*このコーナーについて
 放蕩TRPG部のD&Dプレイ環境はオリジナル世界&ハウスルール山盛りです。
 そしてそれを部員に解説する為のクローズドなwikiが存在しており、その中から色々抜粋・微修正して一般公開するのが本コーナーです。
 これが一般的なD&Dの見解だとかルールだとは絶対に思わないで下さい。「正しいルールと比べておかしい」と思ってもそこはスルーでお願いします。

■出張放蕩TRPG部wiki 第1回「精神操作呪文」
 放蕩TRPG部のD&Dプレイ環境がオリジナル世界&ハウスルール山盛りなことは周知の事実でありますが、それを部員に解説する為のクローズドなwikiが存在しておりまして。その中から色々抜粋・微修正して一般公開してみようかな、という目論見。でも正直微妙な気もするんで、あんまり引かれたら考え直す(えー
 これが一般的なD&Dの見解だとかルールだとは絶対に思わないで下さい。「正しいルールと比べておかしい」と思ってもそこはスルーで(笑)

 
 士気を高揚するブレス、眠らすスリープ、爆笑させるヒディアス・ラフター、混乱に陥れるコンフュージョン。
 お約束から変化球まで様々な精神操作呪文があります。

 しかし中には呪文そのものをは悪ではないけれど、行為が問題視されるものが在り。
 チャーム・パースン、サジェスチョン、ドミネイト・パースン……そしてギアスといった「継続的に人の心をねじ曲げる呪文」がそれに該当する。理由は画像で十分伝わるよね?(笑)

 つまり一般常識的に、捕虜を尋問する際、呪文で口を割らせるのは、現代の感覚なら拷問して自白剤を使っているに等しい行為と認識されている。または戦闘を有利に運ぶ為「敵に仲間同士で殺し合いをさせる」ことの是非など、それを悪ととるか問題無しとするかは、違法ではないが個人の感覚・良識に委ねられる。
 カレンにリフレイン使おうとするスザクの目的は、(彼にとっての)正義。つまり確信犯だったように。
 捕虜の扱いに人道的な教義を持つ神の信者がその現場に居合わせたら、強硬策に訴えてでも止めるべきだろう。

 なお、邪悪な者にしか使えない系統である腐敗呪文にはマインド・レイプというものがあり、これは相手の記憶を思いのままに書き替える(当然呪文喰らったことは忘れる)という効果で、まんま皇帝ギアス。
■出張放蕩TRPG部wiki 第2回「人質戦術」

 PCが行なうことは滅多に無いが、敵は頻繁に行なってくる戦術。
 主に以下の状況において多用され、本来プレイヤーに対する救済策でありながらも一発引き分けのアルティメットカード(切り札)として、恐れられている。
 敵も生きている為、コンピュータゲームのように死ぬまで戦い続けるものは少数派。生きる為なら逃げるし、逃げられそうもないなら取り引きだって持ちかけてくるのだ。

 なお、もっとも一般的な「敵はこのまま戦闘を続けても敗北が動きようもない状況」を前提として話を進めさせてもらう。

・仲間の1人以上が抵抗力を失った状態。
 
 昏倒などで、敵の攻撃範囲内で「止どめを刺されるのを待つのみ」な状態に陥った場合。
 もっとも頻発するケース。
 仲間を見捨てて戦闘続行が現実的で無い為、事実上の詰みである。

 実際のプレイであった例
 →プレイヤー達が「言葉が通じなければ無視して殺せたのに……」と発言し、それを聞いたDMが「交渉の余地無く仲間を殺す方がお好みか」と怒り出す。
 →幻術を利用して交渉を有利に進めようとしたが、既に「人質を解放しないと呪文で殺すぞ」と脅した後だったので、幻術を唱えようとした途端に人質が殺された。


・脆弱な仲間が敵前に晒された状態。
 主にウィザードのような、ボスクラスの攻撃を受けようものなら一瞬で致命傷になりかねないキャラが、攻撃可能範囲に捕捉された場合。
 単純な戦術ミスだけでなく、様々な特殊能力を駆使された場合の「まさかそんな……」という予想外な挙動から突き付けられるケースがある。転移能力からのデスラー戦法や、穴を掘っての移動など。
 殺される可能性があるが、決定的ではない為に比較的選択の余地がある。また、敵のハッタリであるかもしれないことも考慮する必要あり。

 実例
 →接敵された上に筋力を低下させられて身動き出来ないウィザードが、背負い袋を捨ててどうにか自力で間合いを取り、反撃のファイアボールで瞬殺したが、自分の背負い袋も呪文書ごと消し飛ばして任務続行不可能。残骸を前に大後悔。


 
 逃げられるわけがない。現実は非情である。この様な御都合主義な展開は、期待するだけ無駄と言えよう。


・攻撃を外したら、後が無い状態。
 敵にも味方にも「あと一撃喰らうと死ぬ存在」がいるのが前提条件。
 そこでPCが敵の手番がくる前のファイナル攻撃チャンスの時に「外したら仲間を殺すぞ。それが嫌なら、ここで引き分けとしよう」と手打ちを迫ってくる場合。
 重要なのは「あと一撃」がどれだけの成功率なのかで、これが低いと思われるほど、強硬策をとりづらくなる。
 しかしながら、仮に7割がた大丈夫といった状況でも、3割で仲間の命が失われるギャンブルなので、キャラによっては選択の余地が無い状況かもしれない。

 実例
 →散々悩んだ末にAPも使えば9割がた押し切れると踏んで攻撃したら、まさかのファンブルで失敗。ウィザードが殺され、財宝を持ち帰る手段どころか帰る手段すら失われた。
■出張放蕩TRPG部wiki 第3回「寝床呪文」

 冒険中の安全・快適なキャンプのために用意されている呪文を解説したいと思う。

・ロープ・トリック
 ウィザード2
 
 持続時間が術者レベルx時間のため、8時間睡眠確保のためには時間延長するか、Lv8以上での発動が必要だが、その手軽さから寝床呪文の定番として活躍している。
 異次元に待避という、上位に存在する寝床呪文の数々を圧倒する安全さを誇る。
 しかし異次元の中に異次元を持ち込んだら消し飛ぶ。つまり、とても便利なバッグ・オヴ・ホールディングやハンディ・ハバサックを装備したまま入れない。入ったらアナザー・ディメンジョン発動。
 出入り口は不可視状態だが、それを見破れる相手から見えてしまうということ。そして異次元空間内からは、この出入り口部分でしか外の様子を見れないことには注意が必要。

 中に入れるのはサイズ問わずクリーチャー8体。
 言い方を変えればクリーチャーだけ。いや別にだからって全裸になれとは言わない。この場合は装備品も含んでいる。
 つまり、中に入った後に荷物を外すことができない。だってクリーチャーしか受け入れてくれないから。

 荷物を装備したまま寝る呪文であり、安全に夜を明かすことは出来るが、疲労状態になる。
 つーかいっそ全裸でも寝具を用意できないから、やっぱり疲労。

 公式ルールのままだと、「異次元で寝られてほぼデメリット無し」という、上位の寝床呪文と比べて不自然な迄に便利過ぎる呪文だったので、これくらいが呪文レベルに見合った効果だと思う次第。
 初めて効果読んだ時、クリーチャーが入れるとしか明記されていないので、よもや何の問題もなく寛げる(数さえ守れば容積に制限は無い)無限の空間が広がっているとは夢にも思ってなかったのだ。
 なのでDMに「そーいう呪文です」と言われた時は「えええ!? 記述で明記されてない所を有利に解釈してるだけなんじゃ!?」と自分が恩恵を受けられるプレイヤーなのに、内心腑に落ちていなかった(笑)
 ところでこの異空間の中って空気どうなってんだろうね(えー
 他の異次元空間系は大抵、問題無いとか換気が必要とか呼吸の扱いに触れられているのに、これは無いんだよね。


 そんなわけで、世間では一顧だにされていない他の呪文の価値が出てきます。

・タイニイ・ハット
 ウィザード3/バード3
 
 ハットと言ってもhat(帽子)じゃないよ。hut(隠れ場所)だよ。
 術者の周囲に半径20フィート(つまり地表露出は幅12メートル高さ6メートル)の力場の不透明な球体を作り出す。写真のは半径15フィートちょいくらい。
 中型サイズの9人が休むのに十分な広さを持つ球体の内部は快適な温度に保たれ、雨や埃や風などからも守ってくれる。
 外から内部を見ることは出来ないが、内部から外へは透明である。
 クリーチャーや矢などの武器、呪文は球体に影響を与えることなく通り抜ける。

 魔法のテントで野宿って感じ。暑さ寒さや雨風は防ぐが、地面で寝るわけだし、虫よけの効果はない。
 明かりが漏れない、外から見えない、という利点はあるが、球体そのものは丸見えである。
 そしてテントと言うにはかなりサイズがデカい。明かりが漏れないのは極めて高いメリットだが、存在を認識される距離そのものは圧倒的に遠距離からになる。つまり、300メートルまで近付かないと野宿してるパーティーを視認出来ないかもしれないが、大きなドームなら1000メートル以上遠くからでも見つかってしまうということである。殆どのクリーチャーは夜目を持ってるので、夜の闇に紛れる……なんてのは新月時以外期待するだけ無駄。

 外が暗いと球体の外は見えないのは注意。いざ敵から踏み込まれる段階になれば身を守る役には立ってくれない。
 ちなみに足元を掘り進め、地下でこの呪文を発動することで地表に出る部分の径を狭めることは可能だが、幅1メートル深さ1.5メートル程のタコ壷を掘るだけで、無視出来ない時間(地質次第)が掛かる覚悟は必要である。


・セキュアー・シェルター
 ウィザード4/バード4
 
 一辺20フィートの、頑丈で防犯設備の整った小屋を召喚する。
 小屋には8人分の寝台とイス、テーブル、暖炉が備え付けられており、アンシーン・サーヴァント(見えざる従者)が世話をしてくれる。

 寝具や食事は自前だったり、たらい風呂などを頼めないことを除けば、宿に泊るのと遜色のない環境である。むしろ清潔なんで快適かもしれん。
 建物という物理的な障壁が存在する為、アラームの呪文を掻い潜ってそれをどうにかしない限り、突然襲われる危険も少ないはずだ。
 小屋の姿は丸見えなので、気づいたら包囲されていた、と言うことはあり得るが。

・ヒドゥン・ロッジ
 ウィザード5/バード5
 セキュアー・シェルターと同等の機能に加え、地形や景色に完全に溶け込む偽装が施される。
 30フィート以内に近づき、難易度30の〈生存〉判定に成功すると、偽装を見破れる。

 野良モンスターに襲われる可能性は限りなく低いだろう。
 <生存>30というのは、プロでも一見しただけではほとんど気づかない。だが、プロが確信を持って出目20で調べれば、発見できると言うことである。
 冒険者を追跡する者がいる場合、冒険者の残した痕跡から小屋の位置を推測され、露見する可能性があるということだ。
 また、その地点をよく知る知的クリーチャーに「昨日までなかった巨木や巨岩がある」と不審がられる可能性もある。

・マグニフィシャント・マンション
 ウィザード7
 異次元住宅を召喚する、究極の寝床呪文。
 術者の認めた者しか出入り出来ず、自由な間取りに変更可能で家具完備。新鮮な空気と適切なお温度環境をも提供。豪勢な晩餐会をするに足る食糧が用意され、生活の一切をアンシーン・サーヴァントがお世話します。
 ただし入口は不可視状態なだけなので、この呪文が使えるレベルともなれば容易く見破られるのは注意。「建物の外の状況」が入口から見える範囲でしか把握出来ないというリスクも、ロープ・トリックと同様。
■出張放蕩TRPG部wiki 第4回「背負い袋」

 
 冒険者の必需品。
 イメージ以上にでかいと感じる人もいるのではないだろうか。
 ぶっちゃけ「背負い袋の上に括り付けてます」だと、背負い袋そのものを下ろさないと取り外し不能?

 
 写真にあるような完全装備の歩兵で、背負い袋以外も含む合計が70lb(32kg)くらい。これ以上の重量負担は行軍・戦闘力への悪影響が著しくなる。
 D&Dの単なる一般人は筋力10。すなわち100lb(45kg)までなら1日動き回れる。軍隊で非人道的に鍛えられた兵士よりも、明らかに力持ちである。
 また、筋力18で300lb(136kg)の荷物を持ち歩ける為、中身の入った冷蔵庫を抱えても大丈夫。

 
 これで180lb(82kg)くらい。
 正直「背負い袋に入れておきます」ってレベルじゃないんで、可搬重量が許すからってどうこう出来るとは到底思えない(笑)

 というわけでTRPG部ではサプリメントに存在する「背負い袋のキャパシティ」ルールを採用しており、それが60lb(27kg)となっている(簡略化の為、内容量+括り付けの合計)。このキャパまではノーペナで戦闘可能。
 これ以上の荷物も増槽ならぬ増袋装備で持ち運び可能だが、ドンドンと身のこなしが低下していく諸刃の剣。
 しかしちょっと金があれば、バッグ・オヴ・ホールディング等の四次元鞄系アイテムを手に入れてどうとでも出来るあたり、ファンタジー世界の強み。

・背負い袋が中身もろとも吹っ飛ぶとき。
 その1 反応セーブで1を出してファンブルった挙げ句に、その他の装備(=背負い袋)に命中したとき。
 その2 マグマの中、酸の池などに落ち、全身が浸かってしまったとき。
 その3 モンスターに丸呑みされ、胃液を浴びたとき。
 その4 床に置いた背負い袋が範囲攻撃に巻き込まれたとき。
 みんな気をつけよう!