コミックマスターJ
#1


著者 作画 余湖裕輝
脚本 田畑由秋
出版社 少年画報社
掲載誌 ヤングキング
OURS
発行日 1997/12/15
定価 495円
オタク 2.38
パロディ 3.00
シリアス 3.38
ギャグ 3.13
痛さ 1.88
好きさ 4.13
 伝説----
 どんな業界にも一つや二つあるもんさ。
 あんた達が今読んでいる漫画業界も例外じゃない。
 しかも、それは、とびきりの伝説だ。

 依頼料五百万。どんな切羽詰まった修羅場であろうと彼の手にかかれば切り抜けることができる。
 但し……彼の力を借りることができるのは、その実力を認められた作品だけ。魂を感じない作品ならば、どんな大金を詰もうと彼のペンを動かすことはできない。
 言わば漫画業界版ブラックジャックであります。黒がモチーフのBJと対局を成すように彼のカラーは白。
 栄養ドリンクとカップラーメンが相棒だ!
 神域にまで高められた彼のテクニックはあらゆる作家のタッチを再現し、下書き無しでペン入れすら可能とする。
 驚異的なのは画力だけではない。ストーリーすらオリジナルの設定を壊すことなく極限まで表現するその力は正にコミックマスターの名に相応しい。
 対抗できる漫画家は岸辺露伴くらいしかいないのではなかろうか(笑)
 漫画業界に存在する様々な困難、軋轢、矛盾をJは打ち砕く。時には自らの手で。時には人間誰しもが持っている胸のエンジンに火をつけることによって。そして時には突き放すことによって。
 というわけでとにかく熱い。島本漫画級の震えるぞハート、燃え尽きるほどヒート。
 これは漫画の為に己の全てを捧げた戦士達の激闘を描いた魂の戦記である。
 伝説のスーパーアシスタントは走り続ける。全ては面白い漫画の為に。
かーず
 前回の島本和彦「燃えよペン」と「ブラックジャック」が核融合を起こして、テーマや絵柄がカルト的なのに、危ういバランスで王道的に出来上がった作品とでもいいましょうか。情熱を持った漫画家や編集者には救いの手を、増長した思い上がりには天罰を。実は勧善懲悪?
 法外な値段で超絶な仕上げをするスーパーアシ、漫画業界では割と知られた都市伝説なんですってね。とりあえず、今回の機会に4巻まで買いました。

月咬
 ギリギリまでーがんばって〜〜♪とウルトラマンガイアのOPが頭の中で鳴り響くようなどうにもならないピンチに現れるマンガ家の強い味方!
 島本和彦とはまた違ったプロフェッショナルな熱さがたまりません。
 Jの技術とスピードを少しでも欲しい……。

ゴルゴ31
 漫画界版「ブラックジャック」なわけですが漫画界のルールや傲慢な編集部を実力のままにぶった切るJの姿は爽快の一言。
 やっている事はギャグですけど漫画好きなら見た事、聞いた事があるような話の設定が妙なリアリティを感じさせる作品です。
 そういった点から見るとオタク漫画というより漫画好きの為の漫画かな。

にゃろ
 舞台はいつも修羅場。颯爽と現れ不可能を可能にし、去っていく伝説の男。
 そんなJの熱い信念と、作家や編集者の仕事への真摯な姿勢を怒涛の勢いで描く熱血ヒーロー漫画。
「燃えよペン」とあわせてお薦めの漫画家入門への一冊です!?

東山海里
 簡単な自主映画を作るやつはまず見れ!!ということは言わないが描いている本人らが自主映画を作ってたりするせいか、動きがあるマンガ。
 ネタ所がいろいろあるのでそれを探すのも面白いかも その辺少し同人誌っぽいノリもあります。
 オタクマンガではありませんな〜。
 でも伝説って本当にあるみたいですよ?

 作家のワガママに振り回される編集さん、編集からの無理なスケジュールに追われる作家、不慮の故事で描けなくなった作家、そんなピンチを五百万で助ける良いマンガのためなら命をかけるカップラーメン好きのスーパーアシスタント。
 コートの下に道具を揃えて常に持ち歩いたり、無茶な仕事量を心配するおやっさんとヒーローものが好きならたまらないような要素ももりだくさん。
 マンガの未来のために戦う連中の熱い話が詰まったお勧めの1冊です。

檸檬来夢
 法外な依頼料、完璧な仕事、ただし自分の気に入った仕事しか受けない漫画界のブラックジャック、ひとことで言うならそういう作品。
 時折出てくる、おやっさんや、謎のネットワークなんかが秘密組織らしくて好き。
 Jの正体を見抜いた少女の話とか、泣けるので一読あれ。

ワダツミ