全日本妹選手権!!
#1


著者 堂高しげる
出版社 講談社
掲載誌 ヤングマガジン
アッパーズ
発行日 2001/10/09
定価 505円
オタク 3.75
パロディ 1.75
シリアス 1.08
ギャグ 3.58
痛さ 3.50
好きさ 3.08
「『ザ・妹』 癒し系は数あれど、身内の温かさに勝るものなし!! 無敵の黄金律を誇る妹三人衆が、あなたのハートを萌え殺し」
 でも萌え漫画じゃないんだよな(えー
 いや、勿論萌え要素が皆無とか言う危機的状況なわけではないのですが、単なる妹萌え漫画をオタ百で採り挙げるわけがないわけで!
 序盤こそ左図をご覧の様に妹キャラの生活模様を盗撮し、それをスタジアムに集まった五万人の妹萌えオタクが大鑑賞し、繰り広げられる兄妹模様にアナウンサーが身も蓋もなくも小気味良い突っ込みを入れるっつう極め付けにヘヴィな駄目っぷりを披露して「急角度な妹萌え漫画」であることを見せつけてくれるものの……。
 その正体は妹萌え漫画の皮を被った同人女漫画である。
 三人妹キャラのうち、メイン格であるロリ妹が入部してからこの物語は本格的にスタートする事になるのですが、なんかもうその瞬間から鬼ディープな先輩たちが放つ強烈な個性が主役を乗っ取らん勢いで迫りくる。どっち向いてもとんがったキャラばかりなこの作品において、数少ないまともな感性の持ち主である彼女は心のオアシスだ(えー
 ところで恐ろしくストレートでデンジャラスな雰囲気でやおい系同人活動が描写されてるんですが、これってどこまで信じていいんでしょうか(笑)
 全体的にお色気シーンがかなり高い割合を占めているのですが、狙ってあざとく描いているギャグのインパクトの方が強くてエロ萌え路線での実用性は低い気がします。男オタクを馬鹿にしたネタも好き嫌い別れる所かな?
 でも恵美は可愛いなぁ。だがしかし典子ですよ、典子。右図の眼鏡っ娘ですよ。なんか劇中じゃ素顔も可愛くない扱いされてますが、絵を見る分には十分萌えた!
あおぼうず
 女子高の同人漫画部を舞台とした生態観察お色気漫画とでもいいましょうか。開き直ったかのようにお色 気シーンをギャグとして頻繁に挟んでくるのは実に楽しいです。
 一応タイトル通り妹をネタにしているのですが、実は特に妹にこだわらなくとも成立するネタが多いのではと思います。とりあえずお色気ネタに持って行っておけ、という作者のあざとさが見えますがそれはそれ で良いかと。
 お色気ネタ以外でも腐女子同人作家ネタなどオタクなネタもそろっているのですが、一巻の時点ではそれ ほど量が無いのが残念です。

いちめどー
 トゥルーマンショーって知ってますか?
 一人の男の人生が実はテレビ番組として実況生中継されていたという映画です。
 実はこの番組は、「妹」と呼ばれる少女たちを対象として日本でも行われていた!……というのはまあ冗談なのですが、まさにそんな内容です。
 妹たちの萌えの生態を、彼女たちは気づかないテレビカメラを使って余さず中継。
 それをコメンテーターたちが解説と言う構図は、萌え漫画というよりはまるでドキュメンタリーのようです。
 まあ正直扱ってる内容はそんな高尚なものではありませんがね!

虚無零
 妹の妹による妹ファンのための漫画。
 実妹、腹違い、義妹と妹のオンパレード。
 様々なシチュエーションと僅かなエロで楽しませてくれる。
 しかしそれは最初だけで、何故か途中から高校の漫研(801系)が舞台のオタネタ漫画に変貌。
 今回はパロディを「1」としたが、巻が進むにつれてパロディの度合いは激増する。
 個人的にはオタネタに溢れる二巻以降の方が好きだが、一巻もこれはこれで面白い。

m-hiro
 久しぶりに一巻読んだんですが、あぁ……最初って本当に妹漫画だったんだなぁと思いました。
 なんて言いましょうか、一時の妹ブームを皮肉ったような漫画内容なんですが。妹キャラというのをちゃんと押さえてて、悔しいかな面白いです。
 もう一巻のケツあたりからは、ただの同人女の話になってますが、そこからがまた面白い……。
 途中から題名変えちまえよ!と思いましたけど。

かーず
 いや〜同人女の生態を見た気がします……ってゆーか絶対嘘でしょこれ!
 可愛い絵柄と凶悪な同人系ヲタネタの応酬が飛び交う(俺内でかなりの)問題作。
 この人のオタクネタは自虐的というよりは攻撃的で、人によっては「カチン」ときそうなものですけど、まだ一巻なのでその辺は大人しめ。
 この巻は、四コマ漫画の同人女の生態よりも、実況中継がメインの「選手権」がギャグのキレが冴えてて爆笑できます。特に、チャイナ律子の朝までコンビニでコピー→電車内で製本→サークルチケット忘れてメタルギアソリッド並みの密進入とか、ありえない非常識さがウケた。

寄星蟲
「ブサイクやコギャル彼氏持ちなどは戸籍が認めても我々は認めません!!」という発言から始まった妹選手権ですが、いつの間にか女性向同人活動漫画になっているではないですか――と思ったらその方向で突っ走るわけではなく、なにをやりたいのか良く分からない迷走状態のままだらだらと続く漫画にみえます。単行本を買ってじっくり読むよりは、雑誌を読むついでに気軽に読み流すのにちょうど良いんですよね。そういう意味で、雑誌ごとリムーブされてしまったのはちょっと悲しいですね。
 最後に、私は桜井典子が一番萌える。

クインテッサ
 なんか前半と後半で別の漫画読んでる気分になるんですが……とりあえず妹の文字に惹かれて読むと多分困った気分になります。だんだんオタ同人娘の話になって、妹とか割とどうでもよくなってるし。
 最近の妹ブームやオタクという生き物を自虐的に描いている、というよりもむしろこの作者実はオタク嫌いなんじゃなかろーかなんて邪推してしまいます。観客のオタク男のリアクションなんかも時々どことなく微妙な違和感を感じるし、「オタク男はウザい」ってのはむしろ作者の本音じゃないのかと(笑)
 なんにせよ独特の雰囲気に引いてしまって個人的にはダメでした。

ゴルゴ31
 二巻以降ならオタク度は5で良いと思うのですが一巻はまだオタネタが少なかったので1ポイント減で。
 やおい原稿を描くシーンのノリは「こんなことまでするか!」と思うでしょうけど、ギャグとして分かりやすいので結構好き。どちらにせよ作者の本領が発揮されるのは二巻以降ですからねえ……。

にゃろ
 妹キャラってのは好きですよ。萌えですよ、ええ。
 でもこの漫画に限って言えば、妹を使って何をしたいのかがつかめず、読んでいて非常に戸惑う戸惑う。
 なんとも微妙な妹の萌えシチュ実況とあざといエロシーン。連発される自虐ネタにオタ叩き。作品内の妹マニア達だけが熱く盛り上がっていて、読む側としてはは冷める一方。
 妹キャラがやおい系の下ネタを連発するということへのギャップや、いっそ妹モノと思わず全部を、ネタとして楽しむ分にはイイのかもしれない。

 キミ……妹だね(はぁと
 そんな妹臭を嗅ぎわけるスキルは欲しいとは思わないけれど、妹だらけのこの作品。
 妹よりもオタクのほうが出る人数多いじゃないか、と無粋なつっこみはしない方向で。
 オタクの行動に対するツッコミ系のネタは下手すると同属嫌悪のような後味の悪いものになるけど、それを感じさせない妹(とやおい)を前面に押し出しまくった強引な笑い。
 萌えと嫌悪の飴と鞭。読み終わるともう脳みそは妹でいっぱいです。
 なにげにメガネキャラの登場率がハンパじゃなく多いのもポイントかと。

檸檬来夢
 この漫画、タイトルどおりの全日本妹選手権なのは最初の三回だけのようなそんな気もしなくも無い、たまにやってますけど(笑)
 まぁなんていうか、ギリギリな話の多い気がします、兄妹の話になるとソフ倫がだまってないような気もしなくも無いですが、漫画だからOKですね。
 本編始まってからは、いつのまにか同人女の話になっています、しかも妙に生臭い話だったり、浮いた話だったり良く分かりません(笑)
 まなみの天然ボケっぷりが良かったり、恵美の元気なところが良かったりしかし、一番の悪魔は操ですね、あのモニターの数はやばすぎでしょうよくもまぁ、こんな紙一重っぽい漫画が続いてたもんです。

ワダツミ