時空管理局 特務機関NERV 戦術科主任 クロノ・ハラオウン三等空佐
 己の命と引き換えに多くの戦友を救った英雄クライド・ハラオウンと、その妻にして名艦長リンディ・ハラオウン。二人の類いまれなる遺伝子を受け継ぎ、歴戦の勇士ギル・グレアムとその使い魔から手解きを受けた生っ粋のサラブレッド。それが、クロノ・ハラオウンなる少年へ世が与えた評価である。
 年端もいかぬうちから恵まれた環境で研鑽を積み重ね続け、その努力が裏切られることなく開花したゆえの現在というのが客観的な評価と言えるのだが、人並み外れた努力を実行し、さらには結果が結びつくことそのものが天賦の才だろう。
 母とは真逆に実直過ぎる性格が時に融通の利かなさとなることもあるが、最年少の執務官として数々の事件を解決した功績は、実務能力の高さを裏付けている。

 NERVへは本人の希望と艦長(つまるところのNERV)の意向が合致する形で転属となり、執務官ではなく戦術科主任として着任。
 あらゆる状況に対応可能な彼の戦闘力は極めて高く、同じく万能型な義妹フェイト・T・ハラオウンとの模擬戦闘は近距離限定等の「フェイトが得意とするレンジ」においてすら互角で、ミドルレンジ以遠になるほど勝率が上昇し続ける。索敵段階から始める広域遭遇戦ならば無敗である。
 執務官が直接戦闘にのみ優れていてもこなせない役職な以上、状況を選ばない適正も当然とはいえ、その際立って突出した優秀ぶりは未来の提督も確実と目されているゆえの最前線指揮官抜擢だろう。

 所有するストレージデバイス「氷結の杖デュランダル」はグレアムが対闇の書用に開発した最新型。
 闇の書事件最終局面では、デュランダルの力を利用することで実現した極大凍結魔法エターナルコフィンが戦局を左右する重要な鍵となった。
 このように本来は凍結魔法特化という単一目的の為に造り出されたカスタムデバイスであるが、基本性能も量産を前提としないワンオフ機ゆえに極めて高く、それまで愛用していたS2Uをあらゆる面で凌駕する。そこで所有者であるグレアムが継承を希望したこともあって、事件解決後もクロノが使用することになった。
 なお対使徒戦を想定するにあたって、カートリッジシステムを組み込んで大幅な戦力強化を果たしている。

 若々しくて美人な母親、犯罪的に可愛い義妹、偉大な猫耳美少女師匠が二人、優秀で可愛らしい士官学校同期……トドメとばかりにイケメン。妄想具現完備ここに極まれリなフルスペックライフをおくる彼に対し「取って代わりたい同僚ランキング」不動の王者だと情報科のロングマン一等陸士は吐き捨てた。