■“海洋”キャンペーン 第1回 ・ライザー ファイター4/レンジャー2 ・ダス インビジブルブレード1/ローグ3/レンジャー2 短剣のプロな上級職。名前がカッコイイな! ・アウリス クレリック6 海洋神を信仰する槍使い。選択領域は海洋と嵐。 ・リッツ エルドリッチナイト1/ウィザード5 ランサーを携えた魔法戦士。 槍ばっかだな、このパーティー! 今回は沿岸地域をメインのキャンペーンだという前置きをしていたので、前衛は水泳技能を高くしたり、金属鎧もミスリル製にして軽量化をはかるといった対策を施しているのだ。 岩場を荒らす大型海産物軍団を駆除して欲しいとの依頼を遂行するパーティー。 早速リッツが使い魔の鷹を索敵に飛び立たせる。上級使い魔の特技によって得たそれは単なる鷹にあらず。聖獣なので、人間並の知力を持つ。そして聖獣に限らず使い魔の基本能力として、直接会話も可能だし遠距離でも大まかの感情がテレパシーでわかるのだ。 ホークアイ「こちらホークアイ。これより索敵を開始する」 ライザー「早期警戒機!?」 DM「だいたいそんな感じだろう! 視認技能が超高いし。……で、帰ってきたよ」 ホークアイ「獲物がいたぜ。大ガニだ。数は3」 リッツ「そんなキャラじゃないもん!」 アウリス「そんな喋り方なんですか?」 リッツ「聖獣なんだからもうちょっと……」 DM「いやいや、威厳はある(笑)」 ライザー「かっけぇ!」 アウリス「男らしいな」 ホークアイ「内訳は超大型1、大型2。こっちに近付いてくる。距離は……あと二分ってところだ。飛び道具で先制したいところだが……水面下じゃそうそう当らんな。チッ」 アウリス「なんでそんなカッコイイんですか!?」 ライザー「や、ヤシガニだ!」 アウリス「これワタリガニだ!! ジュルと皆が涎を垂らすな」 蟹「キャンサー1。敵は岩の上にいるな。突撃だ」「ロストユニバース4、ラジャー!」(そんな知能は無い) というわけでジリジリと迫りくる甲殻機動隊を待ち受けるパーティー。 結果的にこれが命運を分けたのだが、それはそれとして接敵開始。 前衛同士の戦いは地力の強さや高所の有利も手伝い、互角以上の戦いが繰り広げられるのだが。 超大型の攻撃がデンジャラス。体格を活かした強力な掴み強化はまともにやりあったら対抗不能なので、ライザーをエンラージパーソンで大型化+グリースによるヌルヌルを付与。組み付き対抗ロールを大幅に向上させてガチバトル。 だが組み付き中なので自慢のダブルスピアが使えないライザーと違い、爪でねじ切ってくるカニはフルパワー。劣勢は明らか。 ライザー「くっそー! 振りほどいてはまた捕まってで何の役にも立てねぇ!!」 当然そんなことはない。ライザーが最大の敵の攻撃を一手に引き受け、その隙に仲間が戦うわけだから。当人的には自分が攻撃出来ず、一方的にダメージを受けてることが辛いかもしれないが、それが仕事なのだ。むしろ大活躍である。 で、今回はルール的に不慣れな水際の戦闘ゆえ、一つ一つのルール説明も交えてプレイヤーに慣らさせる目的もあって、ある程度戦闘が長時間かかることは覚悟していたのだが……。結果的に二時間半かかったのは予想外過ぎた(笑) 力術を得意とするリッツが攻撃呪文の投入タイミングを逸し、劣勢になってからガンズフリー状態になったり、第二のアタッカーであるダス(インビジブルブレードは短剣戦士だからね!)が水中戦に向かない斬撃武器であるククリを使用し続けていたことによって、ダメージ能力が激減していたことが大きな原因と思われる。 泥沼の消耗戦でリソースの殆どを使い果たしたパーティーは、早々に今日のアタックを終了し、帰還するのであった。 翌日。再び使い魔による先行偵察。 ホークアイ「行ってくるぜ。哨戒を開始する」 リッツ「こちらヘッドクォーター。了解」 最初は嫌がってたが、既にノリノリ。 ホークアイ「カニの姿は確認できなかったな……だが、エビがいる。三匹だ。奴ら、衝撃波を叩きつけて来やがった」 アウリス「凄い情報を持ち帰って来たぞ」 というわけで今度はエビ。いやまぁ魔獣なんですけどね。PCが誰も知識ロールに成功しなかったので、不確定名エビ(笑) 今回は早々に浅瀬へ降り、真っ向勝負。というか、カニと違って割と素早く泳げる為、隠れ身を見破った地点から接敵までにあまり間がなかったのだ。結果的に先制のファイアボールをしようとするも、「撃った後下がれない」という間合いにまで瞬時に詰め寄られ、フォローのために前衛が立ちはだかったことで戦線が前倒しに。 DM「では先程ホークアイの報告にもあったように、衝撃波が君達を襲う」 エビ「敵艦隊に水雷戦をしかける。魚雷発射管、開け。音響魚雷、発射!!」(だからそんな知能無い DM「いやまぁ音響魚雷の意味が違うが! で、ハサミを打ち鳴らして発生させてるね。三〇フィート円錐なんで、アウリス以外の全員頑健ST。ダメージに加え、失敗すると朦朧化」 アウリス「なんだってー!?」 で、エビ三連星は絶好のポジションだぜと言わんばかりに、残りの二匹も同様に三人へ衝撃波攻撃。結果としてライザー以外朦朧化……どころか昏倒。 ライザー「やべぇ……敗戦ムードが」 HPはボロボロだが健在ではあったライザーが獅子奮迅の働きでどうにか戦線を支えつつ、アウリスが必死に傷を癒して回る。 DM「限界バトル叩きつけて〜」 ライザー「傷付いたっていんじゃなーい」 しかし正気を取り戻したリッツが起死回生のファイアボールを叩き込んだ辺りから、形勢はPC側に傾き始める。ライザーが一匹撃破し、もう一匹を半殺しに追い込む。一方エビに組み付かれ、今度は予備の刺突武器であるダガーで奮闘するダスは苦戦していた。 アウリス「それじゃ組み付いてるエビにシアリングライトを撃ちます。遠隔接触なんで命中判定……20!」 DM「クリティカルロールじゃないですか」 だがクリティカルロールのダイス目は1。単なる自動命中。 アウリス「ダメージはアンデット相手じゃないから3D8ですね」 リッツ「光線だから……今どっち狙った?」 アウリス「こっち」 DM「組み付き中の敵に遠隔攻撃をする場合、50%で味方に当たるんで……」 アウリス「ああ、そうか! それを忘れていた!」 DM「偶数出れば敵に命中ってことで」 アウリス「……出ません!(悲鳴」 DM「じゃあ彼(ダス)にトドメの一撃を(笑)」 アウリス「死んじゃう……」 ライザー「死ぬんじゃねぇ?!」 ダス「今HP13……」 全員「これヤバい! ヤバいじゃん!!」 アウリス「死んだ!! 17ダメージ!」 まぁ幸いHP-4で昏倒状態。 アウリス「く、クローズウーンズ発動。9点回復してください」 DM「悲しみのループ」 アウリス「何をしてるんだ俺は(泣笑)」 とまぁ最大の危機もどうにか脱し、リッツの攻撃呪文でエビを撃破。一匹は退却で勝利。 が、例によってリソースが枯渇したので撤退。 DM「でさ、ホークアイの報告で『衝撃波を叩きつけて来た』ってあったよね?」 アウリス「ありましたね! …………マス・レジスト・エナジーか!!(持ってた」 DM「せっかく彼が自分の身を危険に晒して教えてくれたのに!(笑)」 アウリス「なんてこったい!」 DM「あとあいつへの知識技能持ちが三人もいて、誰一人成功しなかったのも誤算だった(笑)」 甲殻機動隊との戦闘に辛くも勝利した冒険者達は、岩場の中に四ヶ所の深い縦穴を発見。サイコロで適当に決めて彼らは剣呑な海へダイブする。 先頭を進むライザー。彼はレンジャーでもあるので、斥候としての力はローグほどじゃないにせよ高い。こんなところに罠があるとも思えないので、不意討ちに対して打たれ強い彼が矢面に立つのだ。 そして案の定、不意討ちされる(えー DM「こいつ隠れ身が結構あるんだ」 リッツ「ああ、タコだもんね」 DM「そう。擬態するんだ。というわけで不意討ちラウンド。触手ニョロ〜。命中。掴み強化」 ライザー「マジで!?」 アウリス「またか!」 DM「いや、掴み強化持ちを狙って集めたわけじゃないんだけど、皆持ってるんだよ!」 リッツ「ああ、タコさんの家でしたか。どうも失礼しました。(組み付かれたのは助けるにしても)さようなら〜ってほっとけばいいんじゃない?」 DM「その判断は君達に委ねるのですが、タコの巣には金目のモノっぽいのがゴロゴロ転がっとります」 全員「よし!!」 DM「ではライザーにタコ乱舞のタコ乱舞。触手八回、噛み付き一回」 ライザー「マジで足の数だけ攻撃なのか! 痛ぇ!! HPが半減した!」 アウリス「キュアシリアスウーンズを唱えます! でも回復が追い付かない! しかもそう何度も使えないよ!」 タコがライザーに組み付いている隙を突いてダスが全力攻撃を叩き込むも、ダメージダイスの八割でダイス目が1というデンジャラスなハードラックとダンスっちまいぶりでオーマイコンブ。 一方、グリースの呪文を貰って互角のダイス勝負に持ち込み、どうにかライザーは組み付きから脱出。 DM「タコは墨を吐いたよ。20フィートまでの空間が完全視認困難」 視覚を奪われ、綿密な連携をとることが出来ないパーティー。回りが見えないのはタコも同様なのだが、自分以外は全部敵なのと違い、PC達はそうもいかず。触手プレイに苛まれる仲間に回復呪文をかけようにも、姿が見えないから50%で触り損ねる……どころか25%の確率で敵に触って回復してしまう危険が。 タコの攻撃力は半減したといっても元が9回攻撃である。痛い(通常攻撃の場合 そして組付きからの攻撃は二回に落込むものの、一発あたりのダメージは非常に重く、盲目戦闘によるペナルティを受けない。だって締め付けてるだけだから。 結果、次に触手に囚われたダスへ思うように回復呪文を飛ばせず、勇戦虚しく昏倒。 しかしその時アウリスの目がキラリと光った! ……かどうかはともかく、彼は先程聞き慣れない呪文を唱えていた。 (回想始め) アウリス「ボディブレーズを発動します」 リッツ「凄い通好みな! 組み付かれるとダメージ与えるだっけ?」 アウリス「組み付きばっかだったから!」 そう、この呪文は身体に魔法の刃を発生させ、組み付きを試みようとする相手にダメージを与え、その上そのダメージが組み付き対抗ロールへのボーナスになるというもの。 (回想終わり) ダスのリタイアによって空いた戦線の穴へ、アウリスが立つ! 襲い来る触手! DM「じゃあ攻撃……命中で、組み付き強化が」 アウリス「11ダメージです。で、こっちの対抗ロールに足します」 DM「そりゃ勝てない! っていうかこっち手数系だから目茶苦茶相性悪くない!?」 そう、まさにキラースペル。組み付きを試みられるほどにカウンターが炸裂し、対抗率も高いのだ。 全員「すげぇ! 流石だ!」 アウリス「それを打ち消すくらいに行動をさっきしちゃってたから!(シアリングライト誤爆」 全員「うはははは!!」 アウリス「これでようやくプライマイゼロ……いやゼロかぁ? まだマイナスな気がする……!」 リッツ「誉めてあげる誉めてあげる!!」 ライザー「すげー、ファインプレーだ!」 結果的に「コイツなんか痛い!」とタコに警戒され、攻撃はライザーに集中。回復役が行動を封じられるという最悪の事態を避けたことにより、最終的にはライザーが昏倒するまでに苦戦するも、リッツが魔法戦士の意地を見せてダメージ呪文を叩き込み、トドメはランサーで突き殺すのであった。 お楽しみのお宝タイムはランダムトレジャー。 金や宝石といったのはそれ程でもなかったのだが、マジックアイテムでダイス目が炸裂。ゴーグル・オヴ・マイニュートシーイングとエレメンタル・ジェムを入手。他の品と合算して5000枚はあろうかという大漁ぶり。 ちなみにこーいう「無理に倒さなくても話が進む敵」は得てして「下手に手を出すと痛い目を見る敵」である。“竜”キャンペーンのガウスも然り。特に金の匂いをちらつかせてる場合は尚更に(笑) 実際物凄く苦戦していたし、死者が出てもおかしくない敵として配置していた。アウリスの好判断が無かったら、実際にそうなっていたことだろう。つまり、敵の傾向からあの呪文を用意していた見事さがもたらした勝利と財宝である。 翌日、別の穴。途中まで斜めの穴を降りると、さらに垂直の縦穴。 ダスが覗いてみるけど特になにも見えないので、ライトをかけた石を投げ込むリッツ。 DM「君が投げ込んだんだね? じゃあ最前線に立ってるわけだね?」 リッツ「う……そ、そうなりますなぁ」(パーティー唯一の夜目持ちとして視認するつもりだったし) DM「それでは最前線で下を覗き込んでる二人は視認ロール。失敗だね」 このキャンペーンは最初から視認で苦戦してばかりだが、海産物は擬態能力が高いようで、地上生物とは比べ物にならないほど隠れ身技能持ちが多い。絶望的に無理なわけではないのだが、確率的にそこそこありえるレベルでダイス目勝負に敗北しているのだ。 が、今回の敵はほぼ無理なくらい隠れ身技能が高い。だって半透明だから! DM「君達はわけもわからない内に、なにかに覆い尽くされた。それはよく見ると無数のクラゲだ! アウリス以外はスウォームに呑み込まれたんで、頑健ST。HPダメージは無いです……が、失敗すると毒で敏捷度にダメージがいきます」 ここからは阿鼻叫喚であった……この縦穴は……地獄だ!と言わんばかりに。 このスウォームには武器が効かない。無数にいるので、斬り付けて何匹か殺したところで無意味なのだ。効果があるのは範囲攻撃のみ。そして松明や錬金術の炎が水中だから使えない以上、攻撃呪文に頼るしかない。幸いにしてリッツは力術のプロ。ダメージ呪文は並のウィザードより得意だ!! DM「てか、ファイアボールが無くなったら、あるの? 倒す手段」 リッツ「無いよ」 アウリス「サウンドバースト使っちゃったよ。一回しか使えない」 リッツのファイアボールが大ダメージを与えるも、それで殺しきるには至らない。アウリスのコールライトニングは水中で使えない。これにて完全に打つ手を失った冒険者達は、いざという時の為に用意しておいたスイムのポーションを飲み、ヘイストを撤退のために唱えて脱出するのだった。 今度こそ当たりを引くぞと飛び込んだ第三の穴。 例によって待ち伏せする敵に対して視認を振るパーティーなのだが、視認技能を足すのも馬鹿馬鹿しいほどの素敵な目(前衛三人の出目がそれぞれ5、1、1)。 当然ながら不意討ちされ、逆襲のエビによる衝撃波攻撃。 ライザー「またお前か!!」 DM「キミらが物凄いダイス目で見過ごしてくれたから不意討ちできちゃった」 アウリス「ほんとはできるつもりなかったのか(笑)」 幸い、全員頑健STに成功したのでダメージも微々たるもので済む。 アウリス「今度こそシアリングライトを撃ちたいところだったけど、遮蔽と近接戦闘中で−8か……無理。じゃあライザーにブルズストレングスを飛ばします」 ちなみにアウリスは信仰の後見人という特技によって、本来接触しないとかけられない呪文も近距離までなら飛ばせます。予め指定した味方に対してのみで、回数制限つきながら。 DM「それではもう一度、衝撃波発射」 今度は全員STに失敗して朦朧化&結構なダメージ。 リッツ「マスレジは無かったのか」 アウリス「……スロットに入ってた……使えよって話だね!! うわーやっちゃったね!」 リッツ「ブルズ使ってる場合じゃないよ! そりゃ組み付きも怖いけどさ!」 DM「もっと怖いのは範囲攻撃の朦朧化だった(笑)」 アウリス「ダメだぁ!!」 リッツ「俺もまぁ、結果が出てから突っ込んでるわけだが!」 三匹を相手に勝利した筈が、一匹を相手に壊滅状態に陥る冒険者。 実は以前の戦いでは衝撃波攻撃のリチャージロールでダイス目が悪く、今回は逆に良くて連打出来たのだった。 戦線を立て直す為に撤退せざるをえなくなり、そこでプレイ時間切れ。次回に続くのだ! |
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