まにぃロード
#1


著者 栗橋伸祐
出版社 メディアワークス
掲載誌 電撃大王
発行日 2002/2/15
定価 550円
オタク 4.75
パロディ 2.63
シリアス 2.75
ギャグ 3.25
痛さ 2.88
好きさ 3.88
 ここはかつて電気の街と呼ばれていた。
 電器店が軒を連ねてその安値を競っていた……。
 今、ここに集う『萌え』『濃』の漢たち。彼らはこう呼ぶだろう……。
「聖地」と----。

 僕自身は聖地と崇めるほどでは無いものの、最早なんて呼ぶかは関係無いですなぁ。確かにあの街はオタクを惹き寄せてならないパワーを発しているのは間違いないのだ。
 一般人はそんな様相を前に恐れおののき、時には罵るだろう。そんな見方を吹き飛ばす名言が、この作品には存在する(左図参照)。
 経営不振で閉店寸前だった小さな電器店を、オタク文化に対する熱い想いがエネルギーな漢・武藤武蔵が持前の知識と経験、そして情熱を武器にそれぞれ実に魅力的な三姉妹と力を合わせて立て直す、というのが基本ストーリー。
 オタクらしい行動に「あるある!」と感じるタイプの既視感系作品ではなく行動誇張系作品なので、すっ飛ばしたギャグ演出が多用されます。しかしそれだけに留まらず、要所要所でツボを押さえたシリアスさも展開されるので笑いあり涙ありである。
 平野・島本のように飛び抜けた、狂気の域に達しているパワーは無いものの、丁寧に描かれた良作です。
 他のオタク作品と一線を画している点としては、扱う趣味の対象としてミリタリー方面が大きく扱われていること。そしてそれが知識が無くても楽しめるように描かれていますよ。
 エヴァ以降キャラの命名法則を兵器からにしている作品が色々と誕生しております。
 まにぃロードも登場人物のほぼ全てがが太平洋戦争時の艨艟たちから名前を持ってきてるのですが、ちゃんとメインキャラに関しては命名の由来をストーリーと絡めてくれたのは嬉しいですな。っていうか感動して泣いた。
ゴルゴ31
 オタク度指数の高さはかなりのもの。ただ「萌え」よりもWLやサバゲのような「燃え」の指数が高いのがこの作品の特徴ではないかと。しかしはるなさんのような「萌え」もきっちりあるのは最高。っていうかはるなさん萌えです。
 ただ、同じくオタク度指数が高い「げんしけん」と違い主人公がとびっきりのオタクであるのでちょっと痛さも漂ってますね。それが読みやすい「げんしけん」と比べて読者を選んでしまう所かな。「げんしけん」と比べる作品ではない気もしますが。

さぼり
「オタクは確かに普通の人から見れば奇異にうつるかもしれない。だが、オタクはオタクなりのスジさえ通せば決して卑屈になる事はない」といった方向性。
 ウンチクや行動はかなり暴走気味ではあるもののどのキャラも社交的で、ネタの範囲もあくまでホビーの域にとどめられているので痛さはあまり感じませんでした。「こち亀」やラーメン探求モノのような大人のオタクの落ち着きを感じさせる漫画。
 追伸:はるなさんの髪型変更は神の決断。

月咬
「何もいかれちゃいない 君が知らなかっただけだ」
 オタクの世界とはまさにそういう世界。そういう世界へと誘うガイドブック……というにはやや偏ってますが、本当に作者が好きな事を描いているおかげでうすっぺらなネタ漫画では終わりません。

にゃろ
 タイトルに恥じないマニアックなジャンルをチョイス。
 なじみの薄いジャンルではありますが、名言とも言うべき作者の叫びが所々にしこまれており、なぜだか共感し納得させられてしまうことしばしば。
 作者の趣味への愛情と、妙なマメ知識が読後に爽やかな(?)明るい作品です。

美月
 この漫画は経営理論などのようなお店を構える知識こそ描かれてはいないが、物を作り、売るという喜びを味わえる漫画ではないでしょうか。
 いかに個々の作品に愛情を注げるか。売る方も買う方も大事な事だと思う。
 レイチェルのコスをすべく、髪を切ったはるなさんには涙せずにいられない。

「何もいかれちゃいない 君が知らなかっただけだ」
 オタに限らず全てのものに共通することなのに作中で言われると妙に説得力がある。
 オタネタというとどちらかというと二次元を対象にした作品が多いなか、WLフィギュアコスプレサバゲと3Dなものを熱く語った作品は数少ないのでは?
 元ネタがわからないと楽しみにくいパロディ系ではないので安心して読んで、読んでるときは熱く読後はほんわかな気分になる貴重な作品です。
 あとAct3と4の扉絵エロいね。

檸檬来夢
 最初読んだときは、軍艦とか興味が無かったのでほとんどスルーしていたのだが読み進めて行くうちに、オタ度合いがふえ、かなり楽しめた。
 長女さんがコスプレの為に髪を切るエピソードは、少し物悲しかった。ロングの方が好きなので(笑)
 あったら行ってみたいなぁ、まにぃロード。

ワダツミ