壮太君のアキハバラ奮闘記
#1


著者 鈴木次郎
出版社 スクウェア・エニックス
掲載誌 月刊Gファンタジー
発行日 2003/7/27
定価 552円
オタク 3.83
パロディ 2.33
シリアス 1.83
ギャグ 3.50
痛さ 2.83
好きさ 3.17
「『二次元か三次元か、それが問題だ』
 江夏壮太18歳。明るくサワヤカで人望厚く、彼女もいる。そんな彼の誰にも言えない秘密。それは、オタクであるということ」

 主人公に可愛い彼女がいる時点でちょっぴり本を閉じたくなったロンリーオタッキーワダツミです(えー
 というわけで隠れオタクがどんどんとその身持ちを崩されていく漫画なわけなんですが、メインの舞台となる秋葉原にあるオタクショップの店長の隠れオタクに対する嫌悪っぷりが凄い。客扱いしない。
「私は敗北主義者です」とかプラカード付で吊るしかねない勢いです(えー
 当然そんな店長ですから、隠れオタな上に彼女持ちの主人公に対する風当たりは半端じゃない……かと思いきや、嫌うよりも熱心に強制矯正しようとするので、そこがこの作品の奮闘記たる所以……だと思ったのですが、その辺の路線は割とあっさり崩壊するので実際には主人公が自分より濃いオタクに翻弄されまくるお話に。
 壮太は自分がオタクであるという事を明確に自覚しているので、認めずに他のオタクを小馬鹿にするような嫌味さはありません。当人のオタっぷりも完全にギャグの領域な為、振り回される様子が面白おかしい。が、彼への不満があまり無いだけに却って店長の壮太への惨い仕打ちが不愉快に感じてしまったりもしました。
 ところで、エリとげんしけんの咲ちゃんはどっちがオタ彼氏を相手に茨の道歩んでるのかなぁ、と思うワダツミであった(笑)
SW20
 最初読んだとき、隠れオタでなにが悪い!と思わず叫んでしまった一冊。
 と、そんな私、実は隠れオタの一人。大学では、一般人の皮をかぶって生きてます。
 なので、こそこそーっと秋葉原に行ったり、オタがばれないかドキドキしたりと、壮太君が痛いほど理解できます、はい。
 オタのカミングアウトによる、彼女との仲の再認識、新たな友情の芽生え。
 これならば、カミングアウトもいいかなーとも思ったけど、このご時世オタへの風当たりが強いのでなかなか出来ない罠。
 ところで、実際に「御宅堂本舗」があったら、私はここでの買い物は許されないんだろうなー。

ゴルゴ31
 登場人物たちのオタ度の濃さはかなりのもので、そんな彼らのドタバタなオタ話も良いのですが個人的には壮太がオタであることを隠そうと必死になる話の方が好きです。オタになりたての頃ってああいう心境になるんですよ本当に。彼女がいれば尚更に。何というか若かったあの頃を思い出しました(ぉ
土方涼
 隠れオタク。されどこいつは半端じゃないぜ。
 自分は高校のとき、教室内で友人とG’sやらhm3やら読んでいた人なんでそこは大きく違いますが、(そもそも彼女なんていなかったし)壮太くんのオタクライフは高校生時代を思い出しますね。お金ないのにトレカ買ったり、DVD買ったり、もうキャラが好きで好きでしょうがない。ムックのイラストと目が合うだけで、隣にいると妄想するだけで、心臓の鼓動が早くなる。きっとこいつもそうなんだろーなー。
 ちょっとありえないぐらいまでの濃いキャラがコミカルで、その暴走っぷりが愉快な漫画です。難があるとすればイマイチパピコが萌えないことでしょうか。

 おたくさん、盛りだくさん。
 と、帯に書かれてる割には数人しか登場しないおたくさんたちですが、そのぶん隠れオタクなのにかなりディープな主人公壮太君が必要充分に活躍しています。
 元隠れオタクの人が読んだら"わかるわかる!"と思える行動が多々あると思う。
 オープンなオタクさんや一般人さんはコレを読んで、隠れオタクの人々がいかに苦労して隠そうとしているのか知る一端となるかと……思われます。

檸檬来夢
 アキハバラそれは魅惑の街、兼、混沌の魔界。
 そんななか、彼女もいるのに隠れオタクをしている壮太くんがカミングアウトしていく、甘く切ない物語。
 最近のオタクは、以前のグローバルスタンダードなイメージとは違い壮太のような、一軒普通だけど中身オタクがスタンダードになりつつあります。しかし、悟りを開いたような友人のケンジ、そんな奴滅多にいない……と思いたかったが、心当たりも何人かいたのでした。あなたも探してみよう。
 彼女にコス衣装プレゼントは、いつかやてみたいですね(笑)
 二次元最高オタク万歳。

ワダツミ