対使徒戦用に新造された超大型次元航行艦艇。
使徒を相手取る為の機動司令部として必要とされる様々な装備を許容する為、空前絶後の巨艦となった。また、時空管理局初の「戦闘艦」というカテゴリーに属す艦でもある。
本来は有事の際に追加ユニットとして増設される魔導砲「アルカンシェル」を、固定武装として備えているのが攻撃面における最大の特徴。しかも、現在用意可能な最強の火砲すらまだ不足という要求に対し、単純且つ確実な方法として二基搭載されている。
副砲は新たに開発されたカートリッジシステム対応型で、集束率を高める為に形状も既存の艦載砲から一新したものとなっている。このシステムは以前からプラン上存在していたが、「そのような火力は過剰であり不要である」という考えの下に実用化には至っていなかった。しかしながら、今回に限っては「あらゆる手段で戦闘力を確保せよ」という命令に従って実装されたのである。これによってAAAランク魔導師に匹敵する高速直射弾が砲撃可能となった。
単装砲はカートリッジシステム未搭載の従来型ながら大口径化し、L級次元航行艦の備砲よりもワンランク上の砲撃魔法を発動可能。
防御用の浮遊型結界展開ユニットも当然の如く最新兵器。戦闘時に艦から三基一組で射出され、周辺空間へ展開する。その後それぞれが三角形の頂点となって魔力基点化することで、従来の次元航行艦が有していた個艦防御結界システムよりも(個々の防御範囲は狭いが)遥かに強固な魔力結合力を持つ、超高斥力なシールド魔法を発動する。艦体に施された多重抗魔・抗物複合装甲(バイタルパートは最大で二二層にも及ぶ!)との相乗効果は、アルカンシェル以外のあらゆる(質量兵器を含む)攻撃に抗堪可能という触れ込みである。
異彩を放つのは艦全体に備えた誘導弾発射装置で、対艦・対空・対結界等様々なバリエーションの誘導弾を運用可能。そう、その構造は禁断とされる質量兵器のそれである。使徒殲滅の為には手段を選ばないと豪語するNERVといえど、こんなものを正式に搭載する許可など降りる筈がないのだが……。
そして、この艦を決定的に従来の次元航行艦艇とは別格の存在としている装備がある。メインコンピュータに超大型複合デバイスを搭載しているのだ。その名を「ユグドラシル」と呼び、「アースガルド」「ミッドガルド」「ヘル」という三つの大型インテリジェントデバイスで構成される。一説では本局中枢コンピュータをも凌駕するという圧倒的な演算能力と、インテリデバイスならではな自律魔法発動であらゆる対応能力を飛躍的に高めている。
なお、ユグドラシルはプレシア・テスタロッサが試作段階で遺棄を余儀なくされたテクノロジーの一つで、PT事件直後のどさくさに紛れて彼女の様々な知的・物的遺産の多くを勝手に接収・引き継いだNERV技術科が、独自の改良を加えて完成させたいわくつきの逸品だということを知る者は少ない。そして大魔導師の残照が「これだけではない」ということも。
全長 |
450メートル |
重量 |
286000トン |
主砲 |
アルカンシェル二基 |
副砲 |
290mm連装魔導砲二基 |
他 |
150mm単装魔導砲八基、誘導弾発射装置七六基 |
防御装置 |
浮遊型結界展開装置三三基 |
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機関 |
ヒュードラ改 四重法陣式魔力駆動炉 |
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