時空管理局 特務機関NERV リーゼロッテ&リーゼアリア
 管理局最強の魔導師の使い魔である以上、管理局最強の使い魔であろう。
 アウトレンジの魔法戦を得意とするリーゼアリア、クロスレンジの格闘戦を得意とするリーゼロッテがサポートすることで、中核となるグレアムはその力を存分に発揮することが可能となる。
 そう。自らの魔力を分け与え、常時消耗を負担しなければならない使い魔の性質上、本来ならば一体の契約が妥当……というか現実的であり、その分野に天賦の才を持つフェイト・T・ハラオウンですらアルフのみなのだが、グレアムは二体。それでは消耗を抑える為に能力は低いのかというと決してそのようなことはなく、状況次第なら単独で複数のAAAランク以上と渡り合うことができるという桁違いの力を持つ。これは単純な魔力量だけではなく(それも非常に高いが)、使い魔としては例外的な永きに渡ってグレアムに仕え培って来た、莫大な戦闘経験が為せる業といえよう。
 そして真に凄まじいのは、これだけの使い魔を二人も維持しながら、明白に力を損なっているとは思えない主グレアム。元々Sまでしか存在せず、AAAランクの時点で都市一つを灰塵と化すまでの力を持ち、若手最強と目される愛弟子クロノ・ハラオウンをしてもAAA+。Sとなるとヴォルケンリッターを引っ張り出さなければならないという魔導師ランク。これがインフレともとれるSSSランクまで設定されているのは、グレアムの成長に対応する形で増やされていったからである。

 真面目で礼儀正しいリーゼアリアを見た人間の反応としては「さすがはグレアム提督の使い魔だ」と感心するのだが、ざっくばらんな性格のリーゼロッテに対しては「部下のリンディ提督の使い魔ですか?」と冗談めかされることもしばしばである。クロノ同様にリンディも彼女たちに師事していたので、無関係ではないのだが。母がリーゼロッテ、息子がリーゼアリアにより強い薫陶よろしきを得たと思われる。

 主のNERV赴任後は使い魔としては例外的に幕僚のツートップとなっている。本来なら「階級も持たない使い魔風情が」と軽く見られるところなのだが、こと彼女たちに関しては主の名声がモノを言いまくる上、実務も下手な提督より実戦経験豊富で戦術処理力にも長けているという現実を前に「猫の姐さん!」と慕われている。可愛いし。
 しかし変則的であることに変わりはなく、他者へは寛容であっても自身には厳しい筈のグレアムがこういった私的な人事を行なったことに疑問を持つものも少なくない。過去の提督勤務の時も、このような前例は無かったのだ。