ラブやん
#2


著者 田丸浩史
出版社 講談社
掲載誌 アフタヌーン
シーズン増刊号
発行日 2003/7/23
定価 514円
オタク 3.14
パロディ 2.43
シリアス 1.43
ギャグ 4.14
痛さ 4.57
好きさ 3.71
 ロリ・オタ・プーの三重苦。
 ニッポンの男の子だもん、ダメで当然!

 流石にそれがスタンダード化するのはどうか。
 というわけで破滅的・絶望的・非道徳的オタ漫画の最狂エージェント・カズフサ再び。
 天使長は確かに萌えキャラなのでボクとしても視姦を敢行したい所存であります。流石にその場でイメージファイトまでは至りませんが!
 常日頃から母親や未亡人キャラ萌えを公言して憚らない小生ですが、ジャモジさんとカズフサ母の不倫ネタは本気で居たたまれなくなりました。いくらなんでも相手を選んでっ! 初めてカズフサに同情した瞬間。
 さて、一巻において史上最低の駄目野郎っぷりを十全にアピールして我々の度肝を抜いてくれたカズフサですが。なんか二巻だと目的意識さえバッチリ存在していればその実行能力は割といけてるんじゃなかろうか、という気にさせてくれるようなくれないような……。無論基本的に最悪なんですが、「やれば出来るんだが、救いようのないほどやれない奴」という印象を持ってしまった……いいのか、自分。
 実際問題、ビルドアップしてみせろとか言われたからってできそうもないからなぁ……。
 あー、いや。うん。特別感じ入るものはありませんが、人が好きな分には否定もしないような消極的肯定を……。むしろオバニソとの組み合わせに胸キュン?
あおぼうず
 二巻に入り天使長メテ・ルーが出てきたりラブやんのダメさ加減が際だってきたりしていますが、それでもカズフサにはたいした成長が見られません。まあカズフサ成長しちゃったらこの漫画終わっちゃうわけですが。
 この二巻でひときわ良かったのは最後に収録されている話でしょうか。宇宙人がやってきて地球人代表と一対一で対決、というまんま某名作第一話のパロディなわけですが(タイトルも「やかましい人たち」と狙ってるし)、それを鬼ごっこではなくお医者さんゴッコなどという欲望にまみれた遊びで対決するなど、田丸浩史独自のネタで固めて非常に頭の悪い話へ昇華しており ます。

寄星蟲
 前巻から変わらない、レッドゾーンでブラックな笑いのダメ人間漫画。
 ダメな主人公カズフサに引きずられるように堕ちていくラブやんが痛い……。しかし、能力給の職場であんなのに当たれば給料も減るよねぇ。さらに、カズフサのかあちゃんにまで不穏なフラグが立っちゃってます。
 これだけ色々あっても、発奮すらせずにマイペースで視姦したり体中の養分出したりしてるんだから、意外に大物かもしれません。いや、間違っても、そんな大物にはなりたくないけど。

ゴルゴ31
 相変わらず駄目。キングオブ駄目。少しは成長しても良い様な気もしますが、それじゃあ田丸漫画ではなくなるのでこれはこれで良いのでしょう。……良いのか?
 しかし地球の危機が来ても「お医者さんゴッコで!」とぶちまけるこの男は本当に酷い。……しかしオタクには見つかってしまう自分との共通点。見つからなかった方は「あー良かった」とこの漫画に笑っちゃって下さい。見つかった方は「あー……」と自分に失笑しちゃって下さい。

にゃろ
 一巻では銀河系の彼方へ吹っ飛ぶほどのイカレっぷりで怒涛のデビューを飾った主人公カズフサですが、この二巻では危険なダメオタとしてそれなりに理解の許容範囲に収まる日常のシーンが進行していきます。
 そうして彼らを徐々に身近に感じながら眺めていくと、今まで気づかなかった同じダメオタの自分とカズフサとの共通点なんかが見えてしまったりして、凹んでみたり、笑ってみたり、と。

羽澄葵
 現在する全ラブやんの中で私のもっとも好きなコマ(二巻二一頁三コマ目の委員長)が出
てくる巻であります。今までこれほど見事にきれいに自然にバランスの取れたメガネを描けた漫画があっただろうかいやない……とそれだけでも充分見る価値のある本だと思います。立派なメガネ漫画です。しかも天使長も出てきて見所一杯!本当に素直にこの巻は大好きなんです……。
 お医者さんごっこはイイデスね……じゃなくてカズフサの行動にイチイチ共感してしまう自分を殺したい。
 ところでワダツミさん、スクール水着にアミタイツは如何なのでしょう?

 一巻から引き続き読者がひきそうになる限界ギリギリのネタで突っ走る二巻。
 新キャラのメテ・ルー様やジャモジさんVSカズフサ父、とうとう犯罪者になるカズフサと見所満載。
 そしてやはりカズフサと自分の共通点に気づいて凹んだりするのです。
 それはそうと十二話でジャモジさんが静江=カズフサ母って知ったみたいだけど九話でカズフサの家に来たときには気づかなかったのかな、と。

ワダツミ