げんしけん
#2


著者 木尾士目
出版社 講談社
掲載誌 アフタヌーン
発行日 2003/6/23
定価 505円
オタク 4.82
パロディ 3.00
シリアス 2.64
ギャグ 3.36
痛さ 3.09
好きさ 4.64
「ぼくらの大学生活はこんなに楽しい!!
 マンガ・アニメ・ゲーム好きが集うサークルの極楽な日々!」

 というわけで美少女にいきなり告白されたり、大量の妹にモテモテとかの「極楽」までは行かないまでも、オタにとって憧れを禁じえない環境を描く作品第二巻。
 一巻の時点で「この漫画の主人公は笹原じゃなくて咲ちゃんじゃね?」という声が囁かれてましたが、二巻においてそれは疑惑から確信には変わります(えー
 殆ど出番の無いコミフェス編以外はほぼ全部主役として大車輪の活躍を繰り広げる(笑)
 文化祭で元彼と交わされるおっそろしく微妙な空気乾きまくりのトークは生々しさ満点で、恋愛漫画も手がけていた作者の力量を見せつけられることに。
 でも北川さんの告られシーンは強引さが鼻についたかも。あのタイミングで告白するかー!?
 対オタクリアクションに関してはどれもこれもニヤニヤしっぱなしなのも相変わらずなのですが、その中でも飛び抜けてクリティカルなネタは咲ちゃんとコーサカの性生活で。ウルトラ生々しいったらもう。うちも襖一枚で親が寝てたんだよ!(最悪だ
 普段なら余裕で嘘八百はお手の物って感じの咲ちゃんがやたらボロ出しまくってるのも萌えならば、ぷよぷよを覚えて妙に嬉しさソワソワ足取り軽い所とかもナイスだね(笑)
あおぼうず
 二巻に入ってキャラ立ちもはっきりとしてきたところで、オタク描写を楽しませる漫画からオタクという人種を使ったコメディ漫画に話のベクトルが移ってきていますね。
 そのためか、当初主人公として登場したはずのササハラですが、キャラ的に薄いためにしだいに脇役へ転向(笑)
 二巻中では妹ネタぐらいでしか脚光を浴びていません。無念。
 逆に咲は影の主人公から表の主人公にクラスアップしてますね。
 これはやはり非オタの咲が介在することで、他のオタク達のキャラが活きて面白くなるからでしょう。

いちめどー
 冒頭から大野さんによるコスプレが見られる第二巻。
 しかし、それより何より個人的にもっとも評価したいのは、最萌えキャラである北川さんが活躍しているという事です。
 その自治委員会所属という立場上、大学でなんらかのイベントが無い限りは出番は少ないのはわかりきった事なんだけどね!
 でも貴重なメガネっ娘ですよ!しかも委員長気質で(委員長じゃないけど)重い秘密を抱えてるキャラだなんて最高じゃないですか。こういう娘さんが赤面しているだけで御飯を美味しく頂けます。
 コミケ関連の事に関しては、本当にイベント会場で指折って我慢していた知りあいがいるのですが、後でポロポロ泣いてた様が面白かったからノーコメントで。

m-hiro
 もう、斑目にシンパシーを感じてしょうがない第二巻。
 僕もコミケ中に肩の骨が抜けたことがありますが、「これだけ並んだのに!」とか思いますよ本当に!!
 あと、巻中の四コマで笹原の着メロがパンピ向けだった事について、ムカついてる斑目の気持ちも凄いわかるんですよね。
 かと言って、堂々とアニソンの着メロにできないんですけどね!僕らみたいな人種は。
 やっぱり「覚悟がたりない」んですよ。

隠されたトウフ
 一巻に比べ、げんしけんに馴染んだ春日部さんがメインとなる話が多いわけですが、オタク的視点から見るなら、やはり斑目メインのコミフェス話の回が必見かと。
 コミケのために早朝から出かけ、並ぶうちに上がるテンション、そして……。
 いろんな所で思考がシンクロして「コミケってこうだよなぁ」という気持ちになれます。
 個人的に他の話でも斑目とのシンクロ率が高いせいかもしれませんが。

ゴルゴ31
 もうこの二巻からは咲ちゃんのオタク転落人生の始まり始まりとでも言いましょうか完全に咲ちゃんが主人公です。ネコミミ付けて、ゲーマー目指してもう立派なオタクではないですか!(違
 まあ変に茶化しましたがオタクじゃない咲ちゃんが主人公であるのは絶妙な上手さだと思います。オタク世界を知らない一般層の案内人として機能しているので、一般層に「オタク世界ってこんな風なのか」と感じさせることが出来てると思いますからね。無論オタ読者は相変わらずオタクの日常を感じとれるし、咲ちゃんが堕ちていく様は見ていて楽しいし、一巻の面白さそのままに咲ちゃんが目立ってきたことが更に作品を面白くしてます。
 しかし、これを読むたびに思いますが何故私は学生時代にオタクに目覚めなかったのか……。

零黒
 咲の元カレ、自治会副委員長、主人公の妹、と非オタの介入により一層際だつ現視研ワールド。
 相変わらずニヤリネタは多いものの、二巻は全体的には色事多し。
 痛いほど解ってしまうゲームやグッズ、コミケへの執着心や、間に挟まれるくじアン名場面集へのコメントがオタ的ツボを刺激。
 会長の謎っぷりや現視研廃部の危機など、マンガ自体も飽きさせない。
 そして大野さんより北川さんのほうが可愛いと思う奴もここに居るのです。

にゃろ
 壁を打ち破りすっかりオタに染まった笹原君に代わって、春日部さん大奮闘の巻。
 やっぱり、その溢れるパワーとバイタリティが「げんしけん」を引っ張ってますよね。
 コーサカ相手の健気な頑張り(と空回り)がまた、ポイント高し。
 オタの世界にはどうしても溶け込めない彼女が、その象徴である現視研という枠の中では見事になじんでしまっているのが本当に面白い。

hidaka
 咲ちゃんが文化祭で猫耳着ける第七話に始まり、折角入った新入会員が咲ちゃん&高坂カップルに虐められる第十二話まで収録された第二巻ですが、今巻の僕的必見エピソードは第十話「サドマゾ」でキマリ。オタクカップルの夜の生活をここまで大っぴらに(そして正確に)描いた作品を、僕は見た事がないですよ! 本当に、この話読む為だけでも二巻は手に取って欲しいくらい。超爆笑出来る事請け合いです(僕、初見が雑誌連載時に立ち読みだったんだけど、本屋で膝から崩れ落ちちゃったもの)。……しかし高坂、三十分持たせるのはそれはそれで凄いなぁ。
 あ、勿論他のエピソードも現代オタクの生態をそのまま切り取ったいつものノリで、面白さは折り紙付き。一巻で感じた「こーゆーのあるある!」を存分に楽しめますよ。

 学園祭、コミフェス、新人勧誘……コミックの半分はそんなお祭りネタがメインだけどお祭りとはいえオタクがオタクを表現できる場所も結構あるんだな、と気づかされつつ。
 主要メンバも出揃ってキャラが突っ走り始めたこの二巻。
 骨折しても同人誌を求める斑目や、(コスプレを)やれる機会には全部やりたいと言い切る大野さん。
 細かなジャンルは違うけど相変わらずストレートな追求をしている彼らを見ていると響心しまくりなのです。
 そしてそこまでして手に入れた本のある部室で鍋を囲むのは本が傷むからやっちゃイカンとも思ってもみたり。

檸檬来夢
 祝!アニメ化。しかし、本編よりも、話の間におまけではさまれている「くじあん名場面集」のほうが気になってしまいます。一部支離滅裂な設定でどんな話なのかが楽しみです。こちらもアニメになるんですよね。
 コミックのカバーめくったところに並んでるトレカ風イラストがお気に入り。
 さて、漫画のほうは学園祭から部長引退、コミフェスという具合ですがやはり学園祭における咲のネコミミは普段が普段な分、破壊力がある。
 現視研の備品、大野さんのコスプレも結構見れるので楽しいですな。でも、でかい胸はやっぱり……もうちょっと控えめの方がいいです(苦笑)

ワダツミ