまだ足りない」
レーグネン「逆に言うと、お兄様もダスティに対して『こいついつまでもこうなのか?』って思ってそう」
アルブレヒト「思ってるに決まってるだろ! ホント身の程知らずだな!!」
ダスティ「モニカは段々と学んでるなぁと感じるのに……アルブレヒトは……」
DM「まだシナリオ的には2話だよ? 2話で『成長しましたね』シーンはあまりにも尚早だね? 『お兄様は関係無いので』のシーンすら早いと思ってるのに!」

 こーいうのってもっと場数を踏んでからの、モニカなりの心境の変化とかが誰の目にも明白な成長の一つとして起こるイベントなんじゃないのか、と(笑)

ダスティ「2話って感じじゃないからなぁ……まぁ(モニカの今後の成長に)期待しましょう」
アルブレヒト「我々はまだ何も成し遂げてないからなぁ」
DM「何に期待してるんだよ(笑)」

  イラスト:★Yuuki
レーグネン「どの目線なんだよ、と。レーグネン的にはポッと出のお前が俺達のモニカ様の何を知ってるんだと。ヴォルフェンビュッテル領での日々を侮辱してるの?」

 全員爆笑

ダスティ「そこまでー!?」
モニカ「ヤキモチじゃん、それは」
ダスティ「俺から言ったんじゃなくてモニカからそう来た話だからなぁ」

 この時点でも、なぜこんな詰められてるのかわかっていないダスティ(笑)

DM「アイドルに『よくやってると思うよ』とか言ったらイラっと来るだろ、親衛隊はさ! 『ニワカがなに言ってんだよ!』ってなるでしょ?」
レーグネン「こっちからすると、モニカ様は昔からこれくらいの気遣いは出来た方だから」
DM「そうね。なのに『気遣い出来るのも成長ですよ』とか言われたら……『出来てるわい、昔から!!』」
レーグネン「舐めとんかお前!!」
DM「『モニカ様にちょっと優しくされたからって自分が影響を与えたゆえだなんて盛大に思い上がってんじゃねぇぞ!』ってなるわけですよ、この2人にしてみれば」
ダスティ「はいはいはい……」
DM「でもダスティは知らないから『え、そうなの?』ってなるわけですよ」
ダスティ「まぁもう2ヶ月くらい旅しているわけじゃないですか。その最初の頃と比べてダスティは感じたのかなって話ですよ」
DM「この2人にしては『たかが2か月で何言ってんだよ』と」

  イラスト:★Yuuki
アルブレヒト「ダスティの主観でどう見えてようが関係無いので、納得いかないのも当たり前ではある」
DM「そうね。元々モニカと付き合いがある面子にしてみたら『お前の目が節穴だから今までそう思えなかっただけで、モニカは元々こうですけど?』としか思えないだけで(笑)」
ダスティ「すみません、ちょっと買い被ってました」

 ダスティ以外爆笑

レーグネン「買い被るって!」
DM「言いやがりましたぜ、兄貴!」
ダスティ「いやいやいやいや! そこまでシスコンだとは思っていなかったって感じで」
DM「思わない方がおかしくない? 思ってたよね、クラウス?」
クラウス「この数か月あれば十分に把握できるかと」
モニカ「あー面白い(笑)」

 アイドルのTwitterに彼氏面でリプするにわかに対して物申すデビュー前から応援していたガチ勢の図である。

モニカ「ダスティ目線で成長しているように見えてるんですよね」
ダスティ「まぁ貴族の横暴に対する偏見はあったんだろうなぁっていうはあるんですよね」
レーグネン「ダスティがそういうノリなことは全然いいですよ」

 キャラクター間の人間関係に於いては悪化の一途であるが、ロールプレイとして問題があるわけではない(笑)

八夏「一番困惑しているのは八夏なんじゃないかと思ってきました」
ダスティ「いろいろすみません」
八夏「少し離れたところで『何やってんだコイツら?』って思ってます。あんまり度が過ぎたら怒鳴りますけど」
DM「でも八夏は別の貴族が上から目線で君を褒めたら、兄が怒ってくれたシーンをちょっと思い出した」
八夏「あー、なるほど……総司兄様……」
モニカ「想いを馳せる」
八夏「こんな感じだったのかなー」
DM「それを客観的に見るとこうなるんだなって思った」
八夏「じゃ怒鳴れない」
アルブレヒト「『おお、女だてらにやるではないか』とか言われたんだろうな」
DM「そうそう」
総司(アルブレヒト)「女と馬鹿にするか、我が妹を! 並の武人よりよっぽど出来るわ!」
八夏「兄様……」
総司(DM)「ただ女らしいことが苦手なだけだ!」
八夏「兄様……後でお話が……」

 ちなみに実際の総司お兄様はもっと物腰は穏やかです(笑)

DM「という話ですよ。楽しかったね」
モニカ「楽しかったね。モニカはすっきりしたので、行く準備はバッチリです」
DM「ほら早く行けよ。さっきの部屋の前まで来たよ」
一同『早いよ!』
DM「巻いていこう! なんでこんな時間かかったのか俺にもさっぱりわからん!」
モニカ「買い物とかね!」
八夏「絶対買い物よりそれ以外の方が長い……」
アルブレヒト「行くぞー」

 ということで、結局インターバルで1時間45分近く経過して本日3回目のアタックを始めようとする一行。


 Don't give up justice, I want to get truth! 今度こそ明かり呪文は完璧だ!!!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 ダスティとやりあっていただけで、なぜか1チャプターが終わっているのである。
 この前も今回も、巧みに煽っては火をつけ油を注ぎ続けるのはどういう意図あってか。
 和解そして相互理解からの団結への道筋はますます遠ざかる一方である。

 さすがはレーグネンだ。人生一路のモニカ親衛隊長として大活躍だ!
 兄は兄として、イケメンオーラ(ありがとうございます!)でダスティをひっぱたいておくのでその路線は任せたぞ。


・モニカ
 ダスティはパーティーのみんなで決めたことですからと言っていましたが、モニ及び、モ中はそうでもないと思っていました。
 そもそも、このパーティの(見た目だけでいえば)モニカさんがリーダーのようなので、(見た目)リーダーとして扱われ、その利益を得ている以上はメンバーのケア含めて責任取るべきと思っているんじゃないかな。(退治宣言をしたのもモニカさんなので)
 まぁその他細かい理由は色々とあるのですが、それは追々で判明出来るように頑張ります!(がんばれ、モニカ!)

 それはそれとして、レーグネンのガチ勢イラストは大変笑わせていただきました。肩にのっかるモニカぐるみ、これは手作りなのでしょうかね。お兄様もビックリ、元ネタがこういう画風なのかもしれませんが、めっちゃ顔が良かった!!
 戦闘ロールもここまで白熱できる(?)ようになりたいものですね……


・レーグネン
 やあやあ我こそはモニカ様一の家来。親衛隊ムーブは然り!もにぐるみかわいい。いやはや、とは言え。ヤキモチと言うよりは、事実を述べているだけなのです (笑)
「お前ん中ではな!」ほんと、相容れなさ出てきましたねー。冷静に読み返して、これがもし単にモニカ様へのマウントだったら無礼討ちモノなのでは。そしてダスティの余計な一言、そのタイミング、すごい(笑)
 モニカ様の回復が残ってて助かりました……。再アタックじゃあ!


・八夏
 ダスティ劇場第2幕開演(笑
 中の人が全く悪気とかそういうのがないのがいいんだか悪いんだか。
 この時だけは第三者的立ち位置で白熱するバトルを見学させてもらってました。
 というか、白熱しすぎて口を出すスキがなかったというのが正解ですが……(汗

 そして今回もナイスなイラストをありがとうございます。
 これがモニカだいすき神官戦士ですか……とりあえずその肩のモニカ人形どこで売ってます?

 お兄様も真顔が怖い怖い。でも冒険中もこれくらいクールでいてくれたら…(オイ


・ダスティ
 モニカから謝罪されるとは思っていなかったからビックリしましたが、モニカとは前回、村長の家畜問題で意見をぶつけ合っていたので、「前回のイベントの続きがキター! 『お嬢様が、不良っぽい少年と出会って初めはケンカもするが、それを機に変化が……(第3回 チャプター10の、ダスティのコメント参照)』のイベントだー!」とか思って、そんなノリでした。
 Yuukiさんの1枚目のイラストが、すごくよく表現していますが、確かにモニカの周りは身内が多く、モニカLOVEな人ばかりなんですよね。で、その枠の外からモニカを見た初めて(くらい?)の人物として、仲間としてダスティは何かいいことを言ってあげたかったんです。自分が悪いと思ったことは、しっかりとその非を認めて頭を下げるというモニカの姿勢を、褒めてあげたいと思ってかけた言葉だったのですが……。なんか、また裏目に出てしまいました。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター14

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4

レーグネン「じゃ道すがら『アルブレヒト様、策はどのような?』」
アルブレヒト「明かりをつける! 突撃する! 以上だ!」
DM「完璧な作戦だ! おそろしい! なんて名軍師だ……(ゴクリ)」

 本当にそれだけで「初日に片付くシナリオ」の予定だったのは僕達だけの秘密だ!!

 シャドウ・デーモンのいた部屋の手前でありったけのバフをかける一行。
 ここで遂にDM待望のデイライトが発動……せず!!
 アルブレヒトよ、明かりをつけるのはいつなんだ!?

DM「バフが切れる前にリドル答えなきゃならないって緊張感は過去類を見ないな」
アルブレヒト「先行入力出来ません?」
クラウス「ロウソク! ロウソク! ロウソク!」
レーグネン「影! 影! 影!」
モニカ「違うなぞなぞ来たりして」
DM「そりゃ別のリドルですよ。当たり前です。同じ問題出すわけないじゃん(笑)」
アルブレヒト「問題出ると思ってないんで」
モニカ「もうお兄様にやってもらおう」
八夏「ただし飛び出さないでくださいよ?」
レーグネン「もう我々もすぐ入りましょう」
DM「これでバフ全部飛んだらどうするのかな? 帰るのかな?」

 全員苦笑

アルブレヒト「帰ったらもう後が無い」
クラウス「お金も無い」
DM「リプレイ読者の皆さん。これが『これで勝てなかったらパーティー壊滅して困るはお前だぞ』とDMを脅迫するプレイヤー達の図です」
アルブレヒト「バフがなくなっても突っ込むよ。もう1回買い出しに行くなんて無理だし」

 プレイヤー達の真意はともかく、言われた側の気持ちとしては「勝算が無かろうがもうしょうがないので全滅覚悟で突っ込むからね。そのつもりでいてね」という感じに。
 そうなのだ。ここで失敗されたら「誓い」によってレーグネンが酷いことになるんで、撤退する=さらばレーグネンでもあるのだ。
 実のところこの時一番の窮地に立たされていたのはDMなのである……!!(真顔)

モニカ「お兄様、離れないでくださいね。絶対、離れないでくださいね!」
八夏「念を押されてる」
アルブレヒト「わかった。解答権は私にあるが……モニカを先頭に行くか」
モニカ「私が? まぁいいか。行きましょう」

 DM、用意しておいたリドルをそっと引っ込め、敵のデータを下方修正する。
 かけまくったバフは全て4分以内に効果が切れるもので、短いものだと1分で切れてしまう以上、ここで下手にリドルを出して1分悩まれるだけでパーティーのバフは4割くらい消滅。5分で全て失われてしまう。てか半分消えるだけでも大分マズい。ゆえに「前回のは即答して貰えたからって今回もそうとは限らない」リドルを出すわけにはいかないのであった。30分悩まれるくらい想定しないといかんわけですよ。「九割がたいけるだろうと想定することは、1割を引く」ってことなのだから。
 しかもまだデイライトを使っていないので、先手を取られて巻物読めずに壊滅……が十分起こり得てしまうから(アルブレヒトのイニシアチヴ修正値は高い方なのだが、シャドウ・デーモンのイニシアチヴ修正値は更にその倍近いので7割強勝つ)、モンスターデータも「先出しでデイライトが使われている状態」に。というかアルブレヒトが運良く先手を取れたからって、それで初手にデイライトを使うくらいなら突入前に使ってるわけで、とどのつまり先制デイライトは期待出来ない。
 そう、DM視点では「このままなにも手を加えずに戦闘を開始したら」、戦う前からパーティーの敗北は殆ど決まってるようなものだったのだ。

 ……みたいなことを書いた状態で初稿をプレイヤーに公開したら。

アルブレヒトの中の人「いや、デイライトどころか(より上位の)セレスチャル・ブリリアンス使ったよ」
DM「え、マジで? 記憶に全然無いんだけど、使ってたんだっけ? それは申し訳ない。使われた覚えが全く無い&書き起こしでもデイライト&セレスチャル・ブリリアンス使った旨の記述無かったからさー。使ってたかー。ごめんごめん」

 というわけで記憶の矛盾が甚だしいのだが、ちゃんと使っていたらしい……が、幾らなんでもそんな大事なことを忘れてるのは流石にどうなんだ自分ってことで、念の為撮影データで再検証。

DM「やっぱセレスチャル・ブリリアンスもデイライトも使ってなかった(笑)」
アル中「はて……もう俺も(確かなことは)わからん(笑)」

 この手の「宣言した!」「してない!」の水掛け論はTRPGあるあるなわけですが、ビデオカメラで撮影してるので揉めようがなかった(笑)

DM「使用宣言も無いし、スクロールの購入宣言&パーティー周知も無いし、そも作戦会議中にセレスチャル・ブリリアンスとデイライトの名前が一言も出ていないんで、DMもパーティーメンバーも一切購入&使われた認識をしようがない状態だったよー」
アル中「当時のプレイメモ見れば、買い物内容が残ってて、絶対買ってる筈なんだが」
DM「プレイヤーの内部処理だけで完結してしまってた模様。皆買い物のことをアルブレヒトに完全に任せきっていて、『なに買うのか全然知らないけどまぁちゃんとしてくれてるんだろう』って状態になってる感じかな? まぁしょうがないんだけどねそこは」

 連戦連敗による疲れもあり、場の空気が物凄いぐだぐだ感に包まれていた結果、「もうなんでもいいからこれで終わってくれ」といった空気になっていたことが原因であることは間違い無い。多分これがもっと早い時間で皆元気だったら、DMは「(これ以上ぐだぐだになってもお互い辛いんで)そっと敵を弱体化する」なんてマスタリングはしてなかったと思われるし、プレイヤーたちも「買い物したと言ってる割には普段通りの呪文しか使ってない状況」に疑問を持ったでありましょう。「え、明かり呪文は結局どうなったの?」と。アルブレヒトだってもっと行動宣言を明快にしていたはず。

 とどのつまり、ぐだぐだすまん! デイライト使ってないけど突然敵が弱体化して闇呪文使わないまま戦闘が展開されるが、そこはもうゆるしてください!!

 
 アルブレヒト的には使ってるつもり(金も減らしている)で、DM的には「使ってないけど使われた状態を適用」という、奇跡の結果オーライ的なやつで!!!(笑)
 ……え? リドルキャンセル? ……きっとお兄様が即答してくれてたはずだよ!!(ごめんなさい)

 
 写真では完全に岩の中にめり込んだ位置に配置されているが、実際はもう1マス右である(笑)
 この頃はまだ空中戦用の台座が手元になかったんだよなー。

DM「じゃあね……いきなり襲われる。うりゃー……5点、6点。組み付き対抗ロール」
モニカ「19」
DM「はい、5点、1点。不意打ちラウンド終わったんでイニシアチヴね」
八夏「お、20」
モニカ「22」
クラウス「11」
アルブレヒト「19」
ダスティ「16」
DM「じゃモニカどうぞ」
モニカ「『うぅ……敵が上にいます!』と言って5フィートステップしてから攻撃します」
ダスティ「敵はどこにいます?」
DM「まだモニカ以外見えてないから、皆が位置を確認する必要は無いです。モニカは見えているから攻撃していいです」
モニカ「じゃ《信仰の威力》を使って攻撃します……16」
DM「外れ」
ダスティ「とりあえずモニカが襲われたのはわかります?」
DM「戦闘してるからね。反撃もしてますよ」
モニカ「ここに……ここにいます」
アルブレヒト「じゃ次はヤカか」
DM「いや、21だから敵のが早い。イニシアチヴ修正値+11は伊達じゃない。そのまま空中から攻撃します……2点、1点。しょっぱい……組み付き対抗ロール」
モニカ「……8」
DM「……2点、5点。終わり」
モニカ「うぅ、ここに……ここに……(ヨロヨロ)」
八夏「『モニカ殿、大丈夫ですか!』……リーチウェポン的に上空にいるなら隣のマスから攻撃できます?」
DM「近過ぎるね。近接が届くんだから」
八夏「あぁ、そうか……機会攻撃喰らってでも中に行くしか……いや、喰らったら止まっちゃうか」
レーグネン「じゃ私が先陣を切るからついてこい!」
八夏「『すまぬ』。ではレーグネンの後に遅らせます」
アルブレヒト「私もダスティの後に」
ダスティ「まだ敵が見えないんですよねぇ」
クラウス「全員レーグネンの後まで遅らせればいいのでは」
ダスティ「そうですね」
モニカ「先陣切るって言ったもんね」
レーグネン「みんなあんなに早かったのにぃ……」
DM「そりゃあんな近くでバフかけまくってたらこういう待ち構え方されちゃうでしょ」
モニカ「そうですよねぇ」
八夏「致し方なし」

 なにせ入り口と指呼の距離で何ターンもかけてありったけの強化呪文をかけていたのだ。
 このパターンは今回に限らず色んな冒険で見られるシチュエーションであり、基本的に「これからあなたを殺す為に色々準備してまーす。よろしくねー。だからそっちも全力で迎撃準備整えてねー」という、ハイリスクハイリターンなタクティクスなのである。ただまぁ一般的にいわゆる「モンスター」が相手だと、PCパーティーの様にキャスターが何人も居る上に消耗品のスクロールもバカスカぶっ込んで山盛りのバフを重ねるようなことをしないので、相対的な戦力差は埋まるもしくは大きく引き離す場合が多い。
 しかし当然「相手にキャスターが存在し、消耗品も準備万端」だった場合、迂闊な準備時間をかける=メタられて返り討ちの危険が存在することを忘れてはならない。

レーグネン「『私が奴の気を引く! ついてこい!』移動します」
DM「じゃ機会攻撃を……いや、やめよう」
レーグネン「『私を攻撃しないのか!?』……じゃそのまま移動して、スピリチュアル・ウェポン!」
DM「…………あぁ、そういうことか。なるほどねぇ」
レーグネン「なんか不穏な!」
DM「思い、出した……!」
レーグネン「怖いなぁ……20」
DM「外れ」
レーグネン「20で外れるのか……」
DM「空中戦面倒なんだよなぁ」
八夏「では、いくぞ! …………微妙に位置が悪いな。全力移動するしかないか」
レーグネン「機会攻撃は?」
DM「してこない」
モニカ「お兄様狙いか!?」
クラウス「まさか……」
八夏「く……今度こそ!」
ダスティ「俺かぁ……俺も行くか…………移動して撃ちます……16だから外れか」
クラウス「アルブレヒト様はこの後中行きます?」
アルブレヒト「いや……」
クラウス「1つ気にしてるのは、残ってる黒い犬がアルブレヒト様1人残った瞬間後ろから来たら、って考えると残った方がいいのかなぁと」
アルブレヒト「そうねぇ……じゃインヴィジビリティで消えておくか」
レーグネン「それがいいかもしれませんね。ここぞというところで呪文お願いします」
モニカ「でも犬は消えても臭いでバレるって言ってませんでしたっけ?」
アルブレヒト「……そもそも俺が光持ってるっつーの(バン)」

 一同笑い

八夏「バレバレだった」
モニカ「クラウスに光源渡しちゃえば?」
アルブレヒト「じゃ移動アクションで明かり押し付けて、インヴィジビリティで消える」
DM「いや、相手に持たせるなら標準アクションかな…………何を渡すつもりなの?」
モニカ「自分自身を光らせるの?」

 全員爆笑
 残念ながら普通の明かり呪文にしかかけられません(笑)

モニカ「流石お兄様! 光り輝く男!」
アルブレヒト「確認したらいつも通り物体にかけられたから、前みたいに腕輪にかけておいてたのでそれを外して渡します」
レーグネン「よかった……」
クラウス「ずっとカッコいいポーズのまま光ってるのかと」
DM「それじゃ全ラウンドアクションだね。外すのと、相手に渡すので」
クラウス「こちらの行動には阻害は?」
DM「なくていいよ。移動しながら構えなおすとかだから。これが近接戦闘中だったら認められないけど」
クラウス「じゃ移動して攻撃します」
モニカ「光さす道となれ!(ドヤ)」
クラウス「……ダメだ、17」
DM「外れ、次」
モニカ「今敵は……真上?」
DM「斜め上かな」
モニカ「じゃ攻撃します……《信仰の威力》を使って……21」
DM「外れ」
レーグネン「21でも外れるのか……敵の番」
DM「そうねぇ……モニカに攻撃かな」
モニカ「だろうね」
DM「…………あ……弱い、クリティカルしたのに4点」
一同『こわぁ……』
DM「……5点。組み付きが……」
モニカ「……ダメだ、低い。もう下がるわ」
DM「今度もクリティカルして……6点。あ、ファンブル!? 帳尻合わせるなぁ……結局いつもとあんまり変わらないな」
レーグネン「モニカ様が順調に削られてる……『モニカ様! いったん洞窟の向こうへ!』」
モニカ「はい、そうします……(ヨロヨロ)」
レーグネン「じゃモニカ様の後まで遅らせて……あ、スピリチュアル・ウェポンの分があったか……お、これは期待出来る。26!」
DM「外れ」

 一同動揺

モニカ「やっぱり銀粉撒かなきゃダメかなぁ……」
レーグネン「26で外れるのか……(汗)」
DM「こいつ《攻防一体》持ってやがるぜ」
ダスティ「あぁ、それでか……」
レーグネン「なんて奴だ……」
DM「この無駄に高い命中力はこう使うんだ」
八夏「どうするかなぁ……全力で《強打》乗せようかと思ってたけど、これじゃ当たら無いな」
アルブレヒト「まぁ《攻防一体》5点とか使うよね」
八夏「とはいえ悠長なことは出来無いし……とりあえず普通に攻撃を……いや、使い時だよな。《気合の一撃》使います」
DM「キアーイ」
八夏「『今までの恨み、全てこの一撃に!』……まぁ逆恨みですが……これは……AP使って……29!」
DM「29は当たる」
一同『おーー』
八夏「ダメージが……うわ、しょっぱい……」
DM「あ、非実体の方でスカりました」

 相手が非実体の場合、命中判定の後に50%の確率で問答無用でミスにされてしまうのである。

八夏「捉えたはずなのに!?」
ダスティ「撃ちます……28」
DM「当たり」
ダスティ「……5点」
DM「こっちも非実体でスカッた」
レーグネン「強い……」
DM「自分で判定した方が納得行くって人は〇×ダイス一緒に振っていいよ」
アルブレヒト「……まだ何も出来無いな。パス」
クラウス「移動アクションで瞑想マインドブレードを収束の後、攻撃します……ダメだ……」
モニカ「どうしよう、洞窟の方行こうとすると機会攻撃来ちゃうなぁ……とりあえずレーグネンの後ろに」
レーグネン「モニカ様移動したら元いたマスに行こうと思ったけど、確かに機会攻撃があったなぁ……」
アルブレヒト「一応回復は出来無いことはないけど。術者レベル判定で高い目出せば」
レーグネン「じゃ5フィートステップしてモニカ様にキュア・モデレット・ウーンズ」
DM「さぁ、術者レベル判定をしたまえ」
レーグネン「……18……追加でAP振ろう……あ、1!?」
DM「プシュ〜」
一同『あー……』
モニカ「撤退します!」
DM「じゃクラウス行くか」
クラウス「来るのか……」
DM「2点、2点。組み付き対抗ロール」
クラウス「……28!」
DM「こっちも28だけど修正値こっちのが高いからこっちの勝ちね。3点、1点。終わり」

 
八夏「出し惜しみしている場合じゃないな……《気合の一撃》2回目! 『悪よ、滅びろ!!』……よし、当たり!」
レーグネン「あ、ヤカの前にスピリチュアル・ウェポンの分振るの忘れてた」
DM「じゃ今の命中なかったことに……」
八夏「え?」
モニカ「えー!? ひどいひどい!」
DM「俺が悪いの!?」
レーグネン「こっちはこっちで振っておきます……うわ、駄目、当たんない」

 DMが理不尽なことしてるわけじゃないんで、せめて「間違えて忘れちゃってたんで、攻撃していいですか?」くらいあっても……(´・ω・`)

DM「じゃ八夏はスカスカ判定どうぞ」
モニカ「祈れ祈れ!」
八夏「……通った!」
一同『おーー!』
DM「《強打》入ってないから大したことないよ……ほら、ダイス目が酷い。安定性が売りの2D6なのに(笑)」
八夏「うぅ……10点」
ダスティ「じゃこっちも撃ちまーす……うーん、ダメ」
アルブレヒト「……クラウスの後に遅らせる」
クラウス「また瞑想して斬りかかります。『今度こそー!』……やった、クリティカル!」
DM「できれば〇×も一緒に振って欲しいな。時間節約で〜」
クラウス「わかりました……うおー、光さす道となれーー! ……駄目だったーー」
アルブレヒト「どうするかなぁ……私が足引っ張らなかったら何とかなると思ったらそうでもなかった」
DM「キャスタービビってるー、ヘイヘイヘイ(パンパン)」
アルブレヒト「エネルギー攻撃は普通に通るんだっけ?」
DM「非実体は力場以外50%ミス発生するよ」
アルブレヒト「…………ヤカにエンラージ・パースン使おう。以上」
八夏「え?」
レーグネン「5フィートステップして斬りかかります……あー、〇×は通ったけど命中がダメダメ」
モニカ「じゃ5フィートステップしてヤカにガイダンスかけます」
DM「命中が1上がる、1回だけだけど」
モニカ「頑張ってください、ヤカ様!」
八夏「ありがとう!」
DM「じゃクラウスに攻撃」
クラウス「またか!」
DM「『またか!』ってそりゃそうでしょ……3点、3点。やはり非力……組み付き対抗ロール」

 クラウス君、魂刃士は「前衛で戦うこと」が最大の仕事のクラスなのに、自分が狙われる度に不満そうにするのは良くないと思うのですよ。そうやって前衛が攻撃を引き受けてくれることで、パーティーは機能するのだから。

クラウス「……ダメだ」
DM「……2点、1点。終わり」
レーグネン「行け、スピリチュアル・ウェポン! ……27!」
DM「27は当たり」
レーグネン「ダメージは……あぁ、4点……『く、我が神の刃がなぜ届かない!』」
八夏「《気合の一撃》あと1回か……」
アルブレヒト「手番遅らせたら大きくしてあげる」
八夏「なるほど、じゃ遅らせます。『アルブレヒト殿、何かあるのですか?』」
アルブレヒト「ヤカをさらに大きくする」
DM「接敵されたらほぼ脱出不可能になるけどね」
アルブレヒト「……そうだね(汗)」
八夏「えーー!?」
DM「2マス離れないと攻撃出来なくなるから」

 戦場である室内は広過ぎず窮屈過ぎずな広さなのだが、立ち位置の問題もあり、ここで八夏が呪文によって大型化して4倍の接地面積を持ってしまう場合、壁際に追い詰められてリーチウェポンである大身槍を使うた為の間合いを取れなくなる可能性が高そうなのであった。
 ……と、当時は思って良かれと思って助言したんだが、冷静に考えると「機会攻撃&窮屈状態で1ターン攻撃を諦めて移動に徹する」というマニューバでどうにかなるなこれ(笑)

アルブレヒト「やっぱりクラウスの方がいいかな」
八夏「まぁ確かに」
アルブレヒト「うーん……やっぱりヤカで。終わりかな」
DM「いや、まだこのターンでの呪文は使えるよ」

 エンラージ・パースンの呪文は詠唱に1ターンかかり、唱え出してから次のターンの最初に発動するのだが。別にそのターンの手番が失われてるわけでもないので、そのまま通常通り行動出来るのだ。そんなわけで詠唱中に攻撃受けたりすると〈精神集中〉判定を求められ、失敗すると呪文プシューである。

アルブレヒト「そっか、じゃ移動して……」
DM「なら機会攻撃」
アルブレヒト「見えてたー!(ガーン)」
DM「当たるかどうかはわかんないけどね……あ、当たった。3点」
アルブレヒト「なんか知らんが見つかった……」
ダスティ「撃ちます……ダメ」
クラウス「瞑想して……こっちもダメです」


 Don't give up justice, I want to get truth! 標的は見えてた。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
『光呪文さえあれば奴等など物の数ではないわ!』『明かりをつける! 突撃する!』という流れにあるとおり、明かりがついているのが私の中でだけ当然過ぎて、DMにも伝わっていると思い込んでいたのでしょう、きっと。面目なし。

 リドルも『秒で即答出来らあっ!』とみじんの躊躇も(根拠も)なく受ける気満々だったので『リドルがあるのは初回だけだったのか』と。理由を知ってなるほど納得です。

 今回の戦闘は、闇呪文への対策、事前の各種強化、自身の安全確保(これは目論見どおり行かない模様)など、戦う環境をきちんと整えさえすれば、あとは皆がやってくれるだろうという方針なのです。
 決して自棄で勝算もない状態で突入して、DMを窮地に追い込もうなどという意図はなく、全部私の宣言が抜けたせいです。重ね重ね申し訳ない。

『しかし敵のACが想像よりかなり高い……! こなままでいけるのか……?』



・モニカ
 セレスチュアル・ブリリアンス、発動していたのさ……! みたいな状態に!
 お金を消費させるお覚悟を決められたのでしょうか、沢山のバフをかけていざモニカ先頭で入室、しかしながらリドルがなく内心は(あれ?)と思っていました。
 とはいえその疑問もすぐに無くなる程の猛攻を受けて、ひえー、困った! と慌て・また回復ができない攻撃を受けてしまった! とやばみに狼狽えて居ました。
 とはいえ、この攻撃をモニカを含め前衛が受けたからこそ、アルブレヒトも安心して全力で呪文を唱えられたのではないでしょうか!
 ……という意味では、きちんと前衛としての仕事をできていてほっとしています。(できている、よね……?)



・レーグネン
(結果的に)ふ、不正はなかった……。
 諸々、プレイヤーとして反省点多い回ですね。
 暗闇対策バッチリだ(バッチリだけどバッチリじゃなかった)、と飛び込んだものの、当たらない攻撃。相手の攻撃は痛くなくとも回復できない、やはり恐ろしい敵!


・八夏
 バフをかけていいのは、バフをかけられる覚悟がある奴うんぬんかんぬん
 ……と思っていたらまさかの呪文使用確認漏れが。
 買い物リストもいつも任せてしまっていて申し訳ない。
 疲れてきた時こそ注意しなければ。

 説明しよう!八夏は特技の効果で《気合の一撃》を1日3回撃てるのだ!
 要するに切り札は残り僅か…(汗

 ただでさえ高いACが非実体の1/2でさらに外れるのがつらいところ。
 色々DMにしていただいていたのに不甲斐ない。

 しかしレーグネン、本当に肝心なところでダイスに嫌われてるなぁ。


・ダスティ
 リプレイで知る衝撃の事実! というのが、いろいろと……。セッション終了後の感想会とかでも、「あの時は本当はこうだった」みたいなのはよく話にでるけど、今回は、リプレイをチャプター分けして、そこにプレイヤーのコメントを付けている、このリプレイならではの展開なのではなかろうか。リプレイの初稿を読んだアルブレヒトから衝撃の事実が明かされ、ほかのプレイヤーの知らぬところで、アルブレヒトとDMとの間で攻防(?)が繰り広げられていたことが、リプレイで判明する……おもしろいです!
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター15

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4


 
八夏「もう巨大化完了してるんでしたっけ?」
DM「大型の台座置いて」
レーグネン「……超合金ダイベース(小声)」
八夏「いそうですね、そんなの」
モニカ「巨大化したー」
八夏「バフどうなりましたっけ?」
DM「命中が筋力ボーナスで1上がって、サイズ補正で1下がるから差し引き特に変わらなくて、これまたサイズ補正でACが1下がる」
八夏「最後の最後になりそうだなぁ……《気合の一撃》3発目! 『今度こそ滅びろ!』 ……あー、これは……〇だけど23か」
レーグネン「27以上なら当たりますね」
八夏「AP振って4以上か……やります! ……8!」
DM「……あ、そうだ。〇×先に振るとAPを無駄に使わなくなるのか……今もう一回〇×振ろうか」
八夏「せい!」
DM「あー、〇出たけどOBだからダメね」

 TRPG部鉄の掟。ダイストレイから飛び出したダイスは絶対に振り直し。

八夏「えい! ……よし!」
DM「神が当たれって言ってるな、よかったよかった。巨大化してるから3D6でどうぞ」
八夏「えーと……全部足して……3D6+11か…………22点」
DM「いてぇ……」
八夏「まだ生きてるか……」
DM「まだ30点くらいしか与えてないぞ」

 非実体タイプは往々にしてHPが低いにしたって、幾らなんでも低く見積もり過ぎである。
 無論ここまで攻略日数を費やしていなければ既に死んでいるダメージではあるのだが。

レーグネン「このまま攻撃をします……あ、話にならない」
クラウス「スピたんは?」
レーグネン「あれは順番まだだから」
モニカ「ヤカ様、貴方の攻撃はあとどれくらい持ちますか?」
八夏「今のが精一杯……手応えは十分でしたが……」
モニカ「まだいけそうですか?」
八夏「………いける!!」
モニカ「じゃもう1回ガイダンスを……」
アルブレヒト「もうちょっといい手無いかなぁ? 頑張って自分にキュアしてみる?」
モニカ「いいんですかね? なんか勿体無いかなと思いましたが」
DM「ルール上はいいよ。作戦上どうかは知らないけど」
モニカ「さっきレーグネンがやってくれましたもんね」
レーグネン「スカりましたけどね……(汗)」
モニカ「じゃすみません。巻き戻して自分にキュア・モデレット・ウーンズかけます」
DM「術者レベル判定してね。1D20振って」
モニカ「えい」
DM「……あー、ダイス目4だからどうにもならないね」
モニカ「あらら……」
DM「じゃ敵の番。ヒャッハー、お兄様に飛び掛かるぜ」
レーグネン「殺意が高い」
八夏「呪文切れちゃってるんですか?」
アルブレヒト「いや、まだ消えてるよ」
クラウス「じゃ何で位置が……」
DM「こいつには見えています」

 これ、ついついサービスで教えてしまっているんだが、「なんでだろうねぇ?」と答えておくべきだったな(笑)

レーグネン「1/2で頑張ってもらうしかない」
DM「……当たり、1点。次……あ、さすがにダイス目2じゃ接触でも当たらないか。じゃ終わり」
レーグネン「よかった。さすがお兄様だ。じゃこれが最後のスピリチュアル・ウェポンだ!」
クラウス「いけ、スピたん」
モニカ「頑張れスピたん」
レーグネン「……うわ、ダメだ。外れ。で、消失」
モニカ「スピたーん……」
レーグネン「我が神の刃が……」
ダスティ「じゃ撃ちます……お、33。〇×は……〇! ……8点」
DM「痛ぇ……」
ダスティ「少ないなぁ」
モニカ「そんなこと無い。当てるだけで偉い」
アルブレヒト「うーん……1/2が通らない…………シーキング・レイだ!」
DM「来い」
アルブレヒト「……15」
DM「次の方」
クラウス「5フィートステップしてから……当たらない」
八夏「さて、当たるかなぁ」
DM「あ、今懐に入られたから攻撃出来ないね。最低2マス開けないと」
八夏「そうか……どうしよう」
DM「別に普通に移動してから攻撃すればいいんだよ」
八夏「あぁ、そうか。じゃここら辺に……あ、あの死体まだあります? 踏んじゃうかなぁ……」
レーグネン「大丈夫でしょう」

 
八夏「えーと……じゃここで……普通に攻撃するしか無い……当たらないなぁ、やっぱり」
レーグネン「うーん……」
DM「レーグネンなら出来る!」
レーグネン「レーグネンならやる!」
モニカ「モニカもここにいるよ」
レーグネン「5フィートステップして……『この手で……斬る!』」
アルブレヒト「挟撃出来てるな」
レーグネン「挟撃で……ダイス目が論外でした」
モニカ「撤退しまーす」
DM「モニカ即死圏内だからなぁ。みんな今大分緩い感じだけど。モニカを回復しようとしないのは、こっちがモニカを攻撃しないもんだと完全にたかをくくってるからなのかな?」
モニカ「そうですよ! 完全に狙えるの狙ってこないって思ってましたもん。さすがに神にも情があったんでしょう」
DM「まぁ……(敢えて温情の理由をつけるなら)兄が入ってきてくれたからでしょ。なのでせめてお兄様くらい殺しておくか(笑)」
モニカ「ダメだよ……」
DM「おりゃーー、3点。3点。対抗ロールだ」
アルブレヒト「……うん」
DM「4点。2点……く、殺しきれん」
レーグネン「でも次はもう危ない。昏倒入る」
ダスティ「どうするかなぁ。ここから撃つしか無いか……30……お、〇」
DM「倒した!」
一同『えっ!?』
DM「残りHP1だった(笑)」

 一同喝采

モニカ「おめでとうー! ありがとー!」
DM「マジック・ミサイル撃たれたらヤベェって思ってたんだよね。お兄様がシーキング・レイって言った時『よしこれは当たんねぇ! 接触AC27とか20以外当たんねぇ!』って思ったよ」
クラウス「ではダスティ。止めのロールをかっこよく!」
ダスティ「一発必中!!(ドヤァ)」
DM「……いや、ダメージしょぼかったけどその前も当ててるからその発言は(笑)」
ダスティ「……シュトルムカイザー(小声)」
DM「お前いつからウインザートになっちゃったの!?」
ダスティ「いや、なんとなく」

 DMもそうだが、お互いもっとちゃんとロールプレイするべきである(苦笑)
 大苦戦の末倒したボスなのだから!!

モニカ「これは拍手喝采ですよ。全員の危機を救ったんですよ」
クラウス「やったか!」

 一同笑い

ダスティ「なんでそれを言う……(笑)」
DM「まだだ! まだ死なぬ!! その言葉をかけられた以上、私がまだ死ねぬー」
モニカ「回復呪文かなにかですか(笑)」
アルブレヒト「こいつは非実体だから消えるの?」
DM「えっと、禍々しいタールみたいなのが残った」
ダスティ「それは何なのか調べられるんですか?」
DM「こいつはマテリアルとしては使える。暗黒系呪文とかの素材になるね」
アルブレヒト「これを汲んで持って帰るのか……」
DM「バケツとかあれば」
クラウス「空のポーションの瓶なら」

 
 タミヤのプラモカラー角瓶くらいのサイズでなにをする気だ(笑)

レーグネン「水袋ならある」
DM「もちろん邪悪なことに使わない業者に売る……というわけではなく、教会に持って行って『倒したのね、偉いね』みたいな流れになると思います」
モニカ「名誉がもらえるよ」
DM「素材の価値というより倒した証拠だね。これが闇の神官だったらヒャッハーだけど」
クラウス「じゃ証拠だったら量は要らない?」
DM「いやいやいや。特に急ぐ理由もなしに放置していいもんでもない」
アルブレヒト「教会としては結局正しいことに使うために素材化するの?」
DM「いや使わないと思うよ。普通に産業廃棄物的に処理するはず」
八夏「ここに残しておくわけにはいかないでしょ」
モニカ「全部回収しないと」
ダスティ「2度と使えないな、この水袋……」
DM「一部だけ持って行って『いや、こいつ超大型だったんですよ。その一部ですけど』って言う奴はいるかもしれない」
モニカ「お兄様、大丈夫ですか!」
アルブレヒト「ふぅ、体を張った甲斐があったな」
DM「今回も一切無駄の無い動きでしたな」
レーグネン「モニカ様、早く回復を……そうだ、回復が出来ない……」
クラウス「あれ? 回復出来る呪文持ってきてたんじゃ」
ダスティ「銀粉撒きます?」
レーグネン「あー……いや、もう無い」
一同『え?』
レーグネン「クローズ・ウーンズ温存するためにそいつをモデレット・ウーンズに変換して使っちゃったから」
モニカ「私は大丈夫です(今は)」
レーグネン「アイツさえ倒せば、別の敵が来てもクローズ・ウーンズは使えると思ったので」
モニカ「なるほど」
クラウス「とりあえず黒いの来ないか警戒しておきます」
レーグネン「そうだな、残りの1匹がまだいたな」
アルブレヒト「ダスティ、よくやってくれた」
モニカ「ダスティ、ありがとう。貴方のお陰です」
ダスティ「いえ……」
レーグネン「クラウスが言う通り、まだ獣の敵が残ってる可能性が高い」
クラウス「気を抜かずに行きましょう」
モニカ「そうですわね」
アルブレヒト「とりあえず、こいつ(祭壇と魔法陣)はどうする……」
レーグネン「ディテクト・マジックとかディテクト・イーヴルはあるんで」
ダスティ「使ってみますか。捜索もしますし」
DM「じゃ君たちの持ってる魔法のアイテムにディテクト・マジックが反応して体が光りまくった」

 一同笑い

DM「反応何個ある?」
アルブレヒト「数えるのが面倒くせぇ!(バーン)」
レーグネン「じゃ祭壇の方にディテクト・イーヴルをしようかと……使う意味あります?」
アルブレヒト「あれは基本的にクリーチャーを感知する呪文だからなぁ」
モニカ「まずはこの人を見たいなぁ」
アルブレヒト「あ、この男は! ……って顔知らないし」
レーグネン「いや、もしかしたら顔知ってるかもしれませんよ。お兄様すごい達成値出してましたし」
DM「まぁ生前知っててもわからないだろうなってくらい干乾びてるよ」
ダスティ「なんか身分を証明するものなんかは?」
DM「こういう怪しげなコスプレしているので」
モニカ「見当たらないかぁ」
レーグネン「まぁ連れて行くしかあるまい」
アルブレヒト「じゃ祭壇に〈知識:神秘学〉を……23」
レーグネン「さすがアルブレヒト様」
DM「正直よくわからないけど、何か呼ぶ為のセットなんだろうなと思った」
モニカ「じゃ私も……27」
DM「お、モニカのが詳しいよ、お兄様。どうも儀式を行って魔界からシャドウ・デーモンを呼び出したと思った」
モニカ「お兄様、きっとこの魔法陣を使って先ほどの敵を召喚したようです」
アルブレヒト「まぁ出てくるところ見たしな」
モニカ「お兄様の言うことに間違いありませんわ!」
DM「で、死体の中にどうも闇の儀式のマニュアルみたいな物があった。『これを使って君も陰のある男になろう!』って書いてある書類も出てきた」
一同『うーん?』
ダスティ「なんか聞いたことがあるような……まぁ想像通りでしたね。村人たちの考えは正しかったと」
DM「闇の儀式によってシャドウ・デーモンが召喚された時に眷属とかも出てきたみたいで、どうもこの魔法陣を破壊すれば呼ばれた奴全部送還されるっぽい」
八夏「ならば今すぐ壊しましょう!」
モニカ「これを壊せばあの犬たちもいなくなります」
DM「あと、君らはこいつが完全体で召喚される寸前まで時間かけちゃったこともわかる。ぶっちゃけるとね」
モニカ「そうか、やっぱり時間かけ過ぎちゃったか」
アルブレヒト「結局あのリドルは何だったんだ……」
DM「あれは防御設備の一環として用意されていたものらしいね」
八夏「間違えていたらどうなってたんだろう」
DM「少なくとも得はしなかったであろう」
アルブレヒト「本当の猛悪ダメージ喰らうとかかな」
モニカ「よかったぁ」
DM「部屋を調べてみたらわかることだが、確かにこの部屋には猛悪ダメージ系の結界が張られていて、それをリドルに答えて無効化したっぽい」
レーグネン「だから資格を得たのか」
DM「……というのをモニカがスラスラ言った」
モニカ「はい、言いました。流石に長いので言ったということにさせてください」
アルブレヒト「そうじゃないかと私も薄々思っていた! よし、この魔法陣を破壊するのだ!」
DM「じゃその祭壇を破壊すると、その下辺りに今まで君たちが落としたりしてきたアイテムとかが埋められていた」
八夏「供物にされていたのか?」
DM「ついでに前に殺された冒険者の遺品とかもあるけど、マジックアイテムとかは無いね。全部売って銀貨700枚くらい」
ダスティ「まぁ少しでも欲しかったので十分ですよ」
アルブレヒト「ファヴってなんかタグみたいなのあるの?」
DM「そういうのは無いね。だっていくらでも偽造出来るし」
アルブレヒト「遺品という意味じゃなくて、そういう文化あるのかなって」
DM「あぁ、そういうのも無いです」
クラウス「じゃあハルバードとかワンドは戻ってきたと」
八夏「ハルバードが3本くらいあるのか」
モニカ「ハルバードは? ハルバードは!」
レーグネン「やったー、ヴィゴー!」
八夏「ちょっと!(笑)」
DM「あれが完全体になっていたらこいつらも供物に消えていたのかもしれないね。詳しいところはわからない」
モニカ「じゃダスティにこの魔法陣壊してもらおう。ダスティが止めさしたから1番の栄誉をあげるよ」
ダスティ「壊すのは別に俺じゃなくてもいいような……(汗)」
モニカ「えー、そうかなぁ?」
アルブレヒト「ダスティに壊す権利をやろう」
レーグネン「貴族的だぁ」
八夏「これ壊すのって魔術的な物が必要なんですかね?」
アルブレヒト「こういうのはこの魔術的な紋様を破壊すれば効果は無くなるさ」
DM「これを壊した奴が呪われる可能性もあるから……」
モニカ「え!? 違う違う! かっこいいじゃないですか、剣抜くようなものですよ」
DM「そうねそうね。モニカは悪意無いから(ウンウン)」
モニカ「本当ですよ!」
ダスティ「それはいいんですけど、念のため捜索していいですか?」
DM「それは今(既にしているものと)端折りました(プレイ時間の都合)」
ダスティ「あ、そうですか。わかりました……これ以上無いならいいです」
DM「ちなみにさっきの知識判定の結果からすると、シャドウ・デーモンの討伐褒賞は銀貨2500枚です」
一同『おー』
ダスティ「まぁヤカさんの一撃も大きかったし、ここはみんなで壊しましょう」
モニカ「わかりました。じゃみんなで壊しました」
八夏「悪よ、滅せよ」
DM「ダスティ、嫌なの? 『えー、なんか汚れそうじゃん。モニカやってよ』(笑)」
モニカ「そういうことじゃないよ、本当に!」
ダスティ「せっかくいい雰囲気にしようとしてるのにぃ」
DM「嫌がって水挿したのはお前だろっ!(笑)」
レーグネン「じゃ〈はったり〉振ってもらいます?」

 一同笑い

モニカ「もー、仲良くしようよ(笑)」


 Don't give up justice, I want to get truth! 決めのシーンでアニメのセリフは今後禁止ね……。


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 見事に皆の力で敵を倒した!
 非常に高い回避には手こずったものの、弱体化の効果であろう闇呪文やダメージが抑制されていたことでなんとか成功にたどりつくことが出来た。
 きっちり打つ手を打てれば、ってやつだね……。
 対策や強化だけで満足せず、非実体にも必中となるマジック・ミサイルを多めに用意しておけばもっと完璧だっただろう。

 そして事件の真相はどうやらわかったようだが……、どう決着をつけたものかな。


・モニカ
 当てるだけ偉い、それがちゃんとあたっているのなら!(笑)
 本当、モニカが真っ先に狙われるだろうに狙われなくて、あまりの優しさ(温情という)に思わず「そうですよ!」と言いましたが、狙われないに越したことはないのですよね!とはいえ、実際は「次の敵のターンにモニカが攻撃されること前提」で考えていました(だから間に合いそうにない回復よりも、攻撃できるメンバーの命中率を重視していたのですね)当時は興奮で攻撃的な思考をしていました。
すみません、神様。

 壊す権利……ちょんまげを抜くとか剣を抜くとかそんな感じです格好と思うんですけれどね………。
 この行為が貴族的か、栄誉あるかどうかはともかく、ダスティは本当に友好を示してくれなくてだいぶしょんもりしてます。


・レーグネン
 勝ったー!
 八夏の本領発揮!
 ダスティが最後を決めて面目躍如、と思いつつ今明かされる衝撃の真実(仮)
 皆、疲れてたのかな……。
 そんな中、モニカ様の知識が光る。流石。


・八夏
 暗黒回復支援魔法『ヤッタカ』:唱えると以下のような事が起こるかもしれないので言ってはならない。
・倒したはずの相手が起き上がる
・ドヤ顔で決めた大技が無効化される
・叩き落としたと思った蚊が耳元を飛ぶ等

 ともかく、どうにかこうにか(本当にギリギリで)倒すことが出来ました。これが巨大化した力だ!(違

 お兄様の大敵である犬達も消え去ったようなので、これで村も平和になる……なってもらわないと困る(汗

 それにしても思っていた以上にドストレートな証拠っぽいものが出てきてしまった。
 プレイ当時「どうしてこうなった!?」とか思ったなぁ(笑


・ダスティ
 ボスキャラにとどめをさせたのはうれしかったのですが、何かカッコいいことを言うとなると、気恥ずかしさが先に立って、ついアニメネタを口走ってしまいました。ボードゲームをやっていても、たまにそういう状況があるのですが、たいていアニメネタとか下ネタを言ってしまいます。さすがにここでは下ネタは言いませんが……。あと「魔動王グランゾート」のメカではウインザートが好きだったんです。「魔法騎士レイアース」だと海ちゃんが好きなんですけど……。
     
“真実は見えるか”キャンペーン 第4回 チャプター16

 アルブレヒト・ヴォルフェンビュッテル 魔導師(ウィザード)4
 モニカ・ヴォルフェンビュッテル 神寵者(フェイヴァード・ソウル)4
 レーグネン 神官戦士(クレリック・ウォリアー)4
 天杜八夏 侍4
 クラウス 魂刃士(ソウルナイフ)4
 ダスティ 巧者(ローグ)4


ダスティ「さて、終わりましたね」
DM「……あ、ごめん。部屋の隅の方にももう一つ死体があって、こっちはどうも持ち物からしてあんまり腕の良くない魔導師のようだ」
レーグネン「前任者の死体かな?」
八夏「前任者?」
アルブレヒト「我々の前に来た冒険者の……」
八夏「あぁ、確か三人死んで一人頭おかしくなって帰ってきたって言ってた?」
DM「全然違う」
一同『え?』
DM「そいつらの死体ではないです。こいつもミイラ化している」
ダスティ「では何者なんだろう……」
クラウス「同時期と考えると、協力者かそそのかした奴かですかね?」
レーグネン「一応彼も持ち帰るか」
DM「術者風の恰好はしているんだけど……ダスティ、〈知識:地域〉振ってみて」
ダスティ「はい……15」
DM「バカを騙すインチキ魔導師ってこんな格好しているよなって思った」
一同『あー……』
クラウス「ペテン師か」
モニカ「ダスティ的にはピンと来たわけですね」
レーグネン「ダスティはなにかわかるのか?」
ダスティ「えぇ。多分こいつはインチキで金を騙し取る奴ですよ。そういうのがよくしている格好です」
アルブレヒト「ざっと見て魔導師が持っているべきものを持っていないとか?」
DM「はったりが効きそうな物を持ってるね。素人が見たら魔導師っぽいと思う」
クラウス「つまり、素人騙してお金を巻き上げようとしたら、実はあの本が本物だったのかな?」
八夏「もしくは、逃げ損ねたか……まぁそれはわからないか」
アルブレヒト「陰のある男が好きって言われたからって……」
八夏「まったく、愚かな!」
レーグネン「許せるものではありませんな」
アルブレヒト「あとは、リスト家に持って行けばいいか」
ダスティ「そうですね。最後どうなったかは伝えてあげた方がいいでしょうから」
八夏「ミイラですが仕方ない。彼もまた被害者だったな」
レーグネン「彼のことは真実を村人に話すと約束している。公にするしかない……いや、するべきだ。それには依存は無いな?」
八夏「あぁ」
ダスティ「問題無いです」
アルブレヒト「しかし、ペテン師と貴族の四男坊があんな魔物呼び出せるのか……」
DM「儀式自体はガチだと思ったね」
八夏「その本……マニュアルでしたっけ? それってまだ読める状態なんですか?」
モニカ「開けたら何か出てくるのかな?」
DM「この本を読むと、召喚するための触媒やらなにやらのまるごとセットのうちにこのマニュアルが含まれていたみたいだね」
モニカ「へぇ」
DM「『誰でも簡単に陰のある男になれる妖魔を呼び出せる!』って書いてあるな」
アルブレヒト「こっくりさんじゃねーんだぞ」
八夏「妖魔ってレベルじゃないぞ、アレ……ペテン師が持ってるにしては少々危険過ぎるな(汗)」
DM「書かれている内容自体はガチなのよ。下手したら銀貨数千枚かかってると思う」
レーグネン「セットの価格がですか?」
DM「書かれている触媒とか資材リストとか見てみると中々に金のかかる儀式だなと思った」
八夏「貴族なら出来るってことか」
アルブレヒト「デーモンなんて条件揃えれば出てくるもんなのか」
DM「出てくるよ」
モニカ「私たちが処分するより教会で処分してもらった方がいいかな?」
クラウス「じゃ併せて教会に報告しますか」
アルブレヒト「この知識自体は有名で、準備の方が大変だからやられていない感じ?」
DM「知識自体も広めたらさすがにヤバいことになるよ」
モニカ「お兄様に陰なんて必要ありません!」
アルブレヒト「輝ける男だからな!(フンス)」
DM「モニカはこの儀式を見たら『これ絶対呼んだ瞬間死ぬの自分だよな?』って読んでわかった」

 一同笑い

八夏「最後に自分の命捧げるやつだった!」
クラウス「あかん奴だった」
アルブレヒト「出てきた奴に喰われるのがオチか」
DM「喰われるまでがセットの儀式なんじゃないかと思った。ただ、後半それが端折られているっぽいと思った」
八夏「意図的に隠されていたか」
アルブレヒト「誰かに利用されたっぽい感じか」
DM「逆に、だから貴族のこいつでも呼べたんだろうなって感じだね。召喚されたデーモンの強さにしてはコストもだいぶ安いし」
アルブレヒト「確かに、自分が死ぬの前提の儀式やる奴なんて普通いないからな」
モニカ「黒幕がいるのか……」
アルブレヒト「やっぱり自分の命と適当に連れてきた生贄の命じゃ違うのかね」
DM「命の価値は人によって違うよ。平等じゃ無いよ」
アルブレヒト「他人の命じゃなかなか代用にはならないってことか」
DM「なるかもしれないよ。でもそんなことするほど彼は悪人じゃなかったのかもしれないよ」
モニカ「そんな気はする」
アルブレヒト「まぁ誰かの命が必要って知らなかったしな」
DM「どっかしらの孤児院から子供が攫われて代用されることもあるかもしれません」

 生贄としての命の査定は様々で、聖職者だったらより効果的だったりと色々なんですが、単純に「自分の命」と「他人の命」でも大きく変わってくることは珍しくありません。

八夏「結局死体は四男坊と思われる方だけ持って帰ります?」
モニカ「持って帰りますよ」
アルブレヒト「これを引き渡す相手は? 村人に突き出すのか?」
レーグネン「いえ、村人に突き出しはしません。亡骸はリスト家に戻さないといけないと思いますし。でも真実は詳らかにしなければなりません」
八夏「伏せるつもりは無い。やましいことは何も無い」
アルブレヒト「選択の余地が無かった」
ダスティ「ただ、我々がリスト家に持っていくわけにはいかないですよね?」
レーグネン「持っていくならヤカに頼んで『悪を成敗しました。ここの四男は悪でした』って言ってもらうしか無いかな。あ、今の報告する内容は適当ですけど」
八夏「事の顛末を伝えて亡骸を渡せばいいかな」
ダスティ「ヤカは顔バレしてませんからね」
アルブレヒト「『死体を引き渡せ!』って村人たちが言い出したら面倒だな。先に持っていったら『このことは内密に……』って言われそうだし」
レーグネン「じゃ同時に進めます?」
アルブレヒト「いや、そういう小賢しいことはしない方がいいだろう」
ダスティ「では村で報告してからヤカにリスト家に行ってもらいますか」
レーグネン「まぁ本当にこの死体が四男坊かどうかは我々では確認出来無いですけどね」
八夏「それらしき者がいましたとしか言えませんね」
モニカ「ちなみに、最初の分かれ道の反対側も行ってみたいです」
アルブレヒト「今見て帰るの? それともまた来るの?」
ダスティ「今行くと犬はいなくなったけど他の何かがいたら、回復出来ないのでモニカはピンチですよ?」
アルブレヒト「確かにね」
八夏「モニカ殿、すでにフラフラであることを忘れずに」
ダスティ「まぁ村の後々の安全を考えるならあっち側も確認するというのはありだと思いますよ」
モニカ「わかりました、また後日にしましょう」
ダスティ「じゃとりあえず戻りましょう」
クラウス「一応わんこには警戒して……本来はいないはずですが」



DM「では村に戻って……『今度こそ勝ったんですよね!』」
アルブレヒト「うむ、邪悪なる魔物は我々が討ち倒した」
DM「村人に囲まれるね。『ヒャッハーー、こいつが下手人かー!』って言って死体を引っ張り出そうとするかな」
八夏「やめい!! また〈威圧〉するか……(溜息)」
DM「あの……貴女の正義は『暴力で黙らす』ことでいいの?」
八夏「…………死者を冒涜することもまた悪だと思うので」
DM「八夏の正義は『気に入らないことがあったら怒鳴りつけて脅して意見を通す』ということなんですね?」
八夏「それは……ちょっと待ってください。うーん……」
レーグネン「まずは言葉を尽くしてみましょう」
DM「まぁ多分、怒鳴りつけていることに対して相手を怖がらせている自覚は無いのかもね。『私は普通に喋っているだけです』って」
八夏「それはあるかもしれないですねぇ」
アルブレヒト「まぁ死体を引っ張りだそうとしたらさすがに……」
DM「村人の倫理観的には別段変なことをしているわけではないのだが、じゃあ引っ張り出そうとするんじゃなくて質問攻めにされるかな。『コイツは誰なんですか!』『こいつが犯人ですか!』『顔を見るんだ、顔を!』って」
ダスティ「顔を見せるのは別にいいんじゃないですかね。見てわかるものか知りませんが。逆に村人はわかるのかな?」
村人「なるほど、わからん」
一同『ですよね』
八夏「状況的におそらくこの者が召喚してしまったと思われるが、この者も誰かに騙された証拠があった」
アルブレヒト「何者かに騙されて悪魔を召喚し、自らも喰われてしまった犠牲者のようだ」
八夏「行ったことは赦されることでは無いが……」
村人「騙されたからって闇の儀式するのかよー! どうせ碌なこと考えてないからだろ!」
八夏「…………しかし、だからと言って死体に鞭打つような真似は私が許さない!」
DM「いや、誰もそんなこと言ってないから」
八夏「あ、そうでした(汗)」
DM「『彼が騙されたか』とかいう話より『彼が何者なのか』って話だから」
クラウス「見ての通り身元が分かる物は残っていなかった」
村人「ではこいつは何者なんですか? あの貴族のボンクラ四男坊じゃ無いとしたら」
レーグネン「その四男坊である可能性も否定出来ない。それを含めて確認する必要がある。事実は必ず君たちに知らせることを約束しよう!」
ダスティ「ヤカもそう言っちゃいましたもんね」
八夏「実際はっきりさせたいですしね」

 皆さん、この約束を覚えておいてください(笑)

DM「君がそこまで言うなら周りは引き下がるね。『神官様がそういうなら……』」
レーグネン「でもこれ貴族の方に『こいつ知ってます?』って言っても『知らねぇ』って言われる可能性も十分あるわけだよなぁ」
ダスティ「その時はもう仕方ないんじゃないですかね」
レーグネン「まぁ真実を明らかにするべきだからね」
ダスティ「行動は起こしたということにはなるので。なので、俺らが行くとまずいのでヤカに行ってもらって確認してもらうしか無いですね」
八夏「それでいいでしょう」
モニカ「……ヤカだけで行ったら『なんで聖騎士様が来無いんですか?』とか聞かれそうじゃない?」
ダスティ「うーん……事後処理のため来れないとか言うしか」
アルブレヒト「誰かしら行くべきか」
レーグネン「じゃヘルムしたままで行って、事情により外せませんって言うのは……失礼過ぎますかね?」
モニカ「呪いですか(笑)」
レーグネン「そういう奴もいるねって感じですかね」
アルブレヒト「所詮傭兵風情だから気にしないでって感じ?」
ダスティ「一応ヤカも身分がある人なんですよね?」
DM「いや、無いよ」
八夏「多分知らないと思います」
DM「5000キロくらい外国の方がどうかしたの?」
ダスティ「あぁ、そんな感じですか(汗)」
アルブレヒト「まぁ確かにヤカだけ行かせるのもちょっとおかしいか」
DM「『正体は明かせません』って言って、相手がそれを信じるかはわからないけど、そう言って突っぱねるというコマンド自体は受け付けるよ。相手がどう思うかは別として」
ダスティ「やはり、あの者のことは確認してもらうべきじゃないでしょうか。いくらとんでもないことをやらかしてしまったとはいえ、子供がどうなったかを知りたいと思うのが親というものだと思いますので」
レーグネン「家名に泥を塗った馬鹿息子なぞ、切り捨てる可能性は十分にあるぞ?」
ダスティ「それが親の判断というなら仕方ないのではないでしょうか。ただ、このまま知らないよりは……」
DM「……(笑いを堪えている)」
ダスティ「……なんですか?」
DM「いや、『親が勘当した息子の命なんて知ったこっちゃねーって言うのも、まぁしょうがないよね』って考え、大分貴族的だよね?(笑)」
ダスティ「えーー!? そうなんですか? マジでぇ……」
DM「そこ、あっさりと『しょうがない』んだって思っちゃうんだ。レーグネンは『うん、そうだね』って思うよ」
レーグネン「『向こうは家の被害を防ぐためなら死んだ息子なんてどうでもいいってなるよ』って言ったら『うん、そうかもね』って言われちゃったら『うん、そうだよな』って感じになりますね」
ダスティ「いや、俺が貴族的というより、貴族ってそうだよねって感じで」
DM「そういうことね。『貴族なんてしょせんそんなもんだよ』ってことね」
ダスティ「それが貴族なんじゃないのっていう……別に下に見ているとかいうんじゃなくて」
アルブレヒト「まぁその時は無縁仏として葬るかな」
ダスティ「クラウスは何かありますか?」
クラウス「今回の件はレーグネンに一任するかな。誓いのこともあるし」
レーグネン「よっしゃ、頑張るぜ」
DM「軽い信頼(笑)」
レーグネン「その信頼を受け取ったので」
アルブレヒト「結局鎧はどうしてるんだっけ? 偽装しているんだっけ?」
DM「偽装というか、徽章を隠せば大抵わかんないけどね。徽章を削るのは屈辱だけど仕方ないね」
ダスティ「しかし、音に聞こえしモニカ様なので、見る人が見たらわかっちゃうんですかね」
DM「そこは良くも悪くもレベル4だしね。まだまだローカルヒロインだから。ここも何百キロも離れているから。仙台最強の女かもしれないけど、ここ山梨だからみたいな」
八夏「微妙……(汗)」
DM「ただ、貴族に会った場合は保証しない」
ダスティ「そういう話でしたよね」
レーグネン「アルブレヒト様もリスト家のこと知ってましたし」
アルブレヒト「レーグネンくらいまで行けば大分可能性は下がるけど」
ダスティ「結局ヤカだけじゃダメなの?」
アルブレヒト「ヤカとダスティが行けばいいんじゃない?」
モニカ「ダスティが止め刺したんだし」
ダスティ「そこは引っ張らなくていいですから……単純に万が一のことを考えるとダスティはやめた方がいいんじゃないかと」
モニカ「まぁダスティの場合は門前払いされる可能性はあるし、それはちょっと傷つくかもしれないから行かないでいいと思います」
アルブレヒト「ヤカもある意味似たようなもんだけど……まぁ雇った傭兵が報告に来たら話くらい聞くだろう」
ダスティ「傭兵として行く分にはいいんじゃないですかね」
レーグネン「そうするとやっぱりヤカだけで行くのは変だな」
モニカ「手負いだってことにするしかないかなぁ。大分手負いなんで」
レーグネン「私も行くかぁ……」
DM「『治そうと思えば治せるけど手負いということにしておきたいので治しません』を隠す〈はったり〉頑張れ(笑)」
モニカ「レーグネンとヤカで行ってもらうしか無いか。レーグネン、騎士だもんね」
レーグネン「元、ね」
モニカ「いや、見た目がさ。騎士もいないと格好つかないし」
ダスティ「では私たちはその間村で待機してますか」
モニカ「村人の方はどうなりました?」
DM「レーグネンの言ったことに納得してくれたね。村長が『皆の者、これからが大変だぞ。この村が受けた被害は決して軽くないのだ』って話してる」
モニカ「そうだね」
村長「……(ま、ワシは平気だったけどな!)」

 一同笑い

レーグネン「余計なことを!(笑)」
DM「内心でそう思ってるわけですよ」
モニカ「言わない所がね……村長として」
アルブレヒト「『これでますますワシの地位も安泰だな』とかも思ってそう」
ダスティ「まぁその分頑張って我々の世話をしてくれましたし……(汗)」
DM「身も蓋も無いこと言うと、別に村人の家畜が死のうが村長の収入には全く関係無いんですよ。領主の税収が減るだけで」
村長「さすが神寵者様達ですな。そのような恐ろしい魔物を退治するとはまさに英雄! この村の伝説として永遠に語り継ぐ予定ですぞ」
アルブレヒト「はっはっは、良きに計らえ……あ、しまった。本名じゃない……(ガーン)」
ダスティ「名前広まったらまずいので……」


モニカ「ではヤカ様、レーグネン。お願いします」
レーグネン「ドラゴンの件、大丈夫だったのも伝えてもらわないと」
村人「では周りの村に第一報伝えてきます。神寵者様が邪悪な企みを滅したと」
モニカ「勝手にやってくれるんだ」
DM「ドヤ顔ですよ。『俺が協力したんだぜ(ドヤァ)』って」
ダスティ「ここの村の人たちってこんな感じなんだなぁ」
DM「何処の村でもこんなもんだよ。じゃ行きましょう」


八夏「失礼。ファヴより派遣された傭兵のものなのだが、リスト家の方にお目通りを願いたい。エレル村の討伐の件で報告があるのだが……」
城内騎士「これはレーグネン殿。よくいらしてくださった」
八夏「……あれ?」
ダスティ「ダスティの時と同じ扱いを受けてる」
レーグネン「初日に来ていただいた城内騎士の方ですね。無事神寵者様の活躍によって……」
モニカ「神寵者って言っちゃだめだよ(汗)」
DM「一応は言っちゃ駄目でしょ。隠してたでしょ、ずっと。まぁ村人達にはお兄様が豪語してるんで手遅れ感凄いけど」
レーグネン「あ、そうか。それも隠していたか。すみません」
モニカ「聖騎士としか言ってない」
DM「まぁモニカは言ってない。なんにせよ今後口を滑らしたらキャラが本当に言ったことにして進めるぞ。手遅れ感凄いけど」
レーグネン「モニカ様の活躍によって無事根源を断つことが出来ました」
城内騎士「そうでしたか。しばしこちらの別室でお待ちください。さぁ従者の方も」
八夏「は? ……う……ハイ……(グヌヌ)」
レーグネン「ありがとうございます」
アルブレヒト「死体はどうやって持って行ったんだろう」
DM「従者の方が」
レーグネン「死体のまんまじゃおかしいか」
八夏「桶にでも入れていきますか」
DM「棺担いでるんじゃない?」
レーグネン「どうするのが正しいんですかね?」
DM「まぁ基本的に村で馬車借りて、棺乗っけて入り口に繋いであるんじゃないかな。じゃあしばらくすると領主のリスト様が来たね」
レーグネン「おお」
DM「ただ、若干空気が重いです。あまり歓迎されている感じじゃないです」
レーグネン「正面までご足労頂きありがとうございます。そして故あってこの兜を外せないこと、大変ご無礼申し上げます」
リスト「その故とは?」
レーグネン「あのー……晒せぬから故なのです。大変申し訳ありません」
DM「〈はったり〉を……いや、はったりもなにもないか。完全に隠し事してるからだもんね」
リスト「ほぉ、この私の前には顔を見せられないというのだな?」
レーグネン「大変申し訳ございません」
DM「まぁ割と内心この場で首刎ねられても文句言えないことをしている自覚はレーグネンにはあります」
レーグネン「ですよね(汗)」
DM「でもこっちはこっちで戦勝神教会に喧嘩売りたくないから、権威に負けた感じですね。なので空気が滅茶苦茶重いです」

  イラスト:★Yuuki
不動リスト星「権力ってヤツか……気にいらねえな……気にいらねぇ!!」

 権力者の中でも末端過ぎるリスト家、苦渋の屈服!!

リスト「それで要件とは?」
レーグネン「リスト家の噂について、耳に挟んだことがございます」
リスト「ほぉ、噂とは?」
レーグネン「四男のエルマー様が出奔なされた……いや、行方不明になられたという噂を聞いております。行先について心当たりはございますでしょうか?」
リスト「行方不明なのだろ?」
レーグネン「村で聞いたところによると、どうやらエルマー様は近くの森にある廃坑に向かったという話を聞いております」
リスト「ほぉ……」
レーグネン「その洞窟の中で遺体を発見いたしました。今は外に繋いだ馬車の棺の中にいる方なのですが」
リスト「なるほど。持ってこさせよう」
DM「では待っている間に」
リスト「ところで聞きたいのだが、洞窟では何があったのだ?」
レーグネン「そうですね……村の家畜を襲ったと噂されていた闇の獣共が跋扈しており、それらを倒し洞窟の最奥に至りました。そこではデーモンを召喚する儀式が行われておりました」
リスト「なんと、邪悪な……そしてそれを貴様たちが討伐したと?」
レーグネン「そうです。幾多の困難を超えデーモンを退治し、それに付随して呼び出されていた眷属達も闇に還りました」
リスト「すばらしい。村人たちもさぞや安心しただろう」
レーグネン「ありがとうございます」
DM「で、棺が届いて死体を見て」
リスト「……知らぬ顔だな……褒美を取らす」
ダスティ「あー、なるほどね」
レーグネン「一応〈真意看破〉してもいいですか?」
八夏「私もいいですか?」
DM「どうぞ。宣言しなくても自動的に振らされる技能である(笑)」
レーグネン「平目だけど……6」
八夏「26」
DM「じゃ八夏は何か疑わしい違和感を持った」
八夏「まぁそうなんだろうなぁと」
DM「それじゃ褒美として金貨が入った袋をレーグネンに渡します」
リスト「ご苦労であった。帰ってよろしい」
レーグネン「金貨受け取って帰るしかないか……」
八夏「……これは私の独り言なのですが、この死体はどうやらペテン師に騙されたようでありました。この者とて、悪であったわけでは無いかと、勝手に思っております」
リスト「うむ、かもしれんな。さぁ帰れ……不憫な話だ」
八夏「では……」
DM「ということで、ぶぶ漬け喰って帰れって言われました」
八夏「レー……おっと、名前呼んじゃいそうになった(汗)」
DM「大丈夫。名前は自動変換されているから。変な偽名付けても感情移入出来ないので」
レーグネン「逆に言うと、ヤカも『レーグネン』って本当の名前を知らないかもしれない可能性が」
八夏「あぁ、実際は偽名の方で呼んでるかもしれないんですね」
DM「もしかしたらもっと可愛い偽名になってるかもしれない」
レーグネン「『レッたん』になっているかも(笑)」
八夏「なるほど、では『レーグネン殿、戻りましょう』」
レーグネン「わかりました」
DM「じゃ帰ってきたよ」
アルブレヒト「おー、お帰り。どうだったー?」
DM「完全に寝っ転がってフルーツ喰いながら待ってた感じだな、お兄様(笑)」

 一同爆笑


 Don't give up justice, I want to get truth! 第4回終了!!! 続く!!!


●プレイヤーズコメント

・アルブレヒト
 長かった探索行の末、ようやく事件の真相に至ることができた。
 依然として村人への説明にどう結着をつけるかは定まってはいないものの、ひとまずはこの遺体を肉親の元に引き渡してやるのが良いだろう。
 アルブレヒトとモニカは、万が一でもリスト卿に顔を知られていると大変なことになるので、三席のレーグネンに行ってもらうことにしたのだが……それにつけてもこの顔、完全に悪役のそれである。あれ……?



・モニカ
 レーグネンとヤカだけを向かわせるというのも難しいところですね、このパーティーは。
 騎士っぽい(面目だとか、名誉だとか)ことは思いつけばロールプレイで反映できるのですが、中世の価値観だとか、騎士のプライドだとかのインプットがとても少ないので、変なところでしか「っぽい」ことができないので勉強の必要はありますね。
(しかも、「っぽい」ことをしたせいで「らしくない」ことになっているという)

 あとレーグネンのCVはもうこれで決まったのだろうか(笑)

 当時、レーグネンの中の人はとても温厚なロールを行っていらっしゃったのですが、まさかキャラクターはこんな牛尾さんな感じになってしまう、とは……。


・レーグネン
 ゴヨウする側かされる側か怪しい所もありつつ(笑)
 騎乗デュエル! するにはまだランクが足らないか。
 意図せず神の威を借りて正面突破する感じに。だいぶ悩みつつも、結局かなり無策に近い形になってしまいましたね。真実より金というわけではないのですが(笑)


・八夏
 見た目は恐ろしく胡散臭いのに中身は本物という、たちが悪いにもほどあるスターターキットがあるらしい(汗
 新たな陰謀の予兆なのか、フローラントでは日常茶飯な悪徳商品なのか、どっちにせよひどい話である。

 予め「知られていない」と分かっていても、本当に目の前でスルーされるとは思わなかったなぁ。
 まぁダスティの時みたいな辛辣なこと言われなかっただけマシ、なのか?

 リスト家への確認も終わり、長かったこの冒険も新たなフェーズへ!

 それと今回も素敵なイラストありがとうございます。
 なんだかダスティのことも「クズ」と呼んでたのにそのうち認めそうな……いや、前回のアレがあるから無理かな(オイ


・ダスティ
 敵は倒したものの、まだ問題は残っていた。リストとの交渉が最後の難関に!
 イラストだとレーグネンが、すごいドヤ顔していて笑ってしまいます。実際には神妙にしているはずなんだけど、リストにはこう見えていたのかなぁと。

 間違いなく見えていた。兜の中でドヤッてんだろうな、と。