■“赤き森”キャンペーン 第4回(パーティーレベル6) チャプター1 今回はカッセルが序盤以外欠席です。 イオ「どうにも締らない結末が見えてきたばかりに、何か掴めないものかって未練が出てしまったのよね。ほんと、退き時を誤ったわ。さぁ、良くも悪くもこの熱い季節はおしまい。私たちも我が家に帰りましょう」 森から戻った一行は相談の上、終結しつつある魔物騒動から手を引くことにした。 長かったようで、実は数日を過ごしただけのアルゴス城下町を出立し、アーエイト山脈の麓、関所の町アイゲートへと移動する。 イオ「さ、山越えに備えて今日はここで休みましょう。みんなも羽を伸ばすといいわ。とは言っても、この懐事情じゃあね……」 歓楽街の華やかさや賑わいは、懐事情を考えると今の一行には目の毒である。 まぁ、アストリッドやストールは元々興味が全くないのかもしれない。 イオ「獣人の山賊団について情報収集します。相手は交易商人と関所の門番で」 それぞれの予算を呈示する。金額次第で+補正が付くのだ。まぁ今回の予算は雀の涙だったが(笑) まずは交易商人。 交易商人A「奴らは恐ろしい山賊だ。襲われたが最後、無事に済んだ隊商はいない」 交易商人B「最近現われないと思っていたが、やはり一時的なことに過ぎなかったのか……」 続いて関所の門番。 門番「ん……この前『風鳴』の奴らを寛大にもお見逃し下さった騎士様御一行の一人じゃないか。今さら何を知りたいんだ? それで何人死んだか、とかか?」 DM「非常に険悪なムード。やはり自分達の後に来るであろう隊商へ警告の一つも行なえなかったことは、著しく心証を損ねる行為だったようだ」 侮蔑の眼差し。超不機嫌そうに対応する門番。 DM「既にアイゲートには『メイス家の不名誉印を付けた聖騎士の一行がやらかした』ことが、様々な尾鰭が付いて広まっている感じのようだ、とイオは感じたね」 噂その1「風鳴(山賊団の名前)に出くわした戦勝神の聖騎士と神官が、戦いもせず我が身大事に命乞いして道を通して貰い、のうのうと山を越えて来やがった」 イオ「なるほどね……、私たちが山賊に遭った時点で戻って知らせれば、助かった商人が居たはずなのよね。アイゲートで山賊の件を伝え忘れたことも失態だけど(実は門番に何も言わずに通過してた)、それは枝葉であって、事の本質は旅人の責務(と戦の神の規範)を果たさなかったこちらであったんだなぁ〜。先の宿屋には伝えていたけど、『ついで』だものね。第三者から見たら『不正な方法』で進んだ以上、言い訳はできない、か……」 イオ「とまぁ、こんな感じ」 ストール「イオ、わざわざ汚れ役をすまない……。目的があったとはいえ彼を見逃した事は事実だ、私はどんな誹りからも逃れる事は無いし、受け止めるつもりだ。だが、皆(カッセルを除く)はこれに巻き込んでしまった事になる。君達の名誉すら貶めてしまったのだ。幾ら詫びても、謝りきることは出来ないだろう」 イオ「……勘違いはして欲しくないわね。私は山越えをするにあたって必要だから、情報を集めてきただけよ」 このツンデレっ!! イオ「なんにせよ、ろくな戦闘物資も無しに、私たちみたいな中堅冒険者が倒せる程度の山賊だったら、こんな悪名高く恐れられる前に倒されてるわよ。それと一応確認しておくけど、皆、銀の武器の用意はあるかしら? 仮に戦わないと決めたとしても、対策をしなくていいというわけではないわ」 アストリッド「イオの言うことも最もだわ。カッセル、残念だけど山賊退治には賛成できない。私だって、本当はあの森の奥に進みたかった。でも力が足りないのよ、今は……」 ソルカー「山狩りなんてどう考えても赤字になる目しか見えないし、こういうカツカツの時ぐらいは自分の懐の方を主に考えてくれよ」 カッセル「たしかに、今の所持金では山狩りのような長期的な作戦は無理かも知れないな。有力な目撃情報があれば短期決戦でもしや、と思ったのだが。冒険資金どころか生活費までなくなりそうなので、永遠の森で冒険の準備をしたいと思う」 ストール「解った。山で深追いをしようなどとは言わない。今大切なのは、皆と無事ロートヴァルトへ戻る事だ。だが行程で山賊と遭遇し、戦闘になった場合は、どうか力を貸してほしい」 山賊団へのオトシマエを付ける気満々だったストールとカッセルだったが、現実を前に冷静さを取り戻す。パラディンとしての再起は先延ばしになるが、それに囚われているわけにはいかないのだ。 山賊団が現われれば見逃すことも見逃されることも無いが、積極的な捜索はしないことで方針が決定し、山越え開始。 これといったトラブルもなくあっさりロートヴァルトへの帰還を果たすのであった。 拠点としていた宿屋に戻った冒険者達に、マスターは開口一番……。 マスター「トアスが死んだよ。あんたら……というかイオとアストリッドに遺言を預かってる」 遺言「揉みたかった……いや、ヤりたかったなぁ……」 イオ「なにそれ!?」 アストリッド「…………死んで正解」 死の衝撃よりも遺言の酷さに思わず突っ込んでしまう二人。 イオ「トアスが死んだ……」 ストール「なんだって……」 アストリッド「死因は不明……」 DM「不明っていうか、マスターがそこまでは知らないってだけかもね。トアスの仲間は知ってるかもしれない」 マスター「あの様子じゃ、あんたらとなんかやろうと思ってたのを、あんたら無しでやっちまったのかもな……」 ソルカー「そこまで俺らは頼れる存在だったのか? ウハハ(笑)」 ストール「しかしあの時話を聞いていれば結末は変わったかもしれない……」 アストリッド「いらんことで後悔しはじめるパラディンね……」 ソルカー「それを後悔するならお金を稼ごうよ! 金があればトアスと共同戦線張れたんだよ!(笑)」 イオ「でもあれが遺言……」 ストール「もしかしてアナグラムかもしれない」 全員爆笑。しんみりってレベルじゃねーぞ!! いやまぁ元々トアスに対して敵対的じゃない感情を抱いていたのがイオとストールだけってのもあるが! イオ「わざわざ遺言をのこしくれてたってことは、それなりに目をかけてくれてたってことよね……」 ストール「今日は彼を悼んで呑みますか……」 イオ「トアスは何をしていたのかしら……」 しばらく笑いの絶えない雑談が続く中、脱線しててもしょうがないと。 イオ「私たちが居ない間になにか変わったことはあったかしら?」 マスター「変わったこと? そうだな、お前らの悪名が派手に轟いたくらいだな」 全員苦笑。 イオ「やっぱり噂は広がってるのね……辛いわ……」 マスター「まぁ冒険者連中は『やっかいな相手からは逃げたいよな』っていう意味で、理解は示してるけどな。盛大にからかわれるだろうが、悪意はそんな無い筈だ」 イオ「ま、誰だって命は惜しいものね」 マスター「自分達でも同じ対応してたろう、くらいの判断力は持ってる連中さ」 DM「しかしパラディン的には物凄く不本意な理解の示され方だな(笑)」 ストール「命惜しさじゃないんだ!!」 DM「『お前はやってなんかいない』ではなく『ちょっと魔が差しただけだよな』っていう理解のされ方(笑)」 ストール「こんな理解のされ方、無用だ!!(笑)」 DM「まぁ不名誉印刻んでる騎士なんだからこんなもんだろ、と(笑)」 ストール「クソォォォォォ……」 ストール「戻って来た以上は永久の森に行くしかないな……」 イオ「トアスと仲直りする機会が永遠に失われてしまったわ……」 ストール「残念だ……」 ソルカー「ま、過ぎたことはしゃーない。それよりもパラディンの復帰の道をだな」 イオ「近道は無さそうねぇ……」 DM「その時入口の扉がバーンと開いた」 ホールドアップ! ブレイブポリスだ!! 山賊見過ごし罪で逮捕する!? 続く!! ●プレイヤーズコメント ・アストリッド 度重なる敗戦に自信を喪失しかけています。 とりあえず今は力をつけるしかない。 悔しさを堪え、明日に向かいます。 それと、セクハラなセリフ禁止! ・カッセル 第4回は参加できなかったのが残念です。 それくらいいろいろとあったのですよこの回は!(笑 いきなりのトアスの訃報。 彼が死ぬほど、あの戦場は過酷だったと言う事か。 私達は大赤字ではあったが全員無事に帰ってこれた。 しかし、いつ私もトアスと同じ運命をたどるかも知れない。 パーティーの癒し役として、仲間が同じ運命にならないように全力を尽くそう。 でも、汚名がくっついてるのが辛いなぁ……(苦笑 ・イオ 粘ってはみたものの、どうにも燃焼不良のまま帰還が決定。 名を上げるどころか、悪名稼いで帰ってくる体たらく。 まったくもって不本意だわ……。 それにしてもトアス……。 あの話に乗れていたら、運命は変わっていたのかしら? 今となっては確かめようもないのだけれど。 なんだかこの街が遠くなったように感じるわ……。 ・ストール この地では無力さを噛み締める事になってしまったよ……。 そして山賊も今回は諦めるしかない状況でしたが、いつかは必ず向き合うときが来るかな! それまでがんばろー。 そしてまさかのトアス訃報。男らしい遺言が泣けるぜ。 ・ソルカー 世の中金だ!すべては貧乏が悪いンや! 世知辛い発言が目立つ今日この頃のソルカーです。 それもそのはず、仲間内から借金が……。 トアスさんへの対応は発言の通り。過ぎたことは振り返らないぜ。 それにしても悪名轟きまくりで切ないな……自業自得だけど。 |
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■“赤き森”キャンペーン 第4回(パーティーレベル6) チャプター2 トアス「オイーッス!!」 ソルカー「ええええええ!? マジで!? この野郎! 思いっきり宿屋の親父の顔睨むんすけど(笑)」 アストリッド「……どーいうこと?」 イオ「お盆投げ付けるわ」 ソルカー「ターンアンデットしろ!!(笑)」 イオ「今すぐ死ね!!(笑)」 アストリッド「……うん、やっぱり死んだほうがよかった」 ストール「生きてたのか!?」 さすがパラディン。一人だけ罵倒もせずに嬉しそう(笑) ソルカー「死んだんじゃなかったのか?」 トアス「ところがギッチョン!」 イオ「……まぁ、おかしいとは思ったのよね」 トアス「ハハハ。とっても哀しんで損しちゃったじゃない!ってところかぁ?」 イオ「わ、私は根が善人だから! あんたみたいなのが死んだとしても、少しくらいは心が痛むだけよっ!」 トアス「あの時もっとちゃんと応対していれば……とか思ってたんだろ!?」 アストリッド「苛つく……」 ソルカー「殴りてぇ!(笑)」 イオ「……まぁこれはトアス流の『仲直りしよう』ってことだしね。水に流してくれるって……」 トアス「つーかよぉ、お前らダメダメだなぁ? 俺を蹴ってこの噂かぁ?」 イオ「ば、バレバレ……」 トアス「お前ら、俺がキレたふりして立ち去った後、へこんでなかった奴ばっかだったって言うじゃねーの?」 イオ「へこんでたわよ(笑)」 ストール「へこんでたへこんだ(笑)」 イオ「私たち二人以外は知らないけれど」 トアス「過半数が軽い空気だったらしーじゃねーか。俺はマスターに頼んどいたんだよ。深く反省してるようなら俺に連絡寄越してくれって」 テーブルをダンっと叩き。 トアス「…………来なかったわ」 全員爆笑。 トアス「で、お前ら向こうで何やったのよ?」 イオ「ドラゴンを……」 ソルカー「ドラゴン倒したよ!!」 ストール「ガウスにボコられた……」 ソルカー「あーっ!? 言わなくてもいいことを!!(笑)」 ストール「自分の無力さを知った」 ソルカー「で、そっちはどんな戦果があがったんだ?」 トアス「そいつぁ言えねぇなぁ〜」 イオ「このパーティーダメだわ……と、内心思いつつ」 ソルカー「ちょーっ!?」 トアス「俺達はそれなりに儲けたぜ。つか、お前らいない分儲かっちった」 アストリッド「ごもっとも……」 ストール「もっともですね……」 イオ「こっちは宿代にも困る有り様よ……」 アストリッド「ま、色々学んだけれどね……」 イオ「土下座ばっかしてた気がするわ……」 トアス「ま、帰って来なかった奴もいるんだ。お前らはマシな方だったんじゃねーの?」 アストリッド「……あ、ちょっといい人」 ソルカー「トアスさんはいい人でしょ(笑)」 トアス「たくよぉ。お前らを見直しようがねーぞ、俺」 ソルカー「い、いや。これからガンガン名を売っていきますって!!(笑)」 他のプレイヤー、黙って目を逸らす。 ソルカー「…………あれ? 俺のやる気は空回り?」 イオ「まぁ……」 ストール「ええ……」 ソルカー「がんばって!?」 というわけであーだこーだしてるがキリがないので割愛して! かい摘まんで話すと、トアスは今回の事件のなにかを知ってる風な様子だが韜晦し、解散。 夜寝ていると、街の門が騒がしい。イオが起きて急行すると村人が助けを求めている。どうやらナニモノかに襲撃されたらしい。 ストール「ならば助けにいかねばなるまい! 皆、急いで準備するんだ!!」 村人が目撃した限りでの敵は巨人が3体、黒くて羽が生えた怪物が複数、そして人間も複数。 もう自分の村は助からないだろうから、せめて被害が広がるのを防いで欲しい、と。 ストール「なんという自己犠牲……」 イオ「軍隊は動くのかしら?」 DM「動くだろうけど、それを待ってたら助けられない命は確実にあるだろうね」 とにかく隣村目指して急ぐぜ!! そして到着したよスタルナ村。襲われてるよ一番大きい家。急行するよ冒険者。 ソルカー「突入?」 ストール「いくぜーっ!! ドアを開ける!!」 DM「じゃあ爆発した(笑)」 ソルカー「えええっ!?」 DM「アストリッド以外反応セーヴ。開けた瞬間、中に置かれていた火薬樽が爆発した」 ソルカー「スゲー大爆発じゃないか!」 アストリッド「相変わらずなにやってるのよっ!」 DM「罠捜索すればトリップワイヤーに気付けたろうね」 ストール「ローグさん、ローグさん」 アストリッド「1レベルしか取ってないし他育てたから全然捜索能力無いのよ」 そして本来の罠担当であるイオは無言を貫くのであった(笑) ソルカー「民家とはいえ、敵がいるとわかってるのに不用意に踏み込むのはやめた方がいいね……」 ストール「なんと卑劣なことを!! 敵は何処だ!?」 二階から悲鳴が聞こえたこともあって、階段を駆け登るストール。 DM「レイプされてるかもしれんな」 ストール「二階から悲鳴が聞こえた! 俺は行く!」 DM「じゃあ視認振って……見えないな。階段登ったところで油撒いてある。平衡感覚」 ストール「プレート・アーマーが、重い……」 すってーんと転ぶストール。幸い階段落ちは免れたが。 DM「そして待ち構えていた敵が、倒れてるストールを攻撃だ! シミターの刀身が真っ赤に染まる! さらに斬られると同時に、石つぶてが炸裂する! 23ダメージ!」 敵「……ようこそ、殺し間へ」 ストール「な、なんだこの攻撃は!?」 アストリッド「…………?」 イオ「敵は魔法戦士ね……」 二人の魔法戦士から奇襲を受け、一気に瀕死に陥るストール。 DM「知識ロールしてみるんだ。…………うむ。こいつらの服装から、竜側の将軍“同族狩り”のガイオラの魔法戦士ではないかと思った」 人間でありながら、村々を襲っては殺すか奴隷として売り飛ばしている悪名高き敵である。 戦闘推移。地力ではストールが上なのだが、地の利は敵にあり。狭い屋内での戦いの為、数の優位も活かせずに苦戦する冒険者と一進一退の攻防が展開される! ちなみにカッセルも階段で倒けてるぞ!! すげぇ! 倒けながらキュアってやがる!! DM「あ、それとさっきまで聞こえた悲鳴がもう聞こえない」 ストール「いかん!!」 DM「そしてそろそろ潮時なので、階段の油にバーニング・ハンズで放火して撤退するぜ〜!!」 ストール「く、くそっ!」 二階の部屋の中に逃げ込む敵。 イオ「……これは窓から逃げられる展開かしら?」 ソルカー「よし、俺は外に回る!! 入口から出るぞ!!」 乙女のキッスはいただきだ〜!かどうかはともかく、走るぜソルカー! 続く! ●プレイヤーズコメント ・アストリッド トアス、イラつく……。 良い人だとは思うんだけど、どうにも馴染めない。 でも……生きていたんだから、そんなことも思えるのかな……? それとストール、後先考えて(笑) ・カッセル トアス! 生きるの死ぬのと冗談にならない冗談は言うなと親に教わらなかったのか!? まぁ、生きていたならそれだけで十分だとは思うが。 まだ信頼する事ができないんだよな(笑。胡散臭いと言うか本心が見えないと言うか。 そして魔法戦士! 放火なんてしてはいけないと親に教わら……(ry ガイオラのような巨悪に組する者達に裁きを! 敵の方が数段上手のような気もするけど(苦笑 ・イオ あの馬鹿のことは放っておいて。 村が襲われていると聞いてしまっては、聖騎士としては捨て置けないわよね。 さぁ、助けに行きましょう。 もしかしたら、加護を取り戻せるかもしれないし。 村を襲撃中の賊が民家に逃げ込むのを見て即座に追撃にうつったのだけど、いくつも罠を仕掛けて待ち構えているとは、敵は思った以上にレベルが高い組織ということね。 ……ええまぁ、捜索を怠った不手際は認めるわ。 ・ストール そしてまさかのトアス復活。いい味出し過ぎです(笑 本気で残念だったので、一安心です。 村が襲われてると聞いちゃあ黙っちゃ居れねえと突入ミッションへ。ただの民家だと思ってたら、既に敵の手中だったんだぜ! 頭を出した途端のもぐら叩きで高火力な敵二人相手、この状況をひっくり返せなかったぜ……。残念ながら有効打を与えられず。ぐぬう、くやしいのう。 ・ソルカー ところがどっこい生きているトアスさん。 超驚いたのはプレイヤーも同じ(笑 さておきさっそく訪れた名誉挽回のチャンス。 救うぜー、超救うぜー(気持ちだけは |
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■“赤き森”キャンペーン 第4回(パーティーレベル6) チャプター3 DM「では視認して貰って……それは見えないな。移動が終了した君の背後に敵が着地」 ソルカー「背後!? 屋根の上か!?」 D&Dは戦闘中に方向の概念は無いので、なにか不利というわけではない(笑) 大剣使い「一撃で仕留める…………斬!!」 アストリッド「ソルカー!?」 DM「グレートソードの刀身が深紅に染まり、さらに石つぶてが叩き込まれる! ……クリティカルヒットしたけどどうする?」 ソルカー「ぐわっ! AP使ってクリティカルロールの値下げます! 5!」 DM「じゃあ通常命中。ハーッ! 40ダメージ」 ソルカー「ブフーッ!! 死ぬ!! なにそれ!?」 大剣使い「ちぃっ……! 浅かったか?」 ストール「全然浅くない!」 イオ「APでクリティカルキャンセルしたから、急所を外したのね」 DM「そう。クリティカルしてたら即死だったかもね」 大剣使い「…………獲ったと思ったのだがな」 妙にかっこいい口ぶりの敵と真っ向勝負だ、ソルカー!! 頑張れソルカー!! アストリッド「焦熱化ファイアボルト。20ダメージ」 と思ったら炎の魔導師の得意技が唸る!! DM「あうち!」 ソルカー「回避指定をソイツにして、防御専念」 DM「まぁ回避専念なんて攻撃呪文には意味無いけどな」 ソルカー「えーっ!? あーっ、しまった! 武器に篭めなくても普通に使えるじゃん! アホか! …………死んだかな?」 タイマンだったら確実に(笑) 大剣使い「……無粋な。だがもう一度あの炎を受けては、な」 DM「インヴィジビリティで消えるね」 やったぞアストリッド! 見事だアストリッド!! …………あれ? 助けたり助けられたりの持ちつ持たれつコンビであった。 そして入れ代わるように地面に穴を開けて登場する大型の異形。 DM「皆さんお待たせしました。アンバーハルクでございます。ちなみに家の方は家の方でさっきの放火がドンドンと燃え広がっております」 あがる悲鳴とDMの笑い声。キャラは知らずともプレイヤーは物凄く知っている(笑) キャラが知る為にもアストリッドが知識ロールに成功するのだが……。 アストリッド「う、意志セーヴ失敗かも……」 DM「D10振って〜7? じゃあ全力で逃げ出して下さい」 アストリッド「嫌ぁぁぁぁ来ないでぇぇぇぇぇ!!」 炎上する家の中に(仲間は中にいるし、燃えてるのはまだ一部)逃げ込むアストリッド。部屋の角でガタガタ震え始める。 DM「…………普段感情を表にあまり出さないキャラのこーいうのって興奮するよね」 アストリッド「しないでください!」 DM「漏らして、いいんだよ……?」 アストリッド「漏らしません!!」 磁力光線は出さないが、一目見ただけで混乱に陥れられる凝視が非常に厄介なモンスターの猛威は続く。 入口に陣取ってひたすらに混乱を誘うアンバーハルク。 冒険者達はセーヴのダイス目が良くて善戦しつつも、やはり確率に屈して遂には同士討ちを始める者も。 それでも混乱から復帰したアストリッドの火力もあって大怪我を負わせ、敵は穴の中に逃げ込む。 追撃するカッセル、アストリッド、イオ。 そして地上で同士討ちしているストールとソルカー。 DM「…………キミらあの二人ほっといて追撃してるけど、これどっちか死ぬぞ……」 アンバーハルクの死体は高く売れる! 逃がしたら大損!! そんな悪魔の囁きに屈してしまったのか!! しかしまたダイス目が良くて同士討ち組の攻撃が外れる外れる(笑) その時間を利用し、どうにかソルカーが昏倒はしたものの死には至らない気分はどうだい状態で間に合うアストリッド。。アンバーハルクは残ったカッセルとイオがギリギリ倒したぞ。 アストリッド「レヴィテートで浮かぶ! そしてストールに攻撃!!」 DM「じゃあ攻撃フラグがアストリッドになったので、弓でも撃っててもらおう」 これをプロテクション・フロム・アローズで防いで時間を稼ぎ、混乱が時間切れ回復。 全員ボロボロなので傷を癒し、「これでようやく一息つける……」な空気になっていると……。 DM「で、そろそろ家の炎上ぶりがしゃれにならないことになってきてるんだけど」 全員「生存者の捜索と救出をぉぉぉぉぉ!!」 イオ「もう誰もいないかもしれないけれど、誰かいるかもしれないわ!!」 ちなみに先程までの捜索によって、二階の一室で父親と思しき死体及び意識不明の男の子を救出済み。 燃え盛る館の最後の一室に鎧窓をぶち破って飛び込むイオ。 ここはさっきストールが一通り調べてはいたのだが、ぶっちゃけ捜索0ランクのキャラの仕事を信用するのも怖かった。 イオ「床を全部捜索している余裕は無いわ……。暖炉やベッド箱の中を捜索」 DM「特に誰もいないし、なにもないね」 イオ「ディテクト・シークレットドアーズのスクロールも持ってるんだけど……もったいないのよね」 つまり効果範囲内の何処か(例えば床下への隠し階段)に隠し扉があったら、特に魔法的な防御が施されてない限りは一発で見つけられる。 イオ「うーんうーんうーん……調べたいけど……もうどうせいないとは思うのよね……」 DM「どうするの? そろそろヤバいと思うけど」 イオ「いないのに使っちゃったらもったいなくて」 ちなみにレベル1呪文のスクロールなのでとっても安いです。 DM「ハリーハリーハリー!!」 イオ「ええい、使います!!」 DM「すると床下に隠し階段があるのがわかるよ」 イオ「つ、使ってよかった………………!!! 開けます!!」 DM「中は地下倉庫のようで、そこには幼子を抱いた母親と思われる人が」 イオ「…………ちょっとあまりの感動で泣きそう」 DM「俺はこのまま焼け死ぬんじゃないかと思ってヒヤヒヤしてたよ!(笑)」 イオ「もう大丈夫です。助けに来ました」 母親「山賊は……?」 イオ「私たちが追い払ったので安心して下さい。ご主人やお子さん達もみんな無事保護しています」 アストリッド「みんな無事って……嘘?」 イオ「とにかく安心させて大人しく助かってもらわないと!!」 この時窓の外で様子を見てた仲間達は全員真意看破失敗したので、誰も嘘とわからない。二階をチェックしたのはイオだけなのだ。 無事脱出するイオと母子。 DM「村人達がキミらの活躍に超エキサイティングしながらかけよってくるね」 村人「ありがとうございます!」「凄いや! さすが聖騎士様たちだ!」「なんとお礼を言ったらよいか!」 母親「あの……それで主人と娘は?」 イオ「…………えーと、その……」 ストール「……? どうしたんだ? 無事だったのだろう?」 イオ「ご主人は既に二階の部屋で賊の手に……お嬢さんの声は聞こえていたのですが、もう部屋にはいなかったので、恐らくさらわれたと……」 母親「どーいうことですか!? さっき無事って……!!」 ストール「なんだって!?」 ソルカー「なんと!?」 イオ「ええ……」 母親「なんでそんなことを……」 イオ「…………えーと」 DM「お母さん、『私だけ逃げるわけにはいきません』とか一言も駄々こねてないからなぁ……」 全員爆笑。 ソルカー「まぁ、そうですね。余計なこと言ったなぁ……。笑い事じゃねーけど!(笑)」 アストリッド「うーん……」 イオ「それを防ぎたかったのよ。未然に。いいんですよ。助け出せさえすれば(ツーン)」 ソルカー「彼女も助けるのに必死で……」 イオ「まぁ怨まれるならべつに怨まれたっていいですけどねーべつにー(ツンツーン)」 アストリッド「(苦笑)」 ソルカー「いや、そーいう気持ちでやられると我々も困るのでね……?」 イオ「いえ、怨んで気が晴れるならいくらでもどうぞー?(ツンツンツーン)」 ソルカー「無闇にそんな突っ張る必要無いと思うぞ!?」 暫しの沈黙。 ソルカー「無闇に突っ張らず……ゴメンナサイのほうがいいじゃないか」 ストール「イオも必死だったんだよな」 イオ「…………言わなくても付いてきてくれそうだったから、別に言わなくても良かったなぁとは後で思ったのよ。あの時は嘘を吐くのがベストだと思ったけれど……」 ソルカー「か、彼女も急いであなたがたを助けようと……」(必死にフォローしようとする) 母親「なんで……なんで……ううう……」 ソルカー「謝って! 謝って!」 ストール「ジーっと見つめよう」 イオ「……申し訳なかったわ。万が一のことを心配して…………」 母親「そんな必要……子供を道連れにしようだなんて……」 以下、とにかく平謝りしようとするソルカーやストールと、やはり「怨むなら怨めばいい」で釈然としないイオの微妙な空気が続く(えー ストール「『さらわれたお嬢さんは我々が助け出します』って言っていいのかな?」 ソルカー「いいよいいよ。言っちまえよ。俺はそれを言わせたい。俺のキャラとしても捜しにいくくらいのポーズは見せる必要あると思ってるしな」 DM「そこは己の道を突っ走りたまえ」 イオ「独断しちゃえばいいじゃない」 ソルカー「キャラとしてはあんま言い切りたくないんだけど、プレイヤーとしてはねぇ」 キャラとしても言えよ、単なるファイターじゃなくて信仰系クラスとマルチしてる人(笑) DM「まぁイオとしてもさっきのアレは失言だったと申し訳なく思ってる筈だし……」 イオ「…………(無言)」 DM(あれ〜!?) またも皆さん微妙な苦笑い。 ストール「じゃあ……状況から見てまだ盗賊達の手に娘さんがいる可能性は高い。我々は盗賊達を討伐し、必ず娘さんを取り戻してみせます!!」 ソルカー「言った!」 イオ「それでこそパラディン!」 アストリッド「そうね、あなたならそう言うと思ってたわ」 あ、そういえばストールは室内に突入する際に取り回しが悪いので、入口に立てかけておいたロングハルバードを敵に盗まれていた! 娘さんと一緒にそれも奪還したいな!! ●プレイヤーズコメント ・アストリッド アンバーハルクはヤメテー(泣) おかげで終始、震えて隅っこで膝を抱える羽目に! レヴィテート&プロテクション・フロム・アローズは、我ながらいいアイデアだと思ったんですが。 相手が仲間じゃなければ、ねえ……。 イオ、良かれと思った一言が招く悲劇。切ないです。 ・カッセル 人攫いのために平和な村を襲い、住民をも殺すガイオラの手先、許すまじ! しかし、その中で助かった母子に一筋の希望が。 大丈夫。きっと娘さんも助け出す事ができるさ! イオは……。 ほら、あれだ。今はツン期だから(オイ そろそろデレ期に入ってもいいと思うけどね!(笑 ・イオ 燃えさかる家の中、探して探してやっと見つけ出した、この親子。 必ず無事に、この隠れ場所から助け出さねばならない。 すでに起こってしまった事実は変わらない。 ならば……と、よかれと、とっさについた嘘。 それは偽りの希望を与え、奪い去る仕打ちであった。 残酷さにも気付かず、非難される覚悟もない、浅はかなはったり、いや、「真っ赤な嘘」だった……。 ・ストール ソルカーは相変わらずかっこよすぎる。現状、もっとも危機とその回避が似合う男。いぶし銀。 戦場に舞い降りた(地面から出てきたけど)恐怖! アストリッドのある意味大活躍をよそにデスゲームが繰り広げられるぜ! メイン武器は掻っ攫われたけど、誰も死なずに済んでホント良かった。 爆裂的に鎮圧、とまではいかずとも、結果としては状況において可能な限りの命を救えたことは嬉しいところ。 ストールは探し当てられなかったのでなおさら。娘さんを助けるためにも、がんばりたい! ・ソルカー ふいうちとはひきょうなり! 同じ大剣使いとして、なんとなくライバルに認定されました。 再び合間見えたときは……。 そして今回は役に立たないモードの日。 まぁ一撃必殺ホームラン的な武器だから、当てられれば活躍するし、当たらなければどうということはないのは仕方ないところ。 |
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