「いよいよ明日ですね〜」
「そうだな。もっとも実際に怪獣共にぶつけてやれるのはまだまだ先の話だが」
だがにこやかに微笑む眼鏡の少女に応える声は、隠しきれない歓喜に満ちているのは誰の耳にも明らかであった。
ここは富士の裾野地下。
国内の軍用精密機器に大きなシェアを持つ月村工業と、「ゆりかごからミサイルまで」取り扱う多国籍巨大複合企業バニングス・エンタープライズ・ジャパン(以後BEJ)が「来るべき危機」すなわち「対使徒兵器の開発」を日本政府から請け負い、秘密裏に建設された研究開発施設。
施設用地は日本政府が提供し、BEJが全体を管理・建設しているこの「秘密工場」では今「秘密兵器」が艤装を施されていた。
対使徒用決戦兵器ガジェット・アローン
現状、使徒に対して米軍のN2兵器以外に対抗手段を持たない日本人の希望。
富士火山帯の地層からしか採掘することができないレアメタルより精製されるエネルギー結晶体で駆動する新型炉を搭載。
「しかし月村のお嬢様はさすがだね。色々あったがここまで漕ぎ着けられたのは彼女の力あってこそだ」
「そうですね〜。私達から技術を供与させて頂いたとはいえ、月村工業……いえ、彼女が所有していた人型兵器に関するノウハウは……その〜ハッキリ言ってこの国の文明レベルと比べて非常識ですわ」
「それに関しては君のお姉さん達にも言われたよ」
心底感心したといった様子の少女……クアットロに対してゲンヤは満面の笑みだ。
「俺もまさかこんなスーパーロボットで日本の平和を守ることができるたぁ……なぁ、ギンガ?」
「がんばる」
「そうだな。そうだ。がんばろうな」
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