■“海洋”キャンペーン 第6回(パーティーレベル7) 前編

 今回はライザーが病欠なので、ダスのプレイヤーが代わりに動かしています。

 
 辛くも突破に成功し、どうにか「奥へ撤退」したパーティー。
 BBSでの作戦会議の結果、とにかく一休みした後、覚悟完了して奴を倒しにいくことになっていた。かける強化呪文もほぼ選定済みで、あとはロープトリックを出して休めばいい。その筈であった。
DM「それでは突破した所から再開します。どうする?」
 その場で今後どうするか相談を始めるプレイヤー達。暫しの相談。
DM「では夜目を持ってるリッツには、間近で明かりも眩しくズーッと溜まってる君達に奴が向かってくるのを視界内に捉えた」
リッツ「奴が近付いて来たぞ!!」
ダス「マジでか!?」
リッツ「さすがにあそこから出られないわけではないらしい」
ダス「えーと、とりあえず10フィート進みます」
DM「じゃあこっちはとりあえず40フィート進みます」
ダス「速い!?」
DM(どんだけ遅いと思ってるんだ。スライム並みか(笑))
リッツ「とりあえず10フィートって3メートルだぞ……」
フォルカー「捜索能力が高いフォルカーを先頭に……」
リッツ「無いよ! 捜索5になにを期待してるんだ!」
フォルカー「視認や聞き耳は高いから」
アウリス「怖いよ早く行ってよ皆!」
フォルカー「じゃあ移動します」(ちょっとだけ
リッツ「そこまでしか移動しないの!? もっと移動してくれ!!」
全員「逃げよう逃げよう逃げよう」(ワタワタ
 その他色々と「リアルな問答」が展開され(笑)
DM「じゃあモタモタしてるならさらに近付こう。そういえばさっきの戦いではほとんど移動しなかったから判明しなかったけど、こいつ移動速度速いよ(笑)」
 この移動で殆ど追い付かれる。
フォルカー「30フィートだよね、うちのパーティー移動速度」
DM「こいつは40フィートなんだ」
リッツ「じゃあ追い付かれる……っていうか逃げる手段が無い」
 彼らは一度ボロ負けした後。それがまた済し崩し的に戦闘を始めて勝ち目があるとは到底思えない! っていうか万全の状態ですら勝てるかどうか未知数!! 冒険者達の脳裏に煌めく「全滅」の二文字!!
ホークアイ「ウェヴはどうした? 無いのか?」(喋ってるのはDMです
リッツ「…………! い、今使おうと思っていたところだ!」
アウリス「駄目な台詞だ(笑)」
 ホークアイに対するはったり技能判定は失敗(笑)
 どうにかウェヴに搦め取り、一気に離脱するのであった。

リッツ「あ、ロープトリックで休もうにもまだ昼頃だから全然時間が早い」
アウリス「たしかに……」
リッツ「もう少し時間を潰さないとなぁ」
ダス「あんまモタモタしてるとまた背後から追いかけられるかもしれない……」
リッツ「先に進もう」
 少なくとも日没まで時間を潰さないと安全に休むこともできないということで、とりあえずは奥へ進んでみるか……となった。

 
 ザッザカ進んでいると、ディスプレイサーサーペントの一群と遭遇。
 ディスプレイサービーストの蛇版とも言え魔獣で、攻撃が50%の確率でミスになってしまう。しかし強さ的には大したことはなく、脅威度は2。
 リッツが接敵前の攻撃呪文で先制しつつ、フォルカーが先頭に立って迎え討つのだが……。
DM「では一番手近にいる君に集中攻撃しよう」
 これが面白いようにボコスコ当たる。
アウリス「なんか一気に削られたぞ!?」
 それもその筈。フォルカーのACは装備の劣化で僅か16。もちろん雑魚であるディスプレイサーサーペントの命中率も高くはない為、常にほぼ全弾命中も当然なんてことにはならないが、確率的に全弾命中もありえるレベルにはなってしまう。
 一方ライザーの攻撃ロールは「20、19、3、20」と相変わらずなチートぶりだったのが、すべてが50%のミスチャンスで回避されてしまう。ちなみに彼のACは20である。
リッツ「ワーリング・ブレードを使うぞ!! 喰らえ!!」
 幅10フィートの範囲にいる敵をまとめて切り裂かんと、彼の右手からロングソードがテイクオフ!!
リッツ「全員に1回ずつロングソードで攻撃! ミス、ミス、ミス、ミス、ミス、ミス! 全弾50%ミスチャンスで外れた! なんだそりゃーっ!!」
 恐るべし確率の偏りであった。
 しかしまぁ所詮は雑魚なので、その後はフォルカーを後方に下げつつ無難に駆逐して終了。
 死体は強さの割には高く売れる筈なのだが、1体200ポンドもあるので持ち帰れずに放置。
 さらに進むぜ〜進んじゃうぜ〜。

 
DM「壁面を埋め尽くして無数のムカデが迫ってくる。超来る」
アウリス「嫌だ! 気持ち悪い!!」
DM「SANチェックもんだな。センチピードスウォームってわかるよ」
 写真では大きいですが、データ上は「10000匹のムカデの大群」が全身に群がり、常人なら2ラウンドで死ぬようなダメージを受け続けております。当然、毒あり。あまりに数が多い為に武器は一切効かず(武器振り回して多少殺したところでどうということはないから)、松明で焼き払ったり範囲攻撃呪文が弱点。
リッツ「皆、松明は!? …………水浸しになってるか。ランタンは!?」
全員「持ってない」
リッツ「俺がどうにかするしかないのか!! ヘイル・オヴ・ストーン!!」
 ちなみにスウォームへの対応策としてはバラバラに散開することが有効で、今回の様に一本道だった場合でも前後に分れるべきであったのだが、前衛が全員一塊となって後衛の所へ逃げて来る(笑)
リッツ「なんで密集してこっちに移動してくるんだ!?」
 それでも逃げて来る。来る。まるでその言葉などまるで届いてないかの如く。
 スウォームに呑み込まれるリッツであった。
リッツ「触媒のファイア・アントの死体を口に含みぃぃぃぃぃ、吹き荒れろアシッド・ブレス!!」
 全身をムカデに喰い付かれ、瀕死となりながらも矢継ぎ早に攻撃呪文を連打するリッツ。
DM(…………これはヤバい。実にヤバいな)

 何故ヤバいか。実はリッツ、前回のプレイと今回のでキャラのデータが違う(笑)
 というのも、以前ファヴ傭兵隊キャンペーンのレポートでも言及したように、「不満なキャラを無理に使い続けても面白くないし」ってことで、「イメージとデータが乖離してるようなら相談してくれれば対応する」のがTRPG部の流儀。「強くしたいんで作り直させて」は極力遠慮したいけど、「コンボを想定して作ったんだけど、実際運用してみたらまったく役立たずだった。偏り過ぎてて潰しも利かず、どうしようもない」ならOK(笑)
 で、リッツのプレイヤーは一緒にプレイした回数が130回を超え、ルールもワダツミより読み込んでるというのもあり、そこは「俺ツエーしたいだけの再構築なんてしない」と信頼して「好きにしていいよ」としていた。
 そして前回までリッツは力術専門(ダメージ呪文が得意)だったのが、今回一転して力術が一切使えない変成術専門(ヘイストやマジックウェポンとかの強化系)になっていたのだ。
 この辺は本来ちゃんと確認作業しておくべきことなので、ワダツミの怠慢であるのだが。

リッツ「く、呪文が尽きた……! いや、まだパール・オヴ・パワーがある! ヘイル・オヴ・ストーンを再チャージ!!」
DM「…………つーか」
リッツ「よし、生き残れた! これが本当に最後!! 頼む、死んでくれ! ヘイル・オヴ・ストーン!」
DM「それで死んだ。…………でさぁ、一つ聞いていいかな?」
リッツ「なに?」
DM「いや、さっきのサーペント戦の時も攻撃呪文使ってたし、なんで力術専門だった頃より豊富に範囲攻撃呪文持ってんのよ(笑)」
アウリス「たしかに前は全然使ってる印象がなかったのに(笑)」
ダス「今回は凄い連打している」
リッツ「い、いやぁ力術切ったからってダメージ呪文疎かにしたことで負けたら申し訳ないから、色々準備しておいたんだ」
DM「それは立派なことだけど、ダメージ呪文のスペシャリストだった時よりも火力豊富な印象になるのはおかしい!(笑)」
リッツ「ハハハ……。この敵出た時、『DMが俺のキャラのために用意してくれた見せ場の敵だ!』って瞬時に悟ったよ!」
DM「まったくだよ! 力術連打で気持ちよく薙ぎ払ってもらうつもりが、ヒヤヒヤもんだったよ!(笑)」
 実際のところ、別に「力術が使えないから苦手なスウォームは出さない」なんてこともないわけで、結局どうにかなったのはお見事。

 しかし物凄くメタな理由で全滅させるところだった! 続く!


●プレイヤーズコメント


・リッツ
「休んで再戦する」という方針と戦い方はもちろん固まっていた。
 だが目の前にあるのは、今初めて目にする長い通路。
 捜索はおこなうか? 隊列は? 方針決定の必要があった。
 敵が追ってこないというのはわかっていたので、油断はあった。
 いくつかのパターンを想定して予めプランをたてておけばベストだった。

 大量のムカデを引き連れた前衛が、後衛に向って転がり込んでくる。
 我が目を疑った。
「こっちに来るな!」
 あろうことか、奴ら(ムカデではなく戦士)は止らない。
 ムカデに全身を這い回られ、呪文が失敗すれば、もう誰にも打つ手はない。
 呪文はかろうじて、成功した。
 戦士に問おう、これってどういうこと?(怒笑)

 キャラクター構築に関しては、
「何でも無難にこなせるよりも、個性のあるPCにしよう!」
「よし、力術使いだ。でも性能もほしいから定番呪文も入れないとね。力術は最低限もっていこう」
「あれ、俺って没個性……?」
 すいません、チキン野郎で(涙)

 ちなみに力術ウィザードのままだったら、接触型の単体攻撃呪文が多めの構築だったので、倒せなかったのではなかろうか……。



・アウリス
 追われる身とは、こんなにも辛いものか!
 回復魔法がほぼ底を尽いた状態で進むのは本当に嫌なもの。

 でも、逆境が人を強くする!
 力術切ってからの方がアグレッシヴだよ、リッツ(そっちか)

 はあ、危うくスウォームで全滅するかと思った……。



・フォルカー
 ん〜むむむ、身体に合った装備では無いから上手く立ち回る事が出来ないと感じるようになって来ました。
前衛職だから前に出ないといけないが、ここ数回は喰らいまくってるんだよなぁ。
 結果今回は十数回の毒を注入されてしまったわけだが、少ないコストで改善できたのは儲けものだった……。
 洞窟の中もこれから進む先も何か暗いなぁ。



・ライザー
 本当にD&Dのスウォームは鬼畜だぜ……!
 物理攻撃無効(ではないが無意味)は前衛職にとってかなり辛いですな……。
 そんな中範囲攻撃呪文連発できるようになっていたリッツがカッコいいです!



・ダス
 迫り来る奴、逃げる我々。再戦闘は洒落にならないので本気で逃げます。モタモタしていましたけど(笑
 抜けたらすぐに休んで翌日再戦の予定が、気づけば奥へ奥へ。大ウォータエレメントの時もそうでしたが、今回のスウォームも動かし方がうまくいかずに足を引っ張る事も。難しいですね。そして、リッツがとても頼もしい! リッツさんやっちまってくださいよ!

■“海洋”キャンペーン 第6回(パーティーレベル7) 中編

 
 ロープ・トリックでの一泊を挟んで進んだ末、遂に一本道が終了!! 十字路に到着した!!
 慎重に足元を捜索しながら一歩一歩着実に歩みを進めるダス。
DM「正面側の通路、何故か左右の壁面にカーテンのようなものがずーっとかかっており、足元は板が敷かれているね」
リッツ「この三つの通路の内、どっちに進むべきかは明白だな」
 そりゃもちろん中央突破しかあるまいと、隊列を進めていく。
ダス「捜索しつつ進んでいきます……」
DM「では全員視認…………うむ! どうぞ」
ダス「怖い(笑) …………では同じように進みます」
DM「まぁ視認振らされたんで行動変えますとか無いしなぁ(笑)」
リッツ「もう一回視認します! もう一回視認します! 一歩毎にテイク20で視認します!(笑)」
ダス「たまには壁でも調べてみるか……」
DM「視認振らされたから!?(笑)」
フォルカー「昔おいらもそれやろうとしたなぁ……」
 当然実行するわけもなく、移動再開(笑)
DM「じゃあ全員視認振って下さい」
アウリス「なんも見えないな!(一桁」
DM「リッツは後方のカーテンの一部が不自然に揺らいだことに気づいた」
リッツ「ん? 後ろに隠れてやがった? とりあえずカーテン全部めくって歩いてこいってことだったか?」

 
DM「するとこんな一反木綿が」
リッツ「あれ!? カーテン本人じゃねーかよ!?」
ダス「しまった、カーテン調べるのか!」
アウリス「てことはこの壁一面の全部!?」
リッツ「えええ!? 30体くらい!?」
アウリス「これは死地に迷い込んでしまったのでは……!?」
 いないよ、そんなに(笑)
 知識判定に成功し、正体はクローカーと判明。敵を即座に殺さない場合は「それよりも残酷で愉快な方法を思いついた時だけ」というルール無用の残虐ファイター。知能を有し、他の勢力と一時的に手を結ぶこともあるが、間違いなくそれは残虐行為手当である。恐怖や吐き気など様々なバッドステータスを引き起こす低周波を発し、影を操り身を護ることもできるんだぜ。脅威度5。

DM「低周波のようなものを発してきた。先頭のダス以外意志セーヴ」
 ライザー、リッツ、ホークアイがセーヴを落として恐慌状態に。
リッツ「敵から逃げるから……奥の方にダッシュしないとダメなのか……嫌過ぎる……」
DM「じゃあ奥に逃げようとすると……そこで反応セーヴ。で、成功。足が沈みこむのを察知してストップできた」
リッツ「跳躍は怖いんで、フライ唱えます」
アウリス「カーム・エモーションズだ! これで恐慌を抑止!!」
 三人ともこれで平静を取り戻したのだが……。
DM「ちょっと待ちんしゃ〜いと再度恐慌音波攻撃」
 攻撃を加えられたことでカーム・エモーションズの恐慌抑止は解除。さらにはダス、フォルカーもセーヴを落とす。
アウリス「しまった! 意味が無かった! 正気なの自分だけか!!」
 そしてダスとホークアイは穴を飛び越えダンジョンの奥へ。フォルカーとライザーは穴に落ちていくのであった!
リッツ「散り散りだーっ!! ピンチ過ぎる!!」
 時間経過で恐慌から回復したリッツは、移動ではなくフライの使用に1アクション消費したことも幸いし、どうにか戻って来れたのだが……。
DM「それではリッツに接近して包み込んでやるぜ!!」(右写真)
 クローカーに全身を包み込まれ、中でモガモガするリッツ。
アウリス「今助けてやるぞ! スピアで攻撃だ!!」
DM「じゃあ敵にダメージの内半分、残りがリッツに」
リッツ「痛っ! 中に俺居るって!!」
アウリス「なんだってー!? 巻込んじゃうのか!!」
 これって現実で考えたらそりゃそうだってなもんだけど、ゲームだと簡単に敵味方を選り分けて攻撃できるから予想外ってのがあるよね(笑)
 でもって序盤こそ苦戦したが、魔法戦士と回復役というもっとも状況対応力に優れたコンビだったこともあり、10ラウンド以上かけつつもどうにか撃退に成功。時間こそかかったが中盤からはセーヴの結果も良好で押しまくり、不利を悟ったクローカーは逃げ出した。

 チャーララーラーチャラララー!(エンブレムターン

 
 穴底組を待ち構えていたのは粘体でした! 女性キャラじゃなくて残念!! つーかこのパーティー野郎しかいねーよ!!
フォルカー「ヘヴィピックで攻撃します!」
 ちなみにフォルカーは例の吸い取り触手怪物戦でグレイヴを落としたまま。
DM「うむ。ダメージを与えるどころか分裂増殖した」
フォルカー「なに!?」
DM「では敵の攻撃。ライザーに命中し、掴み強化で組みつき対抗ロールは……こっちの勝ち」
ライザー「しまった! 荷物が溶かされる!?」
DM「幸い、今はなんともないようだ。で、フォルカーにも攻撃。一発命中して掴み強化は……こっちが負けた」
(こいつの酸は肉しか溶かせません。でも圧潰させることはできるんで、自分が死んだらアイテムごと粉砕される可能性はある(笑))
ライザー「刺突が効かない……ならば鉄拳はどうかな!? ガントレットパンチ!!」
DM「イエス。分裂もしないしダメージが通ったぜ」
フォルカー「1度下がって、もう一度ヘヴィピックで攻撃だ!!」
DM「じゃあまた分裂増殖」(結局3体に増えた写真)
リッツ「まったく効かずに分裂させた武器でまた攻撃!?」
フォルカー「ウォーハンマーに持ち替えます!」
ライザー「パンチを食らえ! パンチパンチ!!」
DM「ライザーに攻撃命中、殴打ダメージ11点、酸ダメージ4点」
 それぞれ各個に戦い続ける両ファイター。
リッツ「……………………!!!」
 物凄く何か言いたそうにしているけどその場にいないので言えないリッツ。
DM「…………うん、わかる。何を言いたいか俺には全部わかる。わかるぞ」
 果たしてリッツは何が言いたかったのか!

 そんなこんなで戦闘終了!

リッツ「なんで別々の敵を攻撃してるの? 攻撃は一体に集中! それと強打!」
 粘体のACは多くの場合、メチャクチャ低い。ファンブル以外で外さないほどに低い。つまり、命中率を下げてダメージを増やす強打にとっては絶好のターゲット。ぶっちゃけ、全力で強打していれば分裂体なら1ラウンドの攻撃で撃破すら可能だったかもしれないほど。長くても2ラウンドで死亡確定。
 フォルカーはそんな強打を会得していながら、攻防一体(命中下げてAC上げる)し続けていたのだ。
 そしてもう一方のライザーも強打は使えたのだが……D&Dはキャラのカスタマイズによる幅広さがハンパではなく、今回の様に「朝いきなり欠席を伝えられ、急遽代役」は、例えるなら「TCGでいきなり借り物のデッキでデュエル」ってな状況。つまり、コンバットオプションを使いこなせというのは酷であった。ルールが理解出来ないわけではない。キャラが出来ることを把握したつもりでも、咄嗟の時に出てこないのだ。
リッツ「くそっ! AP使ってでも助言すべきだったか…………!!」
 その場にいない人間が助言などする場合は、APを使えばよい。だがリッツはもう殆ど残っておらず、極力温存しておきたかったのだ。だがしかし、それでも「キャラが死ぬ」という状況を回避する為には躊躇すべきではなかったかも……と後悔。

 そう、戦闘終了時にライザーは残りHP1、フォルカーは死亡していた。

 チャーララーラーチャラララー!(エンブレムターン
 最後はダス&ホークアイ組!! 彼らの行く手に待つものはいったい!? 後編に続く!!

●プレイヤーズコメント

・リッツ
 クローカーの奇襲で、一瞬で散り散りに。
 大ピンチ! だが、ここは皆の力が試されるとき。

 苦戦する戦士達。だが、これを自力で倒せないようでは戦士である意味がない。
 彼らだってもうベテラン。ここは自分で気づいて欲しい。しかし……このままでは!
「いいたいことは、わかる。わかるぞ」
 どうやら、目は口ほどにものを言う、だったらしい。バレバレだ!
 しかしこれはDMの助け船。
 頭を使うんだ、漫然と戦ってはダメだと暗に彼らに教えてくれているのだ。
 よし、攻撃の集中には気づいた!
 しかし、時既に遅く低ダメージではやはり……。

 結局、戦士は死んだ。
 これで良かったのか、私が間違っていたのか、未だに悩む。
 いずれにせよ、結果は覆らないのだが。



・アウリス
 さすがに今回は笑っていられなかった……。
 リッツがAP使ってまで穴の底にいる戦士二人を救うべきか悩んでいたというのに。
 所詮、手の届かぬ所と考えること自体していなかった。
 猛省!



・ライザー
 一反木綿ことクローカーさん初登場の巻。そして欠席して本当にごめんなさい回。
 ここで中の人がいなかったばかりにフォルカーが……。



・フォルカー
 あああぁ〜やってもうた……。
 恐慌状態にされて穴に落ちる………(昔あったよそんな事)。
 落ちた先の粘体は対処法がまったく思い付かなかった。
 切りつけたりするのが効果的だと思い、斬撃は出来ないので刺突攻撃で応戦したのがマズかったですね。
 見事分裂、でも別れたのだからクリーチャーそのものが二分の一程度に低下してこのまま戦えば倒しきる事が出来ると考えてしまっていました。
 殴打のみが有効だと分かった時点ではこちらが押されてて、結果大負けしました。
 んー活躍もしないまま危険な目に遭ってしまいました……。
 敗因の多くは、自分の特技等を忘れて防戦に徹したことです。
 スランプ、吹き飛ばせなかったな……。



・ダス
 まさかのカーテンさんご本人登場(笑
 生粋のドSに翻弄され離散。危険な予感がビンビンです。アウリスとリッツにもしもの事があれば……なので無事撃退できたようで何よりです。そして前線二人組みはまっさかさまに粘体戦。もう少しで肉が同化してしまうとこでした……。
 この戦闘はもう反省しきりです。確かに思い返せば、リッツにここまで負荷を掛けずに戦えたはず。しかしもう後の祭り、次こそは!

■“海洋”キャンペーン 第6回(パーティーレベル7) 後編

 
 恐慌状態でダッシュするダス! するとガッシャーンと退路が遮断された!
DM「そして正気に戻った君は明かりを持ってないので暗闇の中。で、何者かに殴られたぞ。ホークアイは暗視があるから見えてる」
ホークアイ「チィッ、厄介そうなデカい奴がいるぞ……先制攻撃をする!!」(行動リッツ、台詞DM)
DM「機会攻撃だ! だがAC24にはさすがに当らん!」
ダス「俺より硬い!!」
ホークアイ「喰らえ!! 1ダメージ!!」
 偵察機としては比類無き力を誇るホークアイだが、やはり偵察機。ダメージは1D4-2と非常に低い。つまり悪を討つ一撃を用いない場合は戦力外である。
ダス「陽光棒をつけるぞ!!」
DM「すると目の前にはやたらパワフルなボディのこんな奴が『ブモー』とダスに攻撃!」
アウリス「『コラー、こんなところでなにしてるだー!?』」
DM「ブモーッ!! 14ダメージ!!」
アウリス「ブーマーみたいだ(笑)」
ダス「うぉぉ、でっかい!!」
リッツ「ここが一番ピンチだよ!! 穴の方は戦士一人でも楽勝で勝てた組み合わせだから、ここはキツい!!」
ホークアイ「どうにも分が悪いようだな……ここは戦いを避けた方がいいんじゃないのか?」
 ちなみにホークアイは人の言葉を理解はできるけど喋れない。しかしこの状況はDM権限によりドラマティック効果を発動。極限状態の戦友同士、目で通じ合ってるとしています(笑)
ダス「そ、そうだな……ホークアイ、逃げるぞ!! 軽業使って後方に抜けます!!」
リッツ「いきなり!?」
DM「じゃあ敵は残されたホークアイに組みつこう。超小型の彼に勝てる方がおかしいわけで……」
リッツ「基準値-10ですよ!? 舐めんな!!(ヤケ」
 つまり、絶対に勝てません。
ホークアイ「いけえええええ!! ダスぅぅぅぅぅ!!」
ダス「クソっ! いけるわけねぇだろぉぉぉぉ!!」
リッツ「逃げるぞ!っていきなりさっさと逃げ出したのがこの結果なんだぞ、わかる!?(笑)」
 リッツの言ももっともで、つかみ掛かられたら絶対に勝ち目がないホークアイを取り残しての撤退はかなりの死亡フラグ。
DM「たしかにダスが防御専念でもなんでもして、まずはホークアイを先に逃がした方が圧倒的に分が良かったなぁ」
ホークアイ「来るなぁぁぁ!! どうせ俺は助からん!! 俺を無駄死にさせる気か!!」
ダス「くぅぅぅぅ!! さっきの移動で逃げ過ぎた! 接敵出来ない! こっちだデカブツ!! かかってこい!!」
 離脱しかけていた足を止め、踵を返すダス。
DM「組みつき対抗ロール勝利で17ダメージ」
 圧倒的なパワー差に全身が悲鳴をあげるホークアイ。
アウリス「その時ダスの脳裏にはエイミーレンタの顔が……」
 以前のプレイで買っていた娼婦の少女の名前です。
アウリス「がんばらねば……あの娘を救うためにがんばらねば……」
リッツあの娘を救うためにここは生き残らなければ……」

 
ダス「クソォォォォ! ホークアイを放しやがれぇぇぇぇ!! 突撃!! 命中! これスニークアタックは」
DM「乗らないね」
ダス「4ダメージです……スニークアタックが効かないだと!?」
DM「組みつきで13ダメージ」
ホークアイ「俺のことは構うな…………逃げ……るん……だ」
 頭をグシャリと叩き潰されるホークアイ。
ダス「ホークアイィィィィィィ!! お、俺がハンパに逃げたせいで……!! 身体を奪い返せますか?」
リッツ「これまだ五体満足だけど、喰われ始めたりしたら……」
DM「確率が0とは言わないけど、まぁ殆ど成功率は無いだろうね」
ダス「泣きながら撤退します……」
 ダンジョンの深部へと離脱するダス。
ダス「死ぬな、これ……」

 
 そしてクローカーをどうにか退けたリッツ達。
 魂の絆でホークアイが事切れたことを感じているリッツが駆け付ける!!
DM「格子の向こうに見えたのは、ホークアイと思しき肉をクチャゴリと貪っている巨漢の姿だった。そいつは君を見てニヤーッとなる……様に見えた気がした」
リッツ「貴様ァァァァァァ!! よくもホークアイをォォォォォォ!!」
 知識ロールの結果、ブラッドハルクというアンデッドだとわかる。死体を寄せ集めたフレッシュゴーレムに近い存在で、パワフルなこと以外には取り立てて厄介な特殊能力は持たない。脅威度は4。
ダス「そりゃあ急所無いわ……」
リッツ「アンデッドだと……!! 破邪神を信じる俺に!! 許さん!! 貴様は俺を怒らせた!!」
 戦友の死に怒りの炎が天を突き破り、強化呪文を唱えて真っ向から迎え討たんとするリッツ。
 ブラッドハルクが格子を持ち上げ、接敵するや否や始まる足を止めての苛烈なクロスカウンター!!
アウリス「仇を取るというのなら、俺は力を貸すだけに留めよう!」
 シールド・オヴ・フェイスで防御を向上させる以外は、キュアに徹するアウリス。
アウリス「思う存分戦われよ!!」
 まさに限界バトル叩き付けて、傷付いたっていんじゃない状態。
 攻撃呪文は一切無し! ダメージは全てスピアのみ!! オラオラオラ!!
 一応リッツと表記はされてるものの、実はレンジャーレベルが1混ざっているライトな魔法戦士の意地を見せる!

DM「その一撃で敵は遂に倒れた」
 何度も「次の一撃を喰らったらヤバい」という状況に陥っての勝利であった。
リッツ「仇は討ったぞ、ホークアイ……かならず生き返らせてやるからな……」
 死体の一部さえ残っていれば、費用はさらに高額だが蘇生は可能なのだ。床に残された僅かな羽根を拾い、放心状態になるリッツ。
 そこへ「一歩ずつ捜索して進みます」と、慎重なんだけど速攻で追い付かれるような宣言してたもんだから殆ど遠くへ離れてなかったダスが、戦いの音が途絶えたことを聞きつけて戻ってくるのだった。

 次回 魁! 海洋キャンペーン!
「ホークアイ死す! 苦戦の冒険者! 頼みは粘体の部屋に大量に落ちていたマジックアイテムだ!?」
 そこんとこ、ヨロシク!!


●プレイヤーズコメント

・リッツ
 ホークアイを愛してくれた皆様に感謝。
 パーティー1のナイスガイであり、数々の窮地を救った彼は、まさに「DMはもう一人の仲間」という言葉の体現といえる存在でした。
 蘇生費用は約11000。装備品の欠損も激しい今の我々には途方もない金額です。
 ですが、必ずや彼の勇姿を取り戻して見せます。
 それまで、しばらくのお別れです。



・アウリス
 ホークアイィイ!
 まさか彼が逝ってしまうなんて……。
 そんな我がアウリスも、リッツの心中を察し、回復に徹したことで漢なイメージに(笑)

 キャンペーン始まって以来のピンチな気もしますが、反省を活かし乗り越えたい。



・ライザー
 ……ホ、ホークアァァァァァイ!!
 まさかパーティ1のナイスガイともっぱら噂なあいつが逝ってしまうとは……。
 これを読んだとき、その場にいなかった事を悔やんで胃に穴が開きそうでした。



・フォルカー
 ホークアイは漢を見せてくれた……。
 何度も防戦ばかりしていた私に「戦う漢」とは何たるかを教えてくれたような気がします。
 そしてパーティに積み重なる数々の危機……。

 気持ちが下がって行く一方です……今日は早く寝よう。



・ダス
 えぇ、まずは……全国の……ホークアイファンの……皆様に……謝罪いたします。
 自分よりACが高いとはいえ、彼は超小型の聖獣。彼を先に行かせるのは当然でした。
 そして、メイン攻撃が効かない絶望。逃げざるをえなかった無力感。暗然と続いた道への恐怖。ぐぅー、たまらんのう。現れた壁は、果てしなく高く、強固。
 猛攻するリッツを眺めつつ、反省タイムです。